2011年9月24日土曜日

1307:世銀の日本人雇用動向

何といっても各国で信頼できる情報を提供するのは世銀報告書である。

この点がアジ銀とは違う。アジ銀もがんばってはいるが、世銀には遠く及ばない。

さて、このところ世銀の日本人登用で変化がみられる。もう20年以上にわたって日本人の国際機関人員の不足が議論されているが、全く改善されない。

1ドル76円では年収でも魅力がない。10万ドルでもたったの760万円だ。1000万円稼ぐのには、13から14万ドルだ。こんな低い年収では子供も育てられない。

年金や免税といった特権もさまざまあるが、62歳で定年して日本に戻れば価値は半減だ。歪なプライドだけが残るだけ。そういう人がうちの会社にも数人いる。

去年あたりから、新しい登用体制ができつつある。日本に限っているわけではないが、出資国が2年ほど給与を肩代わりし、出資国によって選定された専門家が世銀に仮雇用されるシステムだ。

32歳以下のヤングプロフェッショナル、32歳以上のスペシャリスト(ジュニアや一般)などが選定されつつある。ジュニアが30代で一般が40代だろうか。

水資源に限ると、タンザニアの水資源専門家でジュニアと一般の2名の採用が考えられている。50代のシニアに日本人職員がいるので、3人体制でやるようだ。現場で、シニアの指導の下、2年間ジュニアと一般を養成し、3年目から世銀職員にさせようとする発想だ。

ずいぶん親切で優しい体制だ。そこまでしないと日本人世銀職員が増えないようだ。

実際、いろんな国で世銀の専門家にも会うが、シニアでも大したことはない。むしろ、ミッションではコンサルタントの方がよっぽど優秀だ。

日本人のレベルの低さはまず英語力。論文を書く能力低い。

ところで、タンザニアの水資源開発管理支援では、世銀は決してうまくは行っていない。

日本人の「3人組体制」は苦笑してしまうが、フェーズIIでいい成果を残してほしい。成果はすぐ入手できるからごまかしが効かない。

世銀も優しさの時代に入ったようだ。甘えにつながらないように祈念する。

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