2009年2月28日土曜日

105:戦略と実行

4日ぶりの投稿になる。飲み会とプレゼンの準備で時間が取れなかった。

さて、戦略計画とその実行計画の策定は事前事後にいくつかのプロセスがある。民間ビジネスでは当たり前だが、IWRM計画でも考慮すべきと考える。下記の1と2にはかなりの検討が必要であるが、IWRM推進者にはトンカチ作業の軽い過程と見られがちである。ロードマップ作成は3と4が中心になる。しかし、1と2の検討結果なしにはありえない。

1. Diagnosis
2. Stability
3. Strategy
4. Action
5. Monitoring
6. Evaluation

夫々のプロセスに所用期間が設定されることになるが、対象とするプログラムによって期間は大きく変わる。

日本のコンサルは1と2がお得意であり3と4が苦手である。自信を持って1と2の成果をだし、3と4へと移行するプロセスを学ぶ必要が間近に迫っている。実例はたくさんあるので心配はいらない。

2009年2月24日火曜日

104:IWRM:イギリスの反応

IWRMないしはIRBMに対するイギリス人学者の反応は至って冷静である。手放しで賛同しプロモートする学者ないしは学会は少ない、というか、多分ないだろう。おられるなら紹介して欲しい。

2つの例を挙げる。立場は違うが画一的なアプローチを否定し批判的な議論を展開する必要性を説いている。

1.British Hydrological Society (BHS)

2004年発表されたBHSの書籍でIWRMの問題点を論じている。

「Integrating the biophisical and social science frameworks for IWRM/IRBM: rationality and realty」

2.Royal Geographical Society

2007年12月に発表された「Critical Perspectives on Integrated Water Management」
にIWM(IWRMではなく)の実施への課題が6つの論文で紹介されている。

ネットで検索できるので興味ある方は探して読んでいただきたい。

要するに、IWRMを否定はしないが、冷静で批判を議論できる良識が備わっているということだ。こういった背景があり、最近発表された11流域の流域管理計画に至っているのではないかと推測している。

2009年2月22日日曜日

103:イギリス水管理計画案における9つの質問

昨年12月に発表された11流域の水管理計画案のうち、まずアングリアン川流域を見てみた。タイトルは

Water for life and livelihoods

という。通常の管理計画案ではなく、それに係るconsultationという名目である。

本流域はロンドンの北部に位置し、ケンブリッジを含む。

さて、本報告書には適宜利害関係者に対して質問が設定されており、下記の9つが設定されている。


本計画では、今後6年そしてそれ以降に対して水環境改善の目標を設定していますが、達成すべき計画案に対してどの程度同意しますか?
1)水に係る問題に対する評価に同意しますか?何を変えたいと思いますか?
2)本案で提案する目標に同意しますか?何を変えたいと思いますか?
3)ある流域に対しては2015年以降に目標達成のデッドラインを設定したり、或いは低い目標を設定してます。これらの変更に同意しますか?何を変えるべきでしょうか?

本計画では、目標達成に対する実行計画を設定しています。正しい実行計画と認識したものですが、それらに同意しますか?
4)これらの実行計画を評価するプロセスをフォローしています。このプロセスはAnnex Eに詳細が書かれていますが、このプロセスに同意しますか?
5)これらの実行計画に何かコメントはありますか?不足なプロセスはないでしょうか?変更すべきものを提案しますか?

効果的であると判断され場合、追加的に実行すべきものを設定しています。それらはScenario Cにリストアップされていますが、それらの実行計画が必要かどうか知りたいと思います。
6)Scenario Cに対するコメントはありますか?具体的な実行計画に対する追加的な情報はお持ちでしょうか?
7)環境を改善するために、どのような支援を提案できますか?実行計画に係ることやリソースを提供することなど。

本計画に対するほかのコメントはありますか?
8)水環境への気候変動の影響評価に対して同意しますか?何を変更すべきでしょうか?
9)まだ伝えていない本計画案に対する他のコメントはありますか?

これらの質問に対するコメントはウェブ上で確認できるシステムになっている。これからコメントがあるのか、どのようなものか明日からレビューする。

2009年2月21日土曜日

102:比国ネグロスのIWRM記事

比国ネグロス島でGTZの支援で進められているIWRMの現状である。フィリピンではNWRBが水資源管理の国家的組織だが力が無くIWRM推進にはほぼ無力である。これまでにも世銀やADBが支援したがそれでも進まない。世銀はビコールなどNEDAに跡継ぎを求めたがNEDAはもっと悪い。インドネシアのBAPENASのような役割を持っているが経済屋ばかりで役立たず。DENRがIWRMを担う組織となるとされているがどうなることか?

下記のネグロス、セブ、ダバオなどいずれのLGUも国の支援を期待しているが最貧地域には行き届かない。

なんといっても国家に支援する予算がないことが問題。次に人材不足。口ばかり達者の公務員には無理だ。まだトンカチのDPWHのほうがましである。ちょっとした新聞記事からも国と地方の認識ギャップが鮮明である。

Devolve water resource
mgm’t to LGUs: Baldado
BY MARICAR ARANAS

Negros Oriental Vice Gov. Jose Baldado said the National Water Resources Board should devolve its functions to local government units.

