2009年9月26日土曜日

431:傲慢な国際機関やNGOにどう対応したらいか?!

傲慢な国際機関やNGOにどう対応したらいか?!

小生もこの30年間ずっと海外コンサルとしてささやかに活動させていただいている。これもクライアントが選定してくれたおかげである。中でも世銀、アジ銀など日本以外のクライアントへのサービス経験が異常に多い。

自分から挑戦したわけでなく、誰も遣りたがらないから次々にお声がかかってしまう。ある幹部は「君は外人が好きだからね」と言っていたが、好きでできるような簡単さはない。

欧米人と言っても幅が広くさまざまな方々がいる。コンサル、クライアント、インハウスコンサルタントなどなど。そうした経験を何とかくぐり抜けてきたので外人とのディベートは彼ら同様ハードとなる。日本人から見ればやり過ぎかもしれないが、やさしさだけでは対抗できないし、いい加減なゴロツキはたくさんいるし、彼らの言動に黙っていたら最初から負けである。

だからあんまり日本人の目の前でハードトークを展開するのは気が引けるのである。自分が相当粗暴な人間と見られてしまうから。ハードトークも冷静な視点で行っているので見かけより戦略的なのだが、一見感情的でも計算されていることまでは認識されないことが多い。

今回の出張先では、ドナーやNGOが主導的に議論を展開する機会が多かったが、全般的に和やかでハードトークは全くない。それで具体の方向性や結論が出ればいいのだが、通常は雑談の類である。政府側もお金なし、人材なし、技術なしの三重苦だからドナーやNGOの言いなりでかわいそうだ。だから日本の援助が求められる要素でもある。

小生も今まではずっと様子を窺っていてあまり本来のハードトークは控えていた。売られたケンカは買うがそれもなかったのでおとなしいもんだった。

最後に世銀とアフリカ開発銀行の若手職員があまりにも無責任な発言を続けるのでちょっと切れた。本来のハードトークをちょっとやらせてもらった。彼らも緊張してたじたじ。まあ若いんでしょうがないね。ドナーの優秀な職員だが今まで言いたい放題でなにも批判されないから自分でも気が付いていないし、先輩や上司から窘められることもなかったんだろう。ある意味悲しいことである。怒られたことがない悲劇である。

小生ももう55歳だからあんまりハードトークはしたくはないのだが、時々見かける無頓着な人にはちょっとハードな対応になってしまう。欠点でもあるのだが、局長からは「良く言ってくれたよ、自分らには世銀やアフリカ銀行の若手職員でも批判できないんだよね。」と密談で言われた。多少悪者なって印象を悪くしても、言うべきことを言わないと国際ドナーのゴロツキに負けてします。アジ銀のゴロツキは姑息で特にヨーロッパ人は最悪の方が少しおられる。お気を付け下さい。まさにマフィア同然の振る舞いである。

430:Lost Baggage?

Lost Baggage?

南アのヨハネスブルグに到着。南ア航空はサービスがいい。まあビジネスだからかもしれないがイギリス的な伝統を継承しているようだ。お客に対する応対のきめ細やかさを感じる。これがJALになくなったんだよね。

預けた荷物が出てくるのをじっと待っていたが結局出てこない。こういうことはこれまで一度経験している。偶然だが96年のレソトである。プロペラ機なので重量制限があり時々荷物を次の便に乗せるらしい。その時は次の日に取りに行った。

今回はまだ成田まで先があるしヨハネスに留まるわけにいかないのでさて困ったな、と思いながらbaggage enquireで列に並んでいた。まあ何とかなると思っていた。もしかしてと感じてカウンターの先のほうを見ると何のことはない自分のトランクがあった。

結果的に言うと、ビジネス客の優先荷物が思いがけず早く出たが受取人が現れないので南ア航空側の配慮でカウンターまで運んだということらしい。それならそうと係員が探せばいいがそこまでの配慮はないらしい。

勘が働いたお陰でトラブルは解消。ヨハネスでのホテルは4キロの距離ということでタクシーの乗車拒否があったが、空港の中の係員にクレームして何とか乗車。15ドル。

流石にヨハネスは大都会だし文化の香りがする。町まで行ってもいいのだが治安の悪化を聞いているので外出はやめておこう。

南アの通貨であるランドも13年ぶりだ。レソトではランドが使われていた。懐かしい。

明日は2時までチェックアウトを延長してもらったのでノンビリできそうである。さっそくWi-Fiを使ってメールチェック。先進国はクレジットで契約できるので便利だ。プリペイドカード方式は面倒くさい。派遣先の職員から早速メールが来ていた。彼も少し前に南アの大学院から戻ったばかり。結婚したばっかりで元気がいい。このまま省に残ってくれるといいのだが。優秀な人はやはりサラリーが重要な動機付けになるから民間などに移籍してしまう可能性が高いので心配だ。まあ大きなお世話なのだが。

南アまでの機内では眼下にザンベジ川が見えた。流石に大きな川だ。いつか内陸水運の調査に参加したいものである。事業が進むためにも内陸国の開発が望まれる。

2009年9月25日金曜日

429:JALについて

JALについて

JALの経営問題については若干の私論を以前書いた。最近またネットのニュースでも配信されている。深刻な状況である。社会的にも大きな影響があるし。

JALのサービスの劣化は以前書いたとおりだが、会社全体の経営が成り立たなくなってしまったことは悲しいことだ。

帰国時にはJALも利用するので現場サイドの変化も観察してみよう。今回は自分で航空会社を選択するチャンスがなかったから仕方なくJALに乗ることになった。それにしてもこうして大企業の経営問題が浮上してくると、コンサル会社も同じだなと勘ぐってしまう。拡大拡大で総合コンサル経営を進めたツケがもう出ているからだ。

受注を増やしても赤字では経営する意味がない。人心の崩壊も進み優秀な人材ほど見切りをつけて去っていく。給与は毎年下がるばかりで仕事をする意欲が低下する。住宅ローンや教育費は重くのしかかってくる。

定年した先輩からのメールには自分たちの時代は良かったと言うが、後輩の苦しさはどうでもいいようだ。

21世紀ヴィジョンなんていう発想が2000年以前に流行した。それで拡大路線が引かれたがだれもその無謀さを止めなかった。もう99年ごろにはだれでも拡大路線は駄目だと思っていたがそれを勇気を持って幹部に進言する人はいなかったし、いても追放されてしまった。

会社の経営は大企業ほど難しいのだろう。戦争と同じ状況で、負けるまでだれも止められない。

さて、こういう状況はIWRMにも当てはまる。水政策から戦略そして実行計画を策定したのだから全てうまくいくはずという妄想である。これに問題提議する良識的な方々がスリランカやインド、南アで出てきているのは以前述べた。

帰国したらまたお勉強を開始したい。問題が発生したら一度立ち止まって、だめなら見直して方向転換計るシステムこそ臨機応変な水管理だと確信している。それが長続きする秘訣だろう。

JALの機内でシビアーなクレームをしないように気をつけよう。日ごろおとなしい自分だがクレームをする時には鬼になるので自分でも怖い。いやな性格だ。10月上旬には55歳か。

428:いい経験だった

いい経験だった

今日でお仕事も一応終了し明日帰国となった。長い一人調査団だったが、兎に角一応の成果が出たので安心した。

どこにでも数人おかしな人がいるもので、彼らの特徴は経験のなさの裏返しからでてくるネガティブな発想である。ある種の防衛本能が複雑に絡み合っている。ああ言えばこう言うというスタンスである。教育が高く若い人に多い。今回は外人で2,3人いたかな。まあいいけど。彼らも内心はつらいんだろうな。正直ベースで生きればいいのにね。

今回の出張ではクライアント側の方も非常に優秀で熱心だったし、カウンターパート側も上から下まで人格的に素晴らしい方々ばかりだった。意外と珍しいことだ。意地悪だったり粗暴だったりする人もいなかった。

国際機関やNGOも概ね良識的であった。皆さん生活がかかっているから日本の援助が強化されると多少敏感に感じてはいるが、個人的には皆さんワイズマンである。

省の職員や臨時の秘書らも「また来てね」と仰っていただき感謝感激である。来るか来ないかは神様任せにしてあるので何とも言えないが言っていただけるだけでもありがたい。最後は局長と密談(冗談)。彼も次のポジションがあるので言動は慎重だが、小生に対する信頼感を最後に言って下さった。ありがたいことだ。彼も頂点を目指している人だし本心は中々言わないが誠実な方であることだけは間違いない。もう一人のシャープな局長さんとは最後密談できなかったが、すれ違った時に最後のお別れの言葉だけはお伝えした。彼ら二人がこれから兎に角がんばってほしい。他にいないしね。事務次官や局長クラスと密談ができれば上席コンサルと言える。

この国は兎に角マラリア、エイズ、交通事故で優秀な職員が次々に亡くなっている。残念なことである。だからぜひこれからも機会があれば協力したいと思っている。シニアボランティアでもいいな。

