以前、シルダリア河最上流のトクトグル貯水池の水位低下問題を取り上げた。UNDPが中心になって水位低下による関連国(キルギス、カザフ、ウズベク)の社会経済への影響調査を実施し、各国に問題解決への連携を要請したのだ。それが昨年10月。
キルギスは通常なら冬季のトクトグル貯水池の運用を発電優先にし、600m3/sの放流を行っているはずだった。これが下流国の人工的な洪水を発生させ、4月以降のかんがい用水の不足という大問題が予想されていた。
10月から継続的にトクトグルの貯水池水位をモニターしていたが、結局2月まで放水量を400m3/s程度に抑え水位も徐々に復帰してきた。3月になれば流入量も増加に転じ、これでUNDPが懸念した社会経済的危機は回避された。
UNDP関係者はキルギスから一切トクトグルの水位変化などの情報が得られなかったので、適宜情報を日本から提供していた。結果的にいい方向に推移してほっとしている。
中央アジアの水資源問題についてはドイツのGTZが大規模な支援策を発表したが世界的大不況の影響がでないことを期待したい。残念ながら日本政府は「第3回中央アジア+日本」の会議では水資源問題は中心的なテーマにはならなかった。ドイツの支援策も考慮してのことだろうか。
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