2023年7月25日火曜日

2944:村落給水の原点

原点といっても大したことはないですが、まずはおさらい。 1.日本の村落給水:水道が整備されたのは明治になってからで、函館とか横浜の外国人街があったころから。勿論、都市部のみ。地方の水道が整備されたのはそれ以降で、僕が知っているのは神奈川県の秦野市。コミュニティー水道の第1号だとか。戦後、1947年ごろから村落部に水道が整備されたと聞いている。所謂、簡易水道。簡易といっても基本水道と同じ。規模が違うくらい。水道法34条でしたか、裨益人口が100人から5000人までの給水を担う。現在、日本における水道の整備率は99%までいっているのではないかな。ほぼ100%かな。 2.途上国の村落は概ね人口が少なく、村落自体も離れているのが実情だ。従って、管路給水は成り立たない。井戸を掘り、村落で運用維持している。アフリカだと、アルリデフという形式のハンドポンプが一般的で地下30メーター程度まで掘る。浅井戸も多いが水質が悪く飲料水には不適だ。JICAの無償では深井戸を100本以上掘ってハンドポンプを設置し、300人程度の住民で自主的に管理運営する。 3.アフリカのモザンビークにJICA派遣専門家として2013年に赴任した時は、無償で深井戸を掘る事業はあまりなく、技プロで技術指導を行うのが流行っていた。ベルギーの技術援助では、太陽光を利用して水中ポンプを深井戸に設置して、1500人程度の住民に地下水を供給するシステムが採用されていた。確かに、このほうが効率はいいね。運営維持管理をどうするかはまた別の課題だ。 4.この1年ほど、バングラデシュにおける村落給水事業のお手伝いをしているが、深井戸からでるヒ素と塩分をどう除去するかが大きなテーマだ。それらが除去できないと飲料水が確保できないし、公共衛生的にも問題だ。バングラでも当然村落部は管路給水の対象ではない。村落ベースで飲料水を安定的に確保することは国の政策的も重要な課題だが、抜本的な解決策が見いだされていないのが実情。 5.さあ、どうする。具体策に関しては次号で。

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