2023年12月2日土曜日

2949:南アでの事例(317:現実的なIWRM論の再投稿)

規範的統合水資源管理は実施可能か?南部アフリカの教訓から実践的な道を探る D.J.メリー 南アフリカ、プレトリア、食糧農業・天然資源政策分析ネットワーク(FANRPAN)研究部長 要旨 第7回ウォーターネット/WARFSA/GWP-SAシンポジウムにおいて、ルイス・ジョンカーは「南アフリカにおけるIWRM実施の失敗の認識」について述べた。 本稿では、ジョンカーの見解(これは確かに擁護できる)から出発し、完全な統合水資源管理(IWRM)を実施しようとする試みは、失敗と失望に終わる運命にあると主張する。そこで本稿では、より現実的な「便宜的」解決策を提案する。 本稿は、タンザニア(ルアハ流域)と南アフリカ(オリファンツ流域)で行われた調査に基づいており、さらに、現在理解され実践されているIWRMパラダイムに批判的な文献が増えつつあることにも触れている。 開発途上国における実際の政策とその実施の指針として、IWRMは誤った優先順位と開発計画の麻痺を招いている。代替的なアプローチとは、流域管理者が優先的な問題領域を特定し、広範な原則から出発してこれらを実施しようとするのではなく、統合された枠組みの中でこれらの問題に対する解決策を見出すことに特に焦点を当てるものである。 本稿では、規範的な概念としてのIWRMからの転換が今こそ必要であり、アフリカの貧しい人々の切実なニーズに注目し、優先順位をつけることによって、現実主義と行動をとることを提案する。 人々は永遠に待つことはできない。

2023年12月1日金曜日

2948:まだ統合水資源管理ですか?

先日、首記研修会のお知らせがありました。ODA関係者、特にコンサルタントが参加するようだ。え、今更、研修会ですか。研修内容も示されているけど、なんかねえ、本質に迫っていない感じ。コンサルは素人だから、教育してあげるという趣旨なんでしょうが、講師はある方。この方が統合水資源管理の専門家かどうか疑わしい。よく知っている人だけど。 これまで、MDG、IWRM、SDGsなど略語で示した概念や理念が意図的に出てきているけど、日本人はよくも悪くもこうした略語で騙されるね。 水ビジネスに関連した動きだよね。 それにしても、このブログも最近はあげていないので、3000号までなかなか届かない。少し頑張ろうか。

2023年9月6日水曜日

2947:久々の太陽光発電プロジェクト支援

先週あたりから緊急でPV案件の支援をしています。外資系の開発業者対応ですね。その会社は2019年の初めごろからかな本社の事務所に行ってもうすぐで入社する予定でしたが、東広島のマイクロン新工場建設の仕事でマイクロンからお誘いがあり戻ってしまったので、外資系開発業者には行きませんでした。 まさか、4年後に再会とは意外なことです。外資系の会社は非常に個人や会社に対する評価が厳しく、個人だとすぐに首、会社レベルだと成果が出なければ契約解除。マイクロンの場合もそうで、僕は2018年にあるドイツのEPC会社に所属してマイクロンの新工場建設の工事監理業務をしていたのですが、ドイツのEPC会社の成果が悪く契約解除。僕以外はほとんど帰国しましたね。僕はマイクロンや建設業者とも仲良くしていたので、プロジェクトの最後まで関わりました。給与が1.5倍になったのは幸い。もともとEPCの給与も日本の会社より1.5倍だからね。 さて、話をPV事業に戻します。ゼネコンの立場ですから開発業者には弱いよね。厳しいコメントに対応中。 日本の事業で開発業者が外資系の場合は課題がたくさんあります。まずは欧米人のものの考え方。そして彼らとの信頼関係。 どうも現場サイドで欧米人とうまく行っていないケースが多いですね。彼らも日本人との仕事はもうしたくないという人が多い。 さてさて、どうなりますか?

