2009年8月31日月曜日

398:The Struggle in Vain

もう8月も最終日。やや気温も高めにシフトしているようだ。朝夕の寒さも感じない。いよいよ南部アフリカも冬の終わりか。

今日は第2章4節の水政策と組織を完成させる予定である。ホテルに戻り残業の開始前である。省は5時までが勤務時間だからホテルでの作業は5時半ぐらいからになる。多少早めに出て買い物済ませることが通例だ。官庁街の職員らもミニバスを使って通勤している人が多く、10人に一人ぐらいは自家用車を持っているようだ。

小生は歩いて5分でホテルに到着。もうこのホテルも4カ月くらいになるから住人化している。インド人のマネージャーから従業員まで幅広く知り合いになった。まあ修道院のような生活はもう終わりにしたいが、人との交流も満更悪くもない。省内では殆どの職員が顔見知りになっていて挨拶は欠かせないが、庶民との付き合いも重要である。困った時に助けてくれるのはそうした普通の人たちであることが多い。

日本のから騒ぎも終焉したようだ。政権交代と芸能界の不祥事だから平和そのものだ。政権交代と言っても革命が起こったわけでもなく独裁政権や軍事政権ではない。旧社会党や共産党の政権でもない。薬物事件もアフガニスタンなどのように貧困にあえぐ女性や子供たちがジャンキーになっているわけでもない。餓死したり病気でなくなるアフリカ諸国に比べれば雲泥の差である。HIVで次々に周りで死んでいるわけでもない。

寧ろ日本で起こっている事象の方が異常かもしれない。

さて、くだらない議論はこのくらいにして作業に入ろう。膨大な資料もやっとこさ頭に入り、それぞれのパーツの位置とつながりが見えてきた。この段階が最高に楽しいんだよね。目次の詳細ができた時が第1段階で、次に中身を埋めていくのが第2段階、そして第3段階は結論と提言だ。まだ先は長いな。

The Struggle for Virtue

397:積年の不満か?!

昨日は開票から6時間ぐらい総選挙に張り付いていた。とはいえ、ネットとBBCワールドしかない。それでもかなりの臨場感を味わうことができた。

結果は分かっていたが、これほど振れると気味が悪い。アメリカのように2大政党時代になったとはいえ、これでは振れ過ぎだ。それだけ有権者の積年の不満が爆発したのだろうか。

民主党の力量に不安感がある人も多いが、苦労人も多いし過去の失敗事例を反面教師的に学んでいるようで意外とスムーズに行くと思う。若手中堅に戦略的なセンスを持っている層があり良識的な官僚の方々ともうまく連携していくに違いない。

われら開発コンサルにとっても大かたいい方向にいくと思う。外務省さんやJICAさんも既にいい方向に動いてきた。多少情報開示に問題があって野党時代の民主党さんの反発を受けたこともあるが、既にこれも相当改善されている。

さて、コンサル企業だが、技術力と経営力を高めないと生き残れないだろう。具体のことは伏せる。いずれ分かることになると思う。自滅か発展か。

非コンサルのコンサルサービス参入はいい意味で進むと思う。大学や研究機関の参加も多くなるだろう。ただし、いい加減な気持ちで参入しないでほしい。クライアントの事後評価は益々厳しくなることが予想されるから。中央アジア調査と南スラべシダム堆砂は要注意。

これまでNGOさんは海外の案件の問題で追及してきたが、これからは益々力をつけてくると思う。世界は既にNGOの活動なしでは持続的開発の実施はできない。日本のNGOの益々の活躍を心から祈念している。反対するだけじゃなくてもっと連携してほしい。民主党はそういう意味でもNGOの参加をバックアップする。コンサルもうかうかとはしていられないからご注意。

コンサル会社の経営も落ち込むばかり。技術力と経営力をもう一度再点検して、従業員である専門家が喜んで海外で仕事ができる環境を再構築してもらいたい。

小生も長年の積年の不満を何とか解消し、4社目で素晴らしい方々の仲間になった。これまでに下船した(下船させられた?)タイタニック号もあと何年持つのだろうか?

コンサル企業も苦行から成道(じょうどう)を組織的に模索してほしいものである。最大手コンサルの幹部には成道(なりみち)さんがおられるから従業員は幸せ者だ。

2009年8月30日日曜日

396:開票まで1時間10分

停電なので買い物を先にした。新しい製品が入荷。プリッセルで南ア製。ずっとポテトチップスだったので歯ごたえがあり中々いける。

ホテルに戻ると1階は電気がついてる。自家発電装置の調子が悪く1階だけ運用だった。ロービーに移り作業介したが、またストップ。30分で自家発電装置が完全復旧。今は部屋に戻りインターネットに接続。

開票まで1時間少しだ。NHKのワールドサービスが見れるといいのだが残念ながら見られない。前回の東京都議選と同じようにNHKの開票速報サイトに接続。8時からだそうだ。NHKの開票速報は昔から成績がいいので安心だ。

後1時間。テレビ朝日ではニュースステーションの古舘君が7時45分から登場らしい。彼も中学の同期生。彼も若々しいね。同じ55歳だけど。

これから深夜まではちょっと仕事はできそうもないので諦めた。仕事は明日から頑張ろう。

当落線上の戦いがポイントだ。必死なのは分かるがそういう時こそ誠実さを前面に出すべきだ。悪あがきで悪口ばかりだと自分の首を絞める。それだけ不利なのか。本来の自我がでてしまう。

苦行から成道というのも難しい。

さて、開票まで1時間!!

395:総選挙結果待ち遠しい!!

まだアフリカは午前8時過ぎ。停電なのでバッテリーで作業開始。

といっても選挙結果が出てくるあと9時間ぐらいしかしないことにする。BBCもいよいよ本格的に取り上げてきた。さっきは築地小学校の投票所からの中継が入った。見ていると若者がすごく多い。うちの長男も妻と一緒に投票を済ませたそうだ。

これは民主党の「圧勝」だろう。勝ちすぎではないか?

報告書作成もやっと体裁が整ってきた。余裕ができたのでコンタクトパーソンやレファレンスを少し埋めた。レファレンスも膨大なので大変だが、こうして最終段階を迎える達成感はいつものことだがうれしい。書き上げて、提出して、協議して、そして帰国だ。今回は何人分の仕事をしただろうか。団長だと団員に指示して彼らの成果をチェックしたり、コメントしたり、叱咤激励する必要があるが、今回は全て自分しかいない。これもコンサルとして長続きさせる秘訣である。団長は時どきやるのがいい。

素人コンサルが無謀に団長になると収拾がつかなくなるケースが山ほどある。長年末席で苦労したお陰で50歳を過ぎても新人の緊張感を維持しながら全体を自分で自分の作業を統括していく厳しさと戦っていける。

コンサルじゃない人たちはコンサル的な仕事に無責任なことが多く、資料やデータ収集は人任せ、報告書も人任せ、英語は外注。それで結果はすべて自分がやったように発表。これではいつになっても成長しない。

正直、クライアントの方々もそれは知っているのだ。ただ、中々追及できないので沈黙されている。これからは違うと思うが。

中央アジア・シルダリア調査とインドネシア・南スラべシダム堆砂調査もプロのコンサルが選ばれればいいが、また前回調査の同じメンバーが出てくると最悪の結果が待っている。失敗を2度繰り返すことは許されないし、結果次第では責任問題が浮上する。

羞恥心という言葉が流行ったが、羞恥心のない方々はいつそれを感じるのだろうか?

394:007とコンサルタント

土曜の夜8時は大体MNET Actionでの007シリーズと決まっている。

どの作品も質が高いしデジタル化しているので飽きない。前回は日本を舞台にした作品を見たが、今日は71年の「ダイアモンドは永遠に」だ。

丁度、中学生から高校ぐらいにあたるので、2本とも当時のことをふと思い出す。

中1ぐらいだとませたやつが必ずいるもので、平凡パンチやプレーボーイとかを見て喜んでいたようだ。浜三枝がボンドガールにでている噂話を仲間が話しているのは思いだした。なぜかませたやつは小柄な少年が多い。

千代田区全体の合同体育祭があって競技場で2人がこそこそ話していた。あの頃、確か渋谷から都電で国立競技場まで行ったと思う。変なことまで記憶にある。246の路線は東京オリンピックで廃止になっていなかったんだ。

さて、ダイアモンドの方だが、主題歌に特徴があって、聞いているとなぜか冬の銀座を思い出した。映画の内容は全く記憶にない。見たのか見てないのかもだ。ラジオで散々かかっていたからか。なぜ銀座かというと高校2年だったか始めて年末年始の郵便のアルバイトをしたが、中央郵便局に決めた。担当地区は新富町。自転車で築地から10分ほどの地区だ。そうだ、銀座の洋書屋でアメリカのPlay Boyを買ったからかな。

新富町は配達地区としては狭い。走って回れば精々30分。田舎と違って家々が離れていないので効率的だし、オフィスも多かったので一遍に配れる。時には書留も扱うこともある。途中には昔ながらの喫茶店があってモーニングサービスを食べたものだ。石油連合のオフィスとか日本舞踊のお師匠さんの家があったり、やくざの弁護士事務所とかもあったかな。

中でも面白いのは、今では超有名なSAPIXの最初のオフィスが豆腐屋の2階にあったことだ。はがきの中身をあんまり見てはいけないが、偶々気にとまったのが、ある講師からのもので実家のある埼玉県で有名だった、こちらも塾のスクール21からだった。へえー、と思ったので今でも記憶にある。

007からとんでもない方向に話が飛んだが、忘れるといけないので書きとめておこう。日本を舞台にした作品も細かい点で面白いことがたくさんあった。

赤坂プリンスの正面玄関前のアプローチは変わってないな、とか、トヨタ2000GTなんて車があったなあ、とか、浜三枝の英語は彼女じゃないな、とか。まあくだらないけど。それに、東京はあの頃まだまだ高層化してなかったな、とか映像ってすごいと感じる。デジタル化の成果だね。

今日は当地の水政策・法制度を纏めたが、古くは1929年からだ。兎に角、法制度、政策、戦略、組織改正、開発管理計画が山ほどあり、省の名前も次々に変わる。政治的な影響も大きいが、世銀のセクター調整ローンによる介入があり、それに影響されている。世銀は傲慢だから政策や組織を変えないと金貸さないという手段を行使する。時系列的にまとめて表にできたので、誰でも一目で分かるようになった。多分省の人間にも役立つと思う。

さらに話が飛ぶと、007がコンサルタントに変装したことがあるのはご存じだろうか。今日のダイアモンドは永遠では、

Transport Consultant

に化けていた。どうでもいいことだが、くだらないことの積み重ねが仕事になるのがコンサルかもしれない。というか、好奇心かな。

393:From memory to hope, from the past to the future

久々のカトリックのごミサはBBCであった。ここ何カ月は教会にも行けなかった。町には数か所あるようだが遠いので諦めていた。

BBCは予定をかなり変更してテッド・ケネディー上院議員の葬儀を最初から最後まで2時間近く生中継した。BBCとしては異例の扱いだろう。CNNは見れないので比較はできないが、CNNでもそうであったか??

ボストンのバシリカ教会でのリクリエムミサである。参列者が層々たるものだ。民主党と共和党からオバマ大統領以下歴代大統領らがおられた。シュワルツネッガー加州知事も見かけた。日本からは行ってないよね、選挙で忙しくて。麻生さんも日本のカトリック信徒会長だけど無理だよね。

通常のごミサが進行したが、途中ヨーヨーマのチェロ独奏があり、平和の祈りでは孫たちがテッドが生前語った言葉を一人一人紹介する形式になっていた。グレゴリオ典礼聖歌はやはりいいね。

神父様のお説教も中々良かった。英語のごミサは久々聞いたが、やはり心に浸みわたる。主題は神父さまからの引用だ。

二人の息子さんのあいさつも素晴らしかった。二人ともハンディーキャップを持っているが、テッドが如何に素晴らしい父親であったかを語ってくれていた。BBCで泣くとは思いもよらなかった。それくらい感動的な挨拶だった。

最後はオバマ大統領のeulogyで締めくくられた。彼もちょっと老けた感じがしたが錯覚だろうか。髪が白くなっているように見えたが。クリントン氏も左手が震えていたが見間違いだろうか。

何しろ、ライブであり何が起こるか分からない。テッドの奥さんビッキーは政治には関心ないと言っているそうだ。今後ケネディー家から政治家が出てくるのだろうか?

May he rest in peace.

2009年8月29日土曜日

392:選挙もエンターテイメント化?

いよいよ明日選挙となった。BBCもここ数日からフォローし始めたが取り上げられ方はシリアスではないというかイランの大統領選挙とは真逆である。生活の困窮とかと関連させている。今日は福島県郡山市の太田さんを取り上げたぐらいか。

大勢は見えているが、どの程度の差になるかがポイントで接戦状態が続く選挙区の結果が興味深い。明日の深夜、即ち当地の午後5時にはほぼ結果は出揃うことになる。

オバマ大統領もチェンジをモットーに上げ勝利したが、今回の選挙も変化を兎に角求める庶民の意識が明らかになってくる。

勝ち組負け組という単純な構図があったが、今や自分は大丈夫だと思う人たちがマイノリティーなのではないだろうか。潜在的な不安感が政治を変えることになりそうだ。と言っても、何も変わらないなら、また一波乱あるだろう。

不安感という魔物に振り回せながら生きていくのも容易ではない。心の平安が得られ、希望を持って夢を追いかけられる時代の到来はあるのか?政治や経済とは違ったレベルではないかと思う。

今日のBBCワールドディベートは人口問題であったが、日本の少子化とは真逆の議論ばかりで面白かった。事例で説明できないことが多いことか。IWRMも同じで成功例がどれだけあっても意味ないのだ。

さて土日の作業に入ろう。

391:もう日本も土曜日か

金曜の残業もこの辺で終了。

ビールはカルスバーグのクラシック。アルコール分が5%だから丁度いい。今日のノルマは水利用状況である。お決まりの内容だから特に問題はない。何しろ水資源としてはあまり不自由はしていない国だ。しかし、水へのアクセスが問題だ。都市部は下水施設もないため上下排水の整合性が取れていないし、無収水率も50%を超えている場合もある。

村落部でももうハンドポンプ付きの井戸は限界だ。効率的なレベル2給水の出番だ。それにコミュニティーレベルのO&Mの問題も多々あるし、10年以上経ったハンドポンプのリハビリも必要。都市給水システムも劣化。水資源全体の基礎調査もない。

問題だらけだが財政状態も悪くドナーやNGOに頼るしかない。事務次官や局長あたりもUNICEFとかNGOのいいなりにはなりたくはないのが傍で見ていて良く分かる。彼らも財政状態の悪い中良くやってきたし、それらを無視されて上から目線で国家レベルの政策や戦略を蔑ろにされたくはない。自尊心というものがある。

水供給局長は非常に優秀で何度も会っているが、日本の援助を高く評価している。何でだろうか?やはり日本人は相手の自尊心を汚すことはしないからだと思う。国家的な水政策や戦略に口を出すドナーやNGOより、地味ながら品質のいい施設をしっかり建設してくれる方が有難いのである。彼も高校生の時に日本のJOCVの先生に出会い尊敬していた経験があるのだ。製図の先生だったらしいが、その先生の思い出を20分ぐらい語ってくれた。

ドナーやNGOを無視するわけにいかないから表面的には仲良くしている。いよいよ日本の本格的な援助が必要だ。しかし、アフリカも含め世界には沢山の国や地域があり、日本の援助も限られているし、ひとつの国に優先的に支援するわけにはいかない。

縁あって赴任した国への思い入れはあるので、何とか精一杯支援できる有望案件を形成したいものだ。

その日本もまさに歴史が動く瞬間が間もなくやってくる。官僚の方々ももうその変化に敏感に感じ取り動いているようだ。ODA政策も大きく変わる可能性が高い。コンサルやゼネコンも戦々恐々としているか、あるいはそれどころではないか。大きなうねりを感じるのは私だけだろうか?

