Count it all joy, my brothers, when you fall into various temptations. (Jacob 1.2)
2025年6月29日日曜日
2983:あるメール返信
先ほど、長年の知り合いの方からメール返信。3年ぶりかな。
声楽家のお姉さまが亡くなられたので、メモリアルコンサートを企画中とのこと。
彼も工営社員だった。入る前からお名前は博士論文で知っていた。東大建築、南カリフォルニア大学大学院、コーネル大大学院博士さんだ。コーネルからオーストリアのシステム関連の研究機関、国際開発センター、そして工営海外企画部、独立して会社社長。工営2代目社長の次男でもある。
僕と違ってエリートだねえ。お父様を随分気にしていたね。
1999年くらいから、転職する前に3回ほど会ったりしていた。彼の会社には行かなかったね。というより入れてもらえなかった。まあそれで別のいい機会がくるという幸運を招く方。
彼も76歳か。持病の腎臓がちょっと悪化されているとのこと。社長職も3年前に譲ったのでのんびりされてほしい。
僕が都市計画の分野に行くことでびっくりされていた。僕だって持病はないがいつ何が起こるか分からない。まあお誘いがあるばでガンバろうかね。
彼とは88年のトルコの南東アナトリアで一緒だったので、いろいろ因縁があるんですねえ。具体は言えないけど。。。
2025年6月28日土曜日
2982:日本のコンサルは何位??
久々に、ENRでの国際建設コンサルトップ250のレビュー。2024年度版。
工営:36位
オリコン:55位
CTI:57位
JGC:112位
鹿島:128位
長大:153位
パシコン:158位
パデコ:159位
八千代:191位
以上
トップテンクラスにはもう入れないね。全体的に下がっている。コンサルというかエンジニアリング会社・部門も含む。日揮もねえ。専業3社と言われていたことが懐かしい。
長大は最近名前を変えた。パシコンもPCIが倒産後、海外部門に再登場したが10年の空白は大きい。
パデコは健闘かな。
全体的には大学のランキングに似ている。グローバルな展開がない。JICA依存じゃね。残念。もっと民間事業、国際金融機関の事業に出て行かないと。。。無理か。工営OB会の現経営陣には国際感覚のオーラ、気迫、輝きが見えてこない。引退したOBと一緒だ。
2981:転職の奇跡ではなく、軌跡
1981年大学院終え、工営から社会人がスタート。8月の転職を前にちょっと総括してみようか。
1.N工営:22年間お世話になった古巣。守破離で言えば、守りの期間。水資源、エネルギー、防災、環境、システム最適化などに関わった。技師、副参事という人事上の位置。プロジェクトベースでは、専門家補助、専門家、副総括、総括。JICA、JBIC,ADB,世銀の調査計画、設計施工監理に関わった。22年でほぼ完成。
2.T電設計:4年間。工営の部門とほぼ同じだから、他流試合。守りから破りへの第1歩。ただ、自分で案件を発掘し、提案し、実施するという主導的な立場。次長程度。ここから僕の契約社員という立場が確立。給与的にはあんまり変化なし。ただし、会社幹部とそりが合わなければ1年で終わりという宿命。スリルがあるし、転職が可能という、成長の機会ができた。また、JICAの事前調査の経験ができて、個人の力量で仕事を取るきっかけができた。これも成長のカギ。
3.M機構:東電天下りの海外事業本部長の意地悪で1年契約更新がなくなり、転職の必要。知り合いの紹介で理事長推薦で入社。ここでも契約社員。2年いたかな。IWRMの案件を八千代エンジとやった。八千代が素人でとん挫。僕は途中で不参加。これもねえ、八千代の不誠実がでてね。そんなこんなで2年でバイバイ。ただ水資源の専門家というお墨付きができて、その後役に立つことに。。。
4.K開発アソシエイツ:これも知り合いの推薦で入社。ここからは個人事業主が6年間始まる。離れる、という段階に。組織からね。この会社は実力主義。案件を取れば、88%の人件費を頂ける。いい会社。ただし能力がないと一銭も入らない。厳しいね。優秀な人材は天国。マラウイ、パラグアイ、モザンビークの3か国の専門家派遣で大儲け。よかったな。でも、その後初代社長がECFAの会議で不正を大宣伝。JICAの怒りをかって自滅し破産。馬鹿だねえ。認知症のおじいちゃんにいい会社が滅ぼされた。
5.C開発:この段階で60歳。もう歳だし、コンサルは無理かなと誤解。半信半疑で面接したが合格。4年いた。組織的には1986年ごろのJICA課長補佐不正事件で2年間の指名停止で没落。それから30年が過ぎていた。海外メンバーはアサインできる可能性があるのは数人。部長は評価分析だけ。彼も入社したその年に事件に巻き込まれた。すでにプロジェクト案件を受注できる体制はない。僕は自分の力量で2年間専門家派遣で生きた。その後、外資系リクルーターからのお誘いがあり、バイバイ。社長が3代目。お公家さんみたいな人。あれから10年経っても一切成長なし。