これからの支援のことはすべてクライアントのご判断にお任せしている。最近はクライアントのほうがコンサルより数倍優秀だし勉強家だ。ぜひ頑張っていただきたいと期待している。コンサルの若手も頑張ってほしい。

2009年9月23日水曜日

427:ジョン・レノン物語

ジョン・レノン物語

今日は帰国前の最後のドナー連携会議に参加した。CIDAは後退気味なので元気がない。メージャーなNGOは元気がいい。流石にバックにある政府がいるからだ。資金に不自由しない。

さて今日は新参のAUSAIDのミッションとチュニジアからAfDBのミッションが数名参加した。彼らも常連ではないので非常におとなしい。こちらは水セクターの情報ではドナーを凌いでいるので小生のコメント丁寧に書きとめてくれている。50代半ばともなると図々しくなったものだ。30年の重みはそう軽くはない。

ドナーやNGOも中々個人的には面白い連中なので最後のお別れも和やかだった。CIDAは劣化しているので多少胡散臭い対応だが。最強のNGOのお兄ちゃんはやけに親しげになったので不気味さを感じた。彼らも生活がかかっているので日本と連携する「利」を求め始めたか。アフリカ開発銀行もやけに友好的だし。まあ、いっか。

さてさて、帰国前の最後の映画はドキュメンタリー映画。へえ、ジョン・レノンの最後までを扱っている。80年に殺害されるまで、いろいろあったようだ。特に70年代彼の平和運動がニクソン政権を揺るがすことになり、アメリカからの追放の標的となったようだ。結果としてグリーンカートを手にした。そんなことは日本にはあんまり届いていなかったか、或いはあんまり興味もなかったかもしれない。

ジョンの話す映像をかなり見たので、彼のしゃべり方のいいお勉強になった。かなり高い声だったんだね。リバプールの労働者階級の発音だが、インパクトがある響き。

昔、偶にジョン・レノンに似ていると言われたことがあって、へえそんなもんですかね、と思ったが、去年マニラに行った際DPWHの女性職員もそんなことを言っていた。人に与える印象って分からないものだ。そんなにキンキンしたしゃべりなのだろうか。普段はアメリカ英語だけど、シャレで威圧するときはイギリス英語を少し混ぜる。意地悪だね。

NGOのお兄ちゃんから中古のベンツを日本から輸入したいけど適当なものを紹介してくれととんでもないことを依頼された。また、政府の有力者にドネイションする算段らしい。

2009年9月22日火曜日

426:3日間のブログお休み

3日間のブログお休み

土曜の朝からプリペイド型ネット接続が不通。月曜の夕刻から復帰した。お陰で家族とのメールやブログもお休みだった。たったの3日間でも不自由さを感じてしまった。昔なら音信不通状態が何日も続く状況だから3日程度連絡が取れなくても気にはしなかったが、これだけネットに依存してくると数時間の不通でもストレスを感じるし、ましてや3日間は長い。

今まではずっと24時間接続の長期契約だったが、最後の1週間だけは無駄になるのでプリペイド式に変えたが、こんな事態になるとはやはりアフリカだ。ホットスポットの中継基地に異常があったらしいがホテルも多く利用者のクレームもかなりあったようだが、復旧まで3日間もかかるとは信じがたい。

もうかなり諦めてはいたが、試しに3日目にトライして何とか繋がった。ホテルのお兄ちゃんも事情は知っているが復旧の知らせもない。まあアフリカだからしょうがないね。

お陰で、久々に映画を堪能した。2度目の「硫黄島からの手紙」とか、アメリカ海軍初めての黒人潜水士官を扱った「Men of Honor」などなど。不自由さに慣れる訓練はしているのでストレスは比較的ない。諦めと直感が重要だ。

もう帰国まで数日。最後の協議とご挨拶が残っている。ドナー会議もあるがまあ適当に。他のドナーやNGOもそれぞれに問題があるが彼らはクライアントではないので当たらず障らず。

メールも重要な緊急性のあるものもなかった。日本も連休だから当然だ。日本のニュースもあまり変化がないようだ。

さて、この原稿をアップロードして今日は終わりにしよう。

2009年9月18日金曜日

425:今川中学校の同期会のお知らせ

いよいよ帰国まで1週間。報告書は提出したので、後は来週クライアントと省側との協議がある。ドナー会議はまだ1回残っていた。それも最後となる。

さて、このささやかなブログも雑駁な雑文だらけで読んでいただく方には申し訳ないが、55歳になろうとしている年代なのでも無理してがんばってもしょうがない。IWRMと同じで臨機応変と行こう。

ときどきものすごい量のアクセスがあったりする。統計を取ってはいないがデータとしては蓄積している。なぜかと考えると思い当たることがある。グーグルやヤッフー検索の能力は素晴らしく単語の組み合わせでアクセス頻度ごとにピックアップしてくれる。だから今時の話題をブログに書くとアクセスが多い順に検索してくれる仕組みだ。

今時の話題をブログに書いた直後のアクセス数が異常になることになる。まあそれはどうでもいい。

さっき奥さんから今川中学校の同期会のお知らせが来たことをメールで教えてくれた。ほー。
1年ぐらい前だろうか、何となく気になって同期会の幹事をネットで探した。便利なもんで、簡単に出てくる。連絡して次回の同期会は教えてねと頼んであった。

今川中学のことは以前書いた。1年の出水先生の同窓会には2度ほど参加したが、同期会には全く参加していなかった。97年ごろには卒業30年が迫っていたが海外出張中で不参加だった。だから卒業以来40年になるか。ある意味すごい。

あの頃の生徒が40年経ったときの姿はいかがなものか?もちろん自分自身も変貌している。
11月だということなので参加できそうだ。多分。何分お座敷がかかると断らない芸者稼業のコンサルタントである。何とか40年ぶりの中学生のその後を見てみたい。

メタボを解消したので中年太りから脱したので少しはまともな姿をさらすことになりそうだ。

2009年9月17日木曜日

424:Mr. Yakamoto in 2053

8時から映画を見ていた。Minority Reportをやるというので待ちかまえていた。WOWOWで見たが脚本がいいのでまた見た。

2度目なのでシナリオがフォローできるので面白い。伏線がいっぱい詰まっている。兎に角2度以上見る映画は伏線とかくだらないが凝った設定が分かるので面白い。

ここのNGOもおかしなものでドナーのようなふるまいをする団体がある。他のNGOは確かにNGOらしいが、そのNGOは陰に大きな勢力が潜んでいるように思える。暗躍している様子はないが、何かきな臭い。

おかしなことに気づいてしまう嫌な性格があるので困ってしまうが、人というものはうそはつけないものでどこかでぼろを出す。具体のことは言えないがこの国の支援には要注意と個人的には見ている。

さて、映画だが、主人公が変装するのだが流石に未来であるので目の入れ替えという設定。誰のものか分からない眼球。近未来では眼球が登録されていてどこにいても識別されるということになっている。

だから個人的な情報が眼球識別によってなされる。主人公が得た新しい眼球の持ち主は日本人ということにしてった。だけどその名前はありそうでない名前、

Yakamoto

だ。山本を意図して間違ったのかは定かではない。

家持と山本の合体。

コンサルはどこか刑事のような感覚が働くので、くだらないことに引っかかってしまう。

今日は胡散臭いNGOがやけに政治的なことに拘るのが分かって面白かった。民主党の台頭で胡散臭いNGOが台頭してくるのを老婆心ながら心配している。

423:いよいよ帰国か

帰国まで土日を外すと正味5日になった。赴任してアウェーからホームになっても期限が来れば去らなければならないのがコンサルの宿命である。また来ることもあるし、数年続くこともあるし、2度と行かない場合もある。それぞれに思いはあるし、常に渡航して仕事をした国のことは忘れない。

それぞれの国でそれぞれの問題を抱えているが、問題は一つづつ解決していくのが良い。ドナーやNGOもせめぎ合いをしているし、政府機関も改革や人の入れ替えも頻繁である。そういう状況の中で日本の援助をうまく進めていくお手伝いをしていると思っている。

当地でも日本の援助の勢いが高まっている気配をドナーやNGOが敏感に感じているようだ。我々には競争意識はないのだが、ドナーに雇われているローカルスタッフなどは自分の仕事に影響しかねないと戦々恐々としているように見える。おかしな現象だが、彼らも生活がかかっているのである。

省内でも部門間での権力闘争があり、その間で動くのは大変だが面白い。局が3,4つもあるとそれぞれの局長や副局長の考えや思惑も様々である。うまく調整しながら公平に対応し、結果として皆さんが満足するようにした。勿論それが総合的に見て最良と見ている。

一つの局や部門に集中してきたある意味弊害もなくなってきたと思う。それだけでもいい成果だと自負している。恵まれない部局は上から下までさみしげで疎外感を感じていたが、何とか公平な支援策をひねり出し、恵まれない部署に少しでも援助が行き届く方向性を具体的に作成したと思っている。