390:カップヌードルとの対面

当地南部アフリカも5月以来だが、ホテルが省に近いという利便性はあるが、町には歩いてはいけない。まあ、それでも不自由は感じていない。

ただ、食生活が単純にならざるを得ない。

朝食:ジュース(3種類)、コーヒー、ビーンズ、ポテトと玉ねぎのソテー、スパニッシュオムレツ、パン
昼食:チキンかビーフのカレーと野菜いため、ご飯
夕食:あんまり食べないが、フライドチキンウィング、たまごピラフ

同じメニューで何カ月というのもかなり飽きるが慣れというものは恐ろしい。なければいいやという感覚になってきた。

先日偶々町に行く用事があり、セミナー後カップヌードルを売っているというお店に立ち寄った。なるほど、東洋人が好む食材があった。カップヌードルは3種類あってアジアのどこかの日清現地法人の製品だ。

試しに買って早速お湯を注いで食べた。中々いける。1個200円。10個買うと丁度行き帰りのタクシー代に等しい。もう帰国も間近だから6個だけ。

しかし、ないとあるとでは大違いだからあれば欲しくなる。食べられないポークの味にうまみを感じる。日本人ってやはりブタが好きなんだなと。

さてこれから残業だ。日曜は多分選挙速報で仕事にならないだろう。決まっている結果でもある種の臨場感を味わいたいから。

389:楽しさと使命感

中央アジアの水資源に拘っているのが分からないらしい。

今日はある知り合いからメールがあり、「何で中央アジアに拘るんですか?アフリカの方が面白いでしょうに」とのコメントを頂いた。

うーん、困っちゃうね、こういうコメントは。やはり彼はコンサルじゃないんだなと思った。小生もわずか30年しか海外のコンサル活動をしていないが、ほぼ全ての係った案件のことは忘れない。いいことも悪いことも。悪いこととは人さまのこともあるが、自分の犯した失敗や思い違い、不誠実さ、などなどだ。特に調査計画論でしくじったことも多々ある。しかし、教訓として次の類似案件には真摯に取り組む姿勢に繋がっていると思っている。またしくじることもあるが。

そうしたプロのコンサルとしての心得は当たり前だと思っているが、メールをくれた知人は分かっていないようだ。難しく面白くない案件は早く忘れろということか。アフリカも面白いが難局もある。

一度も行ったことのないアフリカが面白いでしょうという感覚が分からない。コンサルじゃないから仕方がないが、これではコンサルタントサービスはお任せできない。

評論家で人さまのやった仕事にケチをつけるのは簡単で、ゼロから積み上げ、調査計画を進めることは業者がするものと思っているらしい。

まあ怪我をするまでは分からないだろう。

無責任な対応で楽しさだけで現場を選ぶようでは、この政権交代後には存在しえないであろう。

2009年8月28日金曜日

388:Meet me at Yasukuni

Meet me atと聞くとロス・マクドナルドの探偵小説の傑作、

Meet me at the morgue

を思い出すが、今回の総選挙で、「靖国で会おう」という冗談めいた言い方が聞こえてきた。多分惨敗を予期した方々の発言なのであろうか。

しかし、戦争と違って命を失うわけではないので、そう悲観する必要もない。政治は浮き沈みだからまたチャンスはやってくる。疲労破壊した組織の立て直しもできる。1か0という選択は今の時代にはふさわしくない。

失業率が5.7%というニュースも飛び込んでいる。兎に角一度大きく変えたいという庶民の気持ちは変わらないだろう。

後2日。7時間遅れの選挙速報が楽しみである。

庶民の生活を向上させるというcivilityが問われていると思う。

387:NGOのネットワーク構想

今日は朝から忙しかった。水と衛生に係るNGOネットワーク化のセミナーに参加した。ドナーからは小生だけでいい経験ができた。事務次官と水供給局長もゲストとして参加。

集合写真撮影の後、局長と談話。彼は優秀だなーと改めて思った。優秀すぎて孤独だろうなとも感じた。実際彼はNGOの活動を100%賛美しているわけではない。やはり国家的な水政策に準じて全てが動かなければと思っている。事務次官もそう思ってはいるが、何せ財政不足でNGOの活動を無視するわけにはいかない。

NGOもたくさんあるが、やはり活動方針や利害があり、単純なネットワークではいいが事務局の権限やネットワークとしての活動や資金調達といった具体の問題もある。そうした温度差はこうしたセミナーに出て見ないと分からない。

話を戻すと、偉い方も孤独である。底辺に位置する小生もある意味孤独だからトップとの会話は意外とスムーズだ。中間にいる方々は無責任だし意識が高くないので話がかみ合わないことが多い。トップダウンとかボトムアップとか組織管理の手法はあるが、結局は中間の人間が問題である。組織の中間層が組織を駄目にしている事例は日本の企業や団体でも目にする。海外でもそうだなーと感じている。

今日の残業のノルマは第2章の水資源全般だ。無事作業を終えた。明日は水利用と水政策である。まあ事前に少し書いているしここ数カ月で膨大な資料を得ているので何とかなるだろう。1929年の水公社設立からスタートする。水省の変遷も多く、法律や政策戦略もめちゃくちゃ多い。それにSWAPとかJSRも断続的にあり非常に混乱状態であったが何とかつながりが掴めてきた。

明日もセミナー参加があり、午後からの作成となる。

NGOとかマスコミのODA批判は結構だが、技術的な側面が疎かなので気になる。ここのNGOもそうだ。もっと技術的な議論をしたいが中々難しい。ドナーも専門家がいないし。

中央アジア・シルダリア川やインドネシア・南スラベシのダム堆砂問題も本格的な技術論を展開しないといけないのだが、コンサルでないコンサルのような素人エンジニアが全く頓珍漢なことをやっているのをみると情けなくなってしまう。土木工学、すなわちcivil Engineeringを忘れてしまったのだろうか。civilityという言葉の意味を良く噛み締めて事に臨んでほしい。しかし、駄目なんでしょうね。

2009年8月27日木曜日

386:Gospel in Movies

今日見た映画は92年だからかなり前だ。ヘレン・ハントが初々しい。

The Waterdance

半身不随になった小説家が恋人やリハビリセンターの仲間との友情で何とか立ち直る話。何かを失ったときに自分の不幸を呪ったり、周りに当たり散らしたりすることはある。次第にある種のredemptionを感じながら生きる望みを得ることは良くあるものだ。目からうろこ。

会話はカリフォルニアの英語だから100%理解できる。やっぱ加州の英語は自分の原点だな、と思う。アフリカ人の英語も最近は慣れたが自分の英語にまで影響してくるとまずいよね。言葉まで現地化してくるのは良くない兆候だ。

それはさておき、映画の中でredemptionという表現が使われていて気になった。やはり、

The Shawshank Redemption

が有名だし、The Green Mile

と同じで、かのスティーブン・キングの原作である。いずれも傑作だ。

キリスト教徒であれば、これらの映画にはある種の宗教的なテーマがあることが分かる。今日見たwaterdanceもそういった一面がある。エンターテイメントとしても勿論楽しめるが、自分の人生にとってredemptionはなにかなと考えさせられる。刑務所のような会社とか、刑務所所長のような重役とか、看守のような上司とか、そこから脱出してよくここまでたどり着いたなとかね。

コンサルの仕事にとってもredemptionは非常に重要だが、また別の意味合いだ。大手ゼネコン2社が指名停止だそうだ。呆れている。

385:草津からの写真

今日の残業もこの辺で終わりにしよう。報告書作成も今日から本格的に開始した。もうずいぶん前に書き始めていたがいろいろ別件があり1カ月間休止していた。今日は第1章完結。全体で6章で予定ではあと2週間程度か。

面白いのは、最初に作った質問票があったが省内で誰も答えを出してくれない。1カ月程度の出張だと強制しても作っていただかないとコンサルとして失格になってしまうが、もうここでの作業も長いので自分で殆ど回答を書いてしまった。長期の場合は多分質問票は要らない。

さて、今日は留守を守る家族はお袋と一緒に草津に行っている。毎年恒例だが偶々別荘(とは言え親戚所有だが)に先約があるらしく老舗の宿を手配してもらって泊っている。さっきまで草津の湯畑とか長女の浴衣姿などの写真をメールで送ってもらった。4年ぐらい前に参加したが、因果な商売だから毎年の参加はできない。

自家用車のイプサムももう97年以来だから12年。チェックアップしてもらってバッテリーなど交換。もう10万キロはいっているだろうか。何とか無事に草津まで行けたそうだ。次男は受験でお留守番。長男と長女が参加だ。子供が大きくなるとイプサムの活躍もなくなってきたが、遠出の家族旅行には持ってこいである。イプサムと言えば、ここ南部アフリカではトヨタ車の中でもカローラに劣らず良く見かける。海外でイプサムを見ることが殆どないので最初は面食らった。

余談だが、海外ではダウンロードの速度がとても遅いので苦労するが、BBCのウェブでは、

low graphics

というオプションがあって、上記の事情に配慮したウェブになっている。やたらと画像が多いとテキストを読むことすらできない事情に対応している。いい発想である。

さて、そろそろ映画鑑賞の時間だ。

2009年8月26日水曜日

384:電子情報管理の掟?!

エドワード・ケネディーが亡くなられた。ケネディー家の末っ子であった。ケネディー家の栄光と衰退の最後の人となるのだろうか。スキャンダラスな個人生活もあって大統領にはなれなかった。しかし、後年はオバマ支持を表明して重要な役割を果たした。

昨今の薬物事件ではマスコミの過剰なバッシングがあったが、人間というものは1か0で評価されるものでないし、長い人生の途中で最悪な事態になっても神様はその後の人生を見捨てはしない。赦しという言葉は日本には無くなったのであろうか。

さて、主題だが、コンサルにとって情報収集活動は最も大事な活動である。法を犯すことはないが、入手先の情報管理の甘さを感じる事例は多々ある。特に電子情報の保管や破棄といった問題は組織及び個人にとって非常に重要である。

偶々見つけた雑誌に下記の掟みたいな注意事項があったので記しておく。電子的に保存された情報の保管と廃棄のためのガイドライン10項目を紹介しよう。

1.現状を把握すること

電子メールなどに心配な点があるならば、即座に削除してしまう。ビジネスに有益だと判断したものならば、価値があるかぎり保管する。自分の場合は、無駄なデータや資料は年に1度削除するようにしている。

2.ユーザーに保管対象を決定させない

電子情報の保存を自動的に行い、明文化された規定に従って書類の廃棄を命じる。これは企業の場合だ。

3.訴訟にかかる開示コストを考える

ミスを犯すと、勝てる見込みがどれだけあっても、訴訟の提訴根拠が失われるおそれがある。開示するように求められた時の心得だろう。

4.免責条項を活用する

無関係の情報を罰を受けずに廃棄することができる。要は法律を知っておくこと。

5.規制条件を認識する

規制がそれ以上の期間を求めてきたときに備えて、ポリシーに例外が設けられていることを確認する。同上。

6.電子情報開示を準備する

電子情報開示の準備ができていない企業では、人力でデータを探し、回収するためのコストが跳ね上がること必死である。当然。

7.弁護士の最初の獲物は電子メール

電子メールは宝の山。確かに。

8.保管ポリシーの確立

証拠保全は最重要保管ポリシーである。同上。

9.プロセスと技術に投資する

明文化された基準を決め、隙のない保管ポリシーを作り上げよう。これがなかなか難しい。

10.電子情報は廃棄しにくい

ボタンを1つ押すだけで簡単に複製できる電子情報は、永遠に増殖していく可能性がある。あるシステムからメッセージを消去しても、ほかの場所に残っていれば、これは電子情報開示の対象となる。仰る通り。消去したつもりでもキャッシュに残っていて都合の悪い情報が丸見えという場合も多い。



サーバーの中身が丸見えの状態である公的なサイトもあるので、入手側にとってはありがたいが管理者の問題でもある。昔あるコンサルからサーバーにハッキングしたとの疑いを持たれたことがあるが、そこまで天才でもないし、その会社にハッキングするほどの「価値」があるとは思えなかったので、猜疑心というものの怖さを知った。懸案の情報はその会社の女性従業員から海外の職員に電子メールで次から次へと伝わったものを最終的に合法的な雑談で得たものだった。情報管理の不備を物語る事例である。お粗末。

383:アフリカの気候変動対応(BBC記事から)

ネットからの気候変動関連情報のアラートが多くなった。コペンハーゲン会議が近づいてきた証拠といえよう。

久々BBCの記事からアフリカ諸国の動向である。リビアの主導で10カ国の大臣がエチオピアで協議した模様である。これから開発を進めたいアフリカにとっては規制達成は大きな重荷だし、逆に気候変動の影響の方が大変な問題である。そのためには資金も必要だし先進国からの「キャッシュ」は必然だ。

当地でも気候変動による影響が出ているようだが、まだデータが不足気味である。SADCという南部アフリカ開発委員会もあるので、地域全体で対応する施策を考えていこうと考えている。勿論、JICAとかにもプロモートしていきたい。

Africa seeks climate change cash

Ministers from 10 African countries have met in Ethiopia to try to agree a common position on climate change, months before a crucial UN meeting.

They were expected to renew demands for billions of dollars in compensation for Africa because of damage caused by global warming.

And they are likely to ask rich nations to cut emissions by 40% by 2012.

African nations are among the lightest polluters but analysts say they will suffer the most from climate change.

BBC science reporter Matt McGrath says the move to agree a common negotiating platform for Africa recognises the continent's failure to make its voice heard on the debate.

'Dismal co-ordination'

After Monday's meeting, one official told AFP news agency the final decision on how much compensation Africa will demand would be made at a special meeting in Libya on Saturday.

"The proposition is that it has to be an amount significant enough to lead to rapid, sustainable development and industrialisation of developing countries, in particular Africa," said Lumumba Di-Aping, Sudan's deputy UN representative.

Before the meeting Kenya's environment secretary, Alice Kaudia, told the BBC that the continent had to learn from other countries' mistakes.

"One single country will not solve its environmental problems on its own, it will need partners, and that's why it's very important that there's that unified common position," she said.


“ African interests have not always received the attention they needed in the UN climate process ”


"The development of Africa should not go alongside the same mistakes that the developed world already made - to have these high emissions that are now affecting the whole world."

One of the documents prepared for the meeting refers to the "dismal co-ordination" of the African negotiation process.

So far, delegations from individual countries have had limited success in making the case that Africa needs special help to cope with climate change.

The "representatives and experts" of African Union (AU) leaders - who include environment and agriculture ministers from the 10 countries - are meeting in Addis Ababa under Libyan chairmanship in an attempt to change this.

Kenyan environmentalist Wangari Maathai, a Nobel Peace Prize winner, said all African leaders should support the AU's efforts to form a clear message.

But she said Africa too had its responsibilities.

"We are all hoping we will develop and attain a higher quality of life, so there has to be a very serious commitment on the part of Africa that we will not be opting for development patterns that will reverse whatever other countries are trying to do," she said.

Kyoto replacement

Delegates from powerhouses South Africa, Nigeria and Kenya were among those attending the AU conference.

HAVE YOUR SAY We're all suffering at the moment, we all have obligations to the environment, we all need to take more responsibility. Why is Africa, yet again, a special case? Malcolm Orton

They discussed a suggestion that developed countries should cut emissions by at least 40% by 2020, and that richer nations should provide $67bn (£40bn) a year to help the least well-off cope with rising temperatures.

They also attempted to agree a set of key ideas in order to help national delegations to the UN negotiations in Copenhagen this December to present a co-ordinated position.

The Copenhagen conference will try to negotiate a replacement for the Kyoto Protocol on climate change, elements of which expire in 2012.

Correspondents say the US, China, India and the EU will have the greatest sway at the UN conference.

But African leaders will be hoping that by speaking with one voice at Copenhagen, their negotiating position can be significantly enhanced.

Story from BBC NEWS:
http://news.bbc.co.uk/go/pr/fr/-/2/hi/africa/8217449.stm

Published: 2009/08/25 07:56:49 GMT

© BBC MMIX

2009年8月25日火曜日

382:背水の陣か?!

久々日本水フォーラムのニュースレターを見たら竹村さんのお話が載っていた。中々興味深く読ませていただいた。竹村さんの教養の深さを感じた。

第5回世界水フォーラムでのエピソードで、森元首相がある会議で「背水の陣」という表現をされたときに、通訳をされていた方がちょっと乱れたそうだ。後日、背水の陣の英語訳は「fight with one's back on the wall」だったと照れくさそうにご報告されたそうだ。非常に誠実で正直な方だと思った。

小生の理解だと、onよりtoとかagainstという前置詞だったんじゃないかなと記憶している。まあ大したことではない。

森元首相のご発言は非常に真摯なもので、水資源問題に対する不退転の決意を表明されたものと思う。

さて、英語的な発想で逆に見て見ると面白い。退路を自ら絶って一か八かの勝負に出ることは歴史上多くあり、有名なものとしてルビコン川を渡った時のシーザーやナポレオンなどがある。

The die is cast.
Cross the Rubicon

こういった表現が今でも背水の陣という意味で使われるし、退路を自ら絶って前進していく様としては、

Burn one's boat
Burn one's bridge

が良く使われることが多い。

また、以前書いた日系人442部隊のモットーであるGo for Brokeも意訳としては近い。

水ビジネスへの参入や海外途上国での水資源管理および開発への支援の強化という意味では、寧ろ前に進んでいく攻めの姿勢がコンサルには必要かもしれない。追いつめられて戦うのもストレスが溜まりそうかな。

381:BBCによる総選挙のニュース

BBCは毎日見ているが、日本のニュースと言えば経済動向しかあまりない。シンガポール支局には経済担当が3人いて、軽いノリのフィリピーノ、お人形さんのようなイギリス育ちの日本人女性、そして化粧の濃いホステスのような妖艶なインド人女性である。同じ経済ニュースだが3人それぞれの印象があるので面白い。

さて、選挙のニュースだがこれまで全く取り上げられていない。1週間前になっていよいよ総選挙関連のニュースがBBCでも出てきた。まずは横須賀の選挙区で所謂世襲制を取り上げた。興味本位の取り上げられかたという印象を受けた。民主党になったらどう変わるのかという真剣なアプローチではない。日本ってそんなもんなんですかね、と若干違和感を持った。

いずれ30日結果が出ればそれなりの取り上げられかたがあるだろうか?!

