2011年3月30日水曜日

1172:善管注意義務

英語訳は、

Due Care of a Prudent Manager

民法上の意味は、

善管注意義務とは、善良な管理者の注意をもって、その職務を行う義務のこと。
会社法では、「業務を執行する社員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行う義務を負う」と定め、法令及び定款の遵守、業務執行の状況報告義務について定めている(会社法593条)

会社の社長とか役員の義務でしょうね。

さて、大災害時の会社の対応ではどうなりますか。

アメリカでは既に東電に対して訴訟の可能性があるとニュースで聞いた。

さて、今日の作業はこれでお終い。明日明後日は会議のため早朝と夜の作業になる。概ね完成してきた。後は最後の水資源管理開発の評価と提言である。最後ページを合わせたり、図表番号、付録を整理して完了だ。

2011年3月29日火曜日

1171:早朝開店深夜閉店にシフト

帰国間際の1週間で報告書などを仕上げてバイバイかと思っていたが、今週末に重要な会議が2日入ってしまった。予定外。

しかし会議メンバーであるから、でる必要があるし、最後まで会議の結果を見届けたい。

ということは、この大事な1週間の2日間を会議に割かないといけない。

しょうがない。2日間のロスは早朝と深夜作業に回そう。

30年のコンサル経験で、クライアントに対して提出すべき報告書などの延滞の経験はゼロである。そんなことはプロのコンサルとして許されない。

1日24時間あるので兎に角頑張ろう。こういうことには慣れている。まあ一人しかいないので団員の尻を叩くわけにはいかないし、唯一の部下のパソコンを虐めたら壊れてしまう。

さて、

日本の原発問題もかなり長引く可能性が高くなった。東電の国営化なんていうニュースもさっきBBCでやっていた。どうなるんでしょうね。東電の知り合いもかなり沢山いるがどうしているか。3万6千人の大企業だからね。定年前のこの時期、これからの生活が大変だ。しかし、どんな人にも試練はあるのだ。修行と思って生き抜くしかない。若いうちに修行を経験しておけば、生きていくぐらい大したことはない。無駄なプライドは捨てること。社長がお殿様みたいじゃ大企業として情けないね。会社や政治にも危機を乗り切るチャンピオンが必要だ。

1170:今日の作業は閉店2

朝が早いせいか、予定の作業工程は午後5時には終了した。こういう時は要注意。手抜かりがないかチェックしよう。

いずれにしても今回は4回目であり、総括的な内容となる。今日は4つの内1つを終わらせた。

昨日は作業後に映画を2本見た。

Under sierge 2

The life of David Gale

先週と同じパターンで、一つ目は痛快アクション、二つ目はシリアスなドラマ。

前者は戦艦から列車なのでスケールが違うが、脚本的な構成は同じ。設定に無理があるが、良くできている。

後者はかなり複雑な内容だが、予想通りの展開となった。死刑を宣告された教授のフラッシュバックで話が進んでいく。内容は見て頂きたいが、先週の"In the valley of Elah"とおなじで大どんでん返しがある。

土日の映画は秀作が多い。今日はどうだろうか。

さて、本ブログに「久野一郎」というキーワードでアクセスがあった。うれしいですね、コンサルの先人で恩人の方をお探しとはね。だから、いい話では実名を挙げている。今川中学の美術の先生だった「出水操」さんとかね。

尊敬する大先輩を思いだすことはとてもいいことだと思っている。同じような方がもしいればこのブログもなんかのお役に立つかもしれないと思っている。嫌な人のことは匿名にしているのは真逆な理由からだ。

さて、明日は水政策だ。

2011年3月27日日曜日

1169:今日の作業は閉店

土日の作業は効率がいい。雑用が入らないためか。

運用マニュアルの普及および研修計画はほぼ終了した。後は、本文を各段階で加筆・修正を加えていく。作業的には面白い段階だ。要するに、整合性を整える最終段階だからだ。

予備的で初期的な研修はOJTで実施し、研修対象の職員からのインパクト評価も全て指標によって評価した。

これを英語では、

metrics

という。研修の成果・インパクトを評価する重要な過程である。これによって、研修計画をより良いものにするのだ。フィードバックのない研修は存在しない。なければ単なる講習会である。

さて、本文の目次もできているので、明日から最終報告書の作成にかかろう。

1168:放射性物質濃度が1千万倍という間違い

今日朝BBCで原発事故のニュースを見ていたら、床に溜まった水の放射性物質の濃度が原子炉中の濃度の1千万倍だと報じていた。

そんな異常なデータが得られるわけがないと思っていたが、やはり間違いだったようだ。

どうかしているんじゃないですかね、現場は。

それだけパニックということか。

我々は素人なんだから何とか評価をしっかりやってほしいものだ。BBCまで引用するのだから。

今は運用マニュアルの研修計画を書いているが、これでもかと意識して細かく書いている。参照しているのがNASAだからしょうがない。アメリカ人は凄いね。NASAが絶対ではないが、運用手順とかの説明は素人でも分かるように書かなくてはいけない。疑問の余地がないほどに。

これが案外大変な作業である。プロだとアマチュアの認識まで把握できない。できるだけ生徒のような気持ちで書いている。こんなこと常識だと思っては技術は伝わらない。それも面倒くさいのだが。

お師匠様の背中を見て、技術を盗むなんていうのは過去のいい時代の話だ。それだけ余裕もあった。

今はそんな余裕はない。どれだけ理解してもらえるかは正直不安だが、契約上の作業だからしっかりやろうと思っている。

さて、後1時間ほどで終了か。

1167:ジプシーキングの軽快なリズムで作業開始

土日の作業は快調だ。どうしてもキャパビリだから報告書作業は土日に集中する。

今日はジプシーキングのエネルギーを借りながら気合を入れて行こう。

もう帰国日前日まで2週間となった。早いもんだ。プレゼン資料のパワーポイントも大方できた。マルチの項目を並行して進めている。第1章から淡々と書いていると時どき飽きるし、いいアイデアがでたら、早速別の項目に移るようにしている。兎に角、一人調査団、だれも助けてはくれない。

土日のホテルは閑散としている。ルーズな面もあり、食堂も土日は手抜きをする。今日はソーセージとパンが不足している。別に文句は言わないが、チーフがろくなことを言わない。

「お客さんは同じホテル代を払っているから、差別はできません。」

それなら、ちゃんと用意してね、と言いたくなる。言っていることが矛盾している。まあ、そんなことは2年間慣れているので気にはしないが、いいわけのいい方が気になるね。

さて、今日は研修計画の後半とSWAP評価である。

既に書く内容はあるので、淡々と書き続ける。

ジプシーキングを聞いているとなぜか高揚感が出てい来るからいいね。スペイン語だから分からない。うちの奥さんがいればばっちりなんだけどね。スペイン語なんてもう仕事では要らないかもね。

先日、奥さんが南米人の方と食事したが、もうODAもアフリカだけですよ、と言ったら、そうかもね、という答えだった。そのうち、国際結婚はアフリカ人だけかもね。

大震災後のODAはどうなるか、帰ったら会社幹部と協議してみよう。アフリカ研究会への貢献もしないといけない。世銀の新アフリカ支援戦略の概要も説明しよう。

さて、作業開始だ。

無事に帰ったら、行きつけのメキシコ料理屋でフローズン・マルガリータを酔うまで飲みたい。

1166:今日の映画は法廷ものの2本立て

アメリカ映画の法廷ものは大好きだ。法廷ものというだけで見てしまう。

弁護士や検事、裁判官のやり取りが面白いからだ。論理で相手を負かせるかどうかが見どころ。論理的な英語の訓練にもなる。

今日は、不思議と法廷ものが2本続けて見れた。

1本目は、歌手のCherが弁護士役。結構うまく演じてる。87年だから相当前だ。勝つのは絶対に不利な立場だ。内容は伏せるが、最後、犯人は担当の裁判官だというところまで引っ張っていく過程が面白い。87年当時のアメリカの感じが懐かしいね。もう25年も前だ。

2本目は、これまた絶対勝てない法廷。軍事法廷。弁護士の奥さんの旦那が軍事法廷で裁かれると云うことに。モーガン・フリーマンが演じる落ちぶれた軍事法廷弁護士と何とか協力して旦那を助ける。

最後のどんでん返しもやっぱりね、という予想を裏切らない終わり方。主演女性はAshley Judd。あんまり魅力的には感じないんだねこれが。何でだろうか?演技が不自然なんだよね。

