2012年2月14日火曜日

1321:コロニアス・ウニーダス

今日の作業は、この国の土地所有制度のまとめ。

小規模農家の半数以下が土地を所有していないという統計がある。彼らは土地所有の申請中とのこと。不思議なことだ。こうした統計をどう判断しようか。

さて、農協の話。

水資源に係ってきて31年。農協の活動を調査した経験は今までほとんどない。全国、地域、流域ごとの水資源開発あるいは保全計画には係っているが、民間セクターの一つである農協の活動をちょっと見たのは、比国のビコール川流域だったと思う。しかし、あんまり詳細には検討していない。単なる水利用組合だしね。

なぜなら、一般的に、農協が流域開発や保全に積極的に係る能力や熱意がないからである。

この国はちょっと事情が違うらしい。

農協が組合員に対して流域保全のための植林事業を財政的に支援している事例があるからだ。それだけではなかろうという予感があり、調べた。

農協が係る38個の流域保全計画が出てきた。さらに、農協連合会がFAOや林野庁と共同して全国的な森林再生計画を発表している。

農協の収益の一部を公共的に使うことが法律で定められているようである。

その最先端を進んでいるのが首題の農協なのだ。

彼らの活動には、資金面が豊かということ以上に、ある種の「哲学」を持っているように思える。

ある人が言っていたが、この流域単位で開発し保全するという考え方は日系入植者の経験を基にしているのだそうだ。

ますます、興味が出てきた。日本人の知恵がこの南米で活きているのだろうか。

帰国前には、現地を訪問する予定だ。

陸域、水域、そして湿地帯を入れて「流域」なのである。

水土の知、と日本では言っている。

アフリカで新たに全国水資源開発管理計画調査が開始されようとしている。係るコンサル各社(4社)に果たして「哲学」はあるのだろうか?

あることを期待している。その哲学を現地で移転してほしい。

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