2009年8月23日日曜日

380:Spin Doctor

民主党が政権を担うのは間違いなさそうだが、昨今のマスコミの突っ込みも激しいし、政権を取ったら取ったで大変だ。政治家じゃなくて良かった。

失言とかあるだろうし、与党になれば激しく追及される。

spinと言えば俗語だが政治の世界では有名である。これを強化するのがspin doctorという。悪い意味かもしれないが、重要な役割である。100%問題のない個人や組織は存在しないから。

コンサルもクライアントと相手国政府省庁とのはざまにいるが、やはりspin doctor的な役割もある。この国は汚職も酷く援助しても意味ないし将来に希望が持てませんなんてバカなことをいう輩ではないからだ。問題があるからこそ、幾分かのインプットを効果的に投入し改善を図っているお仕事である。

省内からは信頼されているが、日本との橋或いはパイプ的な存在ですと答えている。「虹」とかいうと理想論・感傷的な感じだし、虹はホモセクシャルの代表的なイメージだからあんまり使わない方がいい。橋だって、両岸の基礎がしっかりしてないといけませんねと相手国政府側にはお願いしている。

コンサルの暗躍とまた言われかねないが、いい意味でのspin doctor的な活動も認識している。行きすぎると会社が崩壊してしまうから、良識もなければならない。

民主党も国家的な戦略機構を構築しようとしているが正直期待している。官僚組織と効果的に協働してODAも強化していただきたい。NGOさんも喜んでいるかもしれない。

いい人材を配して国家的なspin doctorを登場させていただきたい。こちらはささやかに末端・末席のspin doctorで満足している。

379:気にしない、気にしない

最近、うちの奥さんは「笑いのヨガ」という講習を受けて、早速地域の親しいお仲間から自身の経験を広める段階に入っている。昔から彼女は活動的で様々なことを同時にやり遂げている人だが、最近は周りの面倒とかも多く負荷のかかった緊張と疲労の毎日であった。

小生もさりげなくささやかな協力もさせてもらっているが、海外に出てしまうと精々メールか電話での精神的なサポートしかできないので申し訳ないことも多々ある。そうした忙しい中でも義理の両親である実家への思いやりもあって助かっている。お袋を毎年草津に連れて行ってもらうことももう何年も続いている。小生は殆ど海外勤務中なので参加はほとんどできないが、毎年の恒例である。お袋ももう80歳を向かえようとしているし、可能な限り行こうと考えてくれている。有難いことだと思う。誰かが率先してやらないと進まないことだから。

妻とも話すが、他者への気遣いとか思いやりが希薄になっている昨今の社会全般についてはたくさんの身近ない事例があって、ストレスを感じていることが多い。だからといって、いちいち怒ってはこちらがおかしくなってしまう。だから、そうしたストレスを感じないように、何事も気にしない、気にしない、という発想に変えようね、と話している。

妻も私も実際は非常に怒り易い性格だから、二人の喧嘩を目撃したら非常にビックリするかもしれない。しかし、通常は周りに怒りをぶつけることはまれである。だからストレスをためることになる。

人間も強い人には弱いが、弱い人には強い。猿と同じである。組織内では顕著で、嫌な経験は無数にある。コンサルでない人たちと一緒に仕事をすると彼らの横暴さは目に余る。商社、メーカー、電力会社などは最悪である。勿論コンサルにもたくさんいる。10人に1人くらいはとんでもない人がいて、自己の無能さを防衛するためには何でもするから怖い。

こうした輩を気にしていると自身が劣化していくので気にしないことにしている。どうせ彼らもいずれ自滅していくのだから。

そんなわけで、笑いのヨガも含め、気にしない気にしない運動を夫婦で展開している。ただし、不当な行動については法的に対応することにはしているが。

さて、日曜の作業に入ることにするか。

378:今週の雑感

今年の日本の夏はどうも蒸し暑い曇り空が続いているようだ。スカイプの状態も良くなり日本との連絡も改善された。40分ほど奥さんと話したか。携帯が相手だと若干高めだが、それでも10分で2ドル程度か。アフリカだから高めかもしれないが、通常より5分の1。2ユーロまで利用できるチャージが下がると自動的に10ユーロ加算するように設定した。問題は2.5秒ほどずれがあり会話にならないが、慣れればいいことかもしれない。サウジの時はもうちょっとずれは短かった気がした。

今週はいろいろ忙しかったが、気づいたことをちょっと箇条書きに。

1.選挙の趨勢は決まった。日本の場合は選挙前のアンケート調査でほぼ決まってしまう。大どんでん返しもあるのだろうが、統計的な分析手法が確立しているのでめったなことではないようだ。特に、出口調査と1%程度の結果が出れば当選確実。それが覆されることはない。30日は日曜なので7時間の時差でNHKの選挙速報ウェブでフォローしよう。臨場感は伝わってこないがリアルタイムで追える。

2.芸能界薬物汚染事件も大体予想通りの展開になってきた。これもテレビ好き20世紀少年にとっては面白いネタだから日本にいれば確実に見ているのだが、今はネットの断片情報しかない。しかし、推理としてはこの方が面白い。中大教授殺人事件の場合は事実や犯人の心理が全く伝わってこなかったが、今度は関係者も多く、事件としては広がりがある。「悪あがき」のオンパレードだし、悪が悪を呼ぶ図式の謎解きが面白い。

3.スーパーは1軒しか行けないので市場調査としては物足りないが、時には面白いものを見つけることがある。先日は雑誌でBBCが年4回程度発行しているアフリカを対象としたものを見つけた。流石に日本では売っていない。アフリカ全体を概観するのにはいい。

今日はジュースコーナーで缶入りのトマトカクテル用のミックスジュースを始めて発見。数本しかないところが奇妙だ。

カナダの国内線では、トマトジュースの場合は、spiced tomato juiceとして有名なMr. and Mrs. Tという銘柄がありいつも飲んでいたが、JALなどはブラディーメリー用のMr. and Mrs. Tはありますか?とわざわざ聞かないと出てこない。当地のスーパーで売っていたものは南ア製で、

Tomato Cocktail Juice

という当たり前の名前がついていた。明日も買おうと思うが後3缶しかないから、在庫は多分ないだろうから暫く待つことになりそう。

4.そろそろ朝夕の冷え込みが収まってきた感じがする。そろそろ暑くなるだろうか。マラリア蚊が出てこないうちに帰国したいものだ。南ア・ヨハネスでの1泊を期待している。13年前に比べれば治安もいいはずだ。ただ今は失業者の問題で物騒だとは聞いている。省の職員も何人か南アの大学で学んでいる。一人は先日帰ってきたし、もう一人は1カ月ほど調査に参加してもらって今はまた戻った。30代の職員も中々人柄もいいし優秀だ。20代がいないのは雇用したくても予算がないらしい。60%程度人員は欠員になっている。エイズや交通事故で何人も亡くなっているが補充できない。県レベルの村落給水のモニタリングアシスタントを募集していて、省の玄関近くに箱が無造作に置いてあり、願書が積まれていた。随分いい加減だなとは思うが、ここ数日でかなりの数になっている。コネが支配するとぼやいている奴がいたが、実態はまだうかがい知れない。

来週の日曜は深夜過ぎまで眠れないかな。7時間遅れというのが丁度いい。

2009年8月22日土曜日

377:スカイプの実験

当地も4カ月。やっと水に係る全容が掴めてきた。クライアントからの如何なるご質問にも対応できる状況になってきた。

土曜は、朝のお洗濯から始まり買い物、そして残業へと進むが、今日はスカイプの実験をするため町に出かけた。どこにあるかがポイントだが、2軒目のインド人経営のコンピューターショップでスカイプ対応のヘッドフォンとマイクロフォンをゲット。タクシー利用なので不便だが、スカイプには欠かせないのでしょうがない。

スカイプは2年前のサウジ以来である。サウジはかなり進んでいるしアクセスの速度も速く問題はなかった。

さて結果だが、自宅には繋がったが途中で切断、携帯は全くつながらない。雑音と音楽が流れる始末である。スカイプだから混線というのは考えにくいが、ネット回線が早くなってきたら再度トライしよう。当地からの国際電話の値段は10分で10ドルといったところか。通常はメールでの連絡が多く、日本への電話は週1回程度。スカイプが可能ならタダ同然だと期待したがやはり簡単にはいかないようだ。

スーパーでは懐かしのビーチボーイズがかかっていて思わず口ずさんでしまった。サンフランシスコの日米タイムズも廃刊されると今日のニュースで知った。ジャパンセンターのメルマガも随分凋んできたなと思ったら日米タイムズもなくなるのか。やはりネットでも十分な時代になったのであろう。ある種の寂しさはある。

情報やコミュニケーションが段々タダ同然になってくると一体何に価値があるんだろうか?

376:Carlsberg Elephant

さて残業もこの辺で終わり。風呂から出て、ビールだ。

カルスバーグは現地生産でエレファントという銘柄である。アルコール度7.2%だから普通のビールより飲み応えがある。苦い。トルコの缶入りビールは品切れだった。当地のスーパーなどは一度品切れになると暫く入荷しない。内陸だしなーと実感。ほぼ9割以上の製品は南アからだと思う。

こんなアルコール度が高いビールも中央アジアにもあり、ロシア製のバルチカで、確か番号がついていてアルコール度が殆どないのから高いのまで数種類あった。韓国経由でタシケントに着いて、騒然とした入国審査を終えて深夜にホテルに着くとまずはバルチカで乾杯だ。大酒飲みで食通のO氏とはトルコや比国でも一緒だったが、中央アジアでもご一緒して大騒ぎしたものだ。ホテルにチェックインしてバーで飲むのも二人だけ。いいコンビであった。バルチカは旧ソ連国ではどこでもあり、ビールがなければウォッカとなる。

タジキスタンでの村落給水事業の時はアフガニスタン国境近くの村々を調査したが、2週間ほど毎日お昼を村長さんのご自宅でご馳走になり、毎日ウォッカを飲む羽目となった。料理も羊の肉のスープをメインに出てくるものはどこでも同じ。非常においしいのだが毎日はかなりつらい。やっと首都に戻ったら、ドライバーの家に招かれて、また同じメニュー、それでお終いかと思ったら今度は事務次官の家で同じメニュー。兎に角、最高のおもてなしなのだ。日本の田舎のもてなしと同じだ。

その調査で通訳をやってくれた優秀なズ―バイ氏はその後日本政府の奨学金を得て筑波大学で博士号を目指しお勉強中である。彼も中々哲学的な英語を使える人で大変役に立った。筑波にも2度ほど行って家族が来るまでのさびしい期間を多少和らげることができたかも。

ビールと言えば、やはりヨーロッパ、特にドイツやオーストリアが最高である。泡切れがいい。昔は、トルコやアフリカへの出張はヨーロッパ経由だったから少なくとも往復1回はヨーロッパの各都市でビールを味わえた。ビールとウインナソーセージ。今は昔だ。今は4カ月もポークを食べていない。

各国の有名なビールの銘柄をあげれば、

フィリピン:サンミゲル(フィリピン人はビール大好きでゴシップ好きで仕事しない)
タイ:アンカー(タイ料理屋での三祐の樋口さんの昔話を思い出す)
インドネシア:ビンタン(辺境地の中国人経営の食堂で現地調査後に飲むとうまい)
トルコ:エフェス(やっぱ、ケバブと一緒かな、でも直ぐにラクに切り替え)
ケニア:ホワイトキャップ(あんまりいい思い出なし、でもノーフォークホテルの夕食やカニのチリソースは最高)
ヴェトナム:何だっけ?サイゴンとかハノイかな?

かな。他は忘れた。東南アジアでは仕事・お酒・カラオケの三要素だった。

ビールと言えば、当地のスーパーでは瓶を返却するかしないかで金額が違うが、そのためにわざわざ持っていくわけないし、大体ホテルの従業員にあげてしまう。

見れば分かるでしょう、と言いたいところだが、スーパーでビールを買うとempty bottleはあるのと聞かれる。見れば分かるのに何で聞くのかいまだに分からない。空き瓶を酒屋に持っていってお小遣いにしたのはもう半世紀前だ。

2009年8月21日金曜日

375:クライアントのこと

こんな主題だとクライアントの悪口かと思われそうだが、実際は逆のことである。

もう30年近くコンサルやっているのでたくさんのクライエント側の方々との協働作業を経験している。勿論、甲と乙の関係ではある。

日本に限れば、JICAさんと旧JBICになるか。部長以上の方とは協議だけだが、次長さんクラスから新入社員の方々とは契約頂いた案件に関して国内や現地でご一緒させていただいている。

調査団員、副団長、団長、専門家など様々な形でいろいろ対応させてもらっているが、人間関係でトラブったことは記憶にない。基本的にコンサルは芸者稼業と認識しているので、お客様とのトラブルはご法度である。

コンサル企業がピークを迎えた1980年代初頭のころは大手コンサルに入ることはJICAさんやJBICさんに入るより難しいと言われていた。それが、段々コンサルの3Kが進み、今では世間全般でもJICAさんに入ることは余程のことと認識されるようになった。

コンサルとJICAさんの若手の方を相対的に比較してもあらゆる面でJICAさんの方が勝っている。特に雑用も含めてコーディネーターやファシリテーターとしての能力は格段の差である。

これではお客さんの方が優秀で、芸者稼業のコンサルの芸が見透かされてしまう。困った逆転現象である。

今は旧JBICさんがJICAさんに吸収されたので、それこそ、益々職員のレベルが上がってします。3Kのコンサルに優秀な人材を送り込もうとする各大学の研究室も益々減る一方だろう。

何の因果か、小生もある機構にいたことがあるが、流石にキャリアに今一歩届かずといった超優秀な方々が腐るほどいて、研修の講師をしていてもやりがいがあった。特に京大大学院は優秀だね。同じ研修をコンサルでやっても惨めな結果になっただろう。元々の学力が違いすぎる。機構であるから、管轄省との調整もあるし、当然業者との関係もあるし、JICAさんの苦労は同じ機構として十分分かっているつもりだ。

後5から10年したら、どれだけのコンサルが存在しているのだろうか?これならいっそのこと、昔に戻って直営で援助協力をするのもいいかもしれない。JICAさんの前身時代は大学の先生を団長に据えて、各コンサルから優秀な専門家を配して実施したものだ。八十島先生もエジプトなどで実施されていた。これなら大学の国際化も進むのではないかな。今の膨大な案件数ではちょっと無理だろうか。

JICAさんもコンサル企業劣化の対策をそろそろ取られるのだろうか?これも民主党のODA政策が絡んでくるだろうか?案件形成をコンサルが応札するかしないかを考えなくてはならない時代は非常に危機的な問題である。

374:INBOからの国際会議案内

INBOはGWPやIWMIなどと共に国際的なIWRM推進団体として有名である。

小生もIWRMを無視しているわけでないのでINBOからの情報も適宜見ている。今日は中国での国際会議のお知らせが来た。

The 4th International Yellow River Forum (IYRF)
On Ecological Civilization and River Ethics
Oct. 20-23, 2009, Zhengzhou, China

中国のIWRMや流域管理機構の活動もあまり伝わってこないが、上記の会議も4回目だそうだ。河南省の鄭州ってあんまり知らないが。

英語の表現が変わっていて面白い。案内を見ると意外と日本人の関係者が少ない。お一人有名な元山梨大学の竹内先生のお名前があったぐらいか。

INBOと同じようなアジアの流域管理機構のネットワークがあるらしいが、あまり活動状況は伝わってこない。どこのどんな方々がやっているのでしょうか?ナル何とかボだったかな。

SDからみると既にIWRMは下位の存在なのであんまり議論する気にならないが、この中国の会議のタイトルは中々広がりがあって哲学的な印象を受ける。時期的には参加可能だがどうしようか。ソフィテルぐらいのホテルはありそうだし、旅費も大したことはない。後はヴィザか。前後1日を移動日にすれば6日間。ホテル代が1泊120ドル。二十万円もあればエコノミーで行けそうか。

少し国際会議で暴れてみようかな。IWRM程度だったら議論できそうだ。参加するだけだったら、後で報告書見れば済むこと。日本人も世界で発言力を強めないといけない。竹内さんなんかはかなり発言力あるなーと思う。流石です。ただ、後が続かない。東大の中山先生ぐらいか。数十人いてもいいのだが。

南部アフリカで修道士のように籠っていたので、そろそろ国際会議で発言したい気持である。過去30年で中国には一度も行っていないし、奥さんでも連れて観光気分で行くのもいいかもしれない。おいしい河南料理もあるかも。

朝4時起きも早すぎた。朝ごはんまでまだ1時間もある。金曜のお仕事して、土日は報告書書きだ!!