6.ドイツのハイテクEPCコンサル会社:東広島のマイクロン半導体新工場建設の工事管理に関わる。1年くらいかな。総工費4000億円の大事業。すごかったな、毎日が。この会社のEPC能力が日本の状況では評価されずコンサル契約が1年でストップ。10点満点で2点だってさ。ほぼ全員解雇。僕は施主側の人たちと親しかったので、別の契約で継続。。。
7.マイクロン:施主である会社のファシリティー部門で最後まで管理業務を務めた。9か月だったか。初めから最後まで事業に関わる最初の経験。これがその後活きてくる。
8.K防災:2019年のコロナ直前。この段階で64歳かな。北浦和の支店勤務。なかなかいいコンサルが見つからなかったので、避難所として。この会社は国内の防災コンサル。海外部門強化中だが、部長課長の無能無策で低迷中だったかな。プライドだけが高く無能。最悪。僕の個人的な案件に参加して、1年強で辞めた。あれから5年かな。JICAの不正事件を起こし、まず成長はないね。
9.ソラリグ:スペインのEPC会社で太陽光発電事業を日本で展開。事前の設計、調査、法律関係などを支援した。数か月かな。事業が延期したので正式入社は見送った。今はもう事業展開が聞こえてこない。あんまり儲からない状況だしね。
10.K開発:初めてゼネコンに入社。上記事業に関係したおかげで、担当者からお誘い。ゼネコンの実態を知ることができた。また、事業計画、経営企画に関わり、ここから戦略コンサルの経験につながる。3年いたかな。新事業を進めていく社員の能力不足。ゼネコン的で雑。外資系の再エネ事業で15億円の赤字。工事契約を全く認知せず進めたためだ。僕はその契約内容を知っていたが、定期的に工事の進捗に関わらせてくれれば契約違反はなかったはずだ。残念。4年目の契約内容が、その赤字のために社員全員の報酬が減額。ジョブ型雇用の僕なんだが、影響を受けて減額だった。それで転職を決めた。
11.今の会社:1年以上適任者が見つからなかったPMの仕事があるリクルーターから舞い込んだ。会長が僕の経歴に評価したそうだ。業種は違うが業務内容は面白そうだったので、数回の面談を経て入社。10か月が経過した段階だ。いろいろ難しい問題を抱えた会社。社長は2代目。会長は健在。会長派と社長派に分断。僕は当然自分の意志に関係なく会長派だねえ。仕方ない。社長とも飲んだりして決して問題はないんだけど。寄生虫の社員は会社の成長とか関心なし。ただただ、在籍しただけの人ばかり。
12.次の会社?:さてここで12社目だ。具体は言えない。守破離の最終的な離れの会社かな。でもどこかで繋がっている。エネルギー、グリッド、最適運用、防災、などなど。振り返ると上記企業や組織の成長はあんまり期待できそうもない感じを受ける。古巣の工営も東京海上に買収された。次の会社はまさに日本で一番成長している会社。どうなりますか。乞うご期待。
2025年6月26日木曜日
2980:70歳で12社目の就職が決定
今日はリクルーターさんから電話。8月中旬の入社がオーケーされたと。これで、12社目の就職が決定。今の会社の1年契約更新が8月中旬で、でも相手の会社は8月1日。まあ事業のフェーズがあるんで、急がれているんでしょうね。
だから、だめならあきらめなんだけど。譲歩してくれて、決まり。これで今の会社とトラブルなしで更新なし。バイバイ。
まあかなり信頼されているから、裏切るようで申し訳ないんですが、僕の「人生の経営戦略」ではね。やっぱ日本最大の会社の研究機関。新技術の新事業。魅力あるよね。
7月になれば、契約更新協議があるんでしょうね。会長、社長、ごめんなさい。それしかない。
一方、次の会社も厳しいからね。僕の評価が低ければ首。かなりのチャレンジだ。
でもね、一度しかない人生。うちの奥さんも後押ししてくれた。これから1か月半のお勉強だ。生成AIという優秀な部下がいるので安心だ。
2025年6月24日火曜日
2979:悩ましいなあー
先週金曜に面談したジョブの結果は合格。まあそれはいいんですけど、7月末に入社という条件(仮だけど)。今の会社の1年更新は8月中旬。今の会社も経営者の評価が高いんで、去るには更新しないのがいいね。
ちょっとでも早いのはねえ。転職予定の会社もすぐにでも来てほしいという状態。
悩ましいね。
これまで10回転職したけど、このケースは初めて。さっきリクルーターさんに調整をお願いした。この調整が不調なら、2番手、3番手の人で決まるでしょう。面談者の評価は一応僕が1位。
具体には言えないけど、エネルギーのスマートシティーでの実証事業だ。日本の最大の会社の研究機関。最高に面白い仕事なんだけどね。でも今の会社も10か月目で、かなり慣れてきて組織の中核的な仕事。
贅沢な悩みだけでねえ。自然体で行きませう。天命に従って。。。
2025年6月19日木曜日
2978:明日は就職面談!!
