2016年11月28日月曜日

2748:コンサル会社でうんざりすること

国際開発管理コンサルタントとしてすでに36年くらいの経験があり、年齢も62歳になるわけだから、今更コンサル会社の嫌な面を書くこともないのだけれど、これまで5社の会社に在籍してもまだまだ新たな嫌な面を散見することがあり、ここでちょっとまとめてみよう。


当然、会社の規模が大きく歴史のある会社にはいい面がたくさんある。しかし、組織がデカいと、派閥もあり、国内海外部門の権力闘争もあるので、それに巻き込まれると嫌な面をたくさん見ることになる。

特に、最大手のコンサルとなれば、人員も多く先輩や上司にとんでもない人たちが多い。僕ら団塊の世代後では、入社当時からとんでもない団塊世代の横暴に晒されてきた。犯罪に係わる事件にも巻き込まれることも多かった。ただ、専門性を高め、幅の広い経験や知見を得ることには最高の環境だったかもしれない。プロジェクトもひっきりなしにあり、一つのプロジェクトに参加し、終了し帰国すれば次の案件の参加が決まっている状況だから、入社して10年もすれば調査団の副団長クラスへのアサインも自然とできた。40歳を過ぎれば、もう団長クラスの立場となる。50歳前後になれば、百戦錬磨のコンサルタントとして自他共に認められる。

2番目に所属したコンサル会社は、最大手電力会社の子会社であった。親会社出身の幹部からのお誘いがあり数年お世話になった。出社初日で、この会社の問題が明らかになった。幹部、課長以上はほとんど親会社からの出向者。海外経験のある専門家は一人もいない。プロパーの職員は、萎縮している。ははー、これがこの会社の成長を妨げている理由と分かった。この会社で多くの案件をプロモートして団長などとしておもしろい経験をさせてもらった。今この会社の海外部門は縮小されて見る影もない。入社初日に感じたことは10年後事実となった。組織は人なりという悪い見本だね。

3番目の会社はコンサル会社ではなかったが、理事長さんの鶴の一声で入社が決まった。コンサル的な事業を海外で推進する方針に沿って、支援する役回りだった。コンサル経験ゼロの組織を強化するのは非常に大変なことだった。数年で2つの調査案件をプロモートしたが、職員のアサインを1名だけ成立させただけで、人材の育成は不成功。しょうがないね。職員自体、コンサルになることには全く関心もなかったのだ。あれから8年経つが、この会社に未だコンサル的な仕事はない。

4番目の会社は、ちょっと特殊なコンサル会社。SOHOが基本で、案件を自分の力で取ることが原則。だから、受注できなければ、報酬はゼロ。厳しい会社だね。6年ほど在籍したが、運が良かったせいか、6年間首尾良く案件を受注し、生活に困ることはなかった。この6年で、コンサルとしての経験と知見の有効性を確認した。

5番目の会社は普通のコンサル会社。事情があり、7年ぶりにサラリーマンコンサルに一時的に戻った。理由は言えないが。さて、この会社。国内部門はとりあえずうまく行っている。ただ、海外部門は最悪の状況。自分が社長だったらとっくに廃業しているだろう。一言で言えば、死に体。30年前に海外部門を子会社化した。運の悪いことに、その年に贈収賄事件を起こし2年間の指名停止。そのころ100名以上の職員を有していたが、その事件で一気に衰退。30年後には、職員は10名程度。優秀な専門家は次々に去って行ったようだ。ここ10年の仕事は地味なものだ。案件を取っても不良案件ばかり。省庁のゴミのような委託事業を利益も出ないまま受注。南米の事務所は日系人とさすらい日本人だけで家内制自営業みたいな活動のみ。40代の社員は経験不足。最高責任者は、10年以上評価分析だけ。新入社員らは、ツアコン程度の仕事で大きな顔。経験を深める専門性はゼロ。コンサルにもピンからキリまでいろいろあることを見せつけられたね。

こうして、いろいろな組織に在籍して思うこと。コンサルはやはり個人の力量。どんな会社にいても実績を上げられないと錆びてしまう。もう人のことや、会社のことを憂いてもしかたがないね。ご本人たちに意識がないのだから。時々、社長に直接メールを出して、事業部の問題点を報告している。案外、社長というのは理解してくれるものだが、実行に移すのは幹部や職員全員だからね。彼らは社長の指示にも従わないしね。かなりやばい状況である。

さて、来年度以降、どういう組織にいくことになるでしょうね。

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