実際これからが勝負なのだが、これからのことは分からない。

忘れないうちにコーヒーと紅茶をお土産用に手に入れよう。コーヒーは結構イケる。あんまり海外の食品や雑貨はあんまり買わないのだが、今回は隣がスーパーなので買っていこう。

2009年9月16日水曜日

422:二つのお知らせ

このブログでもご紹介したが、三祐コンサルタンツの元副社長である樋口さんが7月に退社されたそうだ。2年ほど前からお病気であったが奇跡的なお力で復帰されていた。樋口さんはうちの親父と同年代であり海軍兵学校出身であり、これまでずっと海外コンサルとして活躍されていた。

お師匠様のお一人である。帰国したらぜひご挨拶したいと思っている。彼のような無心で情熱的な指導者はもうコンサル業界にいなくなったのはさみしい。しかし、先人の方々の情熱を引き継いでいくのが我々の使命であると考えている。

さて、もうひとつのお知らせは東京大学からだ。沖先生と同じように国際的にご活躍されている中山先生もいよいよ水に拘らず資源管理にも研究活動を進めていくらしい。水ばかりに拘ると国際協力学としては発展性がない。いいことですね。僕自身も統合的水資源管理から水資源管理に移り、今は持続的な開発にテーマが拡大しているので中山先生の研究成果もこれからフォローしたい。

コンサルが頼りないのでアカデミアの活動に依存するしかないが、いい土壌で育った若き人たちがコンサル業界にも少しは入っていただくといいのだが、やはり無理だろうか。やはりJICAとか国際機関に行かれてしまうのであろうか。

昨日行った現場写真を報告書に取り入れ、さらに最後に忘れていた気象データをアペンディックスに入れて完成だ。午後から最後のドナー会議である。最後のご挨拶は何を言おうかな?

421:レベル1からレベル2へ

昨日で一通り最終報告書ができたので、今日は1日かけて3県の地方給水状況を調査した。8時半から4時近くまでかかった。この結果も報告書に載せることにした。

アフリカ南部でも村落給水が重要であったがここ10年ほどから中規模の町での給水が強化されてきた。いよいよレベル1から2へシフトしてきたか。ハンドポンプでの給水では精々250人程度に給水することができないため人口増加が著しい町(人口3千人から5千人程度)でもレベル2かレベル3のニーズが高まってきた。

現地踏査は7月以来だから2カ月ぶりである。水公社の若手も中々優秀で日本にも研修で行ったことがあり、車内ではずっと雑談していた。こうした雑談からも重要な情報が得られるから無視できない。幸いこの辺の人は英語ができるから助かる。イギリスに感謝だ。マレーシア人の英語力のことは以前書いたが若い人ほど著しく低下している。教育システムの変化がこうした格差を起こす。

明日は最後のドナーおよびNGOと省との定例会議に参加する。どうも事務次官や局長クラスが変わるらしいので最後のご挨拶になるかもしれない。人柄のいい人ばかりで助かった。大臣にはまだご挨拶していないので帰る前には1度会ってみよう。

マラリアや交通事故の多い国だが、今回は何とか無事に帰れそうである。

2009年9月14日月曜日

420:アフリカ大陸のモンスーン解明研究

今週末には最終報告書を提出予定だが、局長らも海外出張中。木曜か金曜あたりに提出することになりそうだ。

そんな折、下記のニュースが入ってきた。科学と開発をテーマにする団体からのものである。アフリカのモンスーンの解明に7年費やし、さらに10年延ばすという。壮大な研究のようだ。

気候変動というと解析の結果しか得ることが出ないし、実際どのように対応していいか分からない。こうした気候そのものの研究というのも面白い。奥が深い。

西アフリカには行った経験がないので何とも言えないが、大陸全体に渡る壮大なモンスーンの実態と影響という研究は意味がある。水政策や戦略ばかりやっていると、時どき解析的なアプローチに係りたいという気持ちが芽生える。

コンサルは若い時解析にしか携われないが、徐々に計画に進む。その逆はあまりハイエラーキーとして想定しにくいのが普通だが、年を重ねても解析的なモデリング技術をキープしておきたいものである。

More time to unravel the African monsoon
Carol Campbell

11 September 2009

Researchers are working to improve the accuracy of monsoon prediction

A seven-year research programme delving into the mechanisms of the African monsoon will be extended for another ten years, it was announced yesterday.

The African Monsoon Multidisciplinary Analyses (AMMA), which began in 2002, was supposed to finish this year.

AMMA scientists from Africa, Europe and the United States unveiled their research on the African monsoon, a period of intense rainfall that provides much of West Africa's rain, in Paris yesterday (10 September).

The monsoon arrives in summer after temperature changes shift moisture-laden winds from the Atlantic Ocean over the land. It depends on a complex relationship between the temperature, pressure and moisture of the oceans, land and atmosphere.

The researchers have found that the onset of the monsoon — an important moment that determines when farmers sow crops — appears to follow the formation of a 'tongue' of cold water in the Gulf of Guinea.

This phenomenon could increase the accuracy of monsoon prediction and improve scientists' understanding of the role of the Atlantic Ocean in its formation.

AMMA will continue to analyse activity in the Gulf of Guinea, with more work planned on weather and climate forecasts and early warning systems, Jean-Luc Redelsperger, chair of AMMA's International Scientific Steering Committee, told SciDev.Net.

Researchers have also discovered that, despite diminished rains in the western Sahel, more water is available in the region in specific situations. Drainage basins and ponds used by pastoralists have benefited from more run-off because less vegetation grows during droughts.

"Meteorological conditions in the Mediterranean and northern Indian Ocean and the variability and the retreat of the monsoon are now also better understood," Redelsperger adds.

The challenge facing scientists now, he says, is to "transform and deepen" the new knowledge and to improve seasonal and intra-seasonal forecasting.

AMMA hope that the studies will be used by West African nations in planning for food security, water, housing, health and overall economic growth.

"What we need now is to ensure that the AMMA knowledge and scientific information reach the public from policymakers to students and researchers," says Redelsperger.

The research was originally presented at AMMA's third annual conference in Burkina Faso earlier this year (20–24 July). More than 500 scientists attended the conference, contributing 440 abstracts, says Redelsperger. Forty per cent of attendees were African.

2009年9月13日日曜日

419:最終章が終わった

帰国が迫ると来たころと同じように急に時間が早く感じる。いいことである。

昨日は恒例の007シリーズ鑑賞。段々と時代が過ぎているのでもうロジャー・ムーアだ。先週はルイジアナの訛りについて書いたが、007シリーズも次の作品でもニューオーリンズ州訛りの警察官をバンコックの観光客として再登場させている。南部なまりの演技が好評だったのだろう。

さて、主題通り、無事最終までたどり着けた。団長や副団長だと団員の作業進捗が気になるが、今回は一人調査団だから褒めたり貶したり、叱咤激励する相手がいない。さみしいものだが、とんまな団員やいないだけいいか。とんまだけならいいが、サボタージュする団員のお陰で最終報告書を再提出する嵌めになったこともある。電力会社の出向社員だ。神戸の進学高校でて、赤門に行って、電力会社に入っても出向先ではこのざまだ。こういう出向社員は9割以上いたかな。兎に角、一流コンサル社員と比べると院生に対する学部生並で、それならまだましだが、論理的な進め方を知らない。例えば、最終段階で修正加筆の必要性が生じて団員に依頼して何とかまとまったが、後でクライアント側から指摘があり、修正箇所がサマリーだけで本文やアペンディックスに書いてないとのご連絡。唖然。電力会社から出向した団員はサマリーだけ直せばいいと思ったらしい。団長として細部までチェックすべきだったのだが、まさかサマリーにしか修正しないとは想像をしていなかった。こういう事例は結構あり、本文作成なしで行き成りプレゼン用のパワーポイントを作成しようとする天才たちだ。これについては以前書いたが、全く論理的な展開を必要としないらしい。愚鈍な小生にはとてもついて行けない。苦労を伴う作業は「業者」がするものと思っているらしい。

さてさて、おバカな人たちのことはこの辺で。最終章および関連章にについては守秘義務上一切言えないが、少しでもお役にたてばという感じかな。

ホテルの部屋も資料などで床や机にいっぱい広げていたが、今はきれいさっぱりした。要らない資料は全て廃棄して、帰国時に持って帰る最小限のハードコピーは纏めた。

最近はPDFもあり便利。兎に角嵩張らない。パソコンも富士通のビブロのモバイルだから軽いし、パソコン用のバッグも要らない。スキャナーやプリンターも薄くていい。これなら世界どこでもオフィスが開設できる。注意点はプリンターが最新式のためインクが入手できないこと。今回は何の問題もなかったが次回からはたくさん持っていこう。

成田着が遅いので成田で一泊して帰る。ヒルトン成田は始めてだが家族との再会と成田での夕食を楽しみにしている。ラーメンと餃子という庶民的なものがまず食べたいかな。育ちの悪さがでたか。

2009年9月12日土曜日

418:政治も臨機応変ですか?!