この映画の始まりと終わりの音楽はやはりジャズでしたね。

サンフランシスコの町には定番のジャズがぴったり、しっくりきますね。

10年前だから携帯のモトローラが大きいこと。笑えますね。

2011年3月26日土曜日

1165:運用マニュアルの書き方2

昨年の今頃、プログラム管理に関する運用マニュアルを作成した。ガイドラインでもいのだが、将来の改訂を期待してマニュアルとした。

あれから1年。このブログのアクセスでは断トツの第1位である。

意外な結果でもあるが、世の中には運用マニュアルをどう書いたらいいかというニーズはあるようだ。大方システム開発に伴うものらしい。

さて、1年経って運用マニュアルもドラフト版からいよいよベースライン版のヴァージョン1.1とした。進化はあるのだ。

今は、付録として、

普及計画
研修計画

を追加している。マニュアルをどう省内およびステークホールダーに普及させうまく使ってもらう計画である。

運用マニュアルは意外と好評で、OJT参加者の理解度も高いという結果がでた。職位や部局の違いもあり、項目ごとの理解度の違いも大きい。

運用マニュアルは国際機関のしっかりとしたマニュアルを参考にしたが、普及および研修計画も世界的な機関のものをベースにしている。ゼロから作っていたら2週間ではできない。

3つが揃って1セットである。中々格調が高いし、中身が細かい。自己満足ですが。

僕がいなくなっても省独自に出来るようにしたが、実際どうかな?と疑問は消えない。

しかし、コンサルとしてこういうキャパビリに具体的に係ったお陰で他の案件でも十分対応できるようになった。お勉強の成果だ。57歳になっても新しい領域に入っていくのは面白いし、利があるね。

この国で、彼らがどこまでヴァージョンアップしてくれるかが楽しみでもある。

余談だが、ヴァージョンアップは英語ではないから注意すること。

upgrade
version upgrade

が正しい。

普及計画には、

version control to updade

という項目も入れてあり、改訂された運用マニュアルは、Ver. 1.1はbaselineと定義した。

日本人は暗黙の了解とか好きなので、マニュアル作りが苦手だが、海外では必須の項目である。

1164:Entrapment

罠はおとり捜査だったのか。

ショーン・コネリー主演の映画である。99年の映画だからコネリー69歳。現在81歳でうちのお袋と同じ年だ。69歳当時でも結構魅力がある。彼もそういう気持ちで演じている。

キャサリン・セタ・ジョーンズも30歳。非常に魅力的な女性だが、お茶目で純真な乙女という演技がいいですね。口元が可愛いんだね。

おじいちゃんのプラトニックな恋愛映画と見るべきだろう。一応アクション映画なのだが、全編にそういう雰囲気が流れていていいね。キャサリンの演技とその魅力が存分に表れている。

最初、「罠」と見ている側に思わせておいて、実は「おとり捜査」だった、というのも面白い展開。その後さらに思いがけない展開が2つ待っている。見る側をハラハラさせるのが憎い。

余談だが、KLの新都市に相応しくない水辺の水運風景とかが合成されていて、マレーシア人には失礼なことだったらしい。マレーシア人のプライドが傷ついちゃったようだ。99年当時だから、かなりのイスラム系女性はスカーフをしていたと思うが、そういう女性は一切でてこない。これもちょっとKLらしくはない。

しかし、美人と云うのは泣いても、笑っても、怒ってもさまになるからいいね。ショーン・コネリーのはにかんだ顔も素敵だね。意外と別の映画では出て来ないシーンだった。彼も美人との共演で嬉しかったはずだ。

2011年3月25日金曜日

1163:シンガポール製のインスタントラーメン

再渡航から既に2ヶ月半、流石に日本から持ってきた数々のインスタントラーメンは切れた。

いろんな種類を持ってきたので楽しめた。

さて、切れたので、中国湖北省の今野ラーメンを探したが品切れ、Heinzを試したがこれは食べられないほどのまずさ。インド人経営のスーパーに大量に入荷されたシンガポール製のKOKAを買った。

以前も食べてまあまあだったので、これ幸いに沢山買った。中でもカレー味はいい。インドネシアのインドミーに近い味。カレー味は普遍的に受け入れられるのでしょうか。

これで非常食として帰国の前の日まで凌げる。外のレストランやルームサービスでもいいが、種類もなく味に拒否反応が出るほどこの2年で食べ過ぎた。

ダイエットにもラーメンはいい。栄養は栄養剤で補給。

昨日も知り合いと中華屋で食べたがあんまり食べられないほど胃が収縮したようだ。

当地には多分2000人ぐらいの中国人がいるはずだ。彼ら向けのインスタントラーメンがあって救いだ。

報告書作成もある程度予定通り。午前は運用マニュアルの普及計画を書き上げた。初めての経験だがこういうのも面白い。次は研修計画である。両者が有機的に繋がってくる。うまくいくかは省次第だがどうでしょうね。個人主義のお国柄である。集団で省を盛り上げるのは中々難しい。出来る人の大半は自分で会社を経営し副業を持っている。本業に集中する人は一握り。給与の低さが問題である。

1162:帰国まで間もなく

昨日はオフィスからホテルに戻り作業再開していると、省の若手から直ぐ局長室に来てくれないかと電話があった。

聞けば、日本のコンサルとコミュニケーションが取れないので助けてくれとのこと。局長が議長では無視するわけにもいかず、歩いて省に向かった。

当地の人は発音は悪いが英語にはうるさい。特に日本人に対する時は。要するに契約書の文面が法律的におかしいという主張である。まずまず納得できる主張だが、日本人のコンサルさんには対応は難しい。

まあ何とか議論は済んだが、日はとっくに暮れていた。夜外を歩くのは正直怖いが、5分だったらまあいいか。

さて、報告書作成も順調であと1週間で取りあえず出来上がる予定である。予備が3日取ってある。

ところで、前回のブログのアクセスがかなりある。今週では1番。やはり放射性ヨウ素の対応についての検索があり、それでアクセスされる方が多いのであろう。これも妻のお陰だね。情報として役に立つ。

僕の水資源管理は興味ある人はあんまりいないし、平均50人くらいの方がコンスタントに読んで頂いている。無駄な話もあるので時どき面白い検索キーワードでアクセスが可笑しいこともある。それも一興だね。

日本への帰国も近いが、原発事故対策も一進一退だ。長い道のりになりそうだ。凋んだダム開発も復活する可能性もある。

穏やかな日本人の我慢や辛抱もいつまで続くだろうか。社会不安にならないことが必要だが、集団心理がネガティブの方向にいかないことを期待している。

常に信頼性のある情報選択が必要だ。

2011年3月22日火曜日

1161:妻からの投稿(ヨウ素剤投与に関連)

前回のブログでヨウ素剤投与の件を書いたが、妻から日本人の知恵を紹介された。なるほど、欧米人はヨウ素を含む食材を食べないからヨウ素剤を投与する必要性があるようだ。

妻に感謝。

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ブログのヨウ素の話読みました。原発事故のあと私もいろいろ調べました。それ
で今はずっと玄米を食べています。貼り付けましたので読んでね!!

「放射能を排出する食品」
●食で放射能をなるべく排出する方法。 過去の広島や長崎の前例から。
砂糖類摂らない。 水分控える。 塩を努めて摂る。 海藻、味噌、玄米。 玄米に
すり黒胡麻塩。 放射能は体を冷やす極陰性、自然治癒力が働く温める陽性の食を
取る、そして放射能を排出する働きの食をできるだけ努めて摂る。「ヨウ素をた
くさん含む食品ベスト10」
乾燥昆布一切れ1枚1グラム
トロロ昆布大さじ販売1グラム
乾燥ワカメ5グラム
いわし中2匹96グラム
さば1切れ100グラム
かつお1切れ100グラム
焼き海苔10枚3グラム
ぶり1切れ80グラム
塩鮭1切れ60グラム
寒天1角の半分4グラム
放射能は極陰性、焼き梅干、玄米、昆布、で中和されるようだ。広島原爆の時も
知識ある人は焼き梅干で中和したと文献で読んだ。砂糖、小麦粉、牛乳を飲まな
いようにする事で放射能被害の症状悪化は防げる。しょっぱいもの、塩気のもの
を取ってください。
「爆弾をうけた人には塩がいい。玄米飯にうんと塩をつけてにぎるんだ。塩から
い味噌汁をつくって毎日食べさせろ。そして、甘いものを避けろ。砂糖は絶対に
いかんぞ」秋月辰一郎 著書『死の同心円―長崎被爆医師の記録』(長崎文献社名
著復刻シリーズ 2)
http://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/4888511543/ref=mem_taf_books_a?qid=1299987286&sr=8-1
1945年長崎に原爆が投下され多数の方が放射能を浴びて亡くなられました。その
中で放射能による被害を免れた、爆心地から1km程度のところあった聖フラン
シス病院内科部長であった秋月博士の体験されたことが、下記URLで紹介されてい
ますので、是非ご参照ください。
秋月博士や救助にあたった人すべてが強烈な放射能を浴びながらも原爆症になる
ことはなく、助かったそうです。秋月博士は最近までご健在でした。それは、玄
米、味噌汁、昆布などの海草類からなる伝統的日本食を摂ることによって、体内
の毒に物を排出することができたからです。一般に塩辛いものは身体に悪いとさ
れます が、強烈な放射能に晒された非常事態下、秋月博士は味噌汁は塩分を濃く
し、できるだけ辛くするように指導しました。
そして甘い砂糖の使用は一切厳禁とした食事の結果、救助に当ったすべての人が
放射能の被害から免れることができたとのことです。

