2009年10月30日金曜日

451:UNESCO基礎研究の凄さ

昨年は水フォーラム対応で忙しくしていたが、残念なことはUNESCOが纏めたIWRMマニュアルである。内容的には実用が難しい。全くIWRMを実践していないでマニュアルを書くのだから当然である。スパイラルは前にも後ろにも動き停滞もする。スパイラルに広がりがないので成長しないモデルであり、最終目標点もない。フィードバックもない。これでは直ぐに行き詰ってしまう。成功例がプログラムではなくプロジェクトという考え違いもある。妄想的なおごりかもしれない。IWRMという言葉だけに振り回されては実は得られない。

そんなUNESCOだが、基礎研究的な出版物にはすこぶる定評がある。IHPに準ずるマニュアルは実務的に常にレファーしている。低水・高水など水文に係る調査研究成果は実務で使えるのだ。

最近UNESCOからメールでお知らせがあり有用な文献が複数手に入った。

具体のことはこれからのプロポで書くので言えないが、ある地域の水文気象及び水収支モデルの地域研究報告書がある。某国の担当は既に他界しているお二人が作成したものである。先月まで滞在した国の水資源関連省の幹部で逸材だったので、個人的には非常に残念だ。

お二人が行った調査研究を何とか引き継ぎ、後輩らに伝授することができれば幸いである。

偶然とはいえ、彼らの熱意と情熱の成果を得たわけだから次の案件にうまく繋いでおこうと考えている。こうした成果が現地で組織的に残っていないのが大きな課題であった。

コンサル会社でも個人的な経験や知見が組織的に整理され知識管理されていないのが実情である。もう若手に知見を伝授することはないが仕方のないことかもしれない。本でも書けばいいのだが専門し過ぎて売れないか。大学で教えるという手もあるか。

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