開発コンサルと言えば、日本での元祖である久保田豊も土木工学専攻であるし、現在まで土木屋さんが多い。勿論社会経済財務など文系出身者も大活躍だが、理系出身者は経験を積むに従って文系的な要素も自然に身につけてくる。

ただし、理系は表現力が低いのが弱点である。特に国内コンサル部門に長くいた人は計画手法が身についていないので経験的な感で計画を立案してしまうことが多い。代替案を取らずに行き成りこれがベストな案だと主張してしまいがちである。通常はあり得ない捨て案も含め検討し、徐々に最適案に絞り込んでいく。当然利害関係者との協議や合意形成が必要になる。この際に文系的な表現力が物を言う。

だから、海外コンサルの熟練者はそうしたプロセスを熟知しているし表現力も豊かである。単純に英語のプレゼンがいいというわけではない。

ネット情報によれば新政権は理系出身者が多いらしい。鳩山さんもORがご専門と知った。大変いいことである。ORといういい方ももう古いが、システム分析的なアプローチは戦略的な判断にも応用されるから。

ただし、日本の土壌にはちょっと不向きな面もあり注意が必要かもしれない。腹芸、暗黙の了解といった日本独特の意思決定過程が存在するからである。

政治の持続性というのも面白そうだ。

昨日で最終章を大かた仕上げた。今日から各章のチェックと修正加筆に入る。あっという間に帰国まで2週間を切ってきた。

2009年9月11日金曜日

417:臨機応変な「なめらか系男子」ですか?!

以前見た映画である女性を持てる女に仕立てるコメディーがあって、アドバイザーの男性が2つのポイントが重要だと指導していた。

1.にこやかな笑顔を絶やさないこと。
2.二つの違った性格を持つこと。

これで男性は「いちころ」だそうだ。なるほど、確かにそうかもしれない。

今日のネットの雑多なニュースで、昨今の女性の志向は草食系でもなければ肉食系でないそうだ。こういうワンパターンの分け方も陳腐だけど、それらの中間的ななめらか系がいいそうである。

男も女性に対して臨機応変な対応が必要らしい。当たり前の話と思う。

うちの奥さんは二面どころかいろんな状況でいろんな側面を見せるので旦那の対応は臨機応変のオンパレードであり、それがもう27年続いている。困ったこととは全く思わないし、寧ろ心地いいくらいだ。

奥さんも地域社会でよきファシリテーターを実践しているし3人の子供たちにも良きアドバイザーである。同じように小生も国際社会でよきファシリテーターを目指している。

臨機応変という表現を見つけたので、早速ご紹介した次第である。真面目に考えると臨機応変というのは難しい。ブレたなんて言われるの政治家だけではないし、そつがないというのとも違う。

416:あと2週間で帰国

今日の残業もここまで。第3章の課題が終了。

水資源の課題だけ書いても駄目で、その課題を詳細整理し、第2章の事実関係を反映する。課題だけでは単なる水資源セクターレビューになるので、それらの課題をどのような取り組みで解決していくかを書かなければ進まない。

第4章の内容はここでは言えないが、明日はいよいよ提言となる。これも単に無責任な提案ではなく支援方法と支援時期などを詳細に書くことになる。これが最終成果になるわけ。

既に答えは分かっているので、それに至る証拠固めをする必要があるだけだ。まあ1日あればできるか。

幸い我が国の支援手法は様々なメニューがあり有難い。メニューから課題解決に最もふさわしいものを当てはめていく。

我が国にない手法もあるが、これは論外である。世銀が良く実施しているWATSAL。インドネシアで適用した事例が世銀にある。我が国はセクター調整ローンは好ましいと認識されないのでこれは省く。あまり成果がないのである。インドネシアで世銀が実施したが、結局は地方分権化が浸透せず中央集権に戻ってしまった。権利だけ委任してもお金が移らないと動かない。

当地はアフリカだから有償案件はない。世銀やアフリカ開発銀行はローンを提供しているが返済義務の無効もあるのであろう。実態は知らない。

JICAさんのJOCVやシニアボランティアはNGOの活動に近い。だからこれらの有効活用も可能である。熟練の方々や若き海外志向の方々のご活躍は良く知っているので、できるだけ機会を創造したいと考えている。

来週は各章の細部のチェック、コンタクトリストやレファレンスなど雑多だけど重要な個所を精査する。まだまだ追記したい個所は無数にあるが時間と相談して最終化されることになる。

性格的に締め切り間際まで徹夜するのは嫌いなので、期限より1,2日ぐらい早めに終わらせたいところである。報告書は自分の分身のようでもあり、かわいい子供でもあるのだ。だから公になることを想定すれば、いい加減な内容であってはずっと後悔が残る。

当地は徐々に暑くなってきたが、逆に日本は秋らしくなってきたと妻から聞いた。丁度いいシフトかもしれない。

2009年9月10日木曜日

415:Ensemble Cast

昨日はやっと4章を書き上げ、今日からは3,5章。それで終わりである。心地いい段階だ。何しろコンサルの作業にとって事実を積み上げ、解析・分析するまでが大変だ。その後の課題や提言は寧ろプロのコンサルなら最初から大体予想がつく。

要するに、水に係る課題を解決し援助をするための根拠作りである。それが大変な作業なのであり、コンサルにとって最高の幸せを感じる過程である。苦労も倍以上多いが。

調査団の場合、団員各位が全員プロならいいのだが、10人以上いてJVサブや借り上げ、はたまた外国人などが混在すると無責任な団員も多い。団長、副団長からして無能では最悪だが、最近はコンサル各社優秀な人材が不足気味であり得ない事態が頻繁に起こっている。

さて、主題だが、映画や演劇などで出演者がそれぞれ力量のある役者が多く出るのをアンサンブル・キャストというらしい。

昨日見た、The Thin Red Line という戦争映画はまさしくそれにあたる。ガダルカナルの戦いを描くアメリカ映画だが通常の主演級の役者が10人以上ぞろぞろと出てくる。ガダルカナルも硫黄島と同じくらい惨めな戦いだったようだ。両軍とも。まあ戦い自体惨めだが。

コンサル会社も軍隊や体育会系の組織であっては近い将来存在価値を失うことになるだろう。最近は無名の小さな専門コンサルも増えてきていて、大手コンサルとの競争で勝利しているのを見る。

総合コンサルからアンサンブル・キャストを揃えた精鋭部隊を編成する技術と経営の能力が期待されているのではなかろうか。

2009年9月9日水曜日

414:気候変動(ロイター電)

HSBC気候変動研究所があるのを知らなかった。今回はロイター電の記事の紹介のみ。


ロイターサミット:ポスト京都交渉、各国資金がカギ=HSBC研究所
9月9日15時12分配信 ロイター

[ロンドン 8日 ロイター] HSBC気候変動研究所のニック・ロビンス所長は、12月にコペンハーゲンで開かれる国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)締結国会議で新たな条約の締結に向けた協議が順調に進むかどうかは、各国の景気対策にかかっている可能性があると述べた。

ロイター気候変動・新エネルギーサミットで語った。

今回、第15回目となる締結国会議(COP15)では、2005年に発効した京都議定書の削減期間が終了する2013年以降(ポスト京都)の枠組み条約が協議される。

HSBCのアナリストの試算では、世界の景気対策費、総額3兆1000億ドルのうち環境対策に充てられるのは約5120億ドル。

再生可能エネルギー利用、公共交通機関、水処理などの向上を目指した環境予算は、今のところ国内の景気回復や雇用確保を対象にしているが、こうした資金が新たな国連気候変動枠組み条約の締約に向けた協議の行き詰まりの打開につながる可能性があるという。

ロビンス氏は「もし5000億ドル近くの資金があれば、各国政府がコペンハーゲンでの協議の潤滑油となるような資金提供を検討する余地があると期待するのは当然だ」と述べた。

また「景気刺激策の議論で欠落している点は、どの刺激策の対象も国内に絞られていることだ」と指摘。

「問題は、コペンハーゲンでのCOP15をいかにまとめることができるかだ。今回の危機で深刻な影響を受けた貧しい途上国、つまり先進国が刺激策の対象としていた自国以外の地域を刺激することが課題になる」と述べた。

同氏は、9月24─25日に米ピッツバーグで開かれる20カ国・地域(G20)サミットが試金石となるとの見解を示した。このサミットでは、各国は気候変動対策に向けた資金提供についての進展を報告するとみられている。

現段階では、先進国から資金提供の申し出はない。9月4─5日のG20財務相・中銀総裁会議でもこの点で進展はなかった。

ロイターが入手した欧州連合(EU)の草案によると、EUは途上国向け気候変動対策の規模を当初の計画額から削減した。

ロビンス氏は、「機関投資家の間で、気候変動対策への参加について非常に活発な議論があったことは、今までと異なる点だ」と述べた。
 
民間からの資金調達の促進策としては、政府が一定期間で返済するという条件のもと、国際機関が資本市場で気候変動対策を目的とした債券を販売することや、政府による融資保証などが含まれる。

