2011年1月28日金曜日

1037:WASHへの係り

僕自身は水の専門家なので、あまり衛生については係りが薄かったが、昨今は、

Water, Sanitation and Hygiene

所謂、WASHを意識せざるを得なくなってきた。具体の地方給水案件でである。

この国でも、深井戸の水質汚染問題と汚染から地下水を守る方法論も考えなくてはならない状況がでてきた。安全な水へのアクセス向上、そして運用できないハンドポンプ付き深井戸のリハビリまではフォローしてきたが、いよいよその先の深井戸水質汚染対策の検討の必要性まで辿りついた。

深井戸が大腸菌などで汚染されることは通常稀であり、精々修繕や維持管理時などに人的なミスによって混入するぐらいは知っていたが、人的なミスでない理由で深井戸にFC汚染が進んでいる現状は深刻だ。

今日も久々水供給局長に会って雑談したが、いよいよこういう問題に取りかかる時期がきましたねと語り合った。

南アでは、DWAFが井戸を地下水汚染から防ぐガイドラインも出来ているし、ナイジェリアでは、NGOと政府が共同で井戸の汚染の実態調査、リスク分析などが進められている。

しかし、この国ではまだそこまでの意識、深刻さが政府、ドナー、NGOでも認識されていない。UNICEFは先日のドナー会議で、これからさらに浅井戸建設を村落で進めるんだと息巻いていた。どういう了見なんだろう。

故障している深井戸のテクニカルな復旧は非常に大事だが、その際には水質分析、周辺および汚染ポテンシャル実態調査、リスク分析およびリスク回避対策などを総合的に行う段階に来ていると思う。動いている深井戸も含めてだ。

この国の初代大統領は昔、

「井戸の水は絶対に煮沸して飲むこと」

と言っていたそうだ。今は、深井戸は安全と云う安心感から煮沸しないで飲む住民も多いと聞く。

最後は、結局、hygiene educationなんでしょうね。だから、WASHが重要なのである、と局長と同感。

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