The suggestion of Baldado came after the creation of the Integrated Water Resources Management Council covering the two provinces of Negros island.

The island-wide IWRM Council is supported by the German Technical Cooperation-Water.

The IWRM was created in order to address the water resources and the rehabilitation and identification of the watershed areas in the province.

Baldado said strict regulation on water resources should be implemented through the NWRB. In fact, he said, one of the concerns of the IWRM is the raw water pricing that would monitor and regulate water extraction.

He added that because of the lucrative business on water, many are venturing into this business without considering the environmental impact.

Baldado said that NWRB is an agency that addresses water concerns and its regulations. Unfortunately, it has no local office in the province that can monitor the water resources situation, he added.

The vice governor said the NWRB should devolve to LGU’s the health care services aspect, as local officials can better handle local water resources.

Meanwhile, Baldado said over-extraction of ground water will affect the water table which will result in the intrusion of sea water. Several years ago, some barangays in the municipality of Manjuyod have experienced brackish taste of drinking water due to lack of forest cover.

He pointed out that those who are privately extracting water for business purposes should be required to maintain a watershed area, just like the Dumaguete City Water District that adopts a watershed project in Valencia, Negros Oriental.

Baldado said he will try to ask the congressmen of the province if they can help in his plan to devolve the functions of NWRB to the LGU’s.

2009年2月20日金曜日

101:イギリスの最新水管理計画(あえて統合的とは言わない品格)

101号というある意味自分のマイルストーンである。

今までフランス、アメリカの水資源管理を探ることはあったがイギリスは始めてである。100年を超えるコンサルタント活動、特に海外での水資源分野でのイギリス人の活躍は目覚しい。今までもマクドナルド、ハルクロー、ビニー、ギブなど錚々たるプロと一緒に仕事をした。意外とイギリス国内での水管理については無関心であった。

そのイギリスの水管理の最新情報に触れたことは感激でもある。

前回間違いがあり英国環境庁が発表した流域管理計画はイングランドとウェールズのみで11流域。

2000年に合意したWFDにより、昨年2008年12月(つい2ヶ月前だ!!)に上記11流域の流域管理計画(案)が発表された。6年後の2015年、そして21年、27年となぜか6年ごとに見直されることになっている。

同時に、戦略的環境評価報告書も出され、今後1年かけてConsultationが実施される。1年後利害関係者からのコメントを元に最終化される。1流域での報告書をレビューするだけでも大変でこれが11流域ある。

こういったプロセスでの水管理計画は始めて見る。ある種の感動である。報告書案に全ての利害関係者への質問項目がある報告書なんて始めてみた。外国人である自分もコメントできるシステムである。

以前所属していた会社の幹部がイギリスなんて水資源や河川を語る立場ではないと傲慢なことを以前言っていたが、イギリスにも河川流域はある。洪水も渇水も発生する。その水管理計画のプロセスは上記報告書群を見る限り現在世界的に先んじている。

報告書を見てまず感じること。中身は統合的なのにIWRMなんて一言も無い。せいぜいintegratedとintegrationがごく普通の表現で1回程度使われていること。まさに自然な英語表現だ。ただしactionはかなり多い。

要するに、すでに世界の良識ある人たちには「IWRMというプロモーション」は必要ないということだ。これからじっくりと中身を精査する。何しろ11流域。1流域あたり数百ページだから全部で1ヶ月はかかるかも。

イギリス人の底力を感じた。まだまだ土日もお勉強かと半分がっかり。200号へと更なるマイルストーンまでがんばりたい。それにしてもここ1週間は大きな進展があった。

2009年2月19日木曜日

100:100号記念

11月19日から3ヶ月。1日1投稿は達成できた。

これまでIWRMに拘り無い知恵を絞って書き続けてきたが、100号を迎えてロードマップとSEAにたどり着いた。備忘録どころかまだまだお勉強が続くこととなりroadからloadになった。

またIWRMより広い領域にも達し、IWRMへのさまざまなアプローチを知ることとなった。

Things experiencedからThings to doの割合が増えたことになる。

これ以上の新情報はないと思うが、今後はさらに今までのテーマを深く掘り下げる覚悟である。

とりあえず第5回世界水フォーラムの成果を精査してみよう。とは言え、あまり期待は出来ないと思う。既にイベント化し理論と実践の成果は乏しいと感じる。まあしかしフォローしてみよう。

明日は英国の流域管理計画とSEAの実例(イングランド、ウェールズ)が11流域あるので一つづつ見てみたい。報告はいずれまた。

99:SEAはかなり進んでいる

SEAに対する認識が無かった。

ADBが実施したインドネシアのIWRMロードマップでSEAを始めて知った。それから遅ればせながらお勉強。英国では流域管理計画には当然のごとくSEAがありました。環境庁が行なっている。イギリスではプロジェクトベース以上の場合は当然実施されることになっている状況のようだ。当然EU諸国も適用しているだろう。

IWRMのロードマップにはSEAが必然のようだ。SEAのガイドラインも多く見られるので検索してみていただくとよい。かなりの数になる。日本では地方自治体で数例あるが、まだJICAでの適用はない。IWRM計画がある以上当然適用すべきものと理解できる。

今週はロードマップとSEAのお勉強で終わりそうだ。

2009年2月18日水曜日

98:環境データの統合

前回で予告した環境に係るデータに関する面白い記述である。

Data Problem …… Again!

