Count it all joy, my brothers, when you fall into various temptations. (Jacob 1.2)
2022年3月28日月曜日
2934:水資源管理戦略の階層?
イギリスの地政学者コリン・グレイによると、戦略の階層は「①世界観、②政策、③大戦略、④軍事戦略、⑤作戦、⑥戦術、⑦技術」といった7つの階層に分けて戦略を考えるためのツールである。
水資源分野だと、
1.ビジョン
2.政策
3.戦略
4.アクションプラン
5.戦術
6.技術
かな。5.戦術は、調査計画でしょうか。最後の6.技術に前回書いたモデルなどが入ります。
水資源開発管理計画を策定する場合、最も重要なのが最後の技術です。
合意形成を図るためのモデルの選定が大事になってきます。これが弱いと、進めません。
一方、戦略の上位に政策があることに異論がある場合があります。逆だと。でもねえ、やはり政策が戦略の上位が常識だと思います。
2022年3月19日土曜日
2933:前回の続き:水資源開発管理のモデル
前回紹介したセミナーで、アメリカ人の専門家がアメリカにおける水資源開発管理モデルについて解説したが、JICAの専門家とかコンサルもほとんど理解できていなかったようだ。だから質問もなし。ただJICAの専門家が無知な質問をしていたね。
「ところで、水資源管理上の合意形成のモデルってなんですか」だって。
彼もJICAの専門家なんだけど、これまで20年近くやってきて、やっとこさ水資源管理で博士号を取ったけど、無知なんだね。彼の学位のテーマは確かアフガニスタンでの水資源管理の合意形成だったかな。所詮事例研究か。たぶん東大の中山先生の研究室でしょう。あそこの人は文系もいたりで、理系で水資源計画も知らない人ばかり。
水資源計画管理のモデルって、歴史ありで、1960年代からのテーマ。
最初はシミュレーション、次に70年代からは最適化手法の適用、そして、80年代前後から多目的計画手法の適用。
90年代から2000年代に入って、管理の重要性が出てきた。
セミナーの発表者が言うように、いくらコンサルがモデルを作成しても利害関係者には所詮ブラックボックス。それじゃ―、出てきた答えも評価できない。
彼が言うように、モデルはデータ、手法すべて理解されないと認められないね。
コンサルが去ってしまったらモデルの再現性はだれもできない。5年後新しい水文気象データ、ディマンドも変わればモデルの再構築しないとね。政府関係者だってできないわけだ。
セミナーで無知をさらけ出したJICA専門家とはアフリカで出会っているが、彼の技術仕様書はそうしたことがわかっていなかったね。モデルの再現性がわかっていない。合意形成に多目的計画手法を取り入れるセンスもなかった。そういうのがJICAの専門ですからね。困ったことです。
モデルは必ず再現性がないと、数年後には忘れ去られる運命。
日本では、せいぜいシミュレーションだけだね。最適化手法も多目的計画手法も見過ごさられている。勉強が足りないんだね。
と言ってももう無理かな。
僕が最適化手法や多目的開発手法を実際のプロジェクトで適用したのは世銀融資案件。もう1988年だから34年前。
シミュレーション技術もかなり進化した。
JICA案件の低レベルにはこうした背景がありますね。コンサル頑張れ!!
2022年3月3日木曜日
2932:IWRM関連のセミナー参加
IWRMも2002年以来フォローしてますが、もう廃れたかと思っていました。僕自身、もうIWRMなんていう発想はないし、水と土、すなわち、water and land resources management and planningという発想で流域管理に取り組んでいます。それが住民参加の一番いい方法。
水だけだと土地利用が関わらないのでね。森林や農業とかさ。
昨日のセミナーはアメリカ人の専門家でした。アメリカ工兵隊の研究所の人。彼のボスも2008年にセミナーしてましたね。
彼の経歴を調べると、コーネル大出身で水文学を学んでました。なんだ同業者だね。
セミナー参加は50名ほど。僕以外コメントや質問はなかった。当たり前なんだけど、アメリカの水資源管理の歴史や実際を知らないとやすやすと質問コメントはできないね。それだけコンサルも質が落ちている。せいぜいJICAさんの案件で指示書に基づいて調査計画するだけ。
発表者の内容を理解して疑問点を指摘はできない。特にモデルの話と住民参加の段階ね。
モデルは再現性がないと管理できないんですね。コンサルが作成してあるオプションを提示しても、関係者には所詮ブラックボックス。だけも信用しない。それと時間が過ぎるとデータも変わる。その時にモデルを動かそうにもコンサルなしじゃ無理ね。そこが重要なんですね。持続性の。
日本のコンサルの実力が明らかになっただけでもいいかな。IWRMより水資源と土地資源の持続的な開発と管理という発想がないと続かない。。。
僕ももう67歳ですからね、40代から50代のコンサルももっとお勉強しないといけません。
昔、20代から30代の前半までに、1960年代からアメリカの専門誌、Water Resources Researchを読破して、さらにハーバードの学者が書いた、Design of Water Resources Systemも読んだね。
こういう基礎的な知識の積み上げがないとアメリカ人の専門家のセミナーを聞くだけで終わるね。残念ですねえ。
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