2008年11月24日月曜日

07:Biswas氏が提示した統合すべき水資源課題のリスト(和文)

これまで散文的に記した内容が多いので、少しずつ具体的な情報も提供しようと思う。下記は08年Biswas氏が35から41項目にアップデートしたものの和訳版である。私的な訳であるのでご注意。

当然と思われるコンビネーションが多くあり、若干重複するものもあるが、本来全ての項目間で更なる組み合わせがあり41個の核的なリストと言えないだろうか。彼の論文(英文はネット検索で「Biswas」、「IWRM」などと検索してダウンロードできる)自体に100%賛同する立場ではないが何がIWRMなのかを考えるための推奨できるリストと言える。

01. 重複する複数目標(経済効率、地域の所得再配分、環境基準、社会福祉など)
02. 水の供給と需要
03. 表流水と地下水
04. 水量と水質
05. 水資源と土地に関わる問題
06. 各種の水利用(生活用水、工業用水、農業用水、水運、リクリエーション、環境、水力発電)
07. 河川、帯水層、河口、沿岸水域
08. 水資源、環境、生態系
09. 上水と下水
10. 都市と地方の水問題
11. 灌漑と排水
12. 水と衛生
13. 大規模、中規模、小規模な水資源プロジェクト及びプログラム
14. 国家、地域、ローカルレベルの水関連行政組織
15. 公共及び民間セクター
16. 政府とNGO
17. 各種水利用のニーズを満たすための貯水池放流の適時性
18. 水に関わる全ての法的枠組み
19. 水管理に利用できる全ての経済的手法
20. 上下流の課題
21. 利害関係者の多様な利害
22. 国家、地域、国際的な課題
23. 水関連プロジェクト、プログラムおよび政策
24. 水に関わる全てのセクター政策
25. 越境河川問題
26. ボトムアップ及びトップダウンのアプローチ
27. 中央集権及び地方分権
28. 国家、地方、ローカルレベルの水資源関連活動
29. 国家及び国際的な水政策
30. 各種水利用に対する放流の適時性
31. 気候、生物、人間、環境などへの影響
32. 全ての社会的集団(富者と貧者)
33. プロジェクトの受益者と費用負担者
34. サービス供給者と受益者
35. 現在及び将来世代
36. 国家のニーズとドナーの利害
37. ドナーの活動と利害
38. 水質汚濁、大気汚染、ごみ処理
39. 多様なジェンダー問題
40. 現在及び将来の技術
41. 水資源開発と地域開発

IWRMに関わる研修や調査計画を進める上で、現状の水資源管理の現状分析、ニーズ、検討優先順位などの検討・整理の予備的な作業に役立てそうだ。

本ブログの各論的な話題提供のラベリングにも使えそうだ。これと同じように、Water Efficiencyについても整理できるのでこれについてはまた作成したい。下記にいくつか紹介したようなintegratedで始まる類似の略語はあるがそれらについてはIWRMに包括される概念として本ブログでは言及しないこととする。

1. IRBM (Integrated River Basin Management)
2. IFM (Integrated Flood Management)
3. IDRM (Integrated Disaster Risk Management)
4. IEM (Integrated Environmental Management)
5. IWM (Integrated Watershed Management)
6. ILBM (Integrated Lake Basin Management)

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