前号で紹介した首記報告書を雑に見てみた。土曜だから映画鑑賞までだが。
取りあえず、integratedというキーワードだけで見てみる。一字一句読む暇もないし。さて、結果は以下の通り。integratedはたったの12か所しかない。100ページの内である。
01. The multi-dimensional and integrated nature of sustainable development
02. In a balanced and integrated manner
03. Integrated analysis of the indicators
04. Integrated economic, social and environmental policy across sectors, territories and generations
05. Monitoring results can be integrated into broader NSDS progress reports
06. The System of Integrated Environmental and Economic Accounting (SEEA)
07. Integrated national account frameworks such as the SEEA
08. Integrated approaches and sustainability principles
09. Implementation of integrated water resources management plans
10. The framework of integrated water resources management
11. Integrated approach to the planning and management of land resources
12. Application of integrated approaches to the development, management and use of water resources
どうお感じになるだろうか。最後の二つは、アペンディックスのアジェンダ21と02年のWSSD(目次のみ)からだから本ガイドラインとは直接関係がない。だから正確には10個である。100ページで10個だからかなり少ない。
09と10も水セクターに係る記述なので、11と12の発想からintegratedが使われているのだろう。
さて、01から08のintegratedの使われ方はどうも特別の意味合いではなさそうである。水資源に限って意味合いが特別になっているように感じた。これは以前のブログで述べたとおり。
本ガイドラインでは特にintegratedの定義はされていないから、一般人から見れば全て辞書通りの意味と取るだろう。そりゃそうだ。
良く使われるIWRMのようにIに特別な付加価値をつけたのが、なぜ水セクターだけなのだろうか。本ガイドラインは07年の第3版であるがIWRMという略語は一切使われていないのだ。それにしても本ガイドラインからも統合的ないしは統合の具体的な意味がすんなり見出せないのである。
中身はまたじっくり読んでみるが、統合的という定義は明確ではないし、自由裁量的になっているのが分かる。
また余談になる。
仕事などでコンピューターソフトを利用する場合には、マニュアルやガイド、参考書をじっくり読んでから使うか、あるいはトライアル・エラーで直接実践的に臨機応変に動かし、多々ある問題の発生時に適宜マニュアル参照することにしているが、最終的にはうまくソフトを動かせた後には、マニュアルの中身がほぼ理解できることが多い。大システムソフトなどではマニュアルが膨大で読む気にならないが、ソフトを何とか苦労して自在に動かせると、マニュアルの中身は不思議と直ぐ頭に入る。そうした経験は多く持っているのは私だけだろうか。
持続的開発は何かを実践で検討してきてそう長くはないが、本ガイドラインも意外とすんなり頭に入る。その逆はあり得るのだろうかと若干疑問に思ったりもする。
何を言いたいかというと、ガイドラインやマニュアルを読んでも直ぐ実践に使えないのではという危惧がある。本ガイドラインはUNESCOのIWRMガイドラインに比べればうまく整理されているが、細かく見て見ると曖昧な記述も多い。
さて、実践の複雑系をさまざま経験してからガイドラインやマニュアルを見るか、ガイドラインなどを学んでから複雑な事例に立ち向かっていくか?さあ、どうしましょう。
時代遅れのコンサルとしては感として前者を取りたいと思っている。
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