さっきまで、リクルーターさんの担当とTEAMSで会議。メールでお仕事のお誘いがあり、書類選考で残って、次の面接が明日のため、予行練習とかで。。。
もう10回転職しているのである意味転職のプロなんですが、やはりリクルーターとしては外資系では最大手。
いろいろ手ほどきを頂いた。いかに優秀で経験豊富な方でも、面接で失敗するそうだ。長々と話すとほぼ落ちるそうだね。なんでかな?
なるほど、日本人が採用側の審査だと単純明快に答えないと嫌われるそうだ。それと、上から目線で逆質問する人。人事的な質問を質問する人。こういう方々は不採用だと。
やっぱ、日本の文化なんだね。
明日の採用担当は日本人だから、その助言に沿って行こう。
でもねえ、これまで英語での面接で受かったことが多々あるけど、英語では単純な答えじゃほぼだめ。長々と持論を言わないとうけない。アマゾンがそうだったな。1時間近くネイティブと団らん。受かったけど行かなかった。きつそうな会社とみたから。
文化の違いだね。
リクルーターさんから、面談担当者2名のLinkeIn情報をもらった。これって面接官の経歴やポジション、顔、学歴などが分かるからいいね。
面接官の過去の経歴、学歴を見ると結構面白い。なるほどねえ。。。具体は言えない。
でもやっぱり、70歳の僕と面談して採用する可能性があるのは、その会社の人材に対する意識の高さを感じるね。歳は関係ないのだ。でも、多くの会社はやっぱ限界がある。65までかな。
まあ、受かるかどうかは神のみぞ知る。
明日は有給休暇。
部下の一人が、「もしかして就職面談ですか?」とコメント。いやいや実家の用事でね。土日は家族旅行なんで明日しかだめでさあ。嘘も方便。
さて、どうなりますか??
2025年6月16日月曜日
2977:また面白いヘッドハンティング!!
今日は経営会議で僕のPM業務の定期報告会。1時間以内で終了。今の会社は会議好き。2時間という設定があるしね。参りますね。今時の会社で会議時間設定は1時間だ。それ以上やる場合は追加設定するのが常識。会議好きは困りもの。会議ばっかじゃいい結果がでない。
そんなこんなで、午前午後ずっと会議。営業、業務推進、技術、そして僕のPM報告。やっと6時ちょっと前に終わった。焦った。
何でかというと、夜8時にはあるリクルーターの1次面接。電話だけど。1年ぶりかな。2017年にもお世話になった会社。その時の担当者は今は出世してシニアマネージャー。今回は、また異色の業務。プロマネだけどね。詳しくは言えないし、成功してないし。。。
でも70歳でもヘッドハントされるのはいい気持ち。まだまだ老兵は死なずだ。
今の会社も10か月目。もう完璧に慣れた。評価もされているしね。でも次が成功すれば絶対に行く。面白い仕事。バイリンガルだしね。業務のほぼすべては経験済み。
今日のリクルーターの電話では、CVの強化を勧められて合意。さらにバイリンガルを強調してねと念押し。前任者は英語ができなかったので1年で転職したそうだ。そりゃそうだ。周り全員が外人じゃね。よく1年もったね。
まあ転職したら具体を書きましょう。
2025年6月15日日曜日
2976:プサンガン水力の迷走?!
