2011年1月29日土曜日

1042:海水淡水化の限界

自分自身も海水淡水化事業のF/Sを以前実施したが、水需要を全面的に賄うことは想定していない。あくまでオプションであり、表流水や地下水からの供給を補うものだ。オーストラリアでも緊急用として捉えている。

さて、中国だ。海水淡水化事業が盛んに行われていると聞くし、日本の水ビジネス事業にも関連してくる。

しかしだ。あまりにも水需要が多いと海水淡水化事業にその解決を期待し過ぎるのは安易すぎる。淡水化効率は精々60%。それに残留される高濃度の塩水処理は環境上大きな問題である。

そんな問題に言及する記事が下記だ。

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海水淡水化技術に注目する中国、専門家は「水不足は解消できない」と否定的―英紙
Record China 1月29日(土)15時5分配信

2011年1月27日、環球時報によると、渤海湾西岸に巨大な海水淡水化プラントが建設され、中国政府は深刻さを増す水不足の解消の切り札として利用しようとしているが、英ガーディアン紙は24日、海水淡水化技術では中国の水不足は解消できないとする記事を掲載した。

中国の海水淡水化プラントはパイプのダメージが避けられず、コスト面での問題も大きいという。環境保護団体は「たとえ技術が進歩しても、海水が中国の水不足を解決する最良の答えにはなり得ない」と指摘。海水淡水化は環境への負荷が高く、生態系のバランスを損なう危険性があるため、旧来の水資源保護とCO2排出抑制を進めることこそ重視されるべきだとしている。

CLSAアジアパシフィック・マーケッツの関係者は、中国は今後さらに20カ所の海水淡水化プラントを建設するとみられるが、建設が計画されているすべてのプラントを合わせても、北京で必要とされる水の半分しか供給できず、問題を根本的に解決することは不可能だと話している。(翻訳・編集/岡田)

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