2010年7月2日金曜日

696:ある論文

2010年の段階で統合的水資源管理を論じるのはかなりの難関であるが、今日入った論文のサマリーは以下の通り。コメントはなし、ということで。本文は、サイトから手に入る。

IGES白書III:第7章

水の有効利用の促進:経済的手法の適用
mizuno yukoriyouno sokushin: keizaitekishuhouno tekiyou

English translated title: Promoting Wise Use of Water: Application of economic instruments


Author: Kataoka, Yatsuka and Shrestha, Sangam|2010/06|In アジア太平洋における持続可能な消費と生産:資源制約を乗り越えてアジアは豊かさを実現できるか, 2010. p141-160.|Publisher: IGES(Hayama, Japan)

Language: Japanese|Publication Type: Book Chapter/Section|Copyright: IGES

Abstract:

水ストレスは世界的な問題であり、特に安全な水を利用できない人が多く暮らすアジアの途上国において重大な問題である。人口の増加等、長年の社会経済的要因に加え、気候変動が水ストレスに対する懸念の高まる一因となっている。本章では持続可能な水利用の推進に関し、特に政策ツールとして経済的手法の利用について以下に掲げる点について議論している。

―水ストレスの増大に対処するには、新たな水源を開発するよりも、水利用のあらゆる局面で持続可能な水消費を推進すべきである。

• アジア各国で経済的手法(EI)を適用した事例から、EIだけでは持続可能な消費を推進できないことがわかる。

• EIの導入が貧困層の安全な水へのアクセスを必ずしも妨げるわけではないが、水道への接続費用の助成等、適切な資金援助が必要である。

• EIを有効なものとするには、水道料金の効果的な設定、清浄な水を利用する権利の確立、適正な水利用の計測システム、給水サービスの信頼性の改善(供給時間の安定化、水質の改善等)等が必要である。

• 現在の水利用の分野別の管理が、水資源が持つ真の経済的価値を反映する上の障害となっている。これに対処するため統合的水資源管理の考え方を進めなければならない。

0 件のコメント: