丁度また90年と符合するが、トルコ東部のE水力開発計画調査が終わったのが90年である。小生は南東アナトリアでの仕事と掛け持ちで、調査団にはアンカラで合流。トルコの水力開発調査はEIE、設計と工事監理はDSIが担当である。
あれから19年。E水力開発の現状はどうかと探った。何と02年から工事が開始され間もなく運開のようである。90年代まではJICAがF/Sを実施し、D/DとS/VはJBIC融資という段取りだったが、既に水力開発事業にはODAは対象とせず、また当時環境社会配慮が煩く世銀もトルコの水力開発から撤退。下流のK水力事業も頓挫していた。
E水力開発も99年にローカルコンサルによってD/Dが終了。02年からヨーロッパのBOT(?)で工事開始したとのこと。D/Dで修正があったにせよ、ダム高210mのアーチ式コンクリートダムは圧巻だろう。ギョクス川渓谷中流域の狭窄部に位置している。発電出力30万キロワット。
初めてのJICA調査参加であり水文・水理を担当。PMP、PMF、融雪による日流量変動、貯水池オペレーションなどなど水力開発に係る水文・水収支を徹底的に学んだ。勿論F/Sそのものと経済財務分析などなど。団長は筋金入りのプロで人格的にも尊敬に値する方であり、入社時の面接担当でもあった。
多分E水力開発の動向なんてもう誰も気にはしていないのであろう。しかし小生にとっては始めての水力発電F/Sであり、忘れがたいプロジェクトであった。一度は完成された姿を見てみたいものだ。
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