2009年9月4日金曜日

403:海外コンサル要員不足の深刻さ

今日は5時起きでメール対応。丁度7時間遅いので丁度いい。何件か処理してこれから朝飯だ。若い時からこんな風にしておけばよかったと思うが後の祭りである。

さて、メールの中にある知人からの調査参加のご依頼があった。東南アジア某国での水力調査だ。水文専門家がいないらしい。もう日本のコンサルも水文専門家が不足しているらしい。そういう話は別件でも聞いている。水文担当は早い人で大体30代始めからだろうか。今は20代が業務調整とかやって、30代に入って水文あたりから調査団に参加する。

小生は長らく研究開発部門にいたので実務参加は比較的遅い方だ。始めてJICAさんの案件の専門家で海外に出たのが35歳。それまではシステム分析専門家であった。37歳ごろには既に副団長候補だったし、42歳では団長だった。それ以降は団長だけでなく殆ど全ての専門家を渡り歩いている。

話を戻すと、水文専門家がいないということは30代以降の中堅がいないということになる。40代は既に副団長か団長だから水文がいないと調査団を構成できない。深刻である。水コンの徒弟制度が崩れたことを意味する。

一方、こうした海外水コンの人材不足はクライアントも大変憂慮している。再公示ばかりでは案件をうまく消化できない。

さてどうしよう、といっても企業自体が自滅的な経営していては優秀な人材が育つわけがない。そこで国内コンサル部門から海外部門に移動させようとしているらしい。

昔から総合コンサル会社では国内・海外部門があったが、実質人的交流もなく国内から海外に移籍することは国内コンサル部門からも嫌がられている。なぜなら優秀な部下を取られたくないからだ。そのため、喧嘩しても海外に行きたい奴か、あるいは能力がないとか嫌われている奴が海外に移籍してくる。

入社のとき希望を聞かれるが、海外を希望していても残念ながら国内にまわされる不遇な人もいる。海外はある意味コンサルのエリート意識があった時代もある。今は事情は違うようだ。

コンサル会社を希望しても海外は嫌だという人もかなりいる。

今頃になって、国内部門の若手中堅を啓蒙しても誰も海外には振り向かないだろう。既に海外と国内の業務の違いは熟知しているのだ。彼らの知見、経験、英語力では海外で優位性はないことは承知しているはずだ。

そうした啓蒙運動が成功することを祈念しているが、時すでに遅しという印象を受ける。

持続した海外要員育成が急務であったのだが、この10年以上コンサル業界全体が人材育成にかなり怠慢であったのではなかろうか。組織強化すらできていない。

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