2009年10月25日日曜日

445:インドネシア流域管理

何年か前にインドネシア南スラべシのダム堆砂対策調査を受注した。普通では受注できる会社ではなかったが何とか秘策で頑張った。

この会社は通常応札はするが受注できなくても構わない「素敵な会社」だった。団長として応札する予定だったが、ど素人の方が団長させろと言ったので仕方なく受けた。本命会社は案件形成、調査から設計、施工監理まで実施したコンサルだから受注できる可能性は低かったが、その会社の弱点を徹底的に分析した提案書を作成したし、ダム堆砂対策として上流域の流域管理対策については秘策があり自信はあった。

予定通り受注したが、ど素人団長以下は親会社の出向組や同じくど素人社員だから作業は難航した。ダム堆砂対策は彼らに任せ、小生は現地大学研究者らと一緒に流域管理計画を担当した。

そういう立場は苦しいが、会社自体がおかしいので我慢するしかない。インドネシアの研究者は期待以上のできで助かった。お陰でいい流域管理計画が出来上がった。

反対にダム堆砂チームはいい加減な解析とダム堆砂対策はコンプライアンス違反の売り込みしてきたゼネコンのいい加減な対策工を100%鵜呑みにして水理解析もいい加減にして最終報告書にしてしまった。世界的な権威や実務者にも相談せずゼネコンのアイデアを鵜呑みにするいい加減さはやはり電力会社の出向者だからである。実は類似の検討をしたある電力会社が某国にあり検討したコンサルから実例を伝授していたが、その国では却下された案を技術的な検討もせず採用してしまった。某国の件は言っても仕方がないので黙っていた。

そんな計画も数年塩漬けになった。今また動きそうなのである。しかし流域管理はなしである。

さて、今日のニュースでインドネシア向け環境対策のODAが進むらしい。森林破壊による流域管理も対象だと思う。

ダム堆砂対策工か流域管理かという重要な命題だ。

今度のダム堆砂調査はまともな検討をしてほしいものである。団長は長期専門家だという。またど素人の登場か。コンサルの低迷は止まらないようだ。怒りはないが呆れてしまう。

コンサル或いはエンジニアとしての良識・良心はどうもなさそうだ。致命的な失敗をしてから考えるのだろうか?

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