• Environmental data not available due to inadequate monitoring and inspection systems.
• If available, it is not adequate (Snap shots)
• If adequate, its is not reliable (no QA/QC)
• If reliable, it is not properly reported.
• If reported, it is not disclosed.
• If disclosed, it is poorly disseminated.
• If disseminated, it is not interpreted.
• If interpreted, it is not linked to health and socio-economic data.
• If linked, it is not used for integrated decision making.

「IWRMと環境」というテーマでSEAとEIAの違いを明確化したベイルートアメリカン大学のファラジャラ博士の講演で示されたものである。

統合的意思決定はIWRMの最大のテーマである。IWRMというテーマも世界的に広がりと深みがあり、単純な発想と思いつき、思い込みで論じるの危険極まりない。

2009年2月17日火曜日

97:ADB:IWRM Roadmap

ADBが行なったIWRM RoadmapのT/Aはこれまで3つある。中央アジア地域、カンボジア、インドネシア。以前ご紹介したMFFへの道筋をつけるものである。ただし、中央アジアは組織制度整備が中心。

ロードマップは戦略計画とほぼ同意語であり、実行計画を含む。これがADBが進めるIWRM事業へのMFFとして定着しそうだ。まずはインドネシアで進む気配である。

日本では馴染みがないので、まだコンサルには理解不足である。JICAにも水資源マスタープラン前の水戦略フレームワーク策定があるが、まだTORが定着していないのが現状である。新JICAになったのでADBにような傾向が出てくる可能性もあるが。

これに関してはもう一つの流れがある。SEA (Strategic Environmental Assessment)である。プロジェクトベースではEIAだが、IWRMにはSEAの適用が認識されているが,これもまだ日本では研究段階で実際のIWRM計画には適用されていない。

フィリピン人の環境専門家でスタンフォード大大学院で主席でドクターを取った友人はその専門家である。彼もインドネシアのADB・IWRMロードマップ作成に係っていた。なるほど彼なら任せられる。

日本のコンサルなどもADBのT/Aでロードマップ作成を任せられる場合はしっかりお勉強をしておくとよい。日本式のプロジェクトベースの検討は適用できない。ADBには大変厳しい担当者がいるそうである。半年で何百ページもの報告書を日本人に書けるであろうか??日本から専門家を集めることができるだろうか?これまでロードマップ作成に係った日本人はいないので十分要員配置に留意すべきである。

IWRMと環境については次回に。環境データに関する面白い記述を発見。

2009年2月16日月曜日

96:マスコミのIWRM(比国ネグロス)

比国ネグロスの事例である。

Water quality
laboratories eyed
BY MARICAR ARANAS

The Integrated Water Resources Management in Negros Oriental is preparing to establish water quality laboratories in every town and city in the province.

The IWRM in Negros Oriental was organized with technical assistance from German Technical Cooperation Water.

Vice Governor Jose Baldado said the incidents of diarrhea outbreak in Guihulngan and Bindoy in 2008 due to contaminated water was a challenge to the LGUs and the IWRM.

Baldado said the idea of putting up a water quality laboratory was discussed during a League of Municipal Mayors of the Philippines-Negros Oriental Chapter meeting.

Dumaguete City Mayor Agustin Perdices and Bayawan City German Sarana were present at the meeting.

He said majority of the local chief executives were in favor of the plan to establish a water quality laboratory but not necessarily in every town. Some of the municipalities said they do not have enough resources to put up and maintain a water quality laboratory.

Baldado said the group suggested that a water quality laboratory be established in every district of the province to which the LGU’s and their district representatives will contribute to put up a water quality laboratory.

He said they will make sure that at least one water quality laboratory is in place before they end the partnership contract with GTZ-Water this year. He said putting up a water quality laboratory will need highly trained personnel.

Baldado said among the accomplishments of IWRM with GTZ is the creation of Island-wide Integrated Water Resources Management Council. The IWRM council of the Island will lead in the implementation of programs that concerns water and the environment.

Negros Oriental has three wastewater treatment facility located in Bayawan City, Dumaguete and soon another in Manjuyod. The waste water treatment facility will help reduce water pollution.

