Count it all joy, my brothers, when you fall into various temptations. (Jacob 1.2)
2025年6月8日日曜日
2975:キューバIWRM支援問題(?!)生成AIは知っているね!
先日あるコンサルの人と飲んだ。キューバのIWRM支援をしているそうだ。彼のコンサル会社は全く水資源とは無縁だ。この状況を生成AIに質問してみた。僕と全く同じ回答が得られたので、ここに記す。
あなた:
2002年ごろから水ビジネスを想定した持続性のある水資源という概念がでてきて、統合的水資源管理(訳して、IWRM)が流行りはじめました。しかし、あれから23年。IWRMが聞かれませんし。日本のJICAが多少事業化している程度。これはなんなんでしょうね。IWRMの実現性がないことか?事業化できない理由を教えてね。
ChatGPT:
非常に鋭いご指摘です。IWRM(統合的水資源管理:Integrated Water Resources Management)は2000年代初頭に国連や国際機関を中心に「持続可能な開発」の象徴として強調されましたが、2025年現在ではあまり聞かれなくなりました。その理由には、理想と現実の乖離、制度・ガバナンスの課題、事業性の難しさなど、いくつかの要因が絡んでいます。以下、主な理由を解説します。
✅ IWRMの基本理念(おさらい)
IWRMとは、「社会的・経済的・環境的な利益を最大化しながら、水資源の公平かつ持続可能な開発と管理を目指す」という理念に基づいています。
三位一体の統合管理:
水資源の量的・質的な管理
利害関係者(住民、政府、民間)の調整
流域単位での管理
🔍 なぜIWRMが廃れた(あるいは事業化されにくい)のか?
1. 理念は立派でも、実行が極めて困難
多数の利害関係者(農業・工業・都市住民・上下流域国など)が絡み、合意形成が難しい。
管理単位としての「流域」や「水系」は、行政区画と一致しないため、縦割り行政では調整が困難。
地域によって課題が異なる(例:アフリカは水不足、アジアは洪水管理)ため、普遍的な運用がしにくい。
2. 経済的インセンティブが乏しい
水資源の多くが公共財的性質を持ち、明確な収益構造を組みにくい。
IWRMはインフラ整備(ダム、水道、下水)より「調整と制度設計」が中心で、企業にとって投資の回収が難しい。
特に民間資金を引き込むには「収益性」が不可欠だが、IWRMはそこが弱い。
3. 測定しづらく、成果が見えにくい
IWRMの効果は「長期的・間接的」で、短期の成果指標(KPI)を設定しづらい。
ドナーや政府にとって「成果が見えづらい事業」は継続・拡大しにくい。
4. 制度や政治的障壁
水利権や既存の法制度とIWRMが対立することがある(特に開発途上国)。
地方自治体や国の利害がぶつかる場面も多く、政治的ハードルが高い。
ガバナンス能力が乏しい国では、IWRMの枠組みだけが導入されて、**実行に至らない「書類上の管理」**に終始。
5. JICAなど一部での取り組み
JICAはモザンビーク、インドネシア、ラオスなどでIWRMの支援を行っていますが、主に技術協力や制度構築支援。
しかし、収益事業としての持続性は低く、政府の資金頼り。
民間企業が継続的に関与できるような市場性はほぼ生まれていません。
🧩まとめ:なぜIWRMはビジネスにならないのか?
要因 内容
理念の実行困難 調整コストが高く、地域特性に依存
収益性の欠如 投資回収の仕組みが不明確
可視化の難しさ 成果が測定しにくく、説得力に欠ける
ガバナンスの壁 行政・法制度との摩擦、多層的調整が必要
ドナー依存 市場主導でなく、援助主体での導入が多い
🔄 今後の展望は?