1160:ヨウ素剤投与について

BBCでイギリス大使がヨウ素剤を配っているとも聞いたし、アメリカ政府が日本在住のアメリカ人に配ると云うニュースも聞いた。

日本政府はまだヨウ素剤投与については言及していない。

日本と欧米での考え方に大きな違いがあるようだ。下記にウィキぺディアからの情報を転記する。日本政府がヨウ素剤投与を言及し始めたら要注意だと思う。

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原子力災害時の放射線障害予防薬

ヨウ素は同位体の種類が多く(ヨウ素の同位体を参照)、その大半が放射性同位体として知られているが、自然に存在するヨウ素のほぼ100%が安定同位体のヨウ素127 (127I) であり、「安定ヨウ素」と呼ばれる。安定ヨウ素はカリウム塩の「安定ヨウ素」製剤として、丸薬または内服液として用いる。 動物の甲状腺は、甲状腺ホルモンを合成する際に原料としてヨウ素を蓄積する。原子力災害時等により、不安定同位体の放射性ヨウ素を吸入した場合は、気管支や肺または、咽頭部を経て消化管から吸収され、その10~30%程度が24時間以内に甲状腺に有機化された形で蓄積される。放射性ヨウ素の多くは半減期が短く、その代表としてよく知られるヨウ素131 (131I) の半減期は8.1日であり、β崩壊することで内部被曝を起こす。 放射性ヨウ素の内部被曝は甲状腺癌、甲状腺機能低下症等の晩発的な障害のリスクを高めることが、チェルノブイリ原発事故の臨床調査結果より知られている。

大量にヨウ素を摂取した場合、甲状腺にヨウ素が蓄積される。それ以後にさらにヨウ素を摂取しても、その大半が血中から尿中に排出され、甲状腺に蓄積されないことが知られている。 それを応用したのが、放射線障害予防のための「安定ヨウ素剤」の処方である。 非放射性ヨウ素製剤である「安定ヨウ素剤」を予防的に内服して甲状腺内のヨウ素を安定同位体で満たしておくと、以後のヨウ素の取り込みが阻害されることで、放射線障害の予防が可能である。この効果は本剤の服用から1日程度持続し、後から取り込まれた「過剰な」ヨウ素は速やかに尿中に排出される。 また、放射性ヨウ素の吸入後であっても、8時間以内であれば約40%、24時間以内であれば7%程度の取り込み阻害効果が認められるとされる。

なお、放射性ヨウ素の被曝による甲状腺の障害は、甲状腺の機能が活発な若年者、特に甲状腺の形成過程である乳幼児においてに顕著であり、40歳以上では有意ではないため、本剤の投与は40歳未満の者に対してのみ行われる。国際原子力機関 (IAEA) の基準では本剤の適用範囲を年齢・性別を問わずに適用としているが、世界保健機関 (WHO) の基準では40歳未満としている。日本においては、日常的にヨウ素を多く含む海藻類の摂取が日本以外の国と比較して多く、過剰摂取回避に注意する必要がある。

2011年3月21日月曜日

1159:エラの谷

Under siegeを見て満足したら、8時からまたいい映画が始まった。こんなに衛星放送が安定しているのも珍しい。そんなわけで見続けた。雨期前は毎日こんな感じだったのを忘れていた。

さて、またトミー・リー・ジョーンズが主演らしい。

原題は、In the valley of Elah

エラの谷は、旧約聖書に出てくるらしいが良くは知らない。話は省略するが、セリフにいろいろ深い意味があるなと感じたが、始めてみる映画だし謎を解くこともなく見続けるしかない。

07年だから彼がNo country for old manを同時に撮っていたのか。90年代の悪者で狂気的な演技をUnder siegeで存分に見せてくれたが、その後直ぐ15年後の渋い演技を見せてくれるとは思わなかった。

Under siegeはもう何回も見ているが、飽きることはない。痛快だしね。

さて、エラの谷だが、内容はいいとして、

刑事役の女優さんがでてくる。なんかアメリカ人じゃないなと感じたが、後で調べるとなんと南ア出身のアフリカーンだった。ハリウッドでは珍しいことだ。分かれば、確かに僕が知っているアフリカーン人的な雰囲気がある。

Charlize Theron

覚えておこう。というか別の映画でも見たような気がした。モデルさんだったから当然美人ですね。鼻に絆創膏を貼っても美人は美人ですね。

監督がかなり凝った人のようでセリフのいたる所に伏線があるな、と思ったが初見では解読が難しい。こういう複雑な映画は2度以上見ないと駄目ですね。日本に帰ったらもう1度見てみよう。

星条旗を反対にして掲げる意味は何だ??

1158:Under siege

当地での生活も今回はなぜかさびしい。

なんでかと思えば、この2カ月以上の間雨期のためか衛星放送が全くの不調で映画チャンネルが殆ど見られず、途中から見る気もしなくなっていたのだ。

アフリカに一人でいるとさびしくはなるが、これまで3回ずっと映画が気持ちを支えていたかもしれない。

主題の映画はもう20年も昔の映画。スチーブン・シーガル主演。悪役はお馴染みトミー・リー・ジョーンズ。戦艦ミズーリーが乗っ取られるB級映画でもある。

under siegeは「包囲網の中で」という意味だが、「苦しい中で諦めずに頑張る」という意味にも取れる。

大震災で娯楽は自粛と言われているが、めげそうになったときはやはりこういう映画で勇気を貰うのも一案だと思う。

当地の生活なんか、東北の被災地の方々に比べれば何ともないことだが、元気を娯楽で貰うと云うのもありだと思う。

それにしてもこの2カ月以上全く映画が見れないで良くいられたと自分でも不思議だ。BBCばかりではめいってしまう。

2011年3月20日日曜日

1157:大前さんの動画書き下ろしを読む

妻が大前研一さんの大震災と原発事故の動画があり、書き下ろしが出たと電話で伝えてくれた。

早速さっき読んでみた。

流石に専門家だけあり、危機管理に熟知している。

特に、原発のsafe in failureに関するお話は感嘆だ。

電力会社が如何にこれまで管理能力がなかったことの詳細が分かる。

電力会社なのに、電気が無いためポンプが動かない矛盾。原発が緊急停止した後のことが全く対応できていない事実。3号機はプルサーマルという事実。

原発建設の将来は途絶えたと云う実態。

大前さんはテレビには登場しないのも解せない。彼は英語が堪能だからBBCにだって出られるはずだ。

経験や知性、教養は実務的じゃないと役に立たないね。

1156:BBC報道記者の配置変化

BBC東京支社のローランドは数日前から大井さんと一緒に大阪に移動した。

その後、ロンドンからチリ落盤事故報道で好評だったティムが東京に数日前から来て、東京から詳しい報告をし始めた。ティムが東京で、東京に常駐していたローランドが大阪では現地報道の逆転だ。ティムもローランドに話しかける時にちょっと嫌みな言い方をしていた。

今、ローランドは大阪から釜石に移動して報道し始めた。

なるほど、ローランドも大阪にいての報道では恰好がつかない。それで急きょ現地に入ったかもしれない。

ティムの記者魂は中々細やかでいい。さっきは在日イギリス大使とのインタビューをしていた。イギリス大使館は東京のイギリス人にヨウ素の錠剤を配っているようだ。ティムは東京の安全性は確保されているという印象を伝えている。常識的だね。

コンサルだって人によってサービスの程度はさまざまだ。プロ根性がある人と全く人に依存するタイプがある。

折角クライアントがいい案件を立ち上げても、コンサルが低レベルでは成果が上がらないことが多い。

ジャーナリストもコンサルも人だね。

1155:帰国まで3週間

4回目の出張ももう最終段階。3週間後には成田である。

今回は祖国の有事である。暫く仕事より家族の支援に重点を置こう。

後2週間で報告書を書き上げ、最後の1週間でまとめだ。

さっきまで資料を整理し、報告書で参照するもの、しないものを仕分けした。ハードコピーは出来るだけ捨てる。かなり減った。

運用マニュアルは追加項目が増え加筆する必要が出てきた。OJTの結果も対象者の評価表を分析し纏める。水政策戦略および実行計画への提言もいよいよだ。今までじっと蓄えてきたものを一気に吐き出す。