2023年8月23日水曜日

2946:書けないことばかりですみません

今号で具体の内容を書く予定でしたが、会社の事業プランや関連する政策に深く関わるので、書くことをキャンセルいたします。事業が成功した後、後日談としてご報告いたします。 固定観念というのはまずいよね。新しいアプローチも固定観念にとらわれている方々にはあまりにも簡単に否定されます。根拠もなしに。

2023年7月27日木曜日

2945:どうする村落給水

じゃー、どうします、村落給水の改善は? あんまり表に出ないことは、村落給水における展開はすでにこの20年静かに進んでいる。 それはなにか?深井戸掘ってもヒ素や塩分が出ると、飲料水には不適。 砒素や塩分がでない層から揚水といっても、ギャンブル。雨水は季節性に依存するから持続性なし。ヒ素や塩分を除去するシステムもあるけどねえ。水処理コストが高い。ましてや、管路給水は経済性が低い。 じゃーどうする? ここ20年近く途上国で行われているのは、水キオスク。 では、そのことに関しては次号で。

2023年7月25日火曜日

2944:村落給水の原点

原点といっても大したことはないですが、まずはおさらい。 1.日本の村落給水:水道が整備されたのは明治になってからで、函館とか横浜の外国人街があったころから。勿論、都市部のみ。地方の水道が整備されたのはそれ以降で、僕が知っているのは神奈川県の秦野市。コミュニティー水道の第1号だとか。戦後、1947年ごろから村落部に水道が整備されたと聞いている。所謂、簡易水道。簡易といっても基本水道と同じ。規模が違うくらい。水道法34条でしたか、裨益人口が100人から5000人までの給水を担う。現在、日本における水道の整備率は99%までいっているのではないかな。ほぼ100%かな。 2.途上国の村落は概ね人口が少なく、村落自体も離れているのが実情だ。従って、管路給水は成り立たない。井戸を掘り、村落で運用維持している。アフリカだと、アルリデフという形式のハンドポンプが一般的で地下30メーター程度まで掘る。浅井戸も多いが水質が悪く飲料水には不適だ。JICAの無償では深井戸を100本以上掘ってハンドポンプを設置し、300人程度の住民で自主的に管理運営する。 3.アフリカのモザンビークにJICA派遣専門家として2013年に赴任した時は、無償で深井戸を掘る事業はあまりなく、技プロで技術指導を行うのが流行っていた。ベルギーの技術援助では、太陽光を利用して水中ポンプを深井戸に設置して、1500人程度の住民に地下水を供給するシステムが採用されていた。確かに、このほうが効率はいいね。運営維持管理をどうするかはまた別の課題だ。 4.この1年ほど、バングラデシュにおける村落給水事業のお手伝いをしているが、深井戸からでるヒ素と塩分をどう除去するかが大きなテーマだ。それらが除去できないと飲料水が確保できないし、公共衛生的にも問題だ。バングラでも当然村落部は管路給水の対象ではない。村落ベースで飲料水を安定的に確保することは国の政策的も重要な課題だが、抜本的な解決策が見いだされていないのが実情。 5.さあ、どうする。具体策に関しては次号で。

2023年7月22日土曜日

2943:分散型村落給水事業の行方

久々の投稿である。昨年12月以来だから、7か月ぶりか。 ここ1年ほど、途上国における村落給水事業に関わっている。ゼネコンに入り国内における太陽光発電事業の外資系EPC対応でインハウスコンサルタントとして活動してきたが、2年目からこれまで海外事業に支援に関わってきた。特に、途上国における村落給水事業の推進に関わっている。 面白いもんですね。僕は水の専門家で、 村落給水 水道事業 いずれも扱います。村落給水に関しては、2009年から2年間はマラウイ、2013年から1.5年はお隣のモザンビークへの派遣専門家であった。 水道事業は、大中小の水道事業に関わり、要請書作成から調査の参加まで幅広に参加している。最近は、パラグアイの上水システム改善の準備調査(一般無償)に関わり、これまでは円借款での水道事業の調査に多く携わってきた。 そんなこんなで、ゼネコンでは水事業に関わるとは想像だにしていなかったが、偶然今の会社が途上国での村落給水事業を展開しているとのことで、水専門家としてお手伝いしている。不思議なもんですねえ。そんなことを全く期待してませんでしたから。 ということで、これから徐々にその事業展開に関してこのブログで書いていくことにする。まずは、お知らせということで。。。