2013年6月12日水曜日

1629:サイトから戻る2

5時過ぎに州都に戻る。サイト2日目はここから2時間ほど北に行ったところだ。昨日昼食を頂いた郡になる。

調べれば調べるほど、プロジェクト完了後の管理状況は萎んでしまったことが分かる。予想通りの現状だ。しかし、しっかり定着したモデルもあるので救いだ。詳しくは書けないが。

余談だが、この国は多くの自転車が走っている。田舎でも。町や道路沿いには自転車修理を営んでいる人が多く、またミシンを店の前に置き、洋服の手直しなどをしている店も多い。走っている自転車も古いものばかりだが、修理を繰り返し大事に使っている。

こういう事実と、手漕ぎポンプの修理工の活躍がなぜか結びつく。隣国では、ほとんど自転車もなく、また手漕ぎポンプの地域修理工が不足気味なのだ。見学したAfridevも見事に運営管理されている。ハンドルのところに見慣れぬ自転車のチェーンが巻いてある。なんでかというと、ポンプ利用開始時間が決まっていて、夕方時間を決めて使用停止し、チェーンを使ってハンドルを固定し利用できないようにする。朝、管理者がチェーンを外し利用開始するという。まさにオーナーシップが定着している。こういう例は他国では見受けられない。ちょっとしたことだが、コミュニティーが主導的に管理する優れた実践である。浅井戸のrope wellも初めて見た。我が国は浅井戸建設は支援しないが、深井戸が掘れない地域では、浅井戸でも有効なのだ。通常は、浅井戸は深さが10mほどで水質汚染が懸念され、緊急的処置で設置されることが多い。中央アジアのタジキスタンではUNICEFが緊急援助で設置していたのを見た。アフリカではそうも言ってはいられないのだ。

さらに余談だが、この国の国内線の整備状況はなかなかのものだ。確かに国は広く空路でないと各州には遠い。内戦時、州を結ぶ道路はほとんど閉鎖されていて、飛行機か船での移動しかなかったそうだ。内戦のお蔭とは言わないが、そうした背景で空路が整備されたと推測する。

現地踏査の最後は、インド系の掘削会社の見学。インド政府も地方給水には支援していて、今はフェーズIIIに入ったところ。この会社は、12台の中古の掘削機を所有していた。すべてインド政府機関のお古だ。ここでは最大65mの深さが掘れれば地下水はでるので、十分再利用可能だそうだ。久々にインド人訛りの「素敵な」英語を聞いた。

さて、明日はサイト踏査の最終日。インド洋に近い沿岸の郡だ。沿岸特有の課題もあろう。楽しみである。

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