GTZの成果はいかに?中央アジアへのサポートはこの世界不況でどうなることになろうか?世界水フォーラムでの各国のアピールをワッチしようか。

それにしても熱気が感じられないフォーラムになりそうだ。そろそろ実践的な成果が出ないとやばいかも。学術的或いは実践的なな成果もフォーラムでは期待できない(かも)。

2009年2月15日日曜日

95:IWRMの限界という報告(ブラジル)

暫くトルコの回顧録が続いたので本題に戻そう。持続的解決というテーマでIWRMを評価するというアプローチがあり以前紹介したと思う。そのアプローチを推進する団体から最新の論文集が届き内容を見て驚きだ。タイトルがIWRM実践の限界だからだ。

下記に要旨を。

The limits of integrated water resources management: a case study of Brazil's Paraiba do Sul River Basin

Antonio Ioris
Geography and Environment, School of Geosciences, Aberdeen University, Elphinstone Road, Old Aberdeen, Aberdeen, Scotland AB24 3UF UK

The transition to water sustainability involves challenging questions about problem assessment, stakeholder involvement, and response coordination. To overcome these difficulties, new approaches have been developed to inform regulatory changes and to help to improve the level of water sustainability. One of the preferred methods is integrated water resources management (IWRM) that combines different aspects and a plurality of goals associated with water use and conservation. However, important obstacles remain in the way of IWRM and, ultimately, water sustainability. A case study in the Para兊a do Sul River Basin in the southeastern region of Brazil illustrates the multiple barriers to appropriate integration of socioeconomic considerations into the sustainable management of water systems. The opportunity to improve environmental conditions and to engage local stakeholders has been frustrated by the contradictory directions of regulatory reforms. On one hand, IWRM-informed policies have introduced flexible instruments of water regulation and pushed for the reorganization of the river-basin committee. On the other hand, the focus has been restricted to technical and managerial solutions that tend to ignore the influence of social inequalities and political asymmetries and, as a consequence, undermine water sustainability.

過去の事例を「強引に」成功事例に仕立て上げまとめても将来のgood practiceの参考にはならいし、問題点を正直ベースで明らかにすると意外と参考になると思う。

1ヵ月後にイスタンブールでIWRMハンドブックなどが公表されるという。利用されるものであってほしい?!中身を見るのが楽しみだ。

2009年2月14日土曜日

94:WWFは使えない

World Water Forumの略語ではもうWWFは使えないそうだ。

当然のことであるが今までよく許されていたものである。WWF、すなわちWorld Wide Fund for Natureが元祖であるからだ。最近クレームが出たそうだ。

本ブログでも使っていたので今日から改めよう。

WWFもIWRMの推進には熱心であるし無関係ではない。

JICAもJapan Ice Cream Associationの略語でもあるがこちらは決して競合しないので問題なさそうだ。
IWRMも中々一般に定着しない。略語が定着するための国際戦略が必要だ。マスコミを利用するしかあるまい。

93:トルコの思い出3

どうも記憶に間違いがあり、92年はイスタンブールで93年がアダナだった。アルツハイマーか?

92年には世銀のT/A参加のためイスタンブールにいた。90年は確か大渇水で水道事業の拡張が急がれていた。初めての世銀T/Aで最初は緊張したが英国及びアメリカ人のいい加減さとごまかし、専門性の無さなど身近で観察できた。何だ、この程度かと呆れたものだ。

それまではアンカラが仕事の中心だったが商業都市での生活もまんざらでもなかった。商社や銀行などの海外出張と転勤は大都市だからコンサル稼業とは随分違う。コンサルの家族も最初は現地に付いて行くが二度目からはごめんなさいとなる。

さて、T/Aは上下排水のマスタープラン作成であり、カウンターパート機関はイスタンブール水道局(ISKI)。3月に開かれるWWF5はDSIとISKIの共同開催と聞いている。DSIはコチコチの土木屋さんが多いが、ISKIは少しは知的で辛らつ。DSIのほうが随分と付き合いやすい。兎に角、エンジニアがいないのでデータ収集に苦労したがDSIやEIEの友人のお陰で何とかした。また英国人の水文屋が小生の師匠をよく知っていて、それで信頼が得られた。欧米コンサルからは殆ど信用されていないのが実情だ。国際的なコミュニティーに属していないことの表れかもしれない。IWRMも同様で、世界で活躍していないと自己主張は難しい。国際機関に行くチャンスはとっくに過ぎたが、メールのお陰で結構名前が知られることもありまだまだ頑張れるのである。ただし、メールだけで信頼されるには高い英語力が必須である。

WWF5も後1ヶ月。何とかうまくDSIにやってもらいたいが、どうなることやら?