同氏は「民間からの資金調達に向けた話し合いはすでに始まっている。ただ、この開始には種子資本が必要という問題がある。COP15が特に重要なのはこのためだ。(温暖化ガス排出削減)目標が設定され、その達成に向けて政府の政策が実施される必要がある」と述べた。

2009年9月8日火曜日

413:コメント頂いた方へ

このブログも去年11月から始めたもので、第1号にある通り海外コンサルタントとしての備忘録のような気持ちで始めた。家族とか知り合いの数人の方が見て頂ければ幸いという気持ちだけである。いつ亡くなっても足跡は残せるかな、という部分もある。

内容については様々で多少嫌味で皮肉も込められているので不快感を持った方もおられるであろう。埼玉県人の悪い癖だが正直ベースでは書いているつもりである。英語についてはかなり独善的な考えもでてしまっている。まあしかし人間だれしも完璧でないし仕方のないことである。独り言みたいなところもあるし、海外でのストレス解消もある。

このブログによって社会運動を展開するわけでもないし、コンサル業界の改革を進める気もない。ただ、家族が生活できる範囲でこの仕事をささやかな生業としていければ幸いである。もう組織人ではないし、末端のコンサルタントとしての誇りだけあればと思っている。

従って、コメントを頂くのは家族とか大先輩からだけであって、本ブログで見知らぬ方からのコメントがあるとは全く想定していなかった。

偶々ブログを整理していて2件ほどコメントがあるのを発見した。

海外コンサルについて教えてほしいというものだった。かなり漠然としているのでお答えしかねるなと感想を持った。既に多くの書籍・月刊誌・広報や事例紹介もネット上で紹介されているし、小生が何かをお教えする立場でもない。2ちゃんねるでも多い。

このブログでも相当多くの事例や感想も書いているので、極端で私的な見方と認識した上で読んでいただければ大よその実態はお分かりになっていただけると信じている。見た方のその後の行動やご判断はお任せだ。

コメントしていただいた方のお立場を勝手に想像すると、

1.今後コンサル以外の団体や学校・研究機関がどのように開発援助に係れるか?
2.研究室の所属学生が海外コンサル会社に就職したいと考えているが、何かアドバイスは?
3.気候変動の影響に関してコンサルタントとしてどう具体的に対応しているのか?
4.コンサルと大学との連携はどうあるべきなのか?
5.卒業生がコンサルを突然辞めたが、何か根本的な労務管理に問題があるのか?

こんなところでしょうか。それ以外についてはかなり書いていると思います。何か違ったことでご質問があれば具体のコメントを再度していただければ幸いです。

具体のコメントと小生がお答えできる回答についてはこのブログで公開することになりますが、それでよければお願いたします。

412:Baby, I love your way

ここの衛星テレビは南アからだが、音楽チャンネルがあることは前にも書いた。ジャンルもいろいろあるが選択するのはホテル側だ。通常はlove songsだが、時どきクラシックもあったりめちゃくちゃだ。70,80年代のポップスはいつ聞いても心地いい。

70年代中ごろは加州にいたからそのころ聞いた曲は今でも鮮明に覚えている。今日は偶々ピーター・フラプトンの名曲が聞こえてきた。

もうすぐ帰国だ。奥さんにこの曲をラブレター代わりに送ることにしよう。

Shadows grow so long before my eyes
And they're moving across the page
Suddenly the day turns into night
Far away from the city but don't hesitate
'Cause your love just won't wait hey
Ooh baby I love your way every day
Wanna tell you I love your way every day
Wanna be with you night and day

Moon appears to shine and light the sky
With the help of some fireflies
I wonder how they have the power shine shine shine
I can see them under the pines
But don't hesitate 'cause your love won't wait hey
Ooh baby I love your way every day
Wanna tell you I love your way every day
Wanna be with you night and day uh yeah

But don't hesitate 'cause your love won't wait
I can see the sunset in your eyes
Brown and grey and blue besides
Clouds are stalking islands in the sun
Wish I could dry one out of season
But don't hesitate 'cause your love just won't wait hey
Ooh baby I love your way every day
Wanna tell you I love your way uuhh
Wanna be with you night and day
Ooh baby I love your way every day
Wanna tell you I love your way uuhh
Wanna be with you night and day

さて今日も一日頑張るか。あと一息だ。

411:ダナンの夜

今日のニュースでベトナム航空が関空からベトナム中部のダナンに直行便を就航する予定だそうだ。まずはチャーター便からか。

ベトナム古都のフエへの観光客やダナンの日系企業呼び込みもあるのだろう。ダナンには1度行ったことがある。サイゴンからの国内便だった。

05年ごろだろうか、ADBの水力開発T/Aのプロポ作成で現地踏査を実施した。元ADB職員の方とEVNの若手職員2人も同行した。元ADBの方はイギリス人で奥さんはタイ人だったか。既にADBを定年され比国に落ち着いている。ADB案件受注のためのコンサルタント会社のサポートを主に行っている。

彼のことは以前書いたかもしれないが、プロポ作成のプロ中のプロだ。彼からはADB案件のプロポの作り方を学んだ。人柄も素晴らしく飲んだりしながら昔話を伺ったり、それはそれは楽しいひと時だった。ドイツのコンサルとJVを組んでドイツからも営業屋が一人サイゴンまでやってきたが現場には理由をつけて来なかった。こりゃまずいな、と感じたのが不運の始まりだった。

小生は世銀の団長は既に経験済みだったが、アジ銀の団長はまだだったので受注は必死で取り組んだ。

ダナンではローカル用のホテルに滞在したが、食事はEVNの職員からいいところを紹介してもらって大いにダナン料理を楽しんだ。そうそう、そのレストランで手相占いのおばあちゃんが、「あなたの手相は実にすばらしい。」と言っていたのを以前書いたのだった。どうせ御世辞だろうと思ったが、今となれば当たっている。

さて、ダムサイトはダナンから車で3時間か。ダムサイトまではそれから歩いて2時間。アップダウンで体力のなさでダウンししまった。イギリス人のおっちゃんはビール腹でとても体力がなさそうだったが、ヨットで鍛えているらしく元気いっぱい。感心した。

ダナンに戻って一杯。ダナンは昔は南ベトナムだったから歓楽街もある。南に近い感じ。昔風のステージがあるナイトクラブで4人で騒いだ。二次会は川岸のカフェーでビール。次の日はサイゴンへの便が遅いので、海辺で食事。海中の生簀から新鮮な魚を刺身にして食べた。日本のワサビがあって中々イケた。

ところがダナンからの便が3時間以上遅れ空港で待たされた。湿気の多い空港で待つのはきつかったがイギリス人は持参した小説を淡々と読んでいる。僕はベトナム人と雑談。彼らもオーストラリアに行きたがっていた。南の人は今でも北を信じないし、待遇も悪いらしい。だから豪州なのか。

日本に帰って、ドイツのコンサルとマニラの彼と調整しながらプロポを書き上げた。上出来だった、と思っていたが、結果は2位。本命がいたから難しいと思ったが、イギリス人に言わせるとかなり接戦だたらしい。敗因は?、と聞くとドイツのコンサルが推した環境屋のCVの点が相当低かったらしい。団長以下水力開発チームは良かったらしい。そのドイツのコンサルは元々送電とか電力セクターに特化していたので、どうして環境チームにそのコンサルを押したのか解せなかったが、おバカな部長が何の判断もなくサイゴンで一緒に飲んだことのあるコンサルを押したのだった。こういうおバカなことができるのも素人だからか。

勝負に勝つことの意味を知らないのだ。1点でも相手に勝るプロポを書く訓練がないらしい。失注しても落胆することもないのでは絶対に勝てない世界なのに。

結局ADB案件の団長にはなれなかったが、今となっては良かったと思っている。縁がなかったのだ。

そのダナンにも直行便ができたら別件で行ってみよう。サイゴンやハノイとはまた違った風情がある。ベトナム人で日本人に帰化したグエンさんはサイゴンのお坊ちゃんでラサールの出身だが、お父さんはホテル王でだ何にもホテルを持っていたそうだ。しかし、サイゴン陥落後没収。家族一族は世界に離散した。フランス、カナダ、日本。

そういう悲惨なことは日本には全くない。移民しなくてはいけない状況にまでなっていないのは平和な証拠だ。

410:気候変動の影響?

