2009年4月28日火曜日

158:水と衛生という連携

water and sanitattionの連携は常に言われているけど、中々両面を一緒に検討する機会が小生にはなかった。特に都市上下水道整備案件は分業があり、水源開発や給水システムを担当していても下水システムを考慮して進めることがなかった。大きな反省でもある。

地方給水に携わると給水施設がスケールダウンし、両者が密接に係ってくる。村落コミュニティーレベルでの給水計画では衛生環境改善が重要である。水と貧困という大きなテーマの中で。

世界的にみると、地味だがWELLとかSKATという機関が精力的に活動している。どうしてもトンカチ土木の出身だからフィジカルな面を見てしまいがちだ。そうした活動と膨大な資料を見てみるか。コミュニティー開発管理という視点が必要のようだ。

アフリカ赴任を切っ掛けとして、少し水と衛生問題に取り組みたいと思っている。というより、両者を総合的に見ないと給水だけですら持続的な解決に至らない。

アフリカだけではないが、水関連組織も縦割りで、例えば水源計画と給水衛生計画が別々の部局になっていて両者の連携がない場合もある。水資源自体独立する省を設立させるのが世銀などの考えだが、多くの国でそれが不発になって、農業・灌漑排水や電力などと合併されてしまう。

サウジアラビアの水資源関連部門の最高責任者であるある事務次官が、

この20年統合されるたびに水資源部門が縮小されるんだよね、とぼやいていたのが印象的だ。彼の部屋は蔵書・資料で満たされていて100m2ほどの事務次官室はさしずめ私設図書館であった。情報開示が苦手なサウジだが、彼に直接懇願して重要資料を入手していたのが懐かしい。

また脱線だが、国や機関によって情報入手の方法は違ってくるので見極めと忍耐、センスが必要だ。超トップダウンの機関ではトップに接触、中間層の課長部長レベルが重要資料を個人的に持っている場合もある。

ある中近東の給水案件では、ソビエト支援のM/Pがあり、ロシア語の資料は膨大にあるが、英語はなしとの事前情報だった。担当部長と作業開始後直ぐ面談。1時間ほど雑談をした際に、上記を告げると、後ろのカギ付き書庫から膨大な英文報告書が出てきた。比国では、10年前のADB案件の旧式磁気ファイルを1カ月かかり中の情報を引き出した。カビだらけのMDだった。本社の人間はそれを全く承知していなかった。スパイ映画さながらの情報入手だ。イランでは禁止の写真撮影を兵士と仲良くなって取ったこともある。トルコでは、NSCに就職した元部下とマクドナルドで食事をしていたらNSCの上司が傍で見ていたらしい。クルド人対策の部署とのことだが小生は関係なかった。NSCは軍の最高機関だから捕まったらミッドナイトエクスプレスものだ。アンカラのクラブで同僚と飲んでいると突然SWATが乱入もうすこしで抹殺されたかも。海外は兎角いろんな事件が起きる。それが楽しみになれば一人前となる。無論どこでも周りには注意を払っているが。

大先輩方のように法に触れる不正は拒否してきたが、スリルいっぱいの情報収集活動は面白い。脱線のし過ぎだが。

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