2012年2月21日火曜日

1332:Sushi de Alcatraz

そこは広大なアメリカ大使館の裏にひっそりと建っている。

表札もない。古ぼけた2階建てのビルだが、人の出入りも少なく、一体どんな事務所なのだろうかと思えるほど静まり返っている。

事前に会う約束をしているので、いつも通り入り口の受付で会う相手の名前を告げた。

ガードマンは職員用の名簿を探している。探すほど無名の人ではないと思っていたので、いぶかしく思った。

何度探しても見当たらないと言う。まさかねえ。

隣の部屋から魔法使いのようなおばさんが出てきて、その人は2階だと言う。2階の部屋まで暗い廊下を魔法使いについていった。

ドアをノックしても反応はなし。

おかしいね、さっきまで電話していたのに。

仕方なく、入り口まで戻る。

1階の奥にいたはずだという話があり、ガードマンが先に行きドアをノックすると、会うべき人が出てきた。

その人はその機関ではかなり古株だから、ガードマンが知らないはずはないのだ。おかしなことが起こっている。

その方はずっとその機関で働いているが、今は「幽閉」されていると言われている。

幽閉というのもおかしいが、幹部からある意味嫌われ、首にはならずに左遷させられているそうだ。

そういう事情の方々が何人もひっそりと仕事もなく居る事務所だと言われている。

アルカトラス。

さすがにその方は事情通。昔のことをよく知っている。かなりの情報が得られた。

不気味な事務所に幽閉されていても自信たっぷり。ちょっと呆れた。

話の途中で今読んでいる本を紹介された。

Suzanne Visserの

Sushiという題名のサスペンス(2007年)

1997年、東京赤坂で起こった猟奇事件。人間を切り刻み、寿司のように。。。。

幽閉された仕事場で猟奇事件の本を読んでいる。

さすがに、アルカトラス・オフィスと言われる雰囲気があるね。

映画ハンニバルのようだ。

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