コペンハーゲンでのCOP会議開催が近づいて来たのかグーグルアラートでのclimate changeに対するヒット数が増えてきた。逆にIWRMやintegrated water resources managementなどは滅多にヒットされなくなった。

さて、今回はフランスのAPFの記事から。


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【9月7日 AFP】アフリカや南アジアの大半の国は気候変動の大きな影響を受けている一方、温暖化ガス排出量の多い国は気候変動の影響を受けにくい傾向にあることが、AFPが2日に入手した、グローバルリスクの分析を企業に提供している英Maplecroftがまとめた「Climate Change Vulnerability Index、CCVI」(気候変動に対するぜい弱性指標)で明らかになった。

これは、166か国を経済、行政機関、貧困・開発、生態系、資源安全保障、インフラから見た人口密度の6つのグループの33の指標でランキング化したもの。地球温暖化がもたらす影響へのそれぞれの国の対処能力を測る数十個の変数から算出した。ランキングが高いほど、気候変動の影響を受けやすい。

ソマリアやハイチ、アフガニスタンがランキングの上位を占めた。また、「リスクが非常に高い」と判断された28か国のうち、22か国がアフリカ諸国だった。一方、ランキング下位には、ノルウェーやフィンランド、日本、カナダ、ニュージーランドが名を連ねた。これは、経済力や行政機関の高い統治能力、生態系の保存状態の良さ、資源安全保障能力の高さなどによるものだという。

Maplecroftのアナリスト、フィオナ・プレイス(Fiona Place)氏によると、日本がこの位置を占めている理由としては、インフラの整備が進んでいること、政治・経済システムが安定していること、食糧・飲料水が確保されていることが挙げられるという。日本は食糧の相当部分を輸入に頼っているが、調達先の国が多岐にわたっているためリスクは分散されているとしている。

プレイス氏は、「日本は、管理が行き届いた森林など、生物多様性が比較的豊かで、人間が引き起こした土壌浸食も深刻ではない」と語る。一方で、問題点として、日本の人口は海岸沿いに集中しており海面上昇というリスクに直面していると指摘し、「日本は、気候変動に対するぜい弱性の問題について、深刻に受け止める必要がある」と強調した。(c)AFP
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確かに、概念的にはそうなんだろう。我々が水資源管理や開発という視点からみた場合、定量的にどう気候変動の影響を捉えたらいいかの科学的な視点がないとどうも具体の施策の対応に届いていかない。これが中々難しいところである。

2009年9月6日日曜日

409:Salvage your reputation

「人の評価は風評で決まる」とあるコンサル会社の幹部の方が申された。へえ、そういうものかと思ったが、実際は悪いうわさを意識的に集めそれだけで評価する手法のようだ。

彼が所長だったイランの案件で、借り上げだった元大手建設会社の方が大胆な行動を起こしお辞めになっていただいたが、結局、議論することもなく無視し、お咎めをする勇気もなく、ただ元ゼネコン出身の方の昔の悪いうわさを拾い集めて理由づけをしていた。

彼も名前の割には「人の道」に反することを平気でされる方で、僕の扱いもゴミのような扱いだった。中でも人の評価は常に1か0というものだった。今でも記憶に鮮明な名言がある。

「君を評価する人間は過去、現在、将来にわたって社内に一人もいない。」

という想像を絶する言い方だった。所長は神のような存在とも言われているが、神をも恐れぬお言葉である。

こういう幹部の評価になったら会社では二度と浮かばれない。早いとこ逃げるが勝ちだ。

コンサル会社が体育系の組織になったらお終いである。

彼は今大手コンサル会社の海外部門の最高責任者にまで上り詰めたが、今でも陰でそういう発言をされているのだろうか。

久々見たCSIラスベガスの室長が変わった。新室長は黒人でマトリックスにも出ていた有名な俳優だ。

彼が部下の名声を取り戻すために努力した時にしゃれっぽく言った言葉が、

Salvage your reputation

だったので、上司という存在が部下に対してどうあるべきかをさりげなく教えてくれた。

さて、そろそろ残業も終わりにするか。

408:Imagine

さいたま市に住んでいるのにジョン・レノン記念館に行ったことがない。傍を通ることは毎日あったのだが。

ビートルズの新しいCDが出るそうだ。帰国したら買ってみるか。最近は音楽と読書に飢えているので帰国したら少し買えそろえてみたい。昨日奥さんとスカイプで30分ほど話をした。2秒以上遅れるので会話が成立しないので慣れが必要だ。その会話の中で、コジマ電気が閉店した後の新しいお店のことが出てきた。できたのは本屋だそうだ。いいね、CDも売ってるし、まあ普通の本なら売ってそうだ。ごっそり買いこもう。

海外でもいろんな国があり文化の程度が違うが、文化レベルは本屋さんの多い少ないで判断している。特に現地語で書かれた書籍が多い国は文化的に成熟していると思う。トルコ、イラン、ヴェトナムあたりはそうだ。フィリピン、インドネシア、マレーシアはまだそこまで行っていない。タイは意識しなかった。

インドは英語圏としても成熟していて南アと同じように文化的であろう。タタ・マックグローヒルズは最高の教科書だ。

ここでは本屋さんの市場調査をする機会がないので何とも言えないが、英語が浸透しているわりに本屋さんはあんまりないかもしれない。本を買えるだけ裕福ではない。国立図書館も人が多いが蔵書は殆ど劣化していた。

さて、話を戻そう。小生はカトリック信者だから当然天国を信じるし地獄もあると思う。当地のような平和なアフリカの1国にいると分からないが、悲惨な国々が世界中に溢れている。諸問題をどう解決したらいいのかは自身でも分からないが理想的な情景を思い浮かべることも重要だ。

これまであまり悲惨な国へは行っていない。避けてはいないがチャンスがなかった。西アフリカ、アフガン、イラク、インド、バングラディッシュ、パキスタン、ラオス、カンボジアなどに積極的に参加する気持ちにはなっている。いずれチャンスはあるだろう。そんな思いを持つとジョン・レノンのimagineをなぜか思いだす。

歌詞だけでもここに記しておこう。コンサルにとって危険を承知の上で渡航するのも必要だ。

Imagine there's no heaven
It's easy if you try
No hell below us
Above us only sky
Imagine all the people
Living for today...

Imagine there's no countries
It isn't hard to do
Nothing to kill or die for
And no religion too
Imagine all the people
Living life in peace...

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will be as one

Imagine no possessions
I wonder if you can
No need for greed or hunger
A brotherhood of man
Imagine all the people
Sharing all the world...

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will live as one

407:作業のピークは越えたか

土曜日恒例の007シリーズを見て今日は終わり。今日は,

live and let die

何年作だったんだろうか。もう映画館では見ていないことだから70年代か。ちょっと間延びした感じでスピード感がなかったかな。でも時間つぶしには適当。ニューオーリンズが舞台で今度はルイジアナ訛りの本格派が登場。

作業もそろそろ終盤。事実関係部分の第2章もあと2節。ドナーとNGOの活動のみとなった。既に前節で書いているので適当に整理するか。

第3章:課題、第4章:?、第5章:提言も既に実質終わっているので書くだけ。一人調査団だから骨が折れるが何とかソフトランドできそうだ。

調査団が最初に現地に入り大体1.5カ月程度でプログレスレポートIを書くことになるが、今回の作業だと、

団長:総括・水資源管理
副団長:水資源開発計画
地下水開発・水理地質
水文気象
都市給水およびかんがい用水計画
組織制度財務
業務調整

の6人分の仕事をやった感じだった。偉ぶるわけではないが、年の功で何とか切り抜けることができた。これが団長ばかり10年以上していたらとてもできない。手足をもぎ取られた団長は何もできないから。

その他にも作業はあるが、これは守秘義務で言えない。

友人の一人が馬国の大型プロジェクトで苦労してる。彼も所長以下とんでもない人たちと仕事をしているが、何とか無事であってほしい。流石に来年切りのいいところで帰国すると言っていた。海外の現場や調査は余程いい人と一緒じゃないとストレスがたまる。一人もさみしいが今の時代はインターネットという武器があって、家族とも電話できるし日本の情報も瞬時に入るし作業環境はいい方だ。

いい仲間と仕事をして作業が終わって飲んだり食べたり遊んだり、そういうこともまたあるだろうが、以前のような素晴らしい仲間との出会いはもういないんだろうね。

2009年9月5日土曜日

406:Nail it up

昨日は作業が進展したので、久々映画を見た。

All the king's men

だったかな、タイトルは。

ルイジアナ知事になった男と新聞記者の友人で知事補佐の話。最初はルイジアナの南部なまりに違和感を感じたが直ぐ慣れてきた。

それにしても面白くない映画で感動すらない。ショーン・ペンは知事役は似合ってないしやはり犯罪者とかひと癖ある変わり者とか内面からにじみ出る演技が向いている。大衆を扇動させるようなカリスマ性は出せないな。

それに、他の主要な脇役の3人はイギリス人。どう考えてもミスキャスト。ジュ―ド・ロウ、アンソニー・ホプキンス、ケイト・ウィンスレットは有名だし一人ぐらい出ていても違和感はないけど、3人ともルイジアナ生まれとしての役だから南部特有の訛りは再現できない。

話もフラッシュバックが多く、補佐役の優柔不断が見ていて惨め。興行的にも良くなかったのがうなづける。

アンソニーがアメリカ映画に出た時はやはりハンニバルでしょう。彼のイギリス訛りが狂気的な雰囲気に最高だ。ルイジアナの田舎ではちょっと合わない。

まあこうして駄作も見ないといけない。堂々と掲げるものも我々の周りに多いが、その内容をよく吟味しないとプロパガンダに流されてしまう。

Nail it up!!