金なし、人なし、物なしの3重苦をどう克服するかが提案のポイントである。内容は伏せる。

SQもシンガポールから成田行きが運航しているので問題ない。成田が閉鎖されるような状況はないと期待している。関東も放射能汚染はなさそうだ。郡山の大学同期生も地元や避難者のために尽力していると聞いた。

生存している者としてしっかり生きていくことが重要だ。

2011年3月19日土曜日

1154:停電による災難

当地での生活も約2年。

停電、断水、通信不良などインフラ不良の影響は毎日あったが、実際辛抱することでやってきた。特段の災難にはあっていなかった。

省の執務室は7階。停電でエレベーターが使えない時も階段で上り下り。

今日はいろいろ雑用があり、5階から1階までいろんな事務所を回っていた。さて、7階の執務室に戻ろうかとエレベーターに乗った。何となく不安感があったが、5階で数人降りて、6階に向かってすぐ停電となった。エレベーターは停止し真っ暗。

さて、どうしましょう。暫く様子を伺ったがビル全体が停電のため人の動きが感じられない。

さっきまで協議していたチーフクラスに携帯で電話し、事態を説明。

それでも誰も気づかないらしい。10分過ぎて、6階の方から呼ぶ声がする。現地語で元気か?、と読んでいる。大丈夫と答えた。

出口のドアが開くかどうか試したらすんなり開いた。出口側のドアも少し開き、外で数人が様子を見ている。事情を説明して待つ。外からこじ開けようとしているが開かない。

まあ、これでは電気が来るまで駄目かなと悟った。

停電から約30分で電気が戻り運転が再開された。外のドアも自動で開いた。

初めての経験だったが、携帯のお陰で多少の明かりもあり不安感は和らいだ。

日本では計画停電というニュースも入っていたが、まさか僕自身が巻き込まれるとは。

しかし、いい経験と思っている。要は、助けが来るか電気が来るか、兎に角じっと待っていることだ。携帯が通じればまず安心。明かりも重要だね。

トラぶった方のエレベーターは今は停止中。1機しか動いていない。これからまた停電が多くなると知らされている。

2011年3月18日金曜日

1153:東京も最前線か

朝4時からBBCをつけている。BBCの記者もかなり多いが、本部はイギリス政府の方針で大阪に移った。万が一の対応であろう。

大井さんも大阪から中継している。東京以東の記者は契約社員であろう。最前線には正社員は行かないね。

さて、作業も最終段階で朝方にシフトしている。今週は別件支援があり報告書作成には入れない。来週からとする。

別件の方は文書がないのでインタビュー方式で情報を得ることにした。担当者がいるかは不明。後は関連文書で推定する。まあ何とかなるだろう。こういう時は経験と知見がものを言う。30年の経験は無駄ではない。

報告書のフレームはほぼ決定。後は勢いで書くだけ。評価表も大方回収した。大学の先生が講義の内容や仕方について学生から評価されるのと同じような感じである。事後評価だが、本人の報告書に入れるのは結構珍しいかもしれない。

さてそろそろ5時、作業に入るかな。

BBCはかけたままにしておく。

1152:有事と云う状態

日本は有事である、という表現が当てはまる状況になった。在日米軍の原発から80キロ以内の立ち入り禁止や家族(本土のみ)の帰国許可のニュースは、ついに日本が危ない国になったと理解されている。

さて、BBC報道も今日あたりから東電の問題にまで言及するようになった。

要するに、東電のこれまでの不祥事は危機管理能力の欠如、情報の隠蔽体質、政治家とのコミュニケーション能力の無さなどから齎されているとの報道である。

今までは、単に電力会社という表現だったが、TEPSCOという表示まで出てきた。

CNNの報道はまだ見ることができないが、日本からのネット情報でも両局の報道の厳しさがあるという。

まさに有事である。

東電も今日Twitterを始めたようだが、英語での発表も始めるべきである。世界に向かって発信する勇気が必要だ。

ただし、英語ができる社員がいるかは全く分からない。

2011年3月16日水曜日

1151:Having said that, ...

BBCを見ていると悲壮感が出てくる。通常途上国の方が生活面では日本より低いのが当たり前。それが、この5日間、日本からのニュースを見るとどっちが豊かなのか分からなくなる。

さっきもスーパーで買い物をしたが、日ごろ大したものがないなと不満だったが、日本ではこれらもない状態なのかと家族の生活すら心配になる。

さて、今日あたりから最終報告書の作成を開始する。小生の業務に関する省職員の評価表も半分手に入った。後半分は来週までに入手する予定だ。

報告書は2週間を予定している。最終だから、省に対する提言も入る。いろいろある。

1カ月後には日本だ。当地にも来ることがあるかは分からない。一期一会。いつもそういう気持ちでいる。

さて表題だ。

これまで英語の流行り言葉について書いた。

in a nutshell

at the end of the day

がこの2年で結構耳についた。当地の人も使い始めたから面白い。

最近、日本での大震災で多くのBBC記者が日本から報告しているが、耳につくのは、

Having said that, ...

である。情報が錯綜したり、曖昧だと、

そうは言っても、それでもやはり

という感じで語りかける。

最近係っているある案件も中々承認されないが、それに対しても

そうは言っても、という気持ちでいっぱいである。具体は言えないが。

余談だが、BBCで行方不明という表現が、

missingからunaccounted for

に変わった。生存している可能性があるからだ。

2011年3月15日火曜日

1150:Safe in failure

数日ぶりの投稿である。あまりにも悲惨な震災の状況を見続けていると喪失感で気力が落ちてくる。生存するものとしての使命を果たさなければと気力を奮い起こすことが必要だ。

陸前高田に住む親せきの家族の消息は今だ分からない。

さて、電発の危機管理である。原子力は素人であるが、システム全体の危機管理はどうだったのであろうか。

BBCを見ていると専門家が多数でて今回のメルトダウンについて考察を行っているが、日本からの情報が少ないためにやや困惑しているように思える。

我々ダム屋の世界でも、海外ではダムが崩壊した場合のダムブレイク解析が危機管理上の常識になっている。ダムは絶対に壊れないと想定していればダムブレイクの解析は不要である。海外の途上国でも環境影響評価を実施する場合、ダムの崩壊に係る洪水湛水解析を行い、崩壊した場合の住民避難対策を万全にすることが求められている。インドネシアやマレーシアで実施した経験がある。PMFの適用も同じことである。

構造物が絶対に壊れないという立場を取ると、やはり危機管理は不完全になると思う。

安全神話が崩れてしまう。

最悪のシナリオばかり考えることは良くないが、想定外の自然の脅威は過去の大震災などで分かっているはずだ。

人の命は尊いのはもちろんだが、自然の前には絶対に立ち向かえないことを思い知った。

まさか予備のポンプが浸水で故障とは思いもよらなかった。

南部アフリカでこの2年滞在し、停電、断水、通信不通、食料不足、ガソリン不足が日常茶飯事だったが、まさか文明国の日本がそう云う状況になるとは思わなかったが、ある意味、力強く生きていく根源的な能力開発を日本人が認識するいい機会だとポジティブに考えることも大事なのかなとも思う。

気候変動の影響が具体に出てきた時の準備のためにも。

2011年3月12日土曜日

1149:祖国の惨事

95年スリランカのコロンボで阪神淡路大地震の映像を見た。

あれから16年、外地でまた大惨事を見ることとなった。昨日の朝BBCからのニュースで第1報が入った。

地震発生直後に妻からのメールが入り、その後電話がつながった。家族全員無事だったが、東北地方の甚大な被害状況が次々と入ってくる。

今は東電の原発の爆発後の状況が入っている。

3週間前はNJの地震があったばかりだし、中国、ハイチの地震も当地のBBCで見ていたと思う。

携帯電話での日本との通話は現在不通、スカイプが何とか繋がっている。メールも直ぐには届かない。

埼玉の我家も震度6弱だったようだ。廊下の書棚が倒れ本が散乱した。まだ余震が続いているようだ。これまでの地震とは規模が違い専門家の予測も難しい。

当地は自然災害は少ないがエイズで多くの人が亡くなっている。日本の文明社会は地震の脅威に脅かされていることを思い知らされる。1カ月後に帰国するが、今回の大惨事は日本の経済にも大きな影響を与えるだろう。

2011年3月11日金曜日

1148:評価アンケートの作成

コンサルタントサービスが終了すれば、当然クライアントの厳しい評価がある。

いろいろ評価項目があると思う。

ただし、カウンターパートによる評価はあまり聞かない。

今回は「先進的に」カウンターパートによる小職の業務に対する評価アンケートを作成した。主たる業務はプログラム管理に関するものである。

6の大項目あり、それぞれの項目ごとにいくつかの評価対象がある。全部で評価対象の小項目は31設定した。

内容は伏せる。

対象とする職員としては4局で総勢何人になるだろうか。大臣は外しておこう。

次官:1
局長:4
副局長:3
チーフ:6
プリンシプル:数名
シニア:7(シニアといっても大卒で30歳前後)
その他:5(所謂、若手で入省数年程度)


約25名ほどか。局ごとに回答に傾向が出てくることを期待している。一人に31項目全て当てはまるわけでないし。サンプルはできるだけ多くしよう。秘書のおばさんたちは除くが。

若い職員ほどいい影響があったと結果にでてくると期待通りだ。幹部に対しては、省や局全体に対するインパクトを評価して頂こう。彼らは一応幹部であり経験のあるプログラム管理者であろう。

キャパビリに対していい成果が出たと期待しているが、どうでしょうね?

自己評価は最後に厳しく査定しようと思っている。

2011年3月10日木曜日

1147:81本のバラ

お袋も今日で81歳の誕生日を向かえた。親父が83歳。

二人とも元気だ。

昨日妻が81本のバラを贈った。去年は黄色のバラが80本だったが、いろんな色を取り交ぜるときれいだとのことで今年は多色にしたそうだ。

さっき誕生日会の写真が送られた。お袋も随分歳を取ったものだ。元気だけれど、いいおばあちゃんだ。

思えば、43年前に埼玉の田舎から千代田区の今川中学校に越境したころはお袋も38歳。僕らもとっくに50歳を過ぎているから随分昔だ。

あの頃は朝が早く5時半には起きていた。毎日のお弁当も作ってくれたし、わがままを言っては困らせていたであろう。昭和という時代も良かったね。

親父もお袋もまだまだ元気だが、流石に80歳を超えるとちょっと心配だ。電話でも1カ月後の帰国を楽しみしていると言っていた。

親孝行という行為も中々海外出張が多いコンサルとしてはできないが、日本にいる時はせめて1カ月に1回は遊びに行きたいものだ。

お袋は81本のバラの大半をご近所に配ったそうで、妻や子供たちが今日行くと30本ぐらいになっていたそうだ。こういうところがお袋らしい。

82本のバラを贈る来年を楽しみしておこう。日本にいるかな??

2011年3月9日水曜日

1146:局長研修はほどほどに

先週あたりから二人の局長さんが一度に6週間の研修に入った。大統領内閣府の研修だから休むわけにはいかないのだけれど、一度に重要なポストにつく局長さんがお休みだといろいろ支障がでてくる。

と思っているのだが、どうも省内での混乱はないようだ。のどかと云うのだろうか。重要案件が出てきた場合は対応していると聞いたが、日本支援案件に出て来ないと誤解を受けるから損している。

次官が対応していると安心しているのだが、その次官も忙しいので急なスケジュール変更で当方も混乱している。

結果オーライなんだろうが、どうも気になってしょうがない。日本人の心配し過ぎだろうか。

世銀の新アフリカ支援戦略でもガバナンスやキャパビリの重要性と支援が明示されていたが、アフリカの公務員の職業意識を変えるにはかなりの辛抱が必要だ。

動機づけの最も効果的なものが給与だが、それも微々たるもので出張や会議参加のアローアンスに頼っているのが実情である。

そのうち研修も飽きてくるだろうから、それまで待つしかないね。それにしても新任局長研修が6週間とは一体どんな研修なのかもちょっと気になる。

1145:アトキンスの報告書を精査する

最近調査が終了したアトキンスの報告書を全て読んだ。

なるほどね。彼らは気象・水文から水収支までの評価をシステマチックに効率的に実施する手法を確立している。

英文でのプレゼンも当然ながら見事である。

たったの1年でここまでやる実力に感嘆する。

日本のコンサルの場合、1流のコンサルでも多分2年はかかる作業かもしれない。英語の格段の差は絶対に埋まらないので、実質同じ成果を期待するのは無理だ。

特にGISを使った結果の整理がいい。データ処理も効率的。全体的に荒っぽいがデータが無くてはしょうがない。ちまちまやる必要性もない。

日本の2流のコンサルだったら絶対に到達できない領域である。だからアジ銀や世銀など日本のコンサルは欧米に勝てないし、たとえ奇跡的に受注しても、作業期間1年ぐらいで1億円ぐらいの受注額では、欧米のコンサルのレベルに達しようとすると必ず赤字になる。そしてもう挑戦しない。赤字を続ける企業はない。

ただし、モデリングや計画の再現性となると彼らもかなり消極的だし、水資源管理の強化を進めるための技術移転は絶対にしたくないらしい。だから、水資源管理強化は調査計画ではなく、技プロでじっくりするのが寧ろ日本勢にはいいと思う。そこに優位性があるように思う。

彼らの調査の次段階は、戦略的投資計画だ。どんな最適な手法を用いるかはお楽しみである。これについても日本のコンサルは手法を確立していない。主流は多目標(多基準)計画手法という。そのことをアトキンスの専門家に話したらビクッとしていたね。水収支のある有名な世界最強モデルも知っていた。彼らは水収支は適当にやって、今回は適用しなかった。そこも大雑把で弱点である。

日本のコンサルも人材不足と経営悪化でモデリングやGISなどITを最大限利用する計画手法を確立しないと途上国側からも期待されなくなるかもしれない。

英語で負けるのだからせめて最新最強モデリングで勝ってほしいものだ。でも知らなければだめだね。

1144:15年ぶりにレソトの近況を見た

BBCの特番で南アの中にあるレソト王国をやっている。

96年にレソト高原導水プロジェクトに日本人として一人参加した。

まだまだ貧しい状況が映像で伝わってくる。

女性は国内の生地工場で働き、男性は南アの鉱山で働くのが普通だ。

マセルは首都だが、5万人しか住んでいない。国全体でも50万人ほどか。

知り合いにIOCのレソト代表がいたり、ゴルフクラブのバーに行くと大概大臣の一人や二人はいる。マーシャル群島のマジェロもそうだった。

治安はかなり悪い。こことは比べ物にならない。車はハンドルにも鍵をつけないと盗まれる。2カ月ぐらいホテルに滞在したが、一度昼間に強盗に会い、それ以来昼間でも歩かないことにした。

強盗対策には、財布に小銭を入れてジーパンの後ろポケットに入れ、ドルはたたんでしまっておく。財布を渡せば逃げていく。

レソトの水を南アに売っているはずだが、効果はないのだろうか?

公共事業が国民の生活を改善することはレソトではなさそうだ。いつかまた行ってみよう。

1143:UNEPからまた凄い報告書が出た

今日ネット情報でUNEPが新たに報告書を出した。

グリーン経済に向けて

副題は持続的な開発と貧困削減への道程

600ページ以上の大作である。取りあえず水セクターから読んでみようか。しかし、実質帰国してからだろうね。UNEPというのも以前から見過ごせない素晴らしい報告書を出している。イラクのメソポタミア湿地堆保全では国際機関で最初に問題を取り上げていた。

以下目次だけ紹介。600ページを読破してください。

Acknowledgements
Foreword
Introduction

PART I: Investing in natural capital
Agriculture
Fisheries
Water
Forests

PART II: Investing in energy and resource efficiency
Renewable energy
Manufacturing
Waste
Buildings
Transport
Tourism
Cities

PART III: Supporting the transition to a global green economy
Modelling global green investment scenarios
Enabling conditions
Financing

Conclusions

2011年3月8日火曜日

1142:落語の後はイーグルス

パソコンの外付けスピーカーは快調だ。

ヘッドフォンでは仕事がし辛い。

落語もダウンロードして時どき聞いている。中でも円蔵の「淀五郎」が気にいっている。これについては以前書いた。厳しいお師匠と手ほどき上手なお師匠の対比がいい。

師匠としてどちらがいいかはあまり問題じゃない。厳しさと優しさは相反することではないからだ。

厳しいし師匠の本質的な優しさは後で分かること。

自分ももう57歳。出世しているわけでないから師匠ではない。死ぬまで師匠にはなれない。だから弟子が要るわけでないから教える相手は途上国の人だけだ。

時どき日本から調査団が来て若手や中堅のコンサルに会うが、教えを乞う方もいないからのんきなもんだ。だからと云って、素人のような仕事をすれば激しく叱咤する。逆に嫌われるのが落ちだからあんまりしないが、見過ごすことができないこともあって偶には注意することもある。40代でもいい加減な方がいるから、一体これまで20年以上何してきたのと思ってしまう。修行が足りない人が多過ぎる。

まあ愚痴を言ってもしょうがないね。

淀五郎を聞き終わって、今はイーグルスの、

Long Road out of Eden

のアルバムを聞き始めた。数年前にでたのかな。昔の曲もいいが、このアルバムもいい。最後の曲は、偶然日本で使っている携帯の受信の曲だった。数年前にさびの部分が気にいって長女にダウンロードしてもらったんだっけ。さびの部分がいいね。コンサルとしての道も長いな。