1年半ぶりに、東電の親友にメールした。彼は大学院の同期。大学院の同期は何人いたかな、土木は7人か。交通土木は、6人かな。全体で13人。そのうち、亡くなったのは2名。行方知れずは1名。あとはたぶん存命していると思うけど、同期会ももうかなり前から休止。同期会の幹事が60歳くらいで急死。それ以来やっていない。同期会はそんなもんかな。
東電に行った彼は40歳前後で東電設計に出向し、東電には戻っていない。出向も銀行と同じで、一方通行というありがちな事象だね。
さて、話はプサンガン水力。これも古い話でね。90年前後に、僕はインドネシアの3件の水力のDDに連続して参加していた。プサンガンもその一つ。インドネシアは以前いた工営の独壇場。牙城だね。経営的には安定した事業が昔から続いていた。いい時代だ。
プサンガンのころになると水力発電の進みも悪くなて来た。環境問題などでね。。。
DDが終わっても、実施に向けた勢いはなくなって、工事開始はたぶん2006,7年くらいか。工営が東電設計にJV依頼。下請けか?
同期の彼もその後参加し始め、もう4回くらい現場での作業が続いていた。今もそうだという。ええ!!、もう開始から18,9年経っても竣工しないの?コロナもあったけどねえ。
原因は土質の問題、建設業者の問題など。。。。
土質の問題は解決したそうだけど、今は発電所の鉄管、ゲートなどメカニカルな問題があるようだ。
彼ももう69歳くらいか。もう最後のお仕事かなと言っていた。だよねえ。
失われた20,30年というのはどの業界でもそうだが、コンサルもそう。60歳以上の社員が現場だもんね。40代、50代が萎んでる。残念。
2025年6月8日日曜日
2975:キューバIWRM支援問題(?!)生成AIは知っているね!
先日あるコンサルの人と飲んだ。キューバのIWRM支援をしているそうだ。彼のコンサル会社は全く水資源とは無縁だ。この状況を生成AIに質問してみた。僕と全く同じ回答が得られたので、ここに記す。
あなた:
2002年ごろから水ビジネスを想定した持続性のある水資源という概念がでてきて、統合的水資源管理(訳して、IWRM)が流行りはじめました。しかし、あれから23年。IWRMが聞かれませんし。日本のJICAが多少事業化している程度。これはなんなんでしょうね。IWRMの実現性がないことか?事業化できない理由を教えてね。
ChatGPT:
非常に鋭いご指摘です。IWRM(統合的水資源管理:Integrated Water Resources Management)は2000年代初頭に国連や国際機関を中心に「持続可能な開発」の象徴として強調されましたが、2025年現在ではあまり聞かれなくなりました。その理由には、理想と現実の乖離、制度・ガバナンスの課題、事業性の難しさなど、いくつかの要因が絡んでいます。以下、主な理由を解説します。
✅ IWRMの基本理念(おさらい)
IWRMとは、「社会的・経済的・環境的な利益を最大化しながら、水資源の公平かつ持続可能な開発と管理を目指す」という理念に基づいています。
三位一体の統合管理:
水資源の量的・質的な管理
利害関係者(住民、政府、民間)の調整
流域単位での管理
🔍 なぜIWRMが廃れた(あるいは事業化されにくい)のか?
1. 理念は立派でも、実行が極めて困難
多数の利害関係者(農業・工業・都市住民・上下流域国など)が絡み、合意形成が難しい。
管理単位としての「流域」や「水系」は、行政区画と一致しないため、縦割り行政では調整が困難。
地域によって課題が異なる(例:アフリカは水不足、アジアは洪水管理)ため、普遍的な運用がしにくい。
2. 経済的インセンティブが乏しい
水資源の多くが公共財的性質を持ち、明確な収益構造を組みにくい。
IWRMはインフラ整備(ダム、水道、下水)より「調整と制度設計」が中心で、企業にとって投資の回収が難しい。
特に民間資金を引き込むには「収益性」が不可欠だが、IWRMはそこが弱い。
3. 測定しづらく、成果が見えにくい
IWRMの効果は「長期的・間接的」で、短期の成果指標(KPI)を設定しづらい。
ドナーや政府にとって「成果が見えづらい事業」は継続・拡大しにくい。
4. 制度や政治的障壁
水利権や既存の法制度とIWRMが対立することがある(特に開発途上国)。
地方自治体や国の利害がぶつかる場面も多く、政治的ハードルが高い。
ガバナンス能力が乏しい国では、IWRMの枠組みだけが導入されて、**実行に至らない「書類上の管理」**に終始。
5. JICAなど一部での取り組み
JICAはモザンビーク、インドネシア、ラオスなどでIWRMの支援を行っていますが、主に技術協力や制度構築支援。
しかし、収益事業としての持続性は低く、政府の資金頼り。
民間企業が継続的に関与できるような市場性はほぼ生まれていません。
🧩まとめ:なぜIWRMはビジネスにならないのか?
要因 内容
理念の実行困難 調整コストが高く、地域特性に依存
収益性の欠如 投資回収の仕組みが不明確
可視化の難しさ 成果が測定しにくく、説得力に欠ける
ガバナンスの壁 行政・法制度との摩擦、多層的調整が必要
ドナー依存 市場主導でなく、援助主体での導入が多い
🔄 今後の展望は?