と叫ぶ指導者の発言には要注意。

405:妥協点?

404ではチグリス・ユーフラテス川の国際河川問題を取り上げたが前途はあんまり明るくない。なぜなら上下流問題で上流国に有利な場合は上流国の妥協が必要だからだ。

中央アジアのシルダリアやアムダリアも同じ状況である。キルギスやタジクは上流国だがこれまでソ連邦の最貧国として惨めであった。独立国になった今唯一の資源である水資源の有効利用を下流のカザフやウズベクにそうそう易々と妥協するわけがない。妥協させる名案がなければならない。メコン河も然りだ。

さて、ザンベジ川の場合は下流国のモザンビークの協力なしでは上流国であるザンビアやマラウイの利は得られない。

どちらの国にも利のある状況は作りにくい。だから国際越境河川問題は深刻なのである。島国である日本人には意識しにくい。だけど県を越境する河川だったあるしという方がおられるが一国の県レベルと国レベルの問題は相当違うと思うがいかがであろうか。

上下流国が共に貧しい場合は何とか説得するチャンスはあるだろうが、そういう場合は意外と少ない。アフリカの場合はそうかもしれないが。

IWRMやSDは妥協してはいけないというのがコアヴァリューである。パレートオプティマム理論は妥協の理論なんだけどなー、と思ってします。妥協したと両者或いは複数の利害関係者に思わせなければいいのか。多目標計画法があるが実際それで全ての利害関係者の合意を得たケースを知らない。

日本も政権交代であるダムの建設が危ぶまれているという。日本の水資源のことはあまり知らないが、果たしてIWRMが浸透しているのだろうか。IWRMのガイドラインというのは成功している国の関係者が書けると信じているがいかがであろうか。あまり事情を知らないのでこのくらいにしておく。

確か淀川の流域委員会も何かあったと聞いている。まあいいか。

政権交代がIWRMや持続的な開発にどのように影響してくるか楽しみである。まずはダム建設の社会環境問題あたりかな??面白くなってきたかもしれない。

2009年9月4日金曜日

404:チグリス・ユーフラテス川の近況

トルコには88年から係っているが行き成りチグリス・ユーフラテス川の水利用であった。シリアにも行ったがその時はダマスカス都市給水事業であったので両川には関係ない。イラクはイラク支援基礎調査で水資源を概観したが現地には行っていない。

両川はご存知国際越境河川であり昔から上下流問題があり3国の連携利用は実現していない。3年ほど前から渇水が深刻でいよいよ3カ国の連携の兆しが見えてきたというニュースである。

中国の新聞からの情報である。内容は読んでの通り。

Turkey, Syria, Iraq discuss water resource of Euphrates, Tigris rivers
September 03, 2009

Environment, water and irrigation ministers from Turkey, Iraq and Syria met in Ankara on Thursday to discuss the use of water resource of Euphrates and Tigris rivers, the semi-official Anatolia news agency reported.

Turkish Environment Minister Veysel Eroglu, Iraqi Water Resources Minister Latef Jamal Rasheed and Syrian Irrigation Minister Nader al-Bounni attended the meeting.

Eroglu said at the opening of the meeting that at the risk of generating less energy, Turkey released water from Ataturk Dam on Euphrates in order to help its neighbors Iraq and Syria to tackle water problems.

Eroglu said Turkey, Iraq and Syria are suffering from negative effects of the global warming, and had dry years since 2006. Turkey sacrificed generating more energy to relieve Iraq and Syria from shortage of water.

Precipitation fell by 46 percent in Tigris and Euphrates basins in southeastern Turkey over the past three years, said Eroglu, adding that water level at Ataturk Dam "dropped to 10 percent."

For his part, Rasheed said his country had been suffering from severe drought over the past few years, adding Iraq's water storage capacity was also falling year by year.

Rasheed said Iraq faced mass migration especially from southern parts of the country due to drought as water flow from Tigris and Euphrates rivers was going down.

Meanwhile, al-Bounni said his country understood Iraqi demand for more water.

"Syria and Iraq are badly in need of water but Iraq feels the need much more," said al-Bounni.

Iraq "knows very well that our dams are empty and we have human needs," he noted.

Iraq, Turkey and Syria have long-term disputes over water resources. Iraq has accused Turkey and Syria of choking the Tigris and Euphrates rivers by constructing dams that have restricted water flow.

Last year, Turkey, Syria and Iraq decided to bury the hatchet over water issues and cooperate by establishing an institute to work towards the solution of water-related problems among the three.

However, Iraq's parliament voted this May to compel the government to demand on a greater share of water resources from neighbors upstream of its vital rivers, namely Turkey, Iran and Syria, in any bilateral deals with them.

Source: Xinhua

403:海外コンサル要員不足の深刻さ

今日は5時起きでメール対応。丁度7時間遅いので丁度いい。何件か処理してこれから朝飯だ。若い時からこんな風にしておけばよかったと思うが後の祭りである。

さて、メールの中にある知人からの調査参加のご依頼があった。東南アジア某国での水力調査だ。水文専門家がいないらしい。もう日本のコンサルも水文専門家が不足しているらしい。そういう話は別件でも聞いている。水文担当は早い人で大体30代始めからだろうか。今は20代が業務調整とかやって、30代に入って水文あたりから調査団に参加する。

小生は長らく研究開発部門にいたので実務参加は比較的遅い方だ。始めてJICAさんの案件の専門家で海外に出たのが35歳。それまではシステム分析専門家であった。37歳ごろには既に副団長候補だったし、42歳では団長だった。それ以降は団長だけでなく殆ど全ての専門家を渡り歩いている。

話を戻すと、水文専門家がいないということは30代以降の中堅がいないということになる。40代は既に副団長か団長だから水文がいないと調査団を構成できない。深刻である。水コンの徒弟制度が崩れたことを意味する。

一方、こうした海外水コンの人材不足はクライアントも大変憂慮している。再公示ばかりでは案件をうまく消化できない。

さてどうしよう、といっても企業自体が自滅的な経営していては優秀な人材が育つわけがない。そこで国内コンサル部門から海外部門に移動させようとしているらしい。

昔から総合コンサル会社では国内・海外部門があったが、実質人的交流もなく国内から海外に移籍することは国内コンサル部門からも嫌がられている。なぜなら優秀な部下を取られたくないからだ。そのため、喧嘩しても海外に行きたい奴か、あるいは能力がないとか嫌われている奴が海外に移籍してくる。

入社のとき希望を聞かれるが、海外を希望していても残念ながら国内にまわされる不遇な人もいる。海外はある意味コンサルのエリート意識があった時代もある。今は事情は違うようだ。

コンサル会社を希望しても海外は嫌だという人もかなりいる。

今頃になって、国内部門の若手中堅を啓蒙しても誰も海外には振り向かないだろう。既に海外と国内の業務の違いは熟知しているのだ。彼らの知見、経験、英語力では海外で優位性はないことは承知しているはずだ。

そうした啓蒙運動が成功することを祈念しているが、時すでに遅しという印象を受ける。

持続した海外要員育成が急務であったのだが、この10年以上コンサル業界全体が人材育成にかなり怠慢であったのではなかろうか。組織強化すらできていない。

402:Gossiping at UNICEF office

さて、今日の残業もここまで。夕方はホテルの停電用ジェネレーターの調子が悪く30分暗闇でタバコを吹かしながら待っていた。まあそのうち回復するだろうと思い、真っ暗闇になって丁度タイミング良く復旧した。

さて、今日は午後UNICEFに出かけ、村落給水のwater points mapping担当の若手と協議。協議すると周りの職員がなぜか集まってくる。例のウガンダ人のチーフも覗きに来た。小生の存在が気になるようだ。

30分ほど雑談してからやっと担当者もデータを出す気になったようだ。兎に角、相手の信頼を得るには雑談が欠かせない。データ請求はそれからだ。お陰で重要なデータが手に入った。

全国の県レベルの井戸のデータを頂いた。省でもあるのだが担当者は出張中で誰もいないし、多分頼んでもUNICEFに行けというだろう。

さてさて、本題は違う。

UNICEFもそうだが、ローカルの職員は元々は水資源関連省の職員だった人が多い。NGOもそうだ。

CIDAのローカルスタッフは元世銀案件の省側のプロマネ。NGOの若手でやり手の奴も元はCIDA。アフリカ開発銀行のローカルも元は水公社の役人。衛生局長は元は水公社トップ。計画局長も国家計画関連の省からの横滑り。

みんなお友達じゃないか。

馴染んだところで有名な関係者のゴシップ話に移る。データは既にメールで送ってもらっているので安心だ。始めは小生から局長らの人物評価。UNICEFローカル職員たちも、なるほど「良く観察してるね、確かにそうなんだ。」と相槌を打ってくれる。

