2010年12月31日金曜日

999:Joint Attention

2000年だったかな、イランの水力発電工事の所長が言った。

「君は、人の弱みに付け込むね。」と。激しい口調だった。彼もイラン人に散々虐められていたから、部下の所員にまで自分の裏の弱さを見透かされるのは嫌だったのだろうと推測した。月の報酬が500万円では、流石に彼が24時間働いてもクライアントからは報酬に見合った成果は認められないね。随分と欲張ったものだ、やくざな営業屋も。

僕なんかはイランは流刑地だったが、専門職位なしで報酬なしだったからイラン人からは逆に裏の話が随分聞けたっけ。流刑を決定した当時の水資源開発部長(今はコンプライアンス室長だって)は、

「君も新入社員の気持ちで一から出直せ。」と有難いアドバイスをして頂いた。当時46歳。

もう10年も前のいい思い出だ。神様から頂いた最高の修行だね。この事件が今の自分を支えている。

今更、所長(その後海外コンサル事業本部長に出世)を非難する気持ちはないが、ひとつ言えることは、彼は表だけで生きていたんだろう。二人の息子も家を離れた寂しさもあったようだ。父親との和解も出来ず、先に死なれたこともあるだろう。

さて、今日はとてもいいテレビ番組を偶然見た。

40年ぶりで「北山修」を見た。いい顔しているね。いい歳を取るってこういうことだ。片岡義男さんは70歳だが、北山修さんは64歳だとのこと。

彼のレクチャーでは、浮世絵の母子の姿から見える心理の「表と裏」。

本当の心は裏だということ。

コンサルもそうなんですよ。表、即ち表面的な建前しか見ないと本音の裏は見えない。見えなければストレスになるね。イランの所長のように。

裏の交流がないと海外では仕事がうまくいかない。裏での交流(いいも悪いも)がないコンサルは自滅してしまうのだ。

裏で交流し、ある種の安心感がないといけない。裏は心なのだ。

また、北山さんを見ていると中年からの生き方のいい見本を見せてくれる。それと、勉強の大事さかな。サラリーマンコンサルは、殆ど、出世して部長ぐらいになると知性が停止する。

途上国で水管理なんて云う仕事をするには、

joint attention

できる知性がなければいけない。共同で事象を認識し、分析し、解決策を共感する。

こういうことができるコンサルが今あまりにも少ない。来年も小生の再渡航国の南部アフリカにコンサルが来るが、果たして裏の心が認識できる本物の専門家はいるかな。

今日はいいレクチャーを聞けた。中年コンサル諸氏よ、もっとコンサルの仕事の裏を語ってくださいよ。表の建前じゃなくて。継続し、持続的にね!!

情報の結節点になってもらいたいものだ。

やっと、北山さんの後ろ盾で、本ブログも999号で2010年の最終日を迎えることができた。

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