イスタンブールに行ったらぜひ対岸のアジアに行き、黒海方面の漁港に立ち寄ってほしい。イボガレイのフライと白ワインは最高だ。ただしお値段は張る。

2009年2月13日金曜日

92:トルコでの思い出2

92年にはトルコで3番目の案件に従事することになった。当時タンザニアとトルコ二つの案件のプロポーザルを書いていて、いずれかの責任者になってもよいと言われていた。いい時代だった。儲かっているのでドンブリ勘定でも問題なかった。

やはりトルコを選びトルコ案件を連続させた。場所は南部アダナのS川の洪水予警報システム計画であった。JICA案件3つ目で責任者であったがトルコ側の協力も得て充実した調査であった。

流域の流出解析と最適な洪水予警報システム網配置、洪水氾濫と洪水軽減ダム操作などそれまでの水力発電計画から少し専門領域を広げることができた。特に調査の総括的な仕事の最初の経験は意義深い。

調査員は若手が多くアンカラ、アダナなど毎日レストラン探訪が楽しかった。やはり若手が多いと冒険心があり面白い。一般にケバブと言われる羊の料理も地域ごとに種類が多く多分日本人ではかなりのケバブ料理を制覇したと思う。アダナケバブというミンチのケバブがあるがアダナには元祖の店がある(DSIアダナ支局のそば)。その支店がアンカラににあってよく行ったものである。アダナソフラシといい、ネジャーティベイ通りだ。今でもトルコ人のタクシー運転手にも通じるトルコ語を覚えているのもおかしなものだ。







アダナケバブも元々は中近東からのものだろう、地域ごとに特産の羊がある。今までの経験では、イラン、ウズベキスタンなどが非常にうまい。牛肉や豚肉に名産地があるのと同じである。ドネルケバブは世界に広がっていて日本でもおなじみだ。意外にうまいケバブは比国マニラのマニラホテルとマカティ・ブルゴス通りから直ぐのペルシャ料理店。マニラに行くと必ずどちらかに行く。

EIEやDSIとの交流もこのころが最高だった。先日書庫の総点検を行なった際にも懐かしい写真がワンサカでてきた。多くの方は引退されたのであろうか。E-mailを使い始めたのが1996年だから当時の方々とはまだ音信不通だ。

そろそろ今年あたりはトルコ案件を考えてみよう。世代は随分変わったかもしれない。

2009年2月12日木曜日

91:Facilitationの醍醐味

30年ほど海外でのコンサル活動していると自然とFacilitationが身に付くようだ。

日本人はどちらかというと英語での国際会議が不得意のようだ。まだ、一方的なプレゼンはいいが、facilitationを見事にやり遂げている光景は中々国際会議で見る機会が少ない。

事務的なことばかりに係り、内容が伴わないのが気になる。兎に角Facilitationをする能力が足りないし、その訓練も受けていないようだ。無難に収めようとするあまり、事前にシナリオが欲しいらしい。おかしな話だ。シナリオがない状況で自由な議論が展開し、その「進行をコントロールする」のがFacilitationの醍醐味だ。「質問をコントロールする」のは論外である。

Facilitationの基礎や応用を英語で教える実践的プログラムが必要かと思う。機会があれば大学で無償で講座を開きたい。既にプログラムはできているのだが。海外からの留学生とジョイントで行なうことで日本人学生の国際感覚を国内で身に付けることが可能である。これを英語では、

internationalization at home

という。

2009年2月11日水曜日

90:トルコ水力開発に参加して

丁度また90年と符合するが、トルコ東部のE水力開発計画調査が終わったのが90年である。小生は南東アナトリアでの仕事と掛け持ちで、調査団にはアンカラで合流。トルコの水力開発調査はEIE、設計と工事監理はDSIが担当である。

あれから19年。E水力開発の現状はどうかと探った。何と02年から工事が開始され間もなく運開のようである。90年代まではJICAがF/Sを実施し、D/DとS/VはJBIC融資という段取りだったが、既に水力開発事業にはODAは対象とせず、また当時環境社会配慮が煩く世銀もトルコの水力開発から撤退。下流のK水力事業も頓挫していた。

E水力開発も99年にローカルコンサルによってD/Dが終了。02年からヨーロッパのBOT(?)で工事開始したとのこと。D/Dで修正があったにせよ、ダム高210mのアーチ式コンクリートダムは圧巻だろう。ギョクス川渓谷中流域の狭窄部に位置している。発電出力30万キロワット。

初めてのJICA調査参加であり水文・水理を担当。PMP、PMF、融雪による日流量変動、貯水池オペレーションなどなど水力開発に係る水文・水収支を徹底的に学んだ。勿論F/Sそのものと経済財務分析などなど。団長は筋金入りのプロで人格的にも尊敬に値する方であり、入社時の面接担当でもあった。

多分E水力開発の動向なんてもう誰も気にはしていないのであろう。しかし小生にとっては始めての水力発電F/Sであり、忘れがたいプロジェクトであった。一度は完成された姿を見てみたいものだ。

89:トルコでの思い出

丁度このブログの回数も88から89になった。年号で言えば本格的な海外コンサル活動を始めたころだ。82年に初めてヨルダンのダム工事現場に行ったが入社間もなくであり専門家とは言えなかった。社内的にはOJTだったが客先に対しては専門家という立場だった。こういう無茶な経験もプロへの近道である。

さて、話はトルコである。なぜトルコなのかというと、保管している書籍類の総点検をしている最中に過去の海外出張時に収集したものが次々に発掘され、昨日はトルコ出張時に収集したトルコ歌謡曲のカセットがたくさん出てきた。それを聞きながら作業中である。