373:NGOのお兄ちゃん

当地ではどこのドナーとNGOが強い発言力があるかというと、水と衛生に関してだが、やはりアフリカ開発銀行とNGOのWaterAidである。

大体ドナーとNGOおよび水関連省との調整会議では、アフリカ開発銀行は議長である水関連省の事務次官の隣に当たり前のように座るし、WaterAidもその横に座る。

UNICEFのウガンダ人は発言はするが、意外と遠慮して下座である。彼の英語には最初霹靂したが今はお仲間である。UNICEF支援のプロジェクト実施報告も現地担当にさせるし自ら出てこない。何でかというと、UNICEFが最近提案した村落供給に係る運営管理マニュアルが省の手厳しい批判を受けたからと想像する。それ以来ウガンダ人も元気がない。

それに比べて、アフリカ開発銀行のローカル職員は威勢も良く何かにつけて発言し主導性を顕わにする。彼自身中々の紳士で真面目で個人的には好感は持てるのだが、銀行を代表する席では恰好をつけるところがある。

それに比べると、世銀やCIDAは物静かで主導性はない。やはり貢献度の違いがあるのか。カナダは財政不足で最近は他国に本拠地を移したし、世銀はどうも影が薄い。多分、世銀の場合はワシントンの本部が集中管理しているので国レベルでは情報もないし決定権がないようだ。だから公式の会議でも何も言えない。

さて、NGOのWaterAidだが、イギリスに本部のある有名なNGOである。アフリカ各国で主に活動している。ウガンダでの活動は有名でSWAPやJSRにも大きく関与している。ここのローカル職員もエネルギッシュで絶大な発言力を持っている。大臣に車をプレゼントするぐらいである。ある意味アフリカ開発銀行より威勢がいい。相当の資金力があるようで、コンサルを雇って調査するぐらいだ。

小生はドナー会議ではあんまり発言しないし、する必要もない。省内でインハウスとして入っているのは日本だけであり日々の活動で十分省から認識されている。こうしたドナー会議に参加してこない局長らとも普段からコミュニケーションできるし、月1回の会議しか省側と話せない他のドナーやNGOとは違った条件だからだ。余程の公式発表があってもクライアントから言って頂いている。小生はあくまで影の存在でいい。

他のドナーやNGOからもインハウスとしての活動に興味があるらしく、最近は向こうの方からのアプローチが増えてきた。やはり省の中に入り込んでいるという利点かもしれない。ドナー会議で配られる資料も既に何カ月も前に省内で見ているし、省の活動や実態も意外とドナーやNGOは知らないようだ。

NGOのお兄ちゃんとお姉ちゃんはいつも元気が良く、NGOらしい。最初は警戒されていたが、最近はやけに親しげだ。NGOの活動現場などに同行する機会もあるので今度連れていってもらおう。裏話が聞けるといいのだが。

2009年8月20日木曜日

372:新型インフルエンザ

この4カ月ほどで新型インフルエンザもジワリジワリと感染が広がっているようだ。世界的にはそれほど大きなニュースにはなっていない。BBCでも殆ど取り上げられない。ここ南部アフリカでも感染者が出たというのは聞いているが問題化していない。

どうも日本のマスコミは過剰反応気味なのか、あるいは世界が鈍いのか。

先日当地に長く滞在した日本人に伺ったが、この20年で数多くの関係者がエイズで亡くなったそうだ。数人どころではないそうである。

職員に聞いても同じ答えが返ってくる。

13年前のレソトでも酷い状況であったが、当地でもそうであったのか。

インフルエンザぐらいでは誰も驚かないのであろうか。

帰国が秋ごろだから日本での新型インフルの感染状況もかなり酷くなっているだろう。年配者は免疫性があるとは聞いているが、体質的に風邪にかかり易いので気をつけたいところである。

これまでにもデング熱や肺炎、通常インフルエンザで高熱が数日続いて何とか生還しているが、40度の熱が数日続くと熱にうなされるだけでも過酷なので今から心配である。

蚊もいなくなり過ごしやすいが、これから徐々に暑くなってくるとマラリアの危険も無視できない。どこにいても病気との闘いだがせめて70歳ぐらいまでは細々であっても海外勤務を続けたいものである。

今の庁舎は水と衛生に係る省だがトイレの衛生は極端に悪く、No.2の時は歩いて5分のホテルまで行って済ましている。

371:藪の中

コンサルタント活動というのはまずは事実を明らかにするところから始まる。所謂、facts findingsである。

これが中々難しい。コンサルタントを生業とする者でも手抜きが横行する。思い込みや思い入れで間違った方向に進んでしまった事例も多々ある。流石に大手コンサルではあんまり見かけないが、コンサルタントがいないコンサルタント会社(?!)では常に起こり得る。要するに、やる気がないし、いやいややっている諸氏がいるのである。

特に、子会社としてのコンサル会社。井の中の蛙状態であり、親会社からの出向者が優遇され、プロパーは元々やる気がない。形だけの仕事だけである。

一方、親会社からの出向者はコンサルなんてしたこともないが、学歴も高くプライドもある。コンサル的な仕事なんて大したことないと思っている。しかし、内心は不安感で満ちている。

小生も何の因果かこういった組織に数年ほどいた。親会社のある方の紹介で子会社の海外事業立て直しのお手伝いであった。出社して第1日目にオフィスの様子を概観して、この会社は駄目だな、と直感した。技術力や案件形成のセンスはゼロ。長い人生のいい苦行だったが。

この会社で多くの案件に参加したが、信頼できるエンジニアはたったの2人しかいない。

今でも恥ずかしい案件は2件あり、これがまだ続いているということを聞いた。前調査のやり直しに近い形である。クライアントに申し訳がない。前調査で事実をしっかり認識して、それを次の段階に首尾よく繋げるのがクライアントに対するコンサルの義務だからである。

結論を言えば、2件のお飾り団長(親会社からの出向者)の力量不足であり、都合の悪いことを隠し、都合のいいことだけをクライアントに伝えるプロに反する行為である。重要な事実を隠したり、計画案をゼネコンにまる投げする行為はコンサルとは言えない。

こうしたことを続けて行くと最終的に会社に大きな打撃を与えてしまう。非常に残念なことであるがコンサルタントでないコンサル会社や団体にはよくあることらしい。

コンサルタント会社が衰退してくると非コンサルタント団体が台頭してくると期待したが、やはりプロのコンサルが復興してこないとODAは成り立たない。

調査や計画が闇の中では心もとない。

370:ダム堆砂対策

日本ではダム堆砂対策は、ドレッジングが主で実験的にはダムからの排砂が行われているがあまり効果的でなく環境的にも問題ありそうである。

元々ダムを建設すれば貯水池内には一定規模の砂が溜まる。100年堆砂を想定しダム運用に支障がないように設計することになっている。

ただし、堆砂量の推定誤差が激しく世界各国で予想を超える堆砂でダム運用の問題が顕著となっている。元々ダム堆砂量は水文屋が推定することになっているが80年代後半までシリアスに考えられることはなかった。良識のある水文屋がしっかり推定してもダム屋の横暴で推定量を却下されることが多かった。なぜなら、推定された堆砂量が過大なら経済的にダム貯水池建設が成り立たないからである。

またダム建設地点の河川勾配も大きな要素になる。上下流での河川勾配が大きく変化しないならばダム地点で過剰な堆砂はまず起こらない。

小生が係ったダムや取水堰でも問題が発生したことはない。

以前も書いたが、河川勾配が上に凸の場合、堆砂が進むことが多い。ダム屋は河川専門家ではないのであまりこれを考慮しない。

結局ダム或いは取水堰が完成して間もなく堆砂が異常に発生し、想定より速いスピードで堆砂が進み貯水池運用に大きな障害が発生する事例が後を絶たない。

具体の名前は伏せるが、そうした問題のあるダムの堆砂問題の解決は非常に難しい。

この辺が、ダム屋と河川屋の意識の違いの相違になってくる。河川屋は河道変動に真剣だがダム屋は堆砂は100年後だといういい加減さがある。

貯水池タイプであれば何とかごまかせるが、流れ込み式の発電所の場合は大変だ。そうでなくてもピーク発電を想定しているから日調整の池が堆砂でみるみる埋まっては危機的な状況と化す。一度溜まって硬くなった砂はゲート操作してもそう簡単に吐けるものではない。

こうした状況のいいわけは、上流域での土地利用の予想外の変化で異常な土砂流出となる。それも確かにあるが、問題の本質はそうではない。ダム地点の選定なのである。

従って、100歩譲って、ダム貯水池運用をリハビリしようとする場合は非常に細やかな堆砂シミュレーションを実施し、最適な構造的施策を施すことになる。

さてどうするか、こうした問題に対する水理的モデリングはまだ日本ではかなり遅れている。それに伴う構造的な手法も確立されていない。ある国ではモデル実験後最適案を選んだ実例は知っているが。

かなり実験的な対応に成らざるを得ない。プロ中のプロのコンサルの力量が問われる。ゼネコンのトンカチ的な提案を鵜呑みにするようではまずい。もし工事完成後欠陥があれば大問題である。ODAで実験は許されない。

さて、インドネシア南スラベシの例ではどのコンサルがこの難問に挑むのであろうか。恥の上塗りにならないことを心から望んでいる。

369:The charm of the boss (Part II)

今日は中々忙しかったが、月例の水関連のドナーおよびNGO調整会議に参加した。議長は事務次官だが別件があったようで途中からの参加であった。

この事務次官さん、女性だが、中々の人物である。元々コミュニティーやジェンダー関連省の事務次官から横滑りしてきた方である。この国では通例のようだ。

女性らしく参加者全員に気を使う。例えば、始めて参加された方には声をかけ、会議の一体感や参加者の疎外感や緊張を和らげる。事務次官になる方はどこの国でも立派な方が多い。彼女は元々学校の先生だった。先日は娘さんの結婚式にロンドンまでご出張だった。時どき省内で会うと優しいお声をかけてくれるし、ノーアポでも部屋に入れてくださるので親しみやすい(以前書いた通り)。勿論秘書とはお友達だが。

日本ではあまり業務をしないので事務次官経験者の方にお目にかかることは殆どないが、唯一国交省の事務次官であられた現水機構理事長であられる青山さんも中々素晴らしい方である。まなざしが優しく、一目で信頼感を持てる方である。どこの国でもトップの方はすごい。

さて、今日の会議では思いがけなく事務次官からこの国の村落給の方向性がはっきり示された。やはりと思ったが実際に聞いたのが始めてだったので、なるほどなと思った次第である。

それは何かというと、この何十年村落給水の主力はハンドポンプ付きの深井戸であった。既に70%以上の水アクセス率を達成している。村落でもどんどん人口が増え、250名程度の供給能力しか期待できない深井戸では効率が悪い。表流水を効果的に使ったり、モーターポンプでのレベル2給水が急務となってきている。

いよいよ20年間続いたハンドポンプ付き深井戸建設支援も第2、第3の手法になりつつあることが分かる。

それにしても事務次官さんはきめ細かいご配慮をされる。自分自身も大した仕事をしているわけではないが、ドナーやNGO関係者の前でお褒めの言葉を頂けると参加者の対応もずっと違ってくるのだ。

今まで気にも留めてくれなかった同じ省の二人の局長も自ら歩み寄ってくれた。既に二人の局長とは仲がいいが、これでさらに2局のトップとのパイプがつながった。

自分自身は触媒的な人間で組織の長には向いていないが、こうして海外のトップの力量を垣間見ることができるのも幸いである。

カルスバーグの大びんを買ってホテルに戻り一人で乾杯だ。

2009年8月19日水曜日

368:苦行から成道へ(パート2)

お昼だが昼飯はシフトしているのでまだオフィスである。昨日は前回の省内組織の問題でごたごたしたが、何とかソフトランドしてきた。

こういう時にあまり小刻みに動かない方が良さそうである。というのも、朝方偶然局長に会い、先ほどはトイレで問題の副局長にばったり遭遇。

お二方ともにこやかで目線を合わせていただいた。局長は町内会長的だと以前書いたが、中々調整役としては見事な腕前で問題点を見抜いている。

副局長もやっと自分の方から、「実は前副局長が去年急死して僕も役不足で大変なんですよ。」と告白してくれた。何とかこれでうまく運んでいくだろう。

アウェーという状況で海外の見知らぬ国の技術支援はまずその組織内の問題から把握しないと難しいが、この何カ月でやっと心を開いていただけた。これから心に火をつけることになる。まずは信頼関係の確立だが、辛抱強く、ある時はおだて、ある時はなだめ、ある時は脅かすこともあった。政治的な動きも時には必要だがあまりそれに依存すると後でしっぺ返しがくるので控えている。

これで省内3部門の体制が次第に整ってきた。

日本からは以前F/Sを実施したダム堆砂対策事業の調査開始の知らせが入った。シルダリア川調査と同様、前調査に大きな問題があって苦行を強いられたが、いずれの新調査はぜひ慎重に進んでほしいと願っている。いずれも持続的な開発事業として大きな問題を抱えているからだ。

何べんも言うが、開発の持続性を維持するためには、

科学的なアプローチ
実践的なプラン
しっかりとしたポリシー

の3要素が必要である。「最高レベル」のプロのコンサルタントが実施できることを心から願っている。それでこそクライアントの期待に叶うことができる。

367:The charm of the boss

Proverbs 27:18

Whoso keepeth the fig tree shall eat the fruit thereof: so he that waiteth on his master shall be honoured.

組織で生きるのを常としているが、運不運もあり中々魅力ある上司やボスに会うことも少なくなった。世知辛い世の中で貧すれば貪すなのか、上司に命がけでついて行く信頼感は乏しいのが現状である。

さて、当地に来て水関係省内で仕事をしているが組織の有り様について勉強になることが多々ある。以前書いた局長3人の比較も面白いが、その下の3人の副局長の指導性や魅力もさまざまである。

全体では7局あるが、内4局はあまりお付き合いがないのであるが、3局とは密接な繋がりがある。仕事の中身は守秘義務があるので言えないが、副局長の動きに特徴があるので組織強化や人材育成に関するのでここで整理しておく。

1.副局長Aさん

彼女は41歳で地下水部署担当である。非常に感情的だが正直なところがいい。自分で対応できなければ、スタッフの優秀な部下を適宜呼んで対応させる。部内も頻繁に周り部下とのコミュニケーションを図っている。特に年上の部下で専門的には先輩の援助をうまく得ている。中々女性らしい指導性を発揮している。事務次官も女性なので信任も厚い。この点が小生にとって都合がよろしい。

2.副局長Bさん

彼はやはり40代か。苦労人で、以前は水資源関連局にいたが、将来を見据えて水供給局に移っている。局内および地方水公社とのパイプが太く、彼に支援要請をすれば直ぐにでも動いてくれる。上司の局長が省内1番の切れ者だし、彼の信任も非常に厚いし、100%理解している。こちらの言うことをしっかり受け止めてくれるのも有難い。大した男だ。

3.副局長Cさん

彼は50代だろうか。兎に角落ち着きがない。まともに話を聞くこともしないし、適当に相手して終わりという感じであった。彼が管轄している部門については一切説明がない。こまめに雑用をこなしているという印象を受けた。

後日、段々彼の状況が分かってくるとなるほどと理解した。昨年、省内でも最も優秀な前副局長が優秀な部下と一緒に交通事故に巻き込まれ亡くなっている。彼の力量と指導力は彼がこれまで書かれたペーパーやプレゼンで分かる。現副局長は後任だが部下のチーフクラスとは同じ年頃であるし、前副局長とは比べもにならない。チトー大統領死後の国内混乱状態と同じで、部署内は全く統制が取れていない。

こうして、3局を相手に仕事をしてくると成果の違いが歴然である。如何に上司の力量が必要かがこのアフリカの地でも分かる。ある種の雰囲気や部下たちの態度、言動にまで影響するから怖い。

今はもう大コンサル組織とは無縁だが、仕事上海外の途上国の組織内で動くことがあり組織の有り様は興味津津である。

今日は大人げなく問題の部局内で声を荒げてしまった。少しは反省してくれればいいが、弱い組織はさらにネガティブな反応を示すことが多々あるので要注意である。劣化していく組織は構成員全員が劣化してくので怖い。改善しようと試みる人から去ってくし、それを構成員たちは理解していないことが多いのであり、さらに人心が崩壊していく。こういう場合は、トップダウン方式で力学的に改革する必要がでてくる。内的な復元力は期待できない。

今日はくだらない組織論を書いてしまった。これも反省だ。

2009年8月18日火曜日

366:海外諸事情

懸案だったネット接続契約とATMでのクレジットカードでの現金引き出し状況が分かった。

1.ネット契約

3カ月の接続契約は、3カ月後の次の日の接続開始時間までであった。どうでもいいことだが、やはり数字に気になり拘っていた。月によって月日数は変わるので月契約では契約開始の次の日の同時刻までという設定らしい。電話回線での契約はインドネシアのマナドで経験があるが、この場合は1カ月ごとの請求書が送られてくる。プリペードカードは通常時間単位なので当然時間が超過する段階で切れる。今回の場合は月単位の契約だったので初めての経験であった。いろいろあるもんである。それにしてもこの南部アフリカの奥地で携帯電話が通じるところならふどこでもネットが利用できる時代の進歩に感心している。

2.クレジットカードによるATM利用

今までは現金主義なので100ドルを束にして海外に行き、ホテル代だけはクレジットカードというのが常だった。クレジットカードでATMから現地貨を引き出す必要性もなかったのだが、今回のことで必要に迫られて経験したが意外と便利なものである。ただし、銀行では上限が650ドルで、ATMでは130ドル程度であった。参考までに書くと、VISAとマスターカード両方を持っていくといい。今はVISA系が2枚と、マスターカード系が1枚。3枚あればなんとかなる。緊急事態発生時には便利である。ホテル代がカードで払えればこうした煩雑さはなくなるが。

通信技術の進歩で益々便利になるし、ネット情報も洪水氾濫状況。こうした中で有益な情報をどのように選択して積み上げるかが勝負である。

2009年8月16日日曜日

365:ネット接続契約の不思議

海外出張が短い場合はプリペイド形式での時間単位の契約でも全く問題ないが、数か月以上の場合はやはり作業効率上24時間対応のネット接続契約が便利である。

5月から使っているが3カ月の契約期間が1日過ぎている。3カ月という期間の定義が不明である。

1.接続開始時間から90日分の時間
2.接続開始日から90日間
3.接続開始日から3カ月後の同じ日
4.接続開始日から3カ月後の次の日

1.から3.はもう過ぎているがまだネット接続はそのままである。最後の4.の条件が明日。午前0時なのか或いは接続開始時間なのかはこれから分かる。

それ以上過ぎても接続状態が続けば、3カ月契約の意味がないことになる。切断されるよりはいいが、条件が不明なのは不可思議である。クレジットカードのキャッシングも上限が決まっていると言われているが、その上限は1回だけに適用されるのか、期間限定なのかも分からずじまいだった。

日本ではありえないことがままあるのが途上国である。

さて、計画停電が早めに終わったのでそろそろ休日の作業に入るか。

364:HBOテレビシリーズ

今日は2日分の40%作業したので夜は休憩である。

南部アフリカの衛星放送はHBO系ではなく南ア系だ。テレビシリーズもCSI、ミディアム、FBI行動分析官もあるので満足している。日本ではWOWOWを見るが、字幕があるので霹靂している。最悪は吹き替えで、言葉って大事でどんなにうまい声優でも雰囲気は絶対に伝わらない。