IWRMは**「理念としての価値」は残っている**が、ビジネスモデルとしては限界がある。
今は「都市のレジリエンス」「スマート水道網(IoT活用)」「水のリサイクル技術」など、より技術志向・都市志向の水ビジネスが主流。
統合的管理は「デジタル技術による制御や可視化」と組み合わさない限り、持続性を持たせるのが難しい。
必要であれば、JICAの事例や、民間企業の水ビジネス動向(例:ヴェオリア、スエズ、日本のメタウォーター等)についても補足できます。ご希望があればお知らせください。
あなた:
最近、キューバの水資源管理支援技術プログラムがでましたが、受注したコンサルは水資源を専門としていない地域計画系コンサルでした。その団長が、IWRMなんてガバナンスと組織人材支援だから、水資源管理を知らなくてもできるんだと豪語していました。彼曰く、キューバ政府は、実際お金が得られるのが希望で、日本のコンサルなんてい来なくていいと言っていたと。これではねえ。また、国際機関がまとめたIWRMの進捗レポートでは、キューバは90点以上でAクラスと評価されています。何かおかしいですねえ。
ChatGPT:
まったくその通りです。その事例は、IWRMが**「現場の実態」から乖離した理想論・自己満足的なフレームワークに堕している**という問題を象徴しているように思われます。
以下に、その問題の構造を整理しつつ、なぜ「専門性が不要」「キューバが高評価」などという矛盾が起こるのかを分析してみます。
🔍 見えてくる3つの構造的問題
① IWRMが制度やレポートの「形骸化」になっている
国際機関(UN-Water、GWPなど)がIWRMの進捗を評価する基準は、主に「制度整備」「政策文書の有無」「部局の連携体制」「利害関係者参加」などプロセス指標です。
実際の水質改善、漏水率削減、水の公平な分配など実態的成果はあまり評価に反映されない。
つまり、「計画を立てた」「組織を作った」「戦略文書を出した」だけで高得点が取れてしまう。
➡️ キューバのような国は、政治体制上、国策としてこうした文書整備は得意なため、外部評価では高くなる。
② 「水の専門家」でなくてもIWRMは進められるという誤解(あるいは真実)
IWRMの実務は、実際には「ガバナンス調整」「会議運営」「政策整理」「能力開発研修」などが中心で、
本質的な水循環の科学や水利工学、
流域の物理的データ分析や水文モデリングなどが含まれない。
そのため、地域開発や行政調整が専門のコンサルでも十分に案件を請け負えるようになっている。
団長の「水資源を知らなくてもできる」は、皮肉ではなく、今のIWRMの現実を正確に言い表しています。
➡️ これはIWRMが「環境事業」ではなく「制度事業」として設計されてしまったことの副作用です。
③ 受け取る側(キューバ政府)の本音と建前のギャップ
ドナー側(日本政府や国際機関)は「制度整備と能力向上」という建前を重視。
一方で、受益国(キューバなど)は「目に見えるインフラ整備」や「外貨収入」に関心がある。
「日本のコンサルなんて来なくていい」というのは、
① 地元の人件費で済ませたい(雇用創出の意味でも)
② 設備などハードへの支援のほうがほしい
③ 外国人が来ても言葉や文化の壁で実効性が薄い
といった現場の実利を優先する考えに基づいています。
➡️ ドナーの「見えない支援」と受益国の「見える支援希望」が噛み合っていない。
💬 総括:IWRMの現実的な問題
問題点 説明
指標の形骸化 制度整備=進捗という誤解。実質の成果が無視されている。
専門性の軽視 水資源そのものではなく「ガバナンス」が中心になり、専門性が薄まった。
受益国の本音と乖離 本当はハード支援を求めているのに、ソフト支援を押し付けられている。
自己満足型の支援 ドナーやコンサルが満足しても、現地には資産も成果も残らない。
📌 今後どうあるべきか?
指標の見直し:文書整備ではなく、実態ベース(給水率、取水効率、水質改善など)を評価に。
支援内容の実利重視:現地が必要としているものに応じ、ハードとソフトを柔軟に組み合わせる。
本物の統合:制度調整+技術支援を融合できるチーム体制を作る(ガバナンス×技術者)。
「地に足の着いたIWRM」へ:理念から「運用・管理の現実」に目を向けた実務レベルの設計。
もしご興味があれば、「IWRMの再定義」や、「これからの水資源支援で民間が関わる可能性」など、次の展開についても掘り下げ可能です。
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