IWRMは**「理念としての価値」は残っている**が、ビジネスモデルとしては限界がある。
今は「都市のレジリエンス」「スマート水道網(IoT活用)」「水のリサイクル技術」など、より技術志向・都市志向の水ビジネスが主流。
統合的管理は「デジタル技術による制御や可視化」と組み合わさない限り、持続性を持たせるのが難しい。
必要であれば、JICAの事例や、民間企業の水ビジネス動向(例:ヴェオリア、スエズ、日本のメタウォーター等)についても補足できます。ご希望があればお知らせください。
あなた:
最近、キューバの水資源管理支援技術プログラムがでましたが、受注したコンサルは水資源を専門としていない地域計画系コンサルでした。その団長が、IWRMなんてガバナンスと組織人材支援だから、水資源管理を知らなくてもできるんだと豪語していました。彼曰く、キューバ政府は、実際お金が得られるのが希望で、日本のコンサルなんてい来なくていいと言っていたと。これではねえ。また、国際機関がまとめたIWRMの進捗レポートでは、キューバは90点以上でAクラスと評価されています。何かおかしいですねえ。
ChatGPT:
まったくその通りです。その事例は、IWRMが**「現場の実態」から乖離した理想論・自己満足的なフレームワークに堕している**という問題を象徴しているように思われます。
以下に、その問題の構造を整理しつつ、なぜ「専門性が不要」「キューバが高評価」などという矛盾が起こるのかを分析してみます。
🔍 見えてくる3つの構造的問題
① IWRMが制度やレポートの「形骸化」になっている
国際機関(UN-Water、GWPなど)がIWRMの進捗を評価する基準は、主に「制度整備」「政策文書の有無」「部局の連携体制」「利害関係者参加」などプロセス指標です。
実際の水質改善、漏水率削減、水の公平な分配など実態的成果はあまり評価に反映されない。
つまり、「計画を立てた」「組織を作った」「戦略文書を出した」だけで高得点が取れてしまう。
➡️ キューバのような国は、政治体制上、国策としてこうした文書整備は得意なため、外部評価では高くなる。
② 「水の専門家」でなくてもIWRMは進められるという誤解(あるいは真実)
IWRMの実務は、実際には「ガバナンス調整」「会議運営」「政策整理」「能力開発研修」などが中心で、
本質的な水循環の科学や水利工学、
流域の物理的データ分析や水文モデリングなどが含まれない。
そのため、地域開発や行政調整が専門のコンサルでも十分に案件を請け負えるようになっている。
団長の「水資源を知らなくてもできる」は、皮肉ではなく、今のIWRMの現実を正確に言い表しています。
➡️ これはIWRMが「環境事業」ではなく「制度事業」として設計されてしまったことの副作用です。
③ 受け取る側(キューバ政府)の本音と建前のギャップ
ドナー側(日本政府や国際機関)は「制度整備と能力向上」という建前を重視。
一方で、受益国(キューバなど)は「目に見えるインフラ整備」や「外貨収入」に関心がある。
「日本のコンサルなんて来なくていい」というのは、
① 地元の人件費で済ませたい(雇用創出の意味でも)
② 設備などハードへの支援のほうがほしい
③ 外国人が来ても言葉や文化の壁で実効性が薄い
といった現場の実利を優先する考えに基づいています。
➡️ ドナーの「見えない支援」と受益国の「見える支援希望」が噛み合っていない。
💬 総括:IWRMの現実的な問題
問題点 説明
指標の形骸化 制度整備=進捗という誤解。実質の成果が無視されている。
専門性の軽視 水資源そのものではなく「ガバナンス」が中心になり、専門性が薄まった。
受益国の本音と乖離 本当はハード支援を求めているのに、ソフト支援を押し付けられている。
自己満足型の支援 ドナーやコンサルが満足しても、現地には資産も成果も残らない。
📌 今後どうあるべきか?
指標の見直し:文書整備ではなく、実態ベース(給水率、取水効率、水質改善など)を評価に。
支援内容の実利重視:現地が必要としているものに応じ、ハードとソフトを柔軟に組み合わせる。
本物の統合:制度調整+技術支援を融合できるチーム体制を作る(ガバナンス×技術者)。
「地に足の着いたIWRM」へ:理念から「運用・管理の現実」に目を向けた実務レベルの設計。
もしご興味があれば、「IWRMの再定義」や、「これからの水資源支援で民間が関わる可能性」など、次の展開についても掘り下げ可能です。
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