アフリカ人も日本人とそう変わりはないらしい。彼らもゴシップが大好きらしい。日本人と違うところはお酒が入らなくても言うところか。

ということは、ドナーの調整会議で仲間じゃないのは外人だけか。意外と事実を知らないでいる外国人は彼らに操られているかもしれない。

外国人の我々は長くて精々現地に3年しかいない。ローカルはかなり長い過去の経緯を知っているわけだ。小生も執念深い性格なので、これまで集めた資料で過去の水資源管理開発の経緯を熟知し始めた。だから彼らとほぼ同じ知識に近づいてきた。だから、8年前に最初のSWAPが提唱されたのに去年まで停止したことは外国人は誰も知らないが、ローカルは良く知っていることも認識することになった。これをドナー会議でさりげなく言った時のローカルたちはビクッとしていた。

とは言え、あまり嫌味な報告書を書くといけないので、植民地時代からの開発と管理についてはそれなりに努力したと書いておこう。しかし、財政力や人的な資源の不足でやはりドナーの支援が必要なんだと。

今日のUNICEFのお兄ちゃんも省の職員は仕事しているように見せているだけなんだようね、と本音を漏らした。まあしょうがないだろう。給与も低いし。

だから、優秀な人は国際機関にいってしまう背景もある。みんな大変なんだ。

2009年9月3日木曜日

401:May his soul rest in peace in Water

遅い昼食を取った。今日はこれまでの水資源開発管理計画のまとめを終了させないといけない。午後からはUNICEFのお兄ちゃんと協議でそれまで少し休憩だ。歩いて5分だから便利この上もない。

ダム開発では植民地時代まで遡ることができた。そんな古い資料は残っていないが先人たちのお陰で助かっている。以前書いたかもしれないが、昨年表流水部門の副局長が不幸にも交通事故で亡くなり、部内は統率が取れていない。

現在の部員では埒が明かないのでどうしようかと思案していたが、朽ち果てた利用されない図書室でいい資料を掘り当てた。

亡くなった副局長の優秀さは今でも語り継がれているが、埋もれた資料から彼の生前の論文がいくつか出てきた。流石にうわさ通りの方である。

卓越した知識と経験が論文に溢れている。また、将来に向けての水資源開発管理の具体の計画案が提案されている。なるほど、惜しまれた方であったか。

先ほどまで彼が書き遺した論文のサマリーを報告書に書きとめていた。過去、現在、そして将来という時間な流れの中で彼の水資源に対する思いと情熱を記録した。

さて、そろそろUNICEFの事務所に歩いていこう。全国の井戸の県別データを貰いに。

2009年9月2日水曜日

400:いよいよ9月か

我が家の子供たちも新学期を向かえたそうだ。当地での作業も5ヶ月目。報告書も水政策と組織がやっと終わりかけ、次は戦略実行計画のまとめである。絵に書いた餅ばかりでうんざりするが過去の経緯だから書かざるを得ない。GWPが介入していいたい放題の実行計画になっている。できるわけないじゃないという内容ばかりだ。まあ、書いてあることが現在までできないので、こちらの提案にもうまく連動してくるので良しとしよう。これからはGWPも襲ってこない。世界的にも低迷し始めたようだし、同じ傾向はここでもある。

最近ドルの価値が下がり、ホテルと同じようなレートになってしまったので、ドルで最終のホテル代を支払おうとしたら断わられた。ドル紙幣のベリファイができないらしい。先日もクレジットカードの利用を断られた。インド人経営者も随分警戒心が強い。まいっか、という寛大な気持ちで引き下がった。喧嘩してもしょうがないし。ここの人は、何でもOKというが、その言い方が面白い。ちょっと長めに尻上がりに発音する。あんまり現地的な言い方は好まないけど、なぜかこの言い方だと全てが赦せてしまう。怒る気持も薄れ、精神的なストレスが溜まらない。これがネイティブ的な英語にするとなんか闘争しているようで後味が悪い。OKだけはこれからも真似しよう。笑いのヨガじゃないけど、トラブル解消にはいいことかもしれない。どうでもいいことは全て、「オ~~ケ~~」で切り抜けよう。

前はよくレストランで日本のある調査団メンバーに遭遇していたがここ何日から会わない。多分全員帰国したのだろう。若干水関連で関係があるが、言葉は交わさない。元いた会社と子会社がやっているが知り合いもいないし、何か元気もなさそうだ。インド系が二人ばかり参加している。どんどん外人を雇っていたが今はどうなのだろうか。

昔同僚だったエジプト人もイギリスのコンサルに移籍しモロッコ駐在員、ハンガリー人の女性の地質屋も日本人と結婚したらしいが退社後は知らない。良く技術的な話をしていたエジプト人は退社後商社に入りイラク支援案件でヨルダンに赴任していたが帰国後脳梗塞でリハビリ中だ。

あと2週間で報告書を仕上げ、案件形成を終了させ、時間があれば最後に主要な川と既存構造物を見て回りたいところだ。特にダムの堆砂が酷いと聞いているのでそれも見てみたい。ハンドポンプ付き深井戸だけじゃ水専門家としてあまりにもこじんまりすぎるから。

2009年9月1日火曜日

399:コンサル会社の経営

さて、本日分の作業はこれでお終い。基本的に残業はしない主義なのだが、年を取ると作業が楽しい。昔は無手勝流の天才的な団長さんとかいて、優秀なんだけど作業がかなり進んだ段階で「やっぱこっちの方向で行こう」とか言い始め、手戻りが多いことがあった。だから2度手間、3度手間が頻繁で難儀したものだった。

副団長クラスになると上は団長だし、そのころは理不尽な団長さんもいなくなり自由自在にやっていた。団員は気心が知れた連中だし実に楽しかった。

団長になっても同じような状況もあったが、自分だけ日本人であとは全部外人とか苦労も多い。団員が自分以外本格的な調査計画をやったことがないとか、とんでもない団員構成の時もあった。今から思えば良く受注できたと思うが、CV上は皆さんそれなりにやっているのでクライアントも分からなかったんだろう。これが旧JBICの方だと、「このTさんは確かスリランカで水力専門家でしたよね。今回の水供給は大丈夫ですか?」と鋭いコメントがきたことがあって冷や冷やしたものだ。何とかT君を弁護して収まったが。

最近は一人での赴任も多くなり、団員のいない一人プロジェクトだ。これも人によって大変と感じるらしい。そりゃそうだ。誰も助けてはくれない。業務調整から団長的な作業まで全て自分でこなさなければならない。
でも、これが大変面白い。4,5人分ぐらの分野をカバーするがあとになってみれば全てを詳細に把握できる。こんなことは調査団では中々できない。特に解析作業は若手に任せるが細かなところまではフォローできない。社会環境、経済分析などは、ある程度は任せないと埒が明かない。

コンサルも調査団を作ってやるわけだけど、経営的には利益があまりでないらしい。何でか分からない。

先日あるコンサルの社長さんとメール交換したがクライアント側にもっと考えてくれないとこぼす。クライアントに物申すわけか。そこの会社の事務を担当する方は良く知っているが、徹底的に間接経費を抑えているはずだ。社長はクライアントに何してほしいんだろう?もっと報酬やM/Mを出せと言いたいのか。

そんなこと言っていたら、世銀やアジ銀などの国際機関の調査案件は絶対に利益が出ない。日本のコンサルの報酬は今や世界一なのだ。

昔は世銀の調査案件だと、3万5千ドル程度あったはずだ。最近はぐっと下がって2万ドルいけばいい方じゃないだろうか。昨年アジ銀案件の形成をしたが、この時は1万6千ドルで見積もった。

日本の場合は、大体2万5千ドルぐらいはいっている。不足があるのだろうか?あるいはM/Mが少ないとか。そんなこと言っていたら、世銀やアジ銀は日本の2分の1以下のM/Mだ。

TORで示された調査計画を行いその対価として報酬を頂くのがコンサルの基本であるから、クライアントにお願いすることがあれば堂々とクレームすればいいことである。その社長さんがクライアントにクレームした事実はない。寧ろ粗雑会計で2カ月の指名停止をもらったぐらいだ。世銀やアジ銀、あるいは民間案件でたくさん受注したとも聞いていない。設立して14年だが会社規模も大して変わらない。

クライアントにしてもらうことがあれば、提案したり、クレームしたり行動を起こしてほしいものだ。経営的に成り立たないのであれば廃業すべきだ。

何か手づまり感や閉そく感があるのだろうか。社長としての実力の劣化ではないのか。

小生は国際機関の案件をかなりやっているが、TORに準じた仕事をきっちりM/M以内で実行する癖を身に付けた。イギリスやフランスなどのコンサルは意外と経営的に安泰であり、嫌いな仕事は受けない。なぜならそうした無駄な作業を持ちだししてまでしないからである。サービス残業などしても儲からないコンサルはどこかおかしい。それをクライアントの責任に転嫁してはいけない。

と、その社長さんに言えないので、ここで愚痴った。誰も読まないし。