さて、HBO系のシリーズドラマでは、

Six Feet Under

Sex and The City

が気にいっていた。Friendsはコメディータッチだがなぜかつまらないと感じてしまう。Six Feet UnderはLAの葬儀屋の話で、毎回ある人の死ぬ場面から始まる。様々な人間模様とかがコンパクトにまとまっていて面白い。地面から6フィートのところの埋めるところからきている。一方、Sex and The CityはNYのしゃれた都会的な感じで軽くもなくかと言って重たくもなく楽しめた。やっぱアメリカの都会と言えばNY。

いずれもマニラ、ジャンカルタ、サイゴンあたりのホテルで見ていたか。今日は去年映画化されたSex and the Cityを見た。2時間半だからダレる。やっぱ、45分程度のエピソードがいい。

4人の女性も結構年取ったなというのが第1印象。40代後半という設定だから無理もない。テレビシリーズだからしょうがないが、4人の女優でまとめて1人分の主人公だ。各自それぞれでは映画の主演は無理だよね。でも、それでいいのかな。一人じゃ存在感なしでも、4人一体の共同作業的な演技でいいのかもしれない。

実際NYなど東海岸はボルチモアとかメイン州以北ノーバスコシアしか行っていないんで何とも言えないが、大人のラブストーリーは西海岸より東海岸がいい。大人の魅力が自然に伝わってくる。

子供の時に早く大人になりたかったし、高校生ぐらいまでは全く同世代といても話が合わなかった。メリル・ストリープがいみじくも言ったが、子供の時に既に40歳ぐらいの感覚だったらしい。

だから、大人になればなるほど人生が面白いと感じる。と言っても子供的な発想がなくなったわけではないし、寧ろ子供の時の感覚が今でも続いている。理性的には大人であり、感性は子供ということだ。

さて、日曜は残りの60%の作業をこなさなくてはいけないが、朝9時から12時までホテルの電気工事で停電だそうだ。5時ごろ起きて作業をシフトしようか。

大都会の夜景でも見ながら、しゃれたカクテルでも飲めるバーが恋しい。

2009年8月15日土曜日

363:Walk Hard

段々帰国が近くなると、いつものことだが毎日があっという間だ。南部アフリカも中々暑くならない。日本は33度かになって蒸し暑い日が続いているというのに。

ざっと今週の纏めをして、土日の作業に入ることにする。

1.のりピー事件も峠を越して後は警察の力の入れようを見てみたい。この事件とは関係ないが、アメリカ映画では薬物が係るものが非常に多い。今週だけでも3本。アメリカの芸能界は50年代から薬物汚染が続いている。昨日見たコメディータッチの「Walk Hard」もマリファナ、コカイン、LSDと次々に流行したことを面白おかしく示してくれる。

2.持続的開発をお勉強し始めると、持続性を理解する上で、科学、実践、そして政策の3つの柱があることが分かる。今はお仕事で忙しいので本格的なお勉強は帰国後にしよう。IWRM自体はもう吹っ飛んでしまった。

3.ザンベジ川の内陸水運開発調査も未だ進んでいないことが新聞で分かった。モザンビークにマラウイの大統領が行き本件の調査について協議したという。終わったはずのF/Sは実施しなかったようだ。一方、シルダリア川の水資源管理調査が開始されるとのことだが、05年調査から08年調査にうまく繋がっていない。やはりプロのコンサルが参加しないと無理かもしれない。膨大な情報の積み上げと整理分析や過去の経緯と現状認識不足が正直ベースで改善されないとクライアントの期待にいつまで経っても答えられないと感じた。それより開発が一向に進まないザンベジ川流域の方が調査への期待も大きく地域への貢献度が高いと思うがいかがであろうか。

4.アフリカの中国進出がすさまじいことは以前述べた。最近ではそれに伴って中国人の犯罪も多い。不正な外貨持ち出しや臓器売買などのニュースが伝わってくる。昔ヨルダンにいた時、同じ会社の営業屋がシリアの現場から陸路で入国していた。何でかと思ったら、外貨交換レートはシリアよりヨルダンがいいらしい。合法だと信じるが。

5.地下水のyield評価は長年の課題である。NASAがインドの地下水ポテンシャルとアセスメント調査を実施したそうだ。論文をダウンロードしたのでその内容はまた見てみよう。IWRMの問題点に係る論文も持続性という観点からいくつかでている。南アIWMIのミレイ博士やアメリカのSSPPもじっくりとフォローしたいところだ。

6.民主党政権が成立するという仮定で、様々な人の判断が進んでいる。コンサルは政治経済に関係なく儲からない商売だから、ある種の覚悟を持って進んでいけばいいんじゃない、と思う。良きファシリテーターとしてどうあるべきかを組織じゃなくて個人の問題として捉えられればそれでいい。企業的には存続しなくてもファシリテーターとしての存在理由が維持されればいいのである。簡単な話である。

さて、作業にかかろう。Walk hard.

2009年8月14日金曜日

362:Prime Suspectシリーズ

警察ドラマを通常police proceduralという。日本やアメリカ、イギリスがお得意だ。最近は韓国ドラマでも面白いのがある。

主題であるprime suspectは女性警部(後に警視となるらしい)が男社会の典型である警察組織で孤軍奮闘するシリーズもののテレビドラマだ。実際、昨日偶然見るまで知らなかった。見たのはシリーズ2で残業が終わりさて寝ようかなという深夜に始まってしまった。3時間以上だったので今日はボーっとしている。

中々の名作である。91年から始まって06年まで7回続いたらしい。すごいね。何がって脚本と主演のヘレン・ミレンの演技が。

イギリスを代表する名優だし、兎に角リアル。2作目の93年時点では彼女は48歳。それでも男勝りさと同じぐらい女性としての品格と魅力を兼ね備えている。

最近はエリザベス女王とかナショナルトレジャーにも出ていて、もう64歳だから結構いいお年。インタビューでは80年代はコカインパーティーで時どきやっていたとか話すし、ざっくばらんだ。

警察物はどの国でも官僚的な組織の中で個人プレーで顰蹙をかっている主人公の戦いを描くのが常である。その辺が庶民である我々には痛快なのだ。

prime suspectシリーズの場合は主人公が女性であり、男の嫉妬や中傷もいやらしい。イギリス紳士の化けの皮が剥がされるのが痛快である。

アマゾンでも入手可能だと分かり、早速全シリーズを買おうと思う。メリル・ストリープが主演で映画化を進めようとしたが駄目だったそうだ。彼女ではヘレン・ミレンには流石に勝てないと思う。

361:持続的開発論の入門書

一回りした最初の回は勿論「持続的開発」になる。とは言え、非常に広いエリアだし、定義もさまざまである。そういった認識が専門家にはあるので良い。IWRMはどうもフランスあたりの商売人が利を求めてプロモートしている感じがあり、胡散臭い。

持続的開発論に関しては世界的に有名なguruがいるようだ。

Janis Birkeland

がその人である。彼女の履歴は下記に示すが、02年には持続性の計画論、08年には積極的な開発論を発表している。評価は高く入門書としての価値と信頼性は高そうだ。

まだ読んではいない。アマゾンで購入しようと思っている。無論、ハードカバーであり、中古があればそれでいい。何しろ分厚い本らしいので読みごたえがありそうだ。

Janis Birkeland worked consecutively as artist, advocacy planner, architect, urban designer, city planner and attorney in San Francisco before entering academia in Australia. She has authored about 100 publications on built environment and sustainability and wrote the highly successful and widely adopted Design for Sustainability (Earthscan, 2002). She is now Professor of Architecture at Queensland University of Technology, Australia.

1. Design for Sustainability
A Sourcebook of Integrated, Eco-logical Solutions (2002)

デザインという表現がいいね。ハーバード派が60年代初頭に纏めた「Design of Water-Resource System」という名著を彷彿とさせる。決してトンカチではないが。

2. Positive Development
From Vicious Circles to Virtuous Cycles Through Built Environment Design (2008)

このpositiveという言葉が開発行為に息吹を与えてくれる。決して無秩序ではなく、しかし積極的に開発を進めるアプローチへの意欲が見えて取れる。

帰国する2週間前に依頼すれば日本に着くころには入手できるだろう。心待ちにしている。著者が女性というのも面白い。

以前インドネシアのダム堆砂対策事業のF/Sを実施したが、その中でvicious cycleからvirtuous cycleに変えていくと表現したことがあるので、2.のタイトルには懐かしさを感じている。始めて本格的な流域保全計画を担当したがいい経験だった。waterとlandの連携であった。それがIWRMだとは思っていないが。

2009年8月13日木曜日

360:親父のこと

今日あたりは流星群が見られるとのことで後の楽しみにしている。兎に角、ここの星はきれいだ。南十字星。天の川。見事だ。

さて、今回で360回。途中ちょっときわどい内容だったので後で削除したのもたくさんある。やっと360度で一回りである。

身内のことを書くのは気が引けるが、やはり自分という人間が存在し今生きているのも両親やご先祖様のお陰だ。叔父さん叔母さんたちからも人生の指針をたくさん頂いている。

親父は昭和3年生まれ、お袋は昭和5年生まれ。もう81歳と79歳だ。随分迷惑もかけたが、親子の付き合いも長い。物心がついて50年か。

親父にも自叙伝を纏めてみたらと勧めているがどうしているか。逆にこのブログは時どきプリントアウトして妻が実家に遊びに行くときに渡している。へえ、海外でこんな活動してるのと読んでくれているらしい。時々会っても中々実態は伝わらないから丁度いいかもしれない。

親父は旧制中学を関西で過ごしている。終戦直前は浜松だったか高射砲部隊にいたらしい。その後、埼玉県庁に入り、ずっと土地改良事業に係ってきた「つわもの」だ。直営事業から係っている。小生が物心つくころには自治労の組合活動に専従していた。60年安保の時のメーデーには浦和あたりまで連れて行ってもらった記憶がある。結局メーデーの後は仲間の家で麻雀が始まり家には戻らなかった。お袋が大変心配したらしい。6歳であったがその家のドアに入ったことを鮮明に覚えてる。

その後も自治労の専従だったが、小生が小学校3年生の時に祖父が亡くなり、目からうろこなのだろうか、親父も組合活動を辞め仕事に専念したらしい。それ以降は時どき釣りに連れて行ってもらった思い出があるぐらいか。自分も中学以来自分の世界に没頭していて、親父との仲良し関係はあんまりない。男同士だし。

大体、当時は飲み会(と言っても大概は業者の接待だが)も多く親父も夜遅く帰ってきた。必ず料亭でのお土産があり、特上寿司か鰻のかば焼きとてんぷらが定番だった。貧しくはなかったが当時の食生活では考えられないもので、それ以来お寿司とかば焼きに関しては上物しか食べられない。子供の時の食感というものは恐ろしい。

さて、彼も高度成長の中で埼玉県の土地改良事業については企画、調査、計画から設計、工事監理までこなしている。大体日曜日になると土地改良区の幹部とか建設会社の幹部が自宅にまで来て何やら話しているのが常だった。そういう時代だった。接待や贈り物は当たり前の時代だ。

ただ、現金だけは受け取らなかった。律義な性格だし、それをやったら汚職で捕まっていただろう。

県を退職したのが1987年ごろか。その後は測量会社の社長やったりしてたらしい。らしい、というのも87年ごろに一度大喧嘩してそれ以来13年実家に行っても口をきかなかったからだ。大したことでもなかったが、お互い頑固だし譲れなかったんだろう。典型的な埼玉県人でもあり、無口ではないが、口が悪いのが特徴だ。まあ裏表はないので信頼できるところがいい。

2000年ころに親父が胃がんの診断を受け入院・手術。その時にこのまま和解しなかったら後悔すると思い、自分の方から病院に行き、13年ぶりに話すことができた。

それ以来、親父も元気になり、あれから9年になるか。実家には住んでいないが、海外から戻ると遊びに行って夜遅くまで晩酌に付き合い、彼の過去の逸話など聞いている。

農業土木屋として戦後40年以上やってきていてやり尽くしたという達成感を持っている。あんまり給料は良くなかったが満足のいく仕事をやってきたんだろうねと思う。バブルが弾ける前に退職しているのでラッキーだったが、年金は貰いすぎかもしれない。

自分は公務員やゼネコンに行くつもりは更々なかったが、仕事に対する情熱だけは伝授されているだろう。彼もあんまり海外でのコンサルタント活動については良く知らないだろうが、海外から戻って報告すると喜んで迎えてくれるのはありがたい。

今思えば、生活面、成績のこととか、学校や職業の選択とかについては小うるさいこともなく、じっと見守ってくれたことは有難いことと今でも感謝している。思いと行動は別物であったのだ。

彼も公務員だったから、小生が会社を変えたりすることには手放しで大賛成ではなかったが、今ではこの道に進んだことを理解してくれている。

親父もお袋ももう80歳前後。まだまだ元気で頭もはっきりしている。今後のことは神様任せだが、どうなりますか。

9月末には帰国するのでまた久々晩酌にお付き合いしよう。ただし、3時間が限界で、それ以上経つとけんか腰になるので注意しよう。悪い性格というものは年を取るごとに際だってしまうらから。

彼の名言は、

残るも地獄、去るも地獄、それだったら去って新たなチャンスを探した方がいいよ。

それで、今の生き方にたどり着いた。「苦行から成道」への道はまだ遠いが。。。

359:開発途上国でのキャッシング

海外出張時には基本的に公金以外はキャッシュを持っていくことにしている。一日大体100ドルが目安である。ほぼ足りなくなることはない。ホテル代はクレジットカードで済ませるしお土産もそうだから。

長期で宿舎の場合は日当は現地貨で支払われることになるので、これも問題ない。今回は短期出張が少し伸びたため現金のドルが不足し始めた。ホテル代がクレジットカードで支払えない事情もある。

さてどうしよう。欧米でのクレジットカードのキャッシングの経験はあるが開発途上国での利用はなかった。今回初めて銀行でのキャッシングを試みた。

上限が625ドルで、取りあえず成功。上限が1回と認識していたがどうもそうではなかった。2回目は拒否されてしまった。国によっては限度額があるとは聞いていたのでびっくりはしなかったが、上限の有効期限は分からなかった。何しろホテル代の支払いだから月に2000ドル以上必要になる。

日ごろJALカードしか使わないが、別に緊急用に2枚のカードを持っている。久々の登場になるか。まだ使っていないが、ひとつはVISA系列、もうひとつはJCBである。JCBは国際キャッシングのネットワークに参加しているので使えそうである。

また銀行に行かなくてはいけない。まあ駄目だったら、カードが使えるホテルにそのうち切り替えよう。それも気分転換かもしれない。

米語では現金化することを、

cash

と言うが、英語では、

encash

という。アフリカは当然encashとなる。collect callとreverse charge callの違いと同じである。ケニア人にcollect callと言っても通じなかったっけ。

2009年8月12日水曜日

358:Before the devil knows you're dead

何とも不気味な映画のタイトルだなと思ったが、期待以上のできのいい歯切れのいいスリラー映画だった。内容はネットでお調べいただきたいが、実にリアルな物語であった。

さて、この不気味なタイトルだがアイリッシュの祈り或いは乾杯の時の有名な文句だそうだ。オリジナルを調べるとアイリッシュの祈りや乾杯の文句がいかに多いかが分かった。

May your glass be ever full.
May the roof over your head be always strong.
And may you be in heaven
half an hour before the devil knows you're dead.

アイルランド人らしい文句である。生きている時のたくさんの「悪あがき」があるのが常である。でも死んだら天国に行きたい願いが込められているのか。映画自体も悪あがきする人物像で溢れている。

監督は80歳以上の有名だそうだが詳しくは知らない。脇役女優も中々素晴らしいし、悪あがきする兄弟と執念深い父親の演技が最高である。

コンサルには結構アイリッシュ人が多い。あんまり好人物はいない。憎々しくて嫌味だ。まあしかし修行だと思って付きあってはいる。祈り一つでも伝統、歴史、文化の断片が分かる。

357:WWRP-3報告書の発表

このブログでも以前書いているが、トルコの南東アナトリア地域ではGAPという大規模な開発計画がある。88年現地に入り水資源システム分析専門家として始めて赴任した。89年まで数回出張しただろうか。

国際入札でベクテルを下し威勢が良かった。団長は尊敬するN社のK氏、副団長は現在のR社長のHさんだ。

そのころの思い出は以前書いたブログの通りだが、GAP機構が設立されそのトップがDr. Olcay Unverだった。彼はイリノイ大学で水文とか水資源を専攻した新進気鋭の学者であった。それが行政官のトップとしてGAPを任されたわけだ。当時、40歳ちょっと前ではなかったか。数年前までGAP長官(?)を務め、退官したのか。ケント大学の教授もしていたか。気がつくと国連のWWAPコーディネーターになっていた。

国際水資源学会で数年前に混乱があり、脱退表明をしたはずだ。ビスワス博士の奥さんが会長になって学会が混乱したため辞めたのであろう。ビスワスの奥さんもGAPをテーマにして博士号を取ったぐらいだし、Unverとは仲が良かったはずだ。前述のH氏も両者とは親しかったのに。あれからもう3年は経ったか。会長職も3年ぐらいだから混乱は正常化するのだろうか。

さて、そのUnverがUNのWWRP3のことについてインタビューに応じている。彼も写真で見ると大分年を取った。地味な感じの奴だったが。もう21年も前だからね。

下記にインタビュー記事を載せる。今はWWRP3(全部で30Mb)報告書をダウンロード中である。何しろアフリカ内陸国なので時間がかかる。相当なボリュームだから読むのに時間がかかりそうだ。

Water in a Changing World: Interview with Mr Olcay Unver

3rd UN World Water Development Report, 2009

Interview on the WWDR-3 and expectations for the future with
Mr Olcay Unver, WWAP Coordinator

Olcay Unver is the coordinator of the World Water Assessment Programme (WWAP). Hosted by UNESCO, WWAP is responsible for the coordination of UN-Water’s flagship publication the World Water Development Report (WWDR). The third edition of the World Water Development Report (WWDR-3) was released in March, 2009. In the following interview, he discusses the reception WWDR-3 has had and what we can expect in the future.