SILENT STARS BLINKING IN THE BLACKNESS OF AN ENDLESS SKY
COLD SILVER SATELLITES, GHOSTLY CARAVANS PASSING BY
GALAXIES UNFOLDING; NEW WORLDS BEING BORN
PILGRIMS AND PRODIGALS CREEPING TOWARD THE DAWN
BUT IT'S A LONG ROAD OUT OF EDEN


さて、帰国まで1カ月、最終コーナーに入ってきた。イーグルスの後はジプシーキングスを聞いてインスピレーションを貰おう。コンサルってインスピレーションが必要なんですよね。窮地に立っても救いはある、と思っている。窮地に立つほど真剣じゃない方々がいるんだよね。

1141:中古イプサムがアフリカで好評

当地2年の滞在で気付くことは多々あるが、最近やたらトヨタイプサムの中古車が目立つ。海外での名前はピクニックだ。

カローラが多かった町もイプサムばっかりだ。日本でだってもうあんまり見ない。

もう生産開始から15年は経つか。我家のイプサムも97年製。もう14年になる。優遇免税処置の影響で13年以上の中古車の買え変えが盛んだった影響で、イプサムも中古市場に出てきたとは考えにくく、潰す代わりにアフリカ諸国に輸出している業者がいるのだろう。

愛車とは言えないくらい乗っているイプサムの同車種がそこらじゅうを走っているのはある意味気味が悪い。お抱えタクシー運転手のR君もカローラからイプサムに代えたぐらいだ。ある省の局長も最近イプサムを買った。7人乗りは便利なのだろうね。

そろそろ日本の我家のイプサムも新車に代えたいが、中々財政的な余裕がない。コンサルは貧乏なのだ。

子供も大きくなり、5人で乗ることもないし、精々長女が同乗するぐらいか。いっそのこと5人乗りでもいいのだが、荷物が沢山載せられて、まさかのときには7人が乗れるイプサムは意外と気にいっているのだ。今はもう7人乗りもバリエーションがあり、選択の幅が広い。

新車を買うのはいつになるのやら。人生最後の車はドイツ車にしたいが、コンサルの稼ぎで買えるだろうか。まあ一所懸命頑張ってみよう。

2011年3月7日月曜日

1140:院生同期は独身が多い

沖縄の同期へのお見舞いも2名参加したようだ。

沖縄の同期も元気な様子と写真で読みとれた。まだ快気まではいっていないようだ。

同期仲間(年齢的には55歳から57歳)も10人以上いるが、内5割はずっと独身だ。結構な割合だと思う。大学院に行くやつは変わり者も多いが、独身が半分と云うのもかなり高率だと思う。

結婚は縁がないとできないが、独身生活に慣れてしまえば案外気楽なのかもしれないね。

結婚しても子供がいないケースも周りには多い。同期ではいないが、コンサルの先輩とか結構いる。

それも経済的に子育て経費が全く要らないから、ダブルインカム・ノーキッズで快適かもね。

独身で一人、結婚して二人、そして子供が増えて五人。僕のケースだけれど、結構面白い家族である。それぞれ違った個性もある。経済的にはいっぱいいっぱいだ。

僕の場合は独身と云う選択はなかったけれど、結婚も子供も神様からの贈り物みたいなものでしょうかね。

1139:祈る前に仕事してね

僕の滞在ももう終焉を向かえている。

南部アフリカの当地はカトリック信者が多数派だから、会議の前と後には神に感謝を捧げることが普通である。比国もそうだね。

そういう会議に多く参加しているので、僕もやりたいと思っていて、前回出張時にもやらせていただいた。

「水の祈り」という特別なものだ。概ね好評で、参加者からぜひ教えてと言われる。

今日もある幹部に会ったら、先日行った水の祈りは最高だった。ぜひ教えてくれとのこと。

それはいいことだけれど、問題は他のことだ。ある会議自体が失敗だった。

会議自体かなり重要であったが、仕切り方や説得力・説明力が最低だった。会議の結果が悪いので、ある案件は駄目になる。

そういうネガティブな事態を推測出来ていない。安易に考えている。イランだったら会議は終わらないだろう。彼らの国民性に依るのか、援助依存してしまっているのか。

このままだと案件は潰れてしまうが、彼らの意識や知識が低いため、案件の再浮上はもう叶わないだろう。

祈りはとても重要だが、会議自体が重要なので、会議参加者は幹部を揃え、真剣に熱っぽくやってほしかった。末席の若手ばかりじゃね。後の祭りだね。

後は大統領の出番かな。

1138:世銀・新アフリカ支援戦略

先週発表された。まだドラフトだがファイナルも直ぐ出ることになっている。要旨は下記参照。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

これまでの戦略は、経済的安定と健全なファンダメンタルズの追求というより全般的な目標であったが、「アフリカの未来と世界銀行の支援」と題する今回の戦略は、以下の3つの分野を重視している。

1.競争力と雇用 – 同戦略は、各国による経済の多様化と、特に新たに労働市場に参入する年間700-1000万人の若者を中心に雇用創出を支援する。また、年間約480億ドルに上るインフラ・ニーズへの投資不足分を解消し、ビジネス環境改善の取組みを支援する。さらに、労働者のスキル構築にも力を注ぐ。


2.脆弱性と抵抗力 – アフリカの貧困層は、経済、保健関連、自然災害、紛争などの危機から直に影響を被るため、貧困状態から抜け出せずにいる。同戦略では、ヘルスケアの改善、灌漑や治水の強化といった気候変動の影響への先取り対策、資源の公平な共有と合意形成のための公的機関の強化を通じ、危機の件数を減らすと同時に、万一危機が起きた場合の被害の軽減を図る。


3.ガバナンスと公共セクターの能力 – 教育、保健、基礎的インフラの各分野におけるサービスは、往々にして公的資金の不十分な管理により、まったく提供されないか、されても不備があることが多い。今回の世銀の支援戦略では、市民に対し、政府から得られる情報に関する正しい理解、サービスの提供が適切でなかった場合の申し立て方法についての支援を目指す。世銀はまた、各国政府と直接協力して、基本的サービスの提供と支出管理のための制度や能力の改善を図る。

特筆すべきことは、新戦略では対アフリカ支援のために世銀が用いる手段の重要性の順位が、パートナーシップ、次が知識、最後に財政支援と、逆転していることだ。新戦略は、世銀の取り組みが、アフリカ政府や民間セクター、他の機関の取組みを補完する形での支援を目指している。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

水資源管理でもコンサルが延々と計画をやっているようでは持続的支援にならない。そろそろ再現性の高い計画手法をカウンターパート機関自身が行うことを支援しなければならない。

日本も同様である。水資源管理計画を報告書の形で作っても数年すればただの紙切れだ。

コンサルもこうした事情にもっと敏感になる必要がある。

1137:ワインのエチケット

ワインを飲む時のお作法じゃないんですが、エチケットとはフランス語でワインのラベルのことを言うらしい。フランス語なんて覚える気はないが、そういうらしい。

先日数人でステーキを食べに行った。当地南部アフリカでは1921年にオープンした老舗だ。お魚も出す。

ワインリストも充実していて南アのいいワインが飲める。

最近では07年がビンテージだ。

小生が適当に選んだ。皆さんご満足。

お一人の方がラベルが欲しいと云う。ボーイさんに頼んだが、そういうことは知らないらしい。

そりゃそうだよね。いくら老舗でも南部アフリカ。欧米人も多いが、そういう洒落たことをこの店でする欧米人はいない。それほどのことは期待しない。

ラベルの持ち帰りを拒否された彼は、

「高級レストランなら当たり前なんだけど」と仰る。

確かに、欧米や日本ではそうかもね。ソムリエのいない高級店じゃなくてもできるらしいよ。

南部アフリカのこの国では当てはまらない。

それがエチケットかな。どうしても欲しいなら、瓶ごと頂くのがエチケット。黒人のボーイにはちょっと無理だし、はがれちゃうね。

2011年3月6日日曜日

1136:なぜお金持ちと会いたくないか

南部のホテルにあった雑誌から面白い問答があった。

欧米など、特にアメリカではレストランでは食べ物、飲み物の選び方が大変だ。慣れると大した苦労はないが面倒くさいこともある。

それを皮肉った問答である。

Q: What would you like to drink...fruit juice, soda, tea, milo, chocolate or coffee?

A: Tea please.

Q: Ceylon tea, herbal tea, bush tea, honey bush tea, ice tea or green tea?

A: Ceylon tea please.

Q: How would you like it? Black or white?

A: White please.

Q: Milk, whitener or condensed milk?

A: Milk please.

