2020年7月13日月曜日

2918:三狂ダムのこと

ネットで話題は三狂、否、三峡ダムのこと。

崩壊云々はないでしょうけど、洪水調節能力がないことは示されたね。嘘ばっかり。

発電を目的としたダム開発ですからね、河川工学的な検討はないね。river morphologyなんていうこともね。

僕も以前経験したけど、発電土木屋さんはなにしろ発電の便益しか興味なし。どれだけ経済的なフィージビリティーを高めるかが勝負。流れ込み式だと、ピーク発電を想定しピーク電力の便益を高くすることを目指す。8時間ピークとして、調整池の容量を4倍使うわけだ。だから仮に調整池が堆砂で埋まれば、ピーク電力価値は失われる。一番いい(悪い)事例が以前から書いているインドネシア・バカル発電所。

話を戻すと、三峡ダムは185メートルでしたか、ダム高は。発電の落差は直下なんであんまりないが、なにせ流量がすごいから世界1番の発電量だ。

貯水池もでかいので、上流500キロまで貯水池が延びている。だから堆砂デルタの形成はかなり上流で、ダム堤体での堆砂はないに等しい。スピルウェーもあるしね。11万m3/秒の放水能力がある。

要するに、ダム崩壊の確率は小さいが、洪水能力はほぼなしと言える。以前は1万年の一度まで防げると言っていたのが、今は20年に一度だそうだ。

水利部というのは、やはり水利であり、水理じゃないんですね。水理学と言えば、アメリカ・イリノイ大学のベン・テー・チョーがいたり、中国人が得意なんですがね。水文も苦手のようだ。


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