IWRMが高々と謳い上げられてもう8年ぐらいになるが、学者や実務者から批判が上がっている。ビスワスはその第1人者であり、彼の調査によれば大よそ40%程度の出来だと仰る。
二つの大きな批判があろうか。
1.IWRMの定義があいまいであり、明確な方法論が不足している。
2.IWRMの運用化の問題が大きい。
こうした批判を出発点にした調査が07年から3年間実施され、今年1月に1冊の本として纏められた。
ヨーロッパとアジアの6カ国の、
• Tungabahdra (2 states in India)
• Sesan (Vietnam/Cambodia)
• Glomma (Norway)
• Tagus(Spain/Portugal)
の4河川流域を対象としている。まだ本を購入していないので内容の精査は帰国後となる。
関係する13機関は多岐にわたり、
• Norwegian Institute for Water Research (overall co-ordinator); NIVA
• Norwegian Institute for Agricultural and Environmental Research (scientific coordination); BIOFORSK
• Joint Research Centre, Ispra, Italy; JRC-EC
• Univ. of Dundee, UNESCO Centre for Water Law, Policy and Science, Scotland; UNESCO Centre Dundee
• Institute of Geography, Vietnam Academy of Science and Technology, Hanoi, Vietnam; IoG
• CONSEJO SUPERIOR DE INVESTIGACIONES CIENTIFICAS, Instituto Pirenaico de Ecología,
Zaragoza, Spain ; CSIC-IPE
• Centro de Estudos de Hidrossistemas, Instituto Superior Técnico, Technical University of Lisbon, Portugal; IST-CEHIDRO
• University of Oslo -The Centre for Development and the Environment, Norway; UiO-SUM
• The Institute for Social and Economic Change, India; ISEC
• Society for Promoting Participative Ecosystem Management, Pune, India; SOPPECOM
• Centre for Development Research, Bonn University, Germany; ZEF-Bonn
• Linkoeping University, Department of Management and Engineering Sweden; LiU
• Water Research Institute - National Research Council, Italy; IRSA
である。本のタイトルは以下の通り。
「Strategy and methodology for improved IWRM - An integrated
interdisciplinary assessment in four twinning river basins」
マニュアルやガイドラインを読むよりは良さそうだし、成功例という思いあがったところがないので実務者にはいい参考書になると思う。比国パンパンガのIWRM計画調査からは何かを創造するようだ。ただし大統領選挙後だという。そういう大上段に構えるとうまく行かないと思うがいかがであろうか。流域独特の課題を積み上げ利害関係者と密に話し合うことが肝要と思う。マニラで仕事をしていては埒は明かないのではと危惧する。まずは現地でじっくり課題を精査することが重要であるがいかがであろうか。
さて、先ほど省の若手から電話があり、やっと鍵が設置され明日の朝にはご入場可能とのこと。鍵は3つのドアにそれぞれ1、2、2個あるとのこと。私は金庫の中で仕事をするのでしょうか。それにしても一番の若手に支払わせるとは省も情けない。勿論明日私がリファンドするのだが。彼も若手ながら賢いし公務員ながらコンサル会社を持っているというやり手だから小金はあるのかもしれない。
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