2009年11月1日日曜日

453:Cold Case

帰国してやっと1カ月、ホームとしても作業環境にも慣れテレビも良く見ている。南アでもあったが、WOWOWのコールドケースも見始めている。

主演のリリー・ラッシュ役の女優も魅力的だし、未解決事件班のチームワークも中々よく描かれている。CSIやクリミナルマインドと共に脚本がいいね。

過去の未解決事件がひょんなことから発掘され、最終的にClosedされる。

コンサルも過去沢山の塩漬け案件があるが、自分自身決して忘れることがないし、寧ろ時間の経過とともに気になる存在にもなる。工事監理にこだわりのあるコンサルの多くは工事完成と共に事業のその後の管理にはあまり興味がない方が多い。

調査計画は建設後の管理を想定して実施することがあり、建設後の管理は無視できない。だから事業が完成してもClosedではない。

我々水資源専門家にとってClosedは流域開発がほぼ終焉し、後は管理だけという流域の状況がClosedとなる。開発がClosedしただけで管理がClosedしたわけではない。

コンサルは刑事のように隠された事実や課題を明らかにして持続的な開発及び管理を計画するのだが、中々難しいことも時々ある。

調査が進んでも事実確認が後退することもある。

05年に中央アジアの水資源地域連携調査を実施した際は、それまで実施されてきた国際機関や地域の調査計画の全貌を少しずつ明らかにしたが、次に行われた08年調査では、05年調査経験を無視し妄想的な仮定だけで暴走してしまった。09年調査のTORは08年調査団が作成したのだろうが、内容は05年の結論以上の内容ではなかった。良識のないコンサルはとんでもないことをするなと非常に残念なことと感じた。

別な事例はインドネシアのダム堆砂対策調査である。06年だったかダム堆砂と流域管理調査を実施したが、それまでに作成された報告書の中身の矛盾を知ることとなったが、調査では非常識な結論を出してしまった。その後塩漬けになり、09年に再度調査が行われている。

以上の2例は100%コンサルの不手際である。調査が進んでも内容は後退している。無意識のこともあるが意識的に重要な事実を隠している。これが最悪な状況である。

コールドケースのないのが開発援助なのである。上記の実施中調査も「三度目の正直」になるかどうかが注目される。コンサルの良心が期待されている。

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