How has the WWDR–3 been received?

The WWDR–3 has been received extremely well. By launching the Report on the opening day of the 5th World Water Forum in Istanbul, we were able to significantly increase the Report’s visibility. There was a great deal of interest in the Report when we presented it at the plenary session. The plenary hall, which seats 1,100 people, was completely full. And throughout the Forum, we could see that delegates were often referencing the Report’s findings during the meetings, sessions and side events.

In the past, we had launched the WWDR on World Water Day, which closes out the Forum. So it didn’t figure as prominently in the Forum’s deliberations, and since many delegates are unable to stay for the entire Forum, it reached fewer people.

The Report’s launch also generated tremendous interest outside the Forum. It received a wide coverage in international and local media. Le Monde published an article on the Report on its front page. In March, when we posted WWDR–3 on the UNESCO web site, there were a record number of hits to the site, around 8.5 million. Clearly not all this traffic was for the WWDR - 3, but I think we can be fairly sure the Report attracted a significant number of these visitors.

How will you be measuring the success of WWDR-3?

The Report’s success will be determined largely by how well we do at broadening its readership. We certainly need to make sure the report reaches those people who are calling the shots in the different water sectors. But most of the decisions that have the greatest impact on water resources, their management and their availability are made outside the ‘water box’. And most of the drivers affecting water resources are not within the control of those working in the water sector.

So it’s very important for us to get the WWDR into the hands of a broad range of decision-makers outside the water community. If we can do that, and if the Report makes them understand that their decisions have a direct impact on water resources and their availability, then we have been successful. If it makes them realize that a failure to take water into account in development strategies could lead to a situation where they risk water scarcity, then we have been successful.

That’s why WWAP and UN-Water have been working and will continue to work together to make sure that policy-makers participating in a wide range of high-level political processes are aware of WWDR – 3 and its findings. For example, we prepared a paper with data and findings extracted from WWDR- 3 at the G8 water experts meeting in April, which WWAP hosted in its new premises in Perugia, Italy. We also presented the WWDR at side events at the 17th session of the Commission on Sustainable Development (CSD 17) and we prepared a contribution paper based on the Report for the 15th Conference of the Parties (COP15) of United Nations Framework Convention on Climate Change (UNFCCC).

Is it too early to start thinking about WWDR-4?

Not at all. The Forum marked both the launch of the third report and the beginning of the preparations for the fourth. We held three meetings about WWDR-4 at the Forum: an event open to the public; another with members of the production team and UN-Water coordinators; and a third meeting with WWAP’s Technical Advisory Committee.

At the production team meeting, we reviewed some of the lessons learned during the WWDR-3 preparation process. The main lesson learned? Get an early start. Plan the process and the content together and have your storyline. So that’s what we’re doing.

Even though we worked hard at making the preparatory process for WWDR -3 more inclusive, we found that we need to fine tune the process. We need to be more actively engaged with our steering committee, which is UN-Water. We need to have a well-defined process in which everyone involved knows their roles and responsibilities. And we need clearly agreed upon checkpoints along the way and fallback plans if these checkpoints aren’t met.

We have already had two preparatory meetings in Paris and a meeting of the core group in Perugia. We also coordinated a series of meetings, questionnaires, surveys and on line discussions with UN-Water members and partners as well as other stakeholders to refine the possible alternatives for the content and structure of the next report. The results of these consultations will be compiled and presented at the UN-Water meeting in Stockholm in August. At that meeting, we anticipate reaching an agreement on the production team and on the way forward.

The next WWDR will have an overarching theme and we want to further focus on the impact of various drivers affecting water resources. We would like to develop scenarios for possible futures that would result if certain specific actions were to be taken or if no actions are taken at all. This exercise depends in large part on developing a new generation of indicators for monitoring the water sector.

[Extracted from an interview conducted with UN-Water, May 2009.]

356:コペンハーゲン会議に向けて(その2)

今年12月に開かれる気候変動国際会議に向けて慌ただしくなってきた。イギリス・ガーディアン紙からの記事に前副首相のコメントがあった。

BBCのハードトークでも特集されているがインド・中国などと先進国のせめぎ合いになるだろう。まだ4カ月ほどあるがフォローの対象でもある。まずは記事のご紹介に留めよう。

UN climate change deal needs more sacrifices by West, John Prescott warns

Patrick Wintour, political editor The Guardian, Saturday 8 August 2009

Vital UN climate change talks in Copenhagen are likely to collapse unless rich nations agree a "social justice deal" built around equalising emissions per head in each country, according to the former deputy prime minister John Prescott.

Speaking to the Guardian, Prescott admitted that the formula would require far greater sacrifices by rich nations, especially the US. Prescott, one of three politicians to broker the original UN climate change deal in December 1997, is to become deeply involved in trying to ensure there is a successor to Kyoto.

He met leaders of Barack Obama's climate change team in Washington a fortnight ago, and is due to travel to China on 8 September at the same time as Lord Mandelson, the business secretary. He will be given an honorary professorship at Xiamen University for his work on climate change.

Prescott will also stage an international conference from 28 September on the principles of a deal for Copenhagen, to be opened by Rajendra Pachauri, the chair of the Intergovernmental Panel on Climate Change, and addressed by Al Gore. The conference, organised by the Council of Europe, will have 65 states present.

Prescott is also going to lead a Gore-style campaign in schools in October showing the film The Age of Stupid, starring Pete Postlethwaite, portraying a devastated planet in 2050 owing to world leaders' failure to act on climate change.

Prescott says: "What I fear is that Copenhagen is a much more difficult nut to crack than Kyoto, far more countries are involved, and we nearly did not succeed at Kyoto. It took a last-minute fix. There are going to be real difficulties, even among the rich countries themselves."

He is doubtful that the EU member states will even stick to the commitments they make. "For a deal to work it has to have a formula that has an element of equity and social justice in it that reflects the state of each country's industrial development and its emissions per capita."

China now emits more carbon than America in absolute terms, owing to the size of its population, but in per capita terms the US emits four or five times as much. Prescott warns: "Rich countries are showing great reluctance to face up to the reality of what rationing carbon means for levels of growth and prosperity in their countries. It is going to be a fundamental change."

The EU has committed itself to an 80% cut by 2050 and a 20% cut by 2020. The US Senate is due to pass a cap-and-trade bill to cut greenhouse gas emissions by only 17% from 2005 levels by 2020. But even this proposal, regarded as far too little by China and India, is meeting fierce resistance from the US coal industry, which is pouring cash into a lobbying campaign to weaken the resolve of Democrat senators. Prescott says: "From speaking to the Americans I can already see it is clear that they are going to have difficulties even meeting the European target. The steel and coal companies are financing the same kind of campaigns against Copenhagen as they financed against Kyoto.

"What is vital is that America and China come to an agreement, and at the heart of that will be an arrangement on the coal industry. China depends for 70% of its energy on coal, and the US still has a massive coal industry. Coal is still going to remain at the heart of global energy. A realistic agreement will have to recognise coal. You cannot shut it down.

"The west is going to come up with big money on how to finance alternative energy in the developing countries, including clean coal. We have got to crack clean coal technology. China and India are going to want to know how many billions the rich countries are going to put aside to help them make their carbon contributions. That will be one of the big tests at Copenhagen. The fact is that the west has poisoned the world and left continents like Africa in poverty. The west will have up to stump up the cash for clean technology."

Both Chinese and Indian climate negotiators have recently again refused to offer any targets to cut their emissions. They are insisting that the EU and the US commit themselves to 40% cuts in emissions by 2020 against 1990 baselines. Neither the US nor the EU are anywhere near this position.

Prescott says any agreement cannot be based on 1990 levels for developing countries. "They did not have industrial development at that stage, so we are fighting for the principle of an objective based on carbon tonnes per capita. That is the fairest way forward."

Copenhagen, he argues, will represent a major infringement on free market economies, even though it will use market mechanisms such as cap and trade to set a price for carbon through rationing.

"What we are beginning to witness is a whole new set of rules for economics, based on rationing resources."

2009年8月11日火曜日

355:The Ultimate Gift

今日はちょっと残業しようと思ったが8時ということで映画が気になり見てしまった。

hunchが当たって中々アメリカ映画らしいいい映画だった。

giftとは何かというテーマである。お恵みと言えば神様からの贈り物だが、人が生きる上でのgiftを考えさせるストーリー展開になっている。

大金持ちの祖父の遺産を当てにした孫が12個の試練を乗り越えて最後に全ての遺産を得るというアメリカ人が好きな物語になっている。12個の試練だから飽きない。さてどんな試練がでてくるのかで見入ってしまった。

書き留めておいたので下記に纏めてみる。

The Gift of Work
The Gift of Money
The Gift of Friends
The Gift of Learning
The Gift of Problems
The Gift of Family
The Gift of Laughters
The Gift of Dreams
The Gift of Givings
The Gift of Gratitude
The Gift of a Day
The Gift of Love

これらが満足されて究極のGiftが得られるということだ。

別に大富豪にならなくても得られるけど、こうして見てみると意外と難しいし、普段気がつかない。

ちょっと教訓っぽい感じかもしれないけど、一つ一つを見ていくと結構意味深いよね。

以前見た映画でシリーズ的じゃないけど、クリスマス前の一日が朝起きた時から何度も繰り返すというのがあって、いろんな場面で反省して最後の過ちをクリアーしてやっと次の日をむかえてめでたしめでたしという脚本もあった。

神様のお恵みというのは日々日常の中にさりげなくあるもんなんですね。結局は信仰心と関係してくるんだけど。世知辛い世の中を変えてくれるのはどうも政治じゃないような気がしてきた。

354:IBMの水管理ビジネスへの参入

IBMと言えばコンピューターの巨人であって大型コンピューターから初期のPCでもお世話になっている。統計解析や線形計画モデルでも大変お世話になった時代がある。

そんなIBMが水管理ITビジネスに参入している事実を昨日知った。水の価値が上がり、効率的な水管理システムが大きなビジネスチャンスであるとの判断である。

いよいよIBMの参入である。日本も水ビジネスを国家的戦略として進めるようだが、こうしたIBMの動きもワッチしておく必要があろう。もうかなり進んでいるようだ。手ごわい相手である。

下記に最近のインタビュー記事を載せます。

INTERVIEW - IBM sees big opportunity in water management IT

Sun Aug 9, 2009 4:49pm IST

By Poornima Gupta

DETROIT (Reuters) - IBM is pushing ahead into providing technology services to manage water, a market $10 billion market that the company sees growing quickly.

"This to me is an area that's really going to explode in the next three to five years," said Sharon Nunes, who heads IBM's Big Green Innovations initiative. "People see it as a gap. The water market is transforming."

Big Green Innovations, a play on IBM's nickname Big Blue, is part of IBM's so-called 'smarter planet' initiative that aims to apply information technology to efficiently manage electrical grids, transportation systems and other infrastructure.

"We are actually looking at three different markets -- industrial sector, for example food and beverage companies ..., local and municipal governments, water utilities," said Sharon Nunes.

Her group looks at business opportunities in sectors such as water, carbon management, solar technology and desalination.

"We are in discussions with a lot of food and beverage companies and some of the industrial processing companies," Nunes said, referring to new water management contracts.

IBM is also in talks with "a lot of utilities," she added but declined to give details.

Government stimulus in the water sector China and the United States, estimated at around $10 billion to $15 billion, will help establish the market for water management, Nunes said.

Governments, investors and human rights activists all see managing fresh water as key challenge in the coming decade. Billions of people already lack access to clean water and development and climate change are expected to disrupt the supply of fresh water even more.

IBM estimates leaks account for up to 60 percent of water supplied, costing water utilities worldwide $14 billion every year.

Managing water resources would include monitoring rivers, water reservoirs and pipes. IBM also provides systems for managing water infrastructure, such as levee oversight and flood control, Nunes said.

The technology company, whose products range from servers and software to consulting services, currently has a commercial deal underway with the Beacon Institute for Rivers and Estuaries in New York to build a monitoring and forecasting network for the Hudson River.

Also, IBM is working with researchers to monitor wave conditions and pollution levels in Galway Bay, Ireland, and is putting together smart water meters in Malta in cooperation with the utilities there.

The company's flood management and control system is getting a lot of attention from flood-prone countries in Asia.

"We are seeing some initial inquiries from a lot of smaller Asian countries," Nunes said. "In areas where there is government stimulus packages, there's been a lot of outreach from some of the companies to IBM."

2009年8月10日月曜日

353:Much ado for nothing

日本からのネットニュースも正常になった。

さっきまで久々MNET Actionで007サンダーボール作戦を見ていた。懐かしいね。65年だから小学校5年生のころだ。007シリーズも東宝の若大将シリーズと同じでクリスマスからお正月公開だった。

親戚の家に行き2日ぐらいまで泊って、いとこと一緒に上野の映画館にいく習慣だった。森繁久弥の社長シリーズから若大将シリーズに移行したころだし、ゴジラ、そして007だったかな。ボーっとしていた小学生時代。まだ世界は広くなかったけど、海外での出来事に漠然としたあこがれがあったかな。

65年の映画だけど、デジタル処理されていて映像が新鮮だ。当時の女性の魅力も再現できている。ロシアより愛をこめても先日見たが、ちょっとグラマラスな女性が流行っていたようだ。トルコでもバルックという女性を褒めるいい方がある。バルックとはお魚の意味だ。ほっそりした体型より魚のようにちょっとヴォリュームがあるほうが好まれたらしい。ベリーダンサーもあんまり細身では幻滅だ。

もう45年の前の作品だが、結構お金をかけているのが分かる。007シリーズで唯一アカデミー賞を取った作品ではなかったか。特殊撮影とか何かで。

60年代というのもシンプルな時代だったし、時間の流れも緩やかだった。年に1度のお楽しみという生活が懐かしく感じる。

この1週間の日本の「から騒ぎ」。希望が見えてくるといいのだが?!いろんな意味でね。芸能ニュースが1面を飾るようでいけない。

2009年8月9日日曜日

352:コンサル業界の立て直し?!

風邪気味で土曜日はボーとしていた。芸能ニュースで翻弄されていたが第1幕は終了したか。個人レベルから組織への問題に発展するかしないかが焦点である。まああまり興味はないが。

当地アフリカの滞在も長くなり持参した薬も切れ、インドの胃腸薬やタンザニア製の風邪薬を常用している。まずまず効き目はあるようだ。薄毛治療の薬ももう持たない。2日おきに変えた。何とかなるだろう。日本の価格の10分の1だが効き目は十分と認識した。ここから販売国に輸出依頼してもいいが止めておこう。

さて、今週は薬物汚染のニュースで持ちきりだったが、他にも気になるニュースがあった。

1.「IWRM投資は見返りがある」、という論文。これは去年フランスのINBOが発表したものだが投資を専門とするネットから見つけた。論文はダウンロードしたのでいずれ内容を書きたい。フランス人らしい商魂逞しい発想だろう。でもねえ、とうのが第1印象。

2.ゼネコン大手の業績発表があった。大手4社。2社は黒字、他の2社は赤字だ。具体名は言わないが承知のことと思う。合併話が日本からも伝わっているがその2社は赤字だ。どうなるか注目点。ゼネコンまで低迷すると土木工学そのものが低迷してしまう。

3.日本の立て直しを期待する偉人のトップ10のアンケート調査があったらしい。勿論1位は坂本竜馬。ファシリテーターの登場が期待されているのか。場づくり、引き出しのうまさは絶妙だから。「心に火をつける」天才でもある。邪心や野心がなく、志と度胸を持っているから信頼されるのであろう。コンサルで言えば久保田豊だろうか。しかしどこを探してもいないよね。

4.学生が各党のマニフェストを読まないそうだ。当然だろう。誰も実現するとは思っていない。IWRMと同じ理想論だからかもしれない。

小生も微力ながらアフリカで心に火をつける作業を細々とやっている。さて成果は上がるか、もうしばらくっ進んでみよう。省内1の切れ者局長の信任が得られたことは大きな収穫であった。彼の秘書に1分でいいからと言って局長室に入ると快く迎えてくれ、結局協議は1時間。Go for brokeを実感した。怖気づかず、かといってしゃべり過ぎない対応が必要だ。コンサルって結局ファシリテーターなんだよね、竜馬さん。

2009年8月8日土曜日

351:Little Fish

ベトナムで出会った知り合いの多くはどうもオーストラリアに渡りたがる。どうしてかなと思っていたが、かなりの数のベトナム人が移民していて、シドニーにはリトル・サイゴンもある。オーストラリアには行ったことがないが、リトルサイゴンの大きさが分かる。最初はどこだか見当もつかなかったぐらいだ。

久々見た映画は、

Little Fish

というタイトルのオーストラリア映画であった。タイトル自体が暗示しているのがヘロインである。お醤油を入れる魚の形をしてるプラスチックの容器を密売人が使っている。のりピー事件後だから見入ってしまう。

