2022年3月19日土曜日

2933:前回の続き:水資源開発管理のモデル

前回紹介したセミナーで、アメリカ人の専門家がアメリカにおける水資源開発管理モデルについて解説したが、JICAの専門家とかコンサルもほとんど理解できていなかったようだ。だから質問もなし。ただJICAの専門家が無知な質問をしていたね。 「ところで、水資源管理上の合意形成のモデルってなんですか」だって。 彼もJICAの専門家なんだけど、これまで20年近くやってきて、やっとこさ水資源管理で博士号を取ったけど、無知なんだね。彼の学位のテーマは確かアフガニスタンでの水資源管理の合意形成だったかな。所詮事例研究か。たぶん東大の中山先生の研究室でしょう。あそこの人は文系もいたりで、理系で水資源計画も知らない人ばかり。 水資源計画管理のモデルって、歴史ありで、1960年代からのテーマ。 最初はシミュレーション、次に70年代からは最適化手法の適用、そして、80年代前後から多目的計画手法の適用。 90年代から2000年代に入って、管理の重要性が出てきた。 セミナーの発表者が言うように、いくらコンサルがモデルを作成しても利害関係者には所詮ブラックボックス。それじゃ―、出てきた答えも評価できない。 彼が言うように、モデルはデータ、手法すべて理解されないと認められないね。 コンサルが去ってしまったらモデルの再現性はだれもできない。5年後新しい水文気象データ、ディマンドも変わればモデルの再構築しないとね。政府関係者だってできないわけだ。 セミナーで無知をさらけ出したJICA専門家とはアフリカで出会っているが、彼の技術仕様書はそうしたことがわかっていなかったね。モデルの再現性がわかっていない。合意形成に多目的計画手法を取り入れるセンスもなかった。そういうのがJICAの専門ですからね。困ったことです。 モデルは必ず再現性がないと、数年後には忘れ去られる運命。 日本では、せいぜいシミュレーションだけだね。最適化手法も多目的計画手法も見過ごさられている。勉強が足りないんだね。 と言ってももう無理かな。 僕が最適化手法や多目的開発手法を実際のプロジェクトで適用したのは世銀融資案件。もう1988年だから34年前。 シミュレーション技術もかなり進化した。 JICA案件の低レベルにはこうした背景がありますね。コンサル頑張れ!!

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