長年海外でのコンサルタント活動をしてきて痛感するのが技術移転の難しさである。昨今では技術移転という言葉が消え、capacity buildingとかcapacity developmentという概念に進化してしまった。
しかし、今だ技術移転がうまくいっているとは思われないのだが。
tacit understandinngという言葉がある。
英語では、silent agreement, agreement that is understood through silenceという意味であり、日本語ではおなじみ以心伝心である。
日本人はある意味美徳として捉えられている。先輩や上司の背中を見て育ちましたというと悪い気はしない。コンサルは徒弟制度的でもあり、「一を聞いて十を知る。」という離れ業も期待される。
調査計画の目的では常に技術移転が入っているが、中々実質手がけていないのが実情である。久々アフリカで技術移転を行う。開発から管理という流れでは、寧ろ技術移転が主体になる傾向があり、どのように技術移転を成功に結び付けるかがポイントである。
一方、knowledge managementという概念もあり、tacit knowledgeという言葉もあるくらいだ。tacit knowledgeには、
Ad hoc sessions
E-learning
Action Learning
Learning history
Road maps
などのアプローチがある。海外の技術移転では、これらのtacit knowledgeを使えるexplicit knowledgeに変えていくことが大切である。これを英語では、
codification
articulation
というらしい。
自分が作成したガイドラインやハンドブック、ロードマップなどが果たして明確に理解され使われるのかを良く精査してみよう。以心伝心という日本人の美徳も西洋的な発想で実務的な技術移転に繋がっていくのは面白い。いい勉強をさせていただいた。
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