2022年12月1日木曜日

2942:アメリカ在住34年??

僕は映画好きなんですが、映画評論も好き。特に、町山智浩さんはなかなか物知りで知らなかった映画の事実関係を教えてくれるので感謝です。 彼は「アメリカの今を知るTV」というBSの番組をやっていて、YouTubeでもたまに見ています。 さっき見たのは、「LAの日系人向け老人ホーム」の特集。10分程度の取材ですね。その名も「Sakura Gardens」。 管理人の説明では、70%が日系1世という。映画会もあって昔の日本映画が好まれるし、食事も和食中心とか。部屋は127室で、料金は月4000ドルから4500ドル。職員の半数はバイリンガルで日本から来ているらしい。 二人の入居者のインタビュー:一人目は91歳の日系2世(男性)で、もう一人は89歳の女性で日系1世。 ここから私の分析: 男性は91歳だから、第2次大戦終了時には14歳。日本語を忘れたくないというコメントあり。なるほど、彼の両親は日本語教育をしていたのだろう。日本語を忘れたくなくて入居したとのことだった。女性のほうは89歳で、24,5歳のころアメリカ人と結婚して渡米したとのこと。結婚時は、1958年か。在米は64年ですね。 この老人ホームは1970年に日系人向け老人ホームとして設立されたが、もともとは1900年初頭にできたユダヤ人向け老人ホームだったらしい。LAのリトル東京のそばだからか。1970年ごろだと、戦前の日系2世の中年だった方々が70年代になって増えてきたのでしょうね。たぶん、日系2世のご老人でいっぱいだったかも。2000年代になれば、日系人で戦争に行った人たち世代が入り始めたでしょう。それから22年。彼らも亡くなり、入居者もたぶん減ったと思われます。 今入居している方々の70%は戦後アメリカに渡られた方が7割とのことだし、映像を見ていると女性が多いことが分かる。前述の女性のようにアメリカ人と戦後結婚して渡米し、旦那さんが亡くなり、入居されたと想像。 さて、これでなるほどねえ、と終わってしまえばそれだけなんですが、コンサル気質ですからなにか変だなと感じて深堀しました。 まずは、Sakura Gardensのホームページから。でてきました。案内が。当然英語のサイトです。でも一切日本的なものはない。でてくる画像も白人や黒人だけ。これが日系人向け老人ホーム??それで、次はFaceBook。ありました。これも英語ですが、画像を検索したところ、やっと日本人入居者の活動があり、概ね女性が多そう。 7割が日系1世とのことですが、やはりこれから入居者を募集している対象はアメリカ人ということなんですね。それは当然で、戦後の花嫁渡航の女性ももういなくなるし、戦後生まれの日系2世も日本語全く知らない。和食にこだわる日系人もそんなにいないしね。 ということで、町山さん取材の番組もちょっと事実関係が甘いかな。彼自身、在米34年とのことでさぞかし英語力が半端ないかと思っていましたが、まるで普通の日本人の英語だし、ふんふんという反応しかしない。26歳で渡米し、34年で60歳。アメリカにどっぷりつかっている日本人とはちょっと信じがたい。