トルコの最貧辺境地域は南東アナトリアである。当時国際競争によって宿敵べクテルに勝利し、地域計画調査をトルコ政府から受注した。88年から89年にかけて数回現地で作業した。同時期にはアタチュルクダムが工事中であり、灌漑用水トンネル工事キャンプを借りて作業していた。以後96年までの8年間でトルコで6プロジェクトに参加することとなった。



ヨルダンで既に夏季の気温には慣れていたが、2週間の断水には参った。それでも作業担当である水資源システム分析の仕事は楽しいものであった。トランク一杯の書籍をオフィスで整理したら上司からちょっとした図書館だねと言われた。

地域の多くはクルド人であってトルコ軍との抗争もあったが、現地での治安の悪さは殆ど感じなかった。ちょっとした事件として覚えているのは、クルド人に誘拐されそうになったことと10人以上の暴漢たちに囲まれたことだろうか。今となっては笑い話だが、最悪な事態になればいずれも殺されていたであろう。生き延びられたのは多分彼らとのアイコンタクトだと思う。ある瞬間の見つめあいが生死を分ける。悪意と善意の鬩ぎ合い。日本人の苦手な側面である。IWRMのファシリテートはこうした修羅場を経験しないとできない(かも?)。

敵の中の味方は味方の中の敵より頼りになる。

トルコの歌謡曲は悲しい曲が多いがアンビバレンス的な気持ちが日本の演歌に類似している。聞くうちにトルコ語の単語が蘇る。世界水フォーラムも間もなくイスタンブールで開かれる。東西の狭間で有意義な議論が展開することを!!

88:知の領域にも競争原理が!!

最近は大学の国際戦略と実行に感心がありお勉強中である。

IWRMの動向と似ており世界的な傾向でもある。各大学で国際戦略構想が提案され競争激化の様相である。大学世界ランキングも盛んで米国、英国そして中国の機関が毎年ランキングを発表している。

ランキングにはいくつかのクライテリアがあり中々興味深い。なぜかというと、このランキングが大学の評価をある程度決定づけるからである。

IWRM実施の評価も100点満点で何点かと示すといいかもしれない。現在まで世界では2つの機関が各国のIWRM進捗をモニタリングしているが当事者の自己評価だけであり第3者機関のものではない。

せめて大きなIWRMの進捗があったRBOなどを公式に発表するのも一案だ。それには信頼性のある評価基準が必要である。これが中々難しい。そもそもIWRM自体が曖昧なものであるため。

大学の知名度は世界共通の問題であり上記のようなランキング指標がある。これも世界的な関心がバックアップしている所以だ。

IWRMに対しての世界の関心が低いことも認識しなければならないだろう。

2009年2月10日火曜日

87:久々に中央アジア渇水状況

以前中央アジア・シルダリア川の渇水騒ぎについて書いた。

UNDPが中心となって渇水影響と地域連携の必要性について主導的に動いた。社会経済への影響が懸念されたが、元世銀の副総裁であるリン博士から協力要請がありUNDPやUNDPが雇用したコンサルタントに資料提供や技術的な支援を行なった。この際、シルダリア川最上流域のトクトグルダムへの流入量は急激に減少してはおらず、水位の低下はキルギスの冬季電力運用による人工的なものであると報告した。

去年の9月ごろのことだったが、それ以降トクトグルの流入量と水位変化をモニターすると小生の報告が概ね正しいことが分かった。

昨月までのトクトグルの流入量と水位などの変化は以下の通り、





SIC-ICWCが計画値として設定した流出量を大幅に低下させ、計画基準の容量に近づいてきた。これで何とか4月からの灌漑用水が確保されるであろうか?

キルギスも電力運用を絞り込み過度な水位低下を防いでいる。最低水位の容量は55億トン。何とか最低水位に達せずに冬を越せるであろうか。キルギスの友人からは停電が続く毎日だそうだ。後1ヵ月半を見守ろう。

UNDPの活動でキルギスも少しは耳を傾けたのであろうか。

2009年2月8日日曜日

86:前回の続き

河川流域開発のフェーズと開発の終焉については98年論文があることは前回示唆した。やっと見つけ出したので概略を記す。もう11年前であるがIWRMがプロモートされる寸前である。非常に基礎的な内容になっていて馴染める。IWRMプロモーション時期にはISOと同じで多くの人が内容はともかく置いてきぼりになることを恐れ邁進したのではと回想するが、やはり基礎的な計画論の研究は進めていくべきである。そうしたスタンスを維持している研究者、実務家も世界には多い。

さて、IWMI論文が参照していた論文は、

River basin development phases and implications of closure, J. Keller, A. Keller and G. Davids, 1998, Journal of Applied Irrigation Science. Vol. 33, No.2/1998.