ジャンキーであった主人公とその周辺の人たち(彼らもまたジャンキー)も社会復帰を目指すが、前歴やお金のなさで結局元のままだ。映画の内容は省くが、一度ハマってしまった地獄からは戻れない実情を描いている。

映画全体にさびしげなヴェトナム音楽が流れ、物悲しい。

のりピーが「小さな魚」に見えてくる。

350:のりピー事件もBBCに登場

犯罪というものが人間の行動分析の最たる事例であることは間違いない。アフリカの奥地にいてもネットのお陰で情報が次々と入ってくる。

しかし、全てが断片的であり、事実と憶測が錯綜している。マスコミ各社の混乱ぶりがうかがえるが、真実に近いだろうなという記事や情報もだんだん感覚的に分かってくる。

2ちゃんねるなどのネット情報は殆どがゴミだが、きらりと光る情報もあるし、ジャーナリストの中にもかなり信ぴょう性の高いものある。それらを総括的に分析すればおおよその姿が可能である。

コンサルの作業に似たところがあり興味深い。コンサルは探偵じゃないが、プロセス的には近い要素が多々ある。

あまり具体の話をすると支障があるのでここでは書かないが、二つの事件の奥には組織的な活動があるように思える。それらが明らかになるかは微妙だが、どうもそんな印象を受ける。政治的なものと繋がってくることも想定内かもしれない。自分の想定したことがこれから警察発表でどれだけ当たるかが興味津々である。

総選挙の前に大きなことが発生するかという予想とも繋がってくるかもしれない。

BBC東京支社も今回ののりピー事件を取り上げた。BBCとしては珍しいことである。それほど重要な事件とは思わないが、日本の総選挙より重要だと判断したのだろうか。

二つの事件の脇役的登場人物の正体が次々に分かるととんでもない大きな事件であることが分かってくる。周辺の関係者は戦々恐々としていることだろうが、どの辺で捜査打ち切りになるのかが興味深い。警察の担当部署とか所轄も重要である。所轄に監査官が入ったかとかも。個人レベルか組織犯罪として扱うかとか。

今現在最も信頼できるジャーナリストからのメルマガを登録したので、続報の到着を土日のお楽しみとしよう。

コスタリカ不正事件の時は、現地にいる日本人と現地新聞の記者の情報が確か日本の新聞社に入り、それで日本での追及が激しくなったとある友人から聞いたことがある。ネット時代だから情報の伝搬も国際的だ。

349:JALの低迷

学生時代はお金がないしJALなどとても乗れなかった。始めてJALを利用したのがビジネスクラスで以来30年弱利用している。随分お世話になった。

81年にはロンドン行きJAL8便でクウェートまで。途中、KL、ニューデリーなどを経由したと思う。クウェートからカイロ、アテネ、そしてロンドンだったと思う。機内は狭かったがキャビンアテンダントの対応はかなり良かった。帰りはカイロから成田だったか。当時アンカレッジ経由もあったが、新入社員は南周りだった。それでも新入社員が行き成りビジネスクラスだから羽ぶりは良かったのだ。

それ以降は、全体の半分以下だったがJALを利用していたが、バブル崩壊後にはサービスの低下が激しく他社に切り替えたと思う。航空会社選びも自分でできたし。

この何年かはJASがJALの代わりに運航するケースが増えてサービスの低下は著しかった。必ず不手際がありクレームの連続であった。それでも改善はされない。キャビンアテンダント自体がやる気がなかった。

世界恐慌もありJALの業績は最悪と聞いている。ビジネスマンもビジネスクラスを利用できないしラウンジはガラガラだ。こんな調子では業績が上がるわけがない。

以前はラウンジで必ず同業者や同じ会社の方にお会いすることが頻繁だったが最近は殆どない。外国人もずいぶん減った。

10%程度の不採算業務を廃止することは当然のことだ。人件費削減も限界だし。

所属する教会の信者でJALの職員がいて羽振りが良くボルボの新型に乗っていたが名古屋あたりに転勤したと聞く。昔は会社の重役たちもお嬢さんをJALに就職させたことを鼻高々に自慢していたがもう過去の話である。

事業というものは採算が悪ければ速やかに廃業すべきと考える。経営者の基本中の基本だが、その判断は中々できるものではないらしい。コンサル会社も採算性が落ちるばかりだが、代替案がない。会社自体を廃業するしかないのであろうか。難しい問題を孕んでいる。

348:世銀:気候変動に向けて

グーグルのアラート機能を使っていて、

integrated water resources
water resources
climate change
sustainability
sustainable development

などの単語で世界のニュース、ブログなどから情報を得ているが、最近はこのブログが検索されるので困ってしまう。自分のブログが検索されても意味がない。今日は世銀の気候変動に向けてのニュースがアメリカから入ったのでご紹介する。

The World Bank takes on climate change
by Dara Kerr (CNET)

SAN FRANCISCO--How will a shift in carbon reduction play out with the world's poor? This is an issue The World Bank is grappling with as it prepares for the international climate change summit in Copenhagen this December.

Katherine Sierra, the vice president for sustainable development at The World Bank, and Awais Khan, the director of KPMG's Clean Tech Venture Capital Practice, spoke on this topic Tuesday here at the Commonwealth Club.

Along with higher temperatures, climate change is causing rising sea levels, shifts in rain/snow patterns, and an increase in weather-related natural disasters. Although the impact is worldwide, people in developing countries get the brunt of it with severe risk to their agriculture, food, and water, Sierra said.

"We took a major step a couple years ago because we felt we weren't doing as good a job as we should have in integrating environment into our programs," said Sierra. "We actually merged our infrastructure practice with the environmental and social practices."

On top of being more vulnerable to climate change, countries in the developing world have a shortage of infrastructure. According to The World Bank, 1.6 billion people in the developing world still do not have access to electricity, and those who do may have only intermittent service.

"There are areas in Pakistan that have 12 to 14 hours of blackouts per day," said Khan. If the shortest way to fix that problem is through burning coal, he explains, that's what governments will do.

However, being the ninth-largest coal deposit in the world--with 186 billion tons of coal, Pakistan's "government is very favorable to using cleaner coal technologies," Khan said. "Sometimes we don't give enough credit to governments of developing countries."

The event fell on the heels of an article Sierra wrote for The San Francisco Examiner last week, where she explained what The World Bank, an international financial institution that loans money to developing countries, intends to do regarding climate change and the world's poor. Last year, The World Bank gave almost $7.6 billion for energy financing, a third of which went to renewable energy and energy efficiency. Projects included putting in rapid bus transport in five major cities in Mexico and working on smart grids in Turkey.

But another third of the $7.6 billion put forth was given to fund traditional fossil fuels. This is what skeptics generally point to when criticizing The World Bank's initiatives and intentions. The nonprofit Bank Information Center, for example, released a study in February on how The World Bank's energy financing is being felt by developing countries

The organization found that although The World Bank increased funding for renewable energy (by 11 percent), it dramatically increased funding for fossil fuels (by 102 percent) last year. "The bank's continued lending focus on fossil fuels commits many developing countries to fossil-fuel based energy for the next 20 to 40 years," said Heike Mainhardt-Gibbs, a consultant with the Bank Information Center.

The Bank Information Center points out that when developing countries begin to work on greenhouse gas emission reductions, it will be more difficult and expensive because of their extended use of fossil fuels.

The World Bank says the fossil fuels they are funding are increasingly clean coal technology and natural gas, which is the cleanest fossil fuel. "We want hospitals with refrigerators, schools with light bulbs," Sierra said during her talk, "if you look at any projections, they tell us under any circumstance we still need fossil fuels."

This will all be hashed out come December when representatives from over 180 countries meet in Copenhagen to work on a new treaty that addresses global warming. Within this international agreement, countries will look at what is doable and possible to lower greenhouse gas emissions while still trying to get energy to the world's poor.

コペンハーゲンに向けて世銀も動き始めている。

のりピーは逃走していたのか。総選挙前の大事件はこんなことだったのか?!いずれの事件も奥が深そうである。

2009年8月7日金曜日

347:SWAP(ウガンダの事例)

ウガンダは98年ごろからドナーやNGOの協力の下SWAPが実施されJSRが毎年実施されてきた。今やアフリカにおける成功例として認識され各国に広まったのは既に述べた。ウガンダではどんな形で実施されたのだろうか。下記に紹介記事を示す。

Background

As a result of the long-standing cooperation between Denmark and Uganda in the water and sanitation sector during the past 10 years some 1.5 million people have benefited from improved water supply and sanitation (WSS), and important contributions have been made to water resources management and institutional reform. This means that Danish support to water sector development in Uganda has made a substantial contribution to the efforts to meet targets on water during the initial reference decade for MDG monitoring. Danish support to water sector development is based on a holistic approach linking investment in water infrastructure with support to IWRM related development with a view to ensure environmentally sustainable sector development. Measurable improvements have been gained in the capacity of the Directorate of Water Development and the Water Resources Management Department (DWD/WRMD). The capacity of districts, sub counties and towns in the eastern area of Uganda has increased measurably as has the capacity of private sector contractors and communities to develop and operate safe water and sanitation facilities. Danish assistance throughout has been planned on the basis of GOU priorities and Danish policy concerns, such as poverty orientation, popular participation, gender focus and environment. Danish support has been consolidated during 1998-2002 by the introduction of the first phase of Water Sector Programme Support.

Description of the Initiative

The second phase of the Water Sector Support Programme (WSPS2) has been formulated in close adherence to national objectives that emphasise the sustainable provision of safe water and hygienic facilities based on management responsibility and ownership by users. The WSPS2 focuses strongly on poverty reduction. The emphasis is on assisting the poorer rural areas and the smaller towns where 85% of the poorest people live and where coverage of water and sanitation is lowest.


The innovative element of the new programme is the introduction of a robust and government led Sector Wide Approach to planning (SWAp) processes in the rural and the urban sub sectors as well. These considerations imply a radical realignment of Danida support to water sector away from previous donor-specific project approaches. Funding under the new scheme will take place either through sector earmarked budget support or through basket funds that pool financing with other donors which include Swedish International Development Agency (Sida), the Department for International Development (Dfid), Netherlands Development Organisation (SNV) and other local partners including NGOs and the private sector. In particular, the assistance from Danida and SIDA has been closely coordinated as countries are core-funders of the sector. Main National Agency is the Ministry of Water, Lands and Environment, Directorate of Water Development. The SWAP involves close coordination with the Ministry of Finance. The present phase has a duration of 5 years and an overall budget frame of DKK 300 million (50 million USD). Starting date was 1st January 2003.

Mainstreaming/Sustainability

In line with the stipulations of Uganda’s Poverty Eradication Action Plan (PEAP) and the associated Poverty Reduction Support Credit (PRSC) - the WSPS2 will aim at assisting Uganda in meeting the water related Millennium Development Goal by substantially increasing the number of people served by sustainable water and sanitation systems. The SWAP will further enhance IWRM activities on the basis of the existing Uganda Water Action Plan funded by Danida under previous project and programme assistance.


The SWAP is closely connected with the policy of decentralisation and thus adding to the principle of managing water at the lowest possible level. The decentralisation process is expected to result in increased political accountability given that investment decisions to a still larger extent will be taken at the levels of local governments. For the RWSS investments the accountability will be secured through the Poverty Action Fund and later the planned Fiscal Decentralisation Systems. As an extra control mechanism, tracking and value for money studies will be reported on during the joint GOU-donor annual reviews led by the participating donor countries on a rotating basis. For the other support areas, the funds will be transferred into basket funds, which will be managed by the government and a lead donor using project fund modalities.

Replication of the Initiative

Although it is early to make a final judgement of the SWAP approach, and in spite of ‘teething problems’, the positive experiences from Uganda have already had notable impact on the way in which Denmark is formulating water sector programme support in other countries. The Uganda model has become the driving force in the development of new water sector programme support to Kenya and later to Zambia, where Denmark in response to its WSSD commitments has decided to expand its support to water sector development. The SWAP principles have also been considered for future inclusion in the newly agreed 2nd WSSP to Ghana.


Denmark is working actively to introduce and share the SWAP experiences with other donors as one of many approaches, which would lead to better coordination among donors. The Harmonisation in Practice Initiative (HIP) lead by the ‘Nordic+’ Countries is an attempt to operationalise the recommendations of the DAC Harmonisation Guidelines (The Rome Declaration) and for promoting the principles of SWAP – not limited to the water sector. As lead country for the Africa Water Supply and Sanitation Component of the EU Water Initiative, Denmark has been advocating for the principles of SWAP and Harmonisation as one of the expected outcomes of the emerging dialogue between European donors and African countries under the so-called ‘Country Level Dialogue’.

NGOとしてはWaterAidが活発であり当地でも有力NGOだ。WaterAidにはカナダの国境のない技師団も協力しているが、これは多分CIDAの影響だろう。カナダ人の若手にも何人か会ったが人柄も良く好感が持てる。別のInterAideもフランス系だが今度彼らの現場にを見学させてもらうことにしている。SWAPには主要メンバーではないがUNICEFと連携してハンドポンプ付きの深井戸施設のサプライチェインの支援を行っているのだ。

今まではNGOと協議したり情報交換したことは多いが実際に彼らと連携するチャンスを模索することがなかったので楽しみにしている。アフリカという新天地ではアジアとはまた違う援助のあり方を学んでいる。

それにしてものりピーは無事なのか?

2009年8月6日木曜日

346:SNS利用の恐怖

やはり思っていた通りアメリカ国防省はSNSの利用に懸念を表明している。

所謂、Social Networking Service

で、facebook, twitter, myspace

などが禁止の対象である。他者の情報収集には適しているが、軍関係者が使っていてはまずい。

本人が認識する以上に関心情報が満載しているからである。メルアドをアップロードしたり、名前で検索すれば関心対象者の利用が直ぐ判明される。心理学的には行動分析も可能だ。

対象者の交友関係も明らかになれば直接および間接的に情報入手が可能となる。

具体的にどうするかは言えないが、軍関係者が利用するととんでもないところから情報が漏えいされる。情報収集担当者には便利だが、身内が利用したら危ない。当然の判断であろう。

民主党は国家的情報機関を作ってくれるだろうか?

344:SWAP(入門編)

以前紹介したSWAPもIWRMの一つの道具として捉えられている。アフリカで多くの事例がある。各国で採用されIWRMより一歩前進している。IWRMを全面的に適用するする第1段階の手法として定着しつつある。成功例はウガンダと言われているが、まだ成功なのかは分からない。しかし、SWAPを取りあえず知っておくことは必要である。

What is a Sector Wide Approach (SWAP)?

SWAps are a form of programme aid directed to particular sectors. Within a SWAp, government and donor funding for a sector is directed towards the achievement of an holistic sectoral strategy which has been matched to available resources and implementation capacity. The sector wide approach is contrasted with a project-based approach in which individual donors each support a particular set of activities within the sector (for example, building schools or roads). The existence of a robust national framework for the sector is one of the main prerequisites for the introduction of a SWAP.

According to DFID a SWAP must involve:

A comprehensive sector policy and strategy
An annual sector expenditure programme and medium-term sectoral expenditure framework
Government-led donor co-ordination
Major donors providing support within the agreed framework.
In addition, it should meet at least one of the following criteria:

A significant number of donors being committed to moving towards greater reliance on government financial and accountability systems.
A common donor approach to implementation and management.
Another characteristic is that technical assistance is commissioned directly by governments rather than donor agencies.

Ideally, sector wide approaches are developed by the government in consultation with all stakeholders and investors, including donor agencies. Under the leadership of the government, these parties work together to define:

An overall sector policy framework
Priorities and objectives (i.e., strategy), and performance measures
Expenditure programmes
Institutional reform and capacity building needed for implementation
Jointly agreed management, reporting and accounting arrangements

A single SWAP can incorporate a variety of different funding mechanisms, whether sector budget support, off-budget pooled funds, or projects. Funding modalities under SWAP may range from budget support to basket funding delivered as sector or programme earmarked support. It also includes the possibility of funding activities through NGOs and private sectors, but under modalities where the recipient government is maintaining access to information on disbursement and some control over how donor funds are being utilised.

What are the BENEFITS of a SWAP?

1.The SWAP allows development partners to contribute to a national programme of development instead of piecemeal project specific development.

2.It increases donor coordination and reduces the likelihood of overlapping and duplication of initiatives.

3.It further enhances the possibility of the government to ensure uniform practices and reduces the administrative burden of dealing with a number of donors applying different policies and administrative practices – in particular in relation to financial management.

4.It enables the government to move away from implementing multiple parallel schemes- financed by different agencies- which often result in islands of success or some programs undermining the others.

5.It provides a consistent development approach and a more firm and predictable expenditure framework and sources of finance for the government to implement state-wide scaling up of the RWSS sector reforms.

6.The main benefit of SWAP is that it should lead to more efficient use of limited funds from donors, from national budgets and from user contributions to water sector development maximising the overall contribution in achieving the national MDG targets.
SWAP in the Water Sector: A Complex Challenge Initially concentrated in the social and more donor-dependent sectors such as health and education, Sector-Wide Approaches (SWAps) have become the common focus for sector reforms and sector-wide policy planning and implementation. However, SWAPs have remained rare in the water sector, partly because the sector is not so easy to categorise as either ‘social’ or ‘productive’ and there is less consensus around models of service delivery, as compared with health and education. The water sector has special characteristics. It deals with a vital and contested resource, and includes multiple stakeholders at all levels, with different interests for which they may fight with all means. It is little wonder that the sector, given these characteristics, is politically, socially, institutionally and technically complex to develop, manage, and regulate.


