2009年2月20日金曜日

101:イギリスの最新水管理計画(あえて統合的とは言わない品格)

101号というある意味自分のマイルストーンである。

今までフランス、アメリカの水資源管理を探ることはあったがイギリスは始めてである。100年を超えるコンサルタント活動、特に海外での水資源分野でのイギリス人の活躍は目覚しい。今までもマクドナルド、ハルクロー、ビニー、ギブなど錚々たるプロと一緒に仕事をした。意外とイギリス国内での水管理については無関心であった。

そのイギリスの水管理の最新情報に触れたことは感激でもある。

前回間違いがあり英国環境庁が発表した流域管理計画はイングランドとウェールズのみで11流域。

2000年に合意したWFDにより、昨年2008年12月(つい2ヶ月前だ!!)に上記11流域の流域管理計画(案)が発表された。6年後の2015年、そして21年、27年となぜか6年ごとに見直されることになっている。

同時に、戦略的環境評価報告書も出され、今後1年かけてConsultationが実施される。1年後利害関係者からのコメントを元に最終化される。1流域での報告書をレビューするだけでも大変でこれが11流域ある。

こういったプロセスでの水管理計画は始めて見る。ある種の感動である。報告書案に全ての利害関係者への質問項目がある報告書なんて始めてみた。外国人である自分もコメントできるシステムである。

以前所属していた会社の幹部がイギリスなんて水資源や河川を語る立場ではないと傲慢なことを以前言っていたが、イギリスにも河川流域はある。洪水も渇水も発生する。その水管理計画のプロセスは上記報告書群を見る限り現在世界的に先んじている。

報告書を見てまず感じること。中身は統合的なのにIWRMなんて一言も無い。せいぜいintegratedとintegrationがごく普通の表現で1回程度使われていること。まさに自然な英語表現だ。ただしactionはかなり多い。

要するに、すでに世界の良識ある人たちには「IWRMというプロモーション」は必要ないということだ。これからじっくりと中身を精査する。何しろ11流域。1流域あたり数百ページだから全部で1ヶ月はかかるかも。

イギリス人の底力を感じた。まだまだ土日もお勉強かと半分がっかり。200号へと更なるマイルストーンまでがんばりたい。それにしてもここ1週間は大きな進展があった。

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