である。

流域開発フェーズを標準形として3段階に設定し、

Expoitation (Phase 1):
1. Direct surface diversions and shallow groundwater pumping
2. Building storage and distribution ans deep GW use
Conservation (Phase 2):
3. Demand reduction and efficiency increase
4. Water treatment reclamation and salt disposal
Augmentation (Phase 3):
5. Water transfers from distant basins
6. Freshwater creation by desalting sea water

開発の可能性が下がっている流域の効率的な水需要管理の重要性を論じている。IWRMの重要テーマでもある。勿論、各流域によって変化形があり、夫々に進化過程がある。それを時系列的な水収支関係として整理し開発終焉時の最適な水需給計画を検討することになる。前述のIWMI論文にはヨルダンのケースが分かりやすく例題として紹介されている。

1トンの水を新規に開発するここと1トンの水を節水することの統合的な検討が必要となる。水源から末端の配水網まで統合的に比較する調査計画が望まれる。これについてはYemenのM/Pでオーストラリアの研究所が非常に素晴らしい調査を行なっている。

関連では、以前紹介したWEAPというソフトは水需給計画をinteractiveに検討できるものである。まだJICAの調査では用いられていないが、世界的にはIWRMに準じた低水管理ソフトとして標準である。

2009年2月7日土曜日

85: Basin was opened, closing and closed.

ここ数週間ほどネパールの水資源管理を研究しているが、その過程で河川流域開発のフェーズと開発の停止という課題にぶつかった。開発の停止とは縁起が悪いとお考えの方も多いであろう。そのためあまり注目しがたいテーマと言えよう。

98年の段階でも提議された論文もあり、最近では以前紹介したIWMIのCAでも注目している。下記にSIWIとIWMIの共同研究のサマリーを示す。

WAKE UP TO REALITIES OF RIVER BASIN CLOSURE (pp 201–215)

Malin Falkenmark, Stockholm International Water Institute (SIWI), Stockholm, Sweden, and David Molden, International Water Management Institute (IWMI), Colombo, Sri Lanka


ABSTRACT: As societies develop, river basin water resources are increasingly controlled, diverted and consumed for agricultural, domestic and industrial purposes, hence reducing the ability to meet the growing demands from various sectors and interests. Basins are closed when additional water commitments for domestic, industrial, agricultural or environmental uses cannot be met during all or part of a year. Basin closure is already prevalent in the world today, with 1.4 billion living in areas that have to deal with the situation. Societies may adapt to this in various ways, with reallocation of water, demand management or interbasin transfers as the primary means of dealing with the problem. However, 'quick-fix' measures such as further groundwater or surface water exploitation or ill-planned water appropriation that unfairly reallocates water from one user are common. Symptoms of poorly managed closed basins include groundwater overdraft, limited or no environmental flows, pollution and inequitable allocation of water. Thus, a pertinent question is whether there will be a hard or soft landing in closed basins—will the resource base fail to meet basic requirements causing undue hardship, or can societies adapt to achieving a soft landing. Surprisingly, limited attention has been given today to this urgent water situation.

詳細や論文比較については別途ご紹介するが、IWRMがプロセスとすれば、その最終段階はどうあるべきかを想定しておくことが必要である。違った観点からRBMを見てみると面白い。人生のプロセスと同じである。

2009年2月6日金曜日

84:比国でのGTZ活動(IWRMに係るマスコミ記事)

GTZが比国でIWRMを実施していることは知っていたが、下記のニュースが飛び込んだ。PIAから。

Negros Oriental's water, sanitation program in place as GTZ concludes

by Jennifer Catan-Tilos

Dumaguete City (5 February) -- Negros Oriental is now responsible for the sustainable management of integrated water resources as the implementation of water and sanitation program are in placed. This was cited by GTZ technical adviser, Ulrike Lipkow as she takes her parting piece during a farewell get-together party for her by some project implementers.

Lipkow provides technical assistance and advisory service such as planning and management in the implementation of the water and sanitation project for 5 years and a half in the province.

She believed that these projects will go a long way because "the political leadership in the province takes it seriously and committed through funding allocation and provides manpower support for the projects, Lipkow said.

For his part, Provincial Governor Emilio Macias II handed over a certificate of appreciation to Lipkow and thanking her for bringing extraordinary technical expertise and experience on water sanitation in the province.

Governor Macias said the program assisted by German government greatly improved the water sanitation sector and paved the way to the reduction of poverty in the province.

Lipkow is assigned here to support the planning activities of the Provincial Planning and Development Office in Negros Oriental and supporting them in the long-term strategy development for the water and sanitation sector.

She said working with the PPDO is wonderful for its outstanding support and direct intervention in the implementation of the water and sanitation program in Negros Oriental, under the Philippine-German Cooperation/DILG-GTZ Water Program.

The German Technology Cooperation (GTZ), a German international funding agency will conclude its program only up to March 2009 to finish the project.

While the Integrated Water Resources Management (IWRM) here supported by GTZ managed to create its council to oversee the sustainability, maintain and protect the water resources of the province.

The water conservation part of the project includes massive reforestation, protection of the watershed areas and massive information campaign.

The project is also in line with Republic Act 9275 otherwise known as the Clean Water Act.