Q: Goat milk, camel milk or cow milk?

A: Cow milk please.

Q: Milk from Freezeland or Afrikaner cow?

A: Afrikaner cow please.

Q: Warm or cold?

A: Warm please.

Q: Full cream, low fat or fat free?

A: Umm...I'll rather take it black please.

Q: Would you like it with sweetener, sugar or honey?

A: With sugar please.

Q: Beet sugar or cane sugar?

A: Cane sugar please.

Q: White, brown or yellow sugar?

A: Just forget about the tea. I'll have a glass of water instead please.

Q: Mineral or still water?

A: Mineral water please.

Q: Flavoured or non-flavoured?

A: Just get me water from the river... I don't wanna know which river and stop asking stupid questions!

1135:役務の必須条件

南部からの出張から戻った。

昨日の夜は久々ラムチョップをエンジョイした。やはりラムはうまい。中近東が長い小生にとってはラムの味は格別である。

さて、役務の話。役務は案件実施の重要な役割を果たすことは当然なのだが、本格調査を生業としてきた者にとっては、重要な情報は与えてくれないことがほとんどである。多少プロポ作成に利用できても、勝つにはそれ以上の情報が必要だ。事前の調査報告に依存するようでは勝ち目はない。

だから、役務での情報が非常に豊富であれば、各社の事前情報量の差異がなくなり、後は専門家配置や方法論で勝負となる。役務での最大の貢献はそこにある。適当では困るのである。

下記に役務の必須条件を列記してみよう。

1.出発前にほぼ9割方の現地関連情報を得ておく。ネットの方が大量の情報を得やすい。熱意が足りない。

2.地図の持参は当たり前で、ナビゲーション的な地図がないと動けない。日本で収集可能。ご自分がどこにいるのかが分からない人がいる。

3.資料は出発前に必ず読んでおく。読んでいないと現地での情報収集が非効率的で不確かになる。二度手間で質問する意味はない。

4.現地関係者との連絡方法を現地到着後直ぐ確立させる。芋づる式の効果あり。積極的な人物評価が足りない。

5.コミュニケーション能力を高めておく。英語が出来ない人が殆ど。致命的。

6.フットワークは最大限軽く。お客さん的な人も意外と多い。ボーっとしている暇はない。時間厳守。

7.主張は控えて、聞き耳を立て、人の話を聞く側に重点を置く。1と3の情報を基に質問する。

8.文献資料の入手を重視し、インタビューは単なる確認。3と連携。

9.写真撮影も結構だが、自分の目で確かめマクロで状況を記憶する。車窓からの景色も同様。地形、地質、植生、生活、交通量、農産物など様々な情報が得られる。寝てしまうのはご法度。

こんなところでしょうかね。兎に角、他国での経験を基に推測することは止めましょう。焦っているのは分かるけど。

2011年3月5日土曜日

1134:2週間ぶりの出張

2週間前に来た商業都市にまた来た。朝早く出たお陰で、久々いろいろな施設を再度見ることができた。

学園都市のビーフカレーもうまかった。旧都で丘陵地帯のため町全体が木々に囲まれている。去年見たロックフィルダムも雨期のため水が豊富だ。前回気がつかなかった湖水への滝が遠方に見えた。管理者も僕のことを思えていてくれた。

農民が道端で様々な果物を売っている。ブドウ、パッションフルーツ、ベリー、など。パイナップルがあるので何だか南国的な感じだ。中部とは趣が違う。

定宿にチェックインして、CNNを見ている。前回はNJの地震とリビアでの内戦が始まった時だ。今日はラムチョップを食べたいところだ。1921年から営業しているステーキの名店。

明日は発電施設と浄水場を再度見に行く。雨期は初めてだから興味深い。堆砂の状況も確認する。WUAによって維持管理されているパイプ給水も見学したいが、時間と相談して決めたい。

今後来ることがあるかは神のみぞ知るだ。一期一会の機会を大事にしよう。帰国まで1カ月と1週間となった。

1133:不正携帯事件(意外と単純だった)

事実は小説より「普通」なり。

意外と単純な方法で試験中に携帯を使っていたことが分かった。知恵袋も回答することを趣味としている人が沢山いたらしい。

だから、知能犯でも計画的でもなかったようだ。

いつも試験問題を気軽に知恵袋に投書し、直ぐに回答が得られていたから、多分試験中でも大丈夫と単純に思って実行したように思える。本人も受かりたい一心だったようだ。

まさかそんなことが起こるわけがないと気にもしていなかった大学側の落ち度もあるようだ。受験代で儲かっているしね。

以前も書いたが、何か分からないことがあれは直ぐに誰かに聞く習性が産んだ事件であろうか。こんな答えでいいでしょうか、という質問が欲しいよね。添削みたいな。まるでゼロから教えるのはスポイルだね。

から騒ぎということか。騒ぎ過ぎ。

受験生たちも近くで不審な動きをするのも気がつかなかったようだ。人のことはどうでもいいという風潮もあるかな。

そんな不正をしなかったら果たして受かっていたかは分からない。多分駄目だろうね。

試験官、受験生たち、犯人、誰もが周りを気にしない殺伐とした社会なのだろうか。

アフリカじゃー、周りの人には誰でも挨拶するし、何か起これば直ぐに気にしてくれる人ばかりだ。日本の社会の不可解さがうかがい知れる事件だった。大学も権威喪失でパニックになり、マスコミは犯人探し。

犯人の受験生に対するある種の同情と大学への抗議というのもちょっと分かるような気がする。精神病と認定できるかもしれないね。

2011年3月4日金曜日

1132:役務・短専の重複応札

今までJICAさんの公示に対して再公示がかなりあったりして問題であった。

また応札条件もいろいろ緩和し、効率的な運用が可能となっている。

本格調査でも同じような緩和策が取られて自由度が高くなっている。

非常に喜ばしいことである。

同じセクターの案件が続けて公示されることもあり、重複して応札し、JICAさんの判断でいずれかで1位指名されることは我々コンサル側にとっては救いの策である。勿論、不合格では駄目だが、2位指名程度のあれば、1位のコンサルが辞退すればチャンスも得られ、2件の内いずれかが1位ならいいわけだ。

調査団の構成についても緩和策がいろいろあるようだ。評価対象者以外は応札時に名前を出さなくてもいいようだし、団長をJVサブから出してもいいようだ。ただ、JV幹事側がサブから団長をだす勇断ができるかが大きな判断でもある。事例は知っている。要するに、JV各社の総力として良ければいいのだ。欧米のコンサル(特に対象国での経験が豊富)をうまく取り入れ持続的戦略的に連携していくのもある。ただ、文化的な違いから信頼が得られ2度3度と継続してJVを組むのは難関でもある。

僕はあんまり不合格になったり、3位指名などなったことがないのであるが、自分だって劣化することもあり、上記のような重複応札は歓迎だ。

60歳を超えればフットワークも重くなり、クライアント側から見て使えないと思われるだろうし、頑固と思われ協調性がないと判断されれば敬遠される。注意したい点である。

40代でも英語もできない、フットワークの重い依存性の高いコンサルもかなりいるので、まだまだ競争では負けたくないですね。知識経験は当然必要だが、役務などは短期間で効率的な情報収集分析を行う必要がありこうしたセンスだけは失ってはいけない。

2011年3月3日木曜日

1131:局長さんの時計

もう2年前か、初めて当地に赴任したころ、水省幹部や一般職員へのささやかなお土産を持参してきた。あんまり知らないので、幹部にはボールペンの高いやつ、職員には普及型を持ってきた。たまたま免税店で買った品物におまけの時計が付いていた。1000円ぐらいなのだろうか。

お世話になる当時副局長さんにお子さんがおられることを知り、その時計をおもちゃとしてお子さんにどうぞと差し上げた。

それ以来、副局長さんもご出世し、今は堂々たる局長さんだ。もうかなり局長さんらしくなってきた。職位は人を変えるね。まあいい意味で。

それはともかく、時計だが、差し上げてからずっとご自身で身に着けておられる。大変光栄なのだが、おもちゃみたいなものだし、見るたびに恐縮してしまう。

局長になられても時々見かけるからますます恐縮だ。

気に入っていただければ幸いだけれど、もっとまともな時計を差し上げないといけないなとも思っている。まあささやかだけれど。また来る機会は分からないけれど。

われわれ日本人にとってはおもちゃでも大事に使っていただくのは幸いである。

次はまともなを差し上げますよ。Rolexは無理だけど。

1130:BBCの大井さん

今回再渡航して1カ月以上経つが、BBCのアジアンビジネスのコーナーで出ていた大井さんが出てこない。フィリピン人のリコと妖艶なインド人キャスターだけだ。

大井さんもなかなか優秀だが、ちょっとチャームがないのでお堅い感じがしていた。もしかして、記者志望だからキャスターは不向きだったかもしれない。いろいろプレッシャーもあるだろう。