Emerging lessons from the water sector show that a SWAp can be a promising answer to such a complex sector when it is approached as a flexible and long term process towards improved capacities for negotiation and bargaining of interests, policy making, planning, resource allocation, implementation, accountability and coordination.

Lessons Learned Experiences indicate that there are three critical success factors for a water SWAp - VISION, COLLABORATION & OWNERSHIP:

1.An integrated broad vision is needed, but with operations in sub-sector programmes: There is broad global agreement about the pertinence of Integrated Water Resources Management (IWRM), which promotes a holistic view on resources, uses, actors and rules of the game. IWRM – and SWAps - recognise that it is a slow process to develop effective policy processes and efficient policy implementation on the ground. The vision can therefore be broad, but within it operational programmes need a level of autonomy that is likely to require a focus on sub-sectors.

2.Focus on collaboration and governance: Water involves everyone, and SWAp experiences show that a focus on collaboration and governance is essential for success. Collaboration between multiple and diverse actors also involves flows of funds, assignment of staff, and exchanges between vertical and horizontal levels of administration – and brokering of interests and conflicts. Initially, SWAps may focus strongly on collaboration between donors, but successful SWAps move on to strengthen collaboration, rather than focusing on particular donor projects or donor-driven policy prescriptions.

3.Focus on ownership and capacity: Donors cannot pursue a SWAp alone. Experience shows that a SWAp lives with country ownership, and dies without it. In some settings, a SWAp may not be worthwhile, and projects delivering to vulnerable groups may be the best option. When commitment is there (most often driven by a few champions), successful SWAps aim at broad [capacity building|capacity development]] and do not confine themselves to central level authorities.

But challenges for water SWAPs also exist, in terms of RESULTS, CAPACITY, ACCOUNTABILITY AND LEARNING.

1.Getting to results: It is a challenge to link policies to operational plans and ensure the implementation of these plans. The “transmitters” between policy and action – expenditure management, capacity and incentives to performance - develop slowly at best. SWAps may tend to concentrate at central level, forgetting local level processes and capacities.
2.Accountability: Water resources management and service delivery is susceptible to corruption. Corruption can be found at every point along the water delivery chain, from infrastructure development through to operations. SWAps may sometimes focus too narrowly on the risks for donors rather than working both with the domestic demand side for accountability (user associations, media, checks and balances mechanisms) as well as the supply side (accounting practices, results reporting, transparency on budgets etc.).
3.Capacities and capacity development: The sector wide approach is about broad capacity development of the sector. Getting from theory to effective capacity development support in practice has proven difficult. Capacity development in a SWAp is often limited to ad hoc processes (training, workshops, technical assistance) that do not reach all levels in the sector or subsector. Unleashing existing capacity through modification of mandates, changed incentives and improved platforms for collaboration is often not considered systematically.
4.Enhancing sector learning in SWAps: The SWAp assume that actors learn from the processes they are involved in, and that this learning feeds back into repeated cycles of policy processes, planning, implementation and monitoring. This is not easy to achieve. SWAps tend to focus on spending and immediate results. The specialised actors who can effectively promote learning – national research centres, universities and think-tanks – are rarely invited to take part in SWAps.
5.An additional challenge is that water issues –increasingly linked to climate change - go beyond national borders. For SWAps, this raises two critical questions: How can SWAps deal with transboundary aspects of water resources management? And how can the likely new global initiatives to address climate change be integrated in SWAps?

A SWAp in the water sector is not a panacea for dealing with the complexities of water management, neither at local, national, regional or global level. But strong national SWAp processes are likely to facilitate regional and global processes, and they do fit well to current thinking about IWRM and to the aid management principles embodied in the Paris Declaration. And though SWAp processes are cumbersome and slow, it is difficult to see an equitable alternative.

ウガンダのほか、モザンビーク、タンザニア、ベニン、南ア、レソト、マラウイ、ケニア、ザンビアなどで動いている。NGOも絡んでいるしヨーロッパの国際機関も支援している。日本はまだ用語すら浸透していない。

2009年8月5日水曜日

343:アフリカでも中国の勢いが止まらない

足立さんのブログを見ていると中国のアジア進出の勢いがすごいが、ここアフリカでも同じである。

それに伴って中国人が強盗に襲われ殺害される事件が南部アフリカ諸国で発生している。それだけ多いのか。ある情報によると75万人近い中国人がアフリカにいるという。国別のデータはないがすごい数だ。単純労働者とかその家族も連れているかもしれない。まさにアメリカ西部開拓史のアフリカ版だ。

あまり条件を付けずに開発事業に投資してくれる見返りに大量の労働者が受け入れられているのだろうか。

当地でも現地人に聞くとインド系が撤退しているそうだ。また台湾系もいなくなり、中国勢が押し寄せていると聞く。以前書いたが、中国製のテーブルランプが300円だ。これでは他国には太刀打ちできない。

このホテルはインド系だがお客さんもいないし閑散としている。まだ大型の中国系ホテルはないがそのうちできるかもしれない。なんとなくインド系が元気がなさそうに見える。

昔、と言っても76年だが、LA国際空港に至るハイウェーの右サイドにコリアンストリートが1本あったが、86年にはコリアンタウンになっていた。今はラスベガスでもコリアンタウンがあるくらいだ。

そのうちアフリカ各国にチャイナタウンができてもおかしくない。せめて本格的な中国料理を食べさせてもらえれば文句はない。

342:持続的開発(論説)

今日は3カ月ぶりに床屋に行った。アフリカ出張も3カ国目だが現地で床屋に行ったことがなかった。さて、どこにしようか。迷った挙句、5星ホテルのhair dresserに決めた。市中に床屋もあるにはあるがまずはホテルが無難である。日本では髪型に拘らないので1000円の10分床屋である。流石に一流ホテルだけあって丁寧で1時間もかけてくれる。お隣はお金持ちのお嬢様だ。イギリス英語をうまくこなしているし、店の常連のようだ。言わば黒人のお金持ちの社交場だ。面白い観察ができた。

こちらは流石に1時間かけてのカットで満足。お値段は6ドルか。ジャカルタやマニラのホテルのバーバーでも15ドルは取られるから値段としては格安であった。これから暑くなるのでさっぱりした。

さて、持続的開発の分野では新進気鋭の優秀な女性がいる。リトアニアのエネルギー研究所のストレイミキエイミ教授である。エネルギー経済や環境、気候変動など広範な分野で活躍している。彼女の論説がECのお馴染み環境政策への科学に載っていたので下記に転用する。中々素晴らしいし分かりやすい。入り口としてはいい参考文献になるし、彼女の活躍をフォローしようか。

Sustainable development for quality of life

Sustainable development is perceived as a compromise between environmental, economic and social goals. This allows society to ensure well-being for present and future generations without damaging the environment and jeopardising the ability of future generations to meet their own needs.

This thematic issue outlines recent research which helps us understand the benefits of sustainable living and how it can be achieved through implementing sustainable development strategies. It provides an analytical overview of the central issues and explores different perspectives, including sectoral (energy, industry, transport, agriculture) and state macro-economic strategies, their linking and monitoring tools, how damage to ecosystems can be evaluated and how we can replace vicious cycles with 'virtuous cycles' in forestry.

The current economic crisis is top of the policy agenda and understandably the cause of great concern. A recent report outlined in 'Prosperity without growth: lessons from the economic crisis' suggests that we need to redefine 'prosperity' in order to avoid similar catastrophes in future and protect precious environmental resources.

Business and industry could go far, both economically and environmentally, through careful sustainable development strategies with cooperation at their heart. See 'Can SMEs improve sustainability?' and 'Cooperation is the key to sustainable industry' for more details.

Sustainable development can also play a central role in community development. 'Sustainable development can break the vicious cycle of poverty' takes a look at how a careful strategy could transform a community in Ethiopia suffering from the repercussions of deforestation. Closer to home, 'Roadmap builds consensus for sustainable rural development' explores a new way of developing rural planning strategy which has brought together a Dutch community to create a desirable vision of the future for all.

Another method of identifying the best options for sustainability is described in 'Worldviews' provide basis for sustainable development', which seeks to incorporate the values of all in society to produce robust policies.

Two policy areas for which sustainable practices are essential to environmental improvement are energy and transport. A recent study provides policy makers with a useful framework for understanding a range of different policy measures on sustainable energy targets. See: 'Making links between sustainable energy policies'. 'Local decision making tools for sustainable urban transport' provides information on helpful resources for planners implementing sustainable transport policies.

Ecosystems are clear victims of unsustainable practices, with biodiversity suffering some severe blows. 'New impact assessment method monetarises ecosystem damage' provides a new tool for sustainable development by using measures for ecosystem damage which can be made directly comparable to measures of damage to human health.

Finally, we need to be able to measure how well we are doing in the journey towards sustainable living. 'Indicators to keep track of sustainable development' provides an overview approaches to measuring progress.

Sustainability is much more than a handful of influential policies. It should be a guiding principle in all that we do - for government, for business and for everyone as citizens making everyday choices. While profound, and perhaps difficult, these changes will ensure we can maintain and improve quality of life for all.

日本からは総選挙と芸能人薬物汚染のニュースで持ちきりだ。ノリピーは無事か??

2009年8月4日火曜日

341:「世界観」という視点

環境経済学という分野があって日本では確か早稲田大学に有名な中堅研究者がおられる。沖大幹さんのような方だ。

国際的にはエコロジー経済学の論文集もあり下記の論文要旨もその最新号である。世界観という言葉が目新しい。

価値、知識、世界観、そして開発シナリオを結び付ける評価理論だそうだ。それによって持続的開発を概念化するらしい。トンカチ土木屋には難しい。

臨機応変な水資源管理の方が分かりやすいが、その目標となる持続的な開発が分からないと方向性を失いかねない。

下記論文を早速読んでみた(基本的には有料だが、あるサイトからは無料でゲットできる)が簡単には理解できない。まだまだ修行が足りないね。

'Worldviews' provide basis for sustainable development

A recent study describes a multi-disciplinary approach to identify the best policy options for sustainable development, based on individual and collective 'worldviews'. The method can produce sustainability assessments of any social or ecological system or country.

Hundreds of definitions of 'sustainable development' have been given; this study focuses on the concept of 'quality of life' for humans both here and elsewhere, now and in the future, i.e. continuing and developing a desirable quality of life. Originally, sustainable development was conceived of in physical terms, by setting an ecological or environmental target. However, economic and social dimensions have now also been brought to the forefront.

Sustainability science thus brings great challenges in linking social sciences with natural sciences (such as biology or chemistry), which need to be brought together in a meaningful way to understand the relationship between natural, physical resources and people's behaviour and experience of well-being. The study describes a methodology for this developed by the Netherlands Environmental Assessment Agency (PBL), which uses analytical and participatory tools to construct models of sustainable development.

Since groups of people hold different values and beliefs about the best way society can sustain quality of life, the first step is to analyse their value orientations and their interpretation of sustainability problems, i.e. their beliefs. This study finds different tendencies, for example, preferences for progress over conservatism, freedom versus order, individual versus collective behaviour or market forces over government legislation. The idea of quality of life is strongly linked to such values and interpretations.

These worldviews are then used to create sustainable development scenarios. The outcomes of these scenarios can be investigated in terms of risks and opportunities and positive and negative impacts. This allows policy options to be identified which are robust under several worldviews.

However, the relationship between individual worldviews and a population's individual and collective behaviour is complex. Although values are not a predictor of behaviour, they do offer insights into motivations for choices, such as mode of transport.

In the Netherlands, the method was used as part of the 'First Sustainability Outlook' to explore policy options for transport, energy and food. In the case of transport, it led to the conclusion that a mix of market-based and regulatory instruments are needed to reduce congestion and environmental problems. In the case of food, the method highlighted large tensions, for example, between global concerns surrounding poverty and biodiversity, and more local concerns about water and soil pollution.

The researchers believe that identifying worldviews provides a more cohesive approach to sustainable development and increases the effectiveness and legitimacy of policies in three ways: by supporting strategic decision making or identifying tensions; by enabling the pros and cons of a chosen scenario to be worked out; and by assessing the ease of implementation of agreed goals such as the EU's targets for climate change.

Source: de Vries, B.J.M. and Petersen, A.C. (2009). Conceptualizing sustainable development: An assessment methodology connecting values, knowledge, worldviews and scenarios. Ecological Economics. 68 (4): 1006-1019.

興味のある方は読んでみてください。有料か無料かは検索の腕次第です。別の例だが、執筆者にメールしてPDFで送ってもらう方法もあります。兎に角手に入れる執念と熱意が必要です。

2009年8月2日日曜日

340:再帰的な水資源管理の提案例

以前紹介した南アのメレイ氏の論文を読んだが、その中で開発途上国における流域水資源管理の適用性の高い枠組みを実現するために、臨機応変な水資源管理が所謂IWRMとどう違うかの比較図があったので下記に転用する。ご許可を頂いてはいないがご抗議があれば対応したい。

トップダウンの一方的な流れではなく、実際適用が難しい開発途上国の状況に合わせ回帰的なプロセスを提唱している。

スパイラルモデルはイメージとしてはいいのだが、実際はシステム開発に用いられるが水管理には後戻りや政策変更もありうるから適用は難しいのではないかと思う。帰納的なプロセスを考慮したほうが途上国では無理がない。試行錯誤の繰り返しになることが必然と考えた方が自然である。成功のスパイラルだけを考えていてはにっちもさっちもいかない。



企業経営は後戻りがあってはいけないので成功へのスパイラル成長でもいいと思う。CTIIや日本シビックコンサルの2社はスパイラルモデルを経営のモデルとしているのが面白い。

339:ストックホルム世界水週間(プログラムから見えるもの)

8月16日から1週間毎年恒例の首記国際会議が開かれる。そのお知らせがSIWIから来た。少し前にIWRMのハンドブックとガイドラインのフォローアップが行われることは知っていた。

108ページにも及ぶプログラムを概観してみた。どうもね?!2,500人参加の大国際会議だ。

関係各機関の宣伝のようで、気になるインパクトのあるテーマが見つけられない。ビスワスは参加しないのか?

大雑把な傾向をキーワードで検索してみた。

IWRM:33回(略語でのワンパターンの利用で進歩がない)
integrated:29回(思ったより少ない、もうインパクトが薄らいだ感じがする、水管理以外に多用され02年WSSDの条文の利用に近い)
integrated water resources management:2回(既に死語か、あるいはIWRMでいいと単純に考えているのか?)
integration:5回(なるほどね)

一方、

sustainable:94回(大目標であり当然の使用頻度である)
sustainable development:19回(なるほど!!)
sustainability:28回(なるほどね)

まだまだIWRMありきのお考えの方々がいるようだが、そろそろ持続的とは何かを論じる方々が増えてきているのか?まだ答えはない。こうした国際会議はある種お祭りのようなものであるから先端的な学者は参加しないのであろう。インドやスリランカ、アフリカあたりからの実践の報告があるといい。IWMIは参加するらしい。

まだ、臨機応変な水資源管理や内発的な開発、SWAPなどの言葉や実例は出てこない。IWRMの定義すらままならないのに実践面での問題はないのであろうか?ISOと同じ運命にならないか心配している。

さて残業に戻ろう。

2009年8月1日土曜日

338:持続可能なブログ

8月1日である。日本は天気もはっきりせず夏の到来が遅いのであろうか。

さて、ブログのタイトルが変わり心機一転である。水平線のかなたに広がってきたので書くことが膨大で困惑しているが少しずつ整理しながら書いて行こう。人さまよりモノを理解する能力がないので何倍もの力が必要だ。

雑駁な事柄をちょっと書く。

1.IWRMのガイドラインをUNESCOが作ったが、そのフォローアップのイベントが水週間で開かれるらしい。UNESCOからのニュースである。セブの淡水化調査で知り合った大学研究者の友人がUNESCO本部に入ったので裏事情も聞いてみよう。Facebookのお陰である。

2.持続的(或いは持続可能な)開発(或いは発展)というテーマでは早速マスコミからの情報が大量にはいるIWRMとは大違いである。

3.アキノ元大統領死去。彼女のご親戚の上院議員にはお世話になった。彼も中々賢く、地元ピナツボ復興に係る委員会では、3カ月にも及ぶ湛水問題に対して、「洪水氾濫を解決するのに自然の蒸発しか方法はないのかね?」と手厳しい質問をしていたのを思い出した。実際住民はのんびりしたもので魚釣りに興じていたけど。これがメコン下流の氾濫だと親の留守中に子供が家から落ちて亡くなる事例が多々あり深刻である。

4.総選挙投票日までには帰国できそうもない。投票日まで後1カ月、後1回ぐらい波乱があると思う。

5.12月から発毛・育毛の手当てをし続けているが、効果があるようだ。輸入品だが日本で買うより断然安い。髪が薄くなってきたのが92年ごろ。あれから17年。少し元に戻ったような気がする。「持続可能な」治療方法はあるんだね。

6.担当大臣が最近は頻繁に本省にきている。ちょっとお話してみようか。一度エレベーターでお会いしお声をかけていただいたので覚えていられるだろう。大臣に直談判するほどの事態ではないが。レソトにいた時は大臣と会いたければゴルフ場のバーに行くと会えた。一種の政治家の社交場で閣僚の一人はかならずいた。人口50万人程度だからあり得る。オフィスのボスはオリンピック委員会の代表だし、だれでもなれそうだ。

さらにすごいのはマーシャル諸島で、飲み屋の前である大臣が倒れていることがあるらしい。狭い国土だし、人口も数万人。首都のマジュロは村のような社会だ。世界いろいろあって面白い。

さて、土日の作業の開始である。

7.