The municipalities of Manjuyod and Valencia have been the recipients also of the GTZ Water Development Program in the province in line with the IWRM mandate. (PIA) [top]

比国のIWRMもどう動くかが興味深い。

83:技術情報誌は保管・整理してほしい

先日以前所属していた組織に小生が過去に執筆した雑駁な小論文のコピーを送っていただくよう依頼した。丁重に依頼したつもりだったが、結果として見つからないということだった。

海外の技術情報を定期的に発行していたものだったが、昨今の不況から技術情報を発行できる状況ではないので廃刊されたようだ。

まあ、しかし過去の論文集を整理していないとは如何なることなのだろうか?

ブログでの愚痴や批判はしないことにしているが、コンサルタント会社はどうなってしまうのか。資本があるわけでなく、物をつくるわけでもない。技術力で勝負する組織が蓄積した技術を保管整理していない事実はプロとして悲しい。

大先輩が実施した大昔のメコンや韓国での水資源開発計画報告書から行間に隠された計画論を勉強した30年前が懐かしいが、そのころはたとえ埃にかぶってもちゃんと整理されていた。もう資料室すらないそうである。残念至極である。

2009年2月5日木曜日

82:ECの環境政策の科学というメルマガ

今日始めてECのメルマガが送られた。以前ECの環境政策に係る科学というサイトで申し込んでいた。下記に係る広範な情報が得られる。

* Agriculture
* Air pollution
* Biodiversity
* Biotechnology
* Chemicals
* Climate Change & Energy
* Environment Technologies
* Forests
* Health
* Land use
* Marine Ecosystems
* Noise
* Risk Assessment
* Soil
* Sustainable Consumption and Production
* Sustainable Development and Policy Assessment
* Sustainable Mobility
* Urban Environment
* Waste
* Water

IWRMにだけ集中すると方向性を間違うので偶にはこうした全般的な情報を得るのも脳を活性化できるようになりIWRMへの取り組みも広がりを持つと期待している。

2009年2月4日水曜日

81:虚か実か?

先日、博士の愛した数式という映画をテレビで見た。

数学の面白さをうまくシナリオの中に自然に取り入れている。シナリオがいい。映画の良し悪しはシナリオの出来不出来だ。映画のシナリオで英語を勉強した時代もあったなー。コンサルしていないならやはり映画に係りたかった。

さて、虚数はimaginary numberであり、実数はreal numberという。

IWRMは実現できることを前提としているが、どうもI for imaginaryと思いながら、周りの勢いに身を任せながらintegratedとしている方々がいるようだ。自分もそうかな。

正直ベースの議論が望まれるところである。境界条件が示せないIWRMだけに問題点を提議できないもどかしさがあるようだ。今度ビスワス氏にメールを出してみよう。何かしら助言が来るはずだ。或いはまた辛らつなコメントが来るか。それでも救いになるかも。

2009年2月3日火曜日

80:水統治は意思決定プロセスである

IWRMの論文・書籍を膨大に読んでいるが、水統治は意思決定プロセスであるという視点は少ない。年末に購入手続きをしてやっと手に入れたお馴染みDHIのフーパー博士の一連の論文書籍でそのことを論じている。

小職は以前から多目標意思決定を学び実践してきたので、意思決定の重要性には関心があった。従って、フーパー博士の視点には一目を置いている。

意思決定のレベルを流域管理の観点から見ると3段階ありそうだ。

1.政策レベル(高次レベルの戦略開発)
2.実施レベル(組織レベル意思決定)
3.運用レベル(個人レベルの意思決定)

IWRM研修などで海外からの行政官に講演を行なうことがあるが、彼らの職位レベルを熟知しないと話がかみ合わないことになるので注意したい。後日また別の意思決定の問題について報告したい。

意思決定なくして水統治はありえないのである。

2009年2月1日日曜日

79:ちょっと振り返り

11月19日から単なる思いつきで始めたこのブログも今回で79回を向かえた。日に1回を目指したが結果的には79回。お酒を飲んだ勢いで2,3回書き込んだこともあったかと思う。初回から今回までを俯瞰で見ると矛盾や不合理もあるかと思う。IWRMがテーマであり発散する可能性を予期していたがその通りになっていると思う。

趣味的なことだが、情報と国家戦略に関する書籍を読んでいるが、いまだに発散状態である。古典的には孫子の兵法から始まった戦略論もビジネスや大学の国際戦略まで適用されている。ビジネスや研究・教育活動も競争状態での目標を達成する必要性があるのであろう。

最近はちょっと教育機関の国際戦略に興味を持って勉強を始めた。IWRMに関しても以前ご紹介したように国際戦略に則った各主要大学の国際協力や国際戦略強化の中で世界的に共通な課題をテーマにした大学連携があるようだ。

官学民の国際連携もIWRMの一つのテーマかもしれない。

最後に、このブログも雑駁な内容にも係らず3人の方が読者を表明していただきうれしい次第です。喧々諤々の議論という手もありますが、あくまで参考情報の提供を主目的としており、内容に対する判断やフォローは見ていただいた方のご意思にお任せすることを基本としています。情報提供方式も意識的に直接的なアクセス方法は提供せず、ヒントに留めることにしています。これによって興味のある方の情報収集能力の向上に繋がることを期待するところです。