先日、大井さんの声だけが聞こえてきた。豪州の洪水被害のレポートだった。彼女も豪州で英語を磨いたからさぞ懐かしいだろう。

BBCにしてもCNNにしてもキャスターはダイナミックだといけないから、大和撫子風では難しいかもね。

CNNの香港支局には混血的な女性がいる。クリスティーナだったかな。発音が変で、出っ歯の影響かなとも思うけど聞き苦しい。以前トルコ系アメリカ人もちょっと歯が出ていて子音が気になったが、それと似ている。彼女もチャーミングだから人気があるのだろう。

大井さんが再び映像で登場する日を待っている。フセイン女史も最近出てないね。

BBCもいろいろあるから別のチャンネルで出ているかも。

3月に入って雨季から乾季への移行期なのか、衛星放送も安定方向にあるようだ。

1129:臨機応変の水資源管理の提言

いよいよ2年間の最終段階だ。

そろそろ報告書の作成方針を決める。もう3つ書いたので4回目だ。ずいぶん一人で書いたものだ。

クライアントからは技術移転の成果の記述を求められている。

すでに成果評価の方法は決めた。自己評価と水省側からの評価の両面で正当に行う手法をとる。

評価指標も決めた。2年間の業務内容を分類し、項目ごとに評価していただく。自分のは厳しく。

最終的には次官からクライアント側への正式な評価レターもアタッチする。

水省の評価者は次官以下、局長、副局長、および実務的なカウンターパートまで続く。総勢15人ぐらいか。大臣からコメントをいただくこともできるが、ちょっと大げさかもしれない。

要するに、before and afterで何が変わったかだ。彼らの問題意識や課題に対するアクションが向上したかがポイントである。意識調査でもある。数値化するにはかなり難しいが統計的に評価する。

さて、最終的には水資源管理上の課題に対する提言がある。

ペーパーばかりたくさんあり、関連性や持続性が乏しい。IWRMはあまりにも一方通行的な発想で、決めたら後戻りができない不自由さがあり、理想的すぎて実務的にスタックしがちだ。

そこで、これまで温めていた臨機応変の水資源管理手法を提案する。再現性というのがキーワードである。適用性の高い実務的な水資源管理手法を考えたし、それを柔軟に実施していくことを目指している。

具体の提案は細かいが、包括的にいえば、やはり臨機応変な水資源管理であろうか。

このブログでは書かない。やはり企業秘密でもある。意思決定を可能にする再現性のあるモデルやシステムも重要だが、これを任せられるコンサルは欧米しかいないのがさみしい。いつまでたっても古典的でペーパーだけの水資源開発管理報告書では30年前と何も変わらない。

報告書作成開始までまだ時間はある。水省職員との協働もあとわずかだ。

1128:やっと保護されたか

昨日からネットでの携帯カンニング事件の続報が続いたが、やっと無事に犯人が確保・保護された。自殺の可能性もあったから良かったと思う。

今日のニュースでも就職氷河期の影響で大学生などの自殺者が増加したとのこと。

嫌な時代だなあー、とつくづく思う。

先の見えない国の悲劇かもしれない。不安感が全世代で蔓延している。

宗教感が乏しいこともあるだろう。

今回の事件も特異なことではない。大学関係者だけでなく社会全体に衝撃が走っている。権威を守るのではなく、問題の本質を解決してほしい。

今後、動機など背景が分かるし、単独犯なのか共犯者の存在なども分かると思う。週刊誌やワイドショーネタだろう。

なぜ大学に行くのか、なぜ就職するのか、など人生観を見つめる過程も必要ですね。モラトリアムが許されなのは悲しいね。

1127:専門家の良識

以前コンサルの良識や品格って何だろうと云うことを書いた。

もっと広げて専門家というステータスに見合う能力を考える機会があった。

ちょっと嫌なものを見てしまったからだ。僕自身は非論理的なことをごり押しするほど下品ではないと思っているし、権威とかいうものに依存しないから、物事をごり押しするチャンスもない。

これまでいろんな組織で仕事をしてきたが、専門性や知識・経験が劣化してる高い立場の方が、ビックリするほど下品な行動をするのを垣間見てきた。

誠実さを全く失っていたし、自分に嘘までついて押し切る頑固さは何なんだろうか?

多分、恐怖感、劣等感の裏返しと保身なんだろうか。職位の高さだけと云う単なる優位性しかない。

事例は沢山あるが、名誉棄損になるから書かないでおこう。思い出すのも嫌だしね。

最近かなりおかしな方を見てしまった。彼もコンサルとしてやりたいことも出来ず、単調な仕事ばかりだから仕事がマンネリ化して、1件1件を精査し熟考し、協議相手の意向を誠実に聞く余裕がないのだろうか。

全く陳腐でワンパターンな形で勝手に進行させ、自分だけの発想で協議を終了させてしまった。

水資源管理を知らない裸の王様化したんだね。

かわいそうだな。専門性を失った専門家の惨めな姿だ。老化して、風貌がある会社の元会長と同じ老獪さを感じた。

彼と同じ立場にならずに今はほっと安堵している。コンサルが権威だけに頼ったら、生きる屍である。

2011年3月2日水曜日

1126:産経新聞の特ダネは凄い(誤報でしたか、犯人探し激化)

夜8時。さらに時事通信が仙台の予備校の冬季講座の受講生の人数まで絞り込んできた。新聞各社の犯人探しの競争が激化してきた。明日の朝になれば、また続報か。もう犯人も自首するのが適当かもしれないし、精神的に追い込まれて自殺の可能性だってある。早く確保或いは補導するのがいいのでは?

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夕方ホテルに帰ってネットで見ると、どうも産経の記事は早とちりだったのだろうか。東京から仙台に。どうも他社の追随がなかったので特ダネと思ったのだが、こういうのはネットに残っているから恥ずかしいね。明日あたりは詳細が入るだろう。

それにしても、知能犯ではないね。社会問題まで発展しちゃったし、お母さんがかわいそう、と同情してしまう。身の丈に相応しい大学でいいじゃんね。

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朝はかなり早くから起きていたが、例のカンニング事件の解決は今から30分前に産経新聞から入った。

他社はまだ掴んでいないから、これは産経新聞の特ダネだ。

回答者がグルかどうかはまだ分からない。

産経新聞の本件フォローはいいなと思っていたが、他社の追随を振り切った。

ジャーナリストではないが、こういう情報収集活動は見習いたいものだ。

コンサル諸君も他社の追随できない最高技術を提案して頂きたいものである。

前回のモデルでも世界各国地域でドナーの支援を受けていくつかのモデリングが行われ、ほぼ水資源管理ツールとして対象国の職員が実施している現状を調査すべきである。

もうこの10年フォローしているが、企業秘密もありこのブログでは一切紹介しない。

他社さんもしっかり追随して頂きたいね。まあ無理だけど。

1125:マスタープランのあるべき姿

3日ぶりの投稿である。

さて、30年で全国を対象とした水資源マスタープランは4件、流域対象では数知れず経験してきた。

それぞれ時代を反映してか、作業の中身には大きな違いがある。

例えば、流域水収支モデルに関しては、

30年前:実施なしで、流域ごとに貯水池容量―使用可能水量関数を決定し開発ポテンシャル地点で推定。そのころ国内では流域開発最適化モデルが実験的に行われていた。

20年前:大流域で、始めて流域全体のモデルを作成。かんがい、給水、などを主な需要として、給水はダム群。ダムの運用を最適化した。フォートランでまだウィンドウ化していない。暫くこのモデルを使い各水資源開発案件で利用。

10年前:10年後の全国対象マスタープランに参加。前述のモデルは利用できなかった。オランダからJVで参加したコンサルがエクセルで作成。陳腐なモデル。時代に逆行した。

現在:流石に56歳。この10年では団長などをしており、水収支モデルには係れない。気がついたら、日本のコンサルはモデル化にかなり遅れていることが発覚。

世界的には多くのモデルがあり、水資源管理上重要なツールとなっている。

さて、これからコンサルはどう水資源管理に対応するのか?汎用性のある世界的モデル群を会得せず、管理業務に係れるのか?

再現性のあるモデル化が水資源開発管理の持続的運用には欠かせないのだ。M/Pの大量の文書を作成し終わりでは、技術協力とは言えないだろう。問題意識すらない。

この10年コンサルは経営悪化と人材不足で研究開発が出来ず、また競争がないため切磋琢磨してクライアントに高い技術を提供することが出来ていない。残念至極である。

小生の出番かなとも思うが、今年57歳。大調査団の団員を全て教育するのは実際疲れるねえ。若手中堅コンサルはもっと頑張ってほしいものだ。