2010年6月21日月曜日

686:一コンサルタントって?

あんまり落語も歌舞伎も趣味ではないので見ることが少ないが、偶々WOWOWで落語を見ることがあり意外に感心してしまった。

円生や正蔵の演目で有名な「中村仲蔵」である。演じたのは、天才の「志の輔」だったから、感動もんである。落語で涙を流すのも久々だった。

歌舞伎の階級には、

下立役(稲荷町)-中通り(ちゅうどおり)-相中(あいちゅう)-名題(なだい)

の4段階があるそうで、血筋のない仲蔵が大部屋の稲荷町から名題に異例の出世をするお話し。彼の機転と工夫が出世の切っ掛けとなっていて、同時に座頭の大物ぐあいが分かる。兎に角、「ただものでない」仲蔵を周りの反対を押し切って上に引き上げるわけだから、それを引きずり下ろすゲスな輩も多いだろう。

お話し自体は落語を聞いていただきたいが、徒弟制度的なコンサルの社会にも一面通じるいい話だ。

今時のコンサルも、概ね4段階の階級があるだろう。

業務調整
専門家
副団長
団長

サラリーマンとして社内的にはまた別の階級があり、上から下には戻ることはすくない。仲蔵は、名題では演じない格下の地味な役(忠臣蔵の5段目だったかな)を命じられたが、機転と工夫、命をかける真剣さで演じて、クライアントである観客の大評判を得て、それ以降役者の神様として上り詰めたそうだ。

コンサルタントも昔は「ただものでない」人が大勢いたが、今はもういない。社内的な上下関係が支配的だし、創意と工夫で1件1件独創的な仕事を見せてくれる人はいないんですね、これが。ただものでない人は潰されて出世しない世界でもある。

だから、一生一コンサルといっても、活動し続けるのは至難の業なのである。「一コンサル」と言っても団長が当然と思う権力意識の強い人もいるし、小生のように何でも来い、という臨機応変型もいる。まあ、どっちがいいかは本人次第である。役者のような気持ちも感じる。

落語のオチは、

役者の神様が死んじゃー、仏にならねえーよ。

だったかな?

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