アメリカにはIWRM計画はないと以前述べたが、計画手法としてIWRMを取り入れたものは存在する。
04年であるから02年のWSSDや03年のWWF3の直後である。アメリカ工兵隊・土木事業戦略計画(04年からの5ヵ年計画である)。計画が実施されたかは不明である。09年が最終年であるから来年以降に結果が公表されるであろう。土木事業戦略計画とはすばらしい。日本では土木という言葉が死語化しているからだ。civil worksにこだわるエンジニア魂がうらやましい。
06年には、工兵隊IWRの専門家によってIWRMの定義と観念的思考(conceptual musingsだからもうこれは哲学か?!)というアメリカ人らしい論文も出されている。IWRMの4つの言葉の辞書的な定義から始まり、アメリカ及び工兵隊におけるIWRMの目標、、既存のIWRM定義との比較、流域管理との関連が論じられている。アメリカ人ですら辞書で確認するほどのIWRMだ。アメリカ人にとって、integratedはAとBが普通だ。50年代には黒人と白人が一緒に学ぶintegrated schoolが歴史に刻まれている。integrateの対象が無限では辞書を引きたくなるのも当然である。
昔は、と言っても70年代だが、交通計画の最先端を学びたければイギリス、水資源計画ならアメリカと言われていた(特に経済分析手法は)。実際、最高権威学者は夫々の国に居られた。80年代に入るとアメリカの水資源開発計画論は萎んだ。既に環境に話題は移っていた。あれから30年、アメリカがIWRMという欧州生まれ(フランスあたり)の概念と実践に立ち向かおうとしているのか?
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