2024年8月3日土曜日

2958:JICAフルボ酸詐欺事件

先週ですかね、JICA民間連携事業で不正事件が明らかになった。前から知っていたけど、やっと公開された。この民間連携事業は10年前から実施されていてこれまで14000件。年間で100件以上だね。通常はJICA事業はコンサルタント会社に委託されているが、中小企業を中心として民間企業の海外事業展開を支援する事業だ。 これまで不正事件はあった。日本原料という水処理会社が水処理の触媒に関する不正会計を行った。今回は国土防災技術というコンサル会社だ。フルボ酸を利用して植物活性剤としての実証を行うという。日本ではフルボ酸のビジネス化実証はほとんどやられていないが、海外ではもう普通のこと。 国土防災の実証試験はパラグアイで行われたが、結果は素人的。写真で利用前利用後の植物の成長の違い程度。それもフルボ酸液剤を500倍に希釈するだけ。作物の違いに希釈量を変える検討はなし。作付け工程のどこでどれだけ散布するかもない。追加コスト、人件費、機械、水などの検討もなし。これでは、経済財務分析はないといっていいだろう。JICAさんも知らないことだから、詐欺的調査は見抜けなかった。 どこかでチクられたんじゃないかな。責任者は開発者でもある。部下の部長や社員もすでに退職している。現地の知り合いからも情報あり、責任者の悪行に堪えられなくなり現地での支援を途中で辞めたそうだ。その人曰く、「天罰が下った」。 責任者は国土防災技術の取締役だが、社内通達で本部長を解任された。まだ取締役は続いているがいずれ解任されるだろう。 コンサル会社がこのような不正をするのは大変遺憾だ。コンプライアンス完全無視。彼のことは知っているが、第1印象は、「詐欺師」。民間連携事業の問題を浮き彫りにさせた事件であった。

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