2009年9月1日火曜日

399:コンサル会社の経営

さて、本日分の作業はこれでお終い。基本的に残業はしない主義なのだが、年を取ると作業が楽しい。昔は無手勝流の天才的な団長さんとかいて、優秀なんだけど作業がかなり進んだ段階で「やっぱこっちの方向で行こう」とか言い始め、手戻りが多いことがあった。だから2度手間、3度手間が頻繁で難儀したものだった。

副団長クラスになると上は団長だし、そのころは理不尽な団長さんもいなくなり自由自在にやっていた。団員は気心が知れた連中だし実に楽しかった。

団長になっても同じような状況もあったが、自分だけ日本人であとは全部外人とか苦労も多い。団員が自分以外本格的な調査計画をやったことがないとか、とんでもない団員構成の時もあった。今から思えば良く受注できたと思うが、CV上は皆さんそれなりにやっているのでクライアントも分からなかったんだろう。これが旧JBICの方だと、「このTさんは確かスリランカで水力専門家でしたよね。今回の水供給は大丈夫ですか?」と鋭いコメントがきたことがあって冷や冷やしたものだ。何とかT君を弁護して収まったが。

最近は一人での赴任も多くなり、団員のいない一人プロジェクトだ。これも人によって大変と感じるらしい。そりゃそうだ。誰も助けてはくれない。業務調整から団長的な作業まで全て自分でこなさなければならない。
でも、これが大変面白い。4,5人分ぐらの分野をカバーするがあとになってみれば全てを詳細に把握できる。こんなことは調査団では中々できない。特に解析作業は若手に任せるが細かなところまではフォローできない。社会環境、経済分析などは、ある程度は任せないと埒が明かない。

コンサルも調査団を作ってやるわけだけど、経営的には利益があまりでないらしい。何でか分からない。

先日あるコンサルの社長さんとメール交換したがクライアント側にもっと考えてくれないとこぼす。クライアントに物申すわけか。そこの会社の事務を担当する方は良く知っているが、徹底的に間接経費を抑えているはずだ。社長はクライアントに何してほしいんだろう?もっと報酬やM/Mを出せと言いたいのか。

そんなこと言っていたら、世銀やアジ銀などの国際機関の調査案件は絶対に利益が出ない。日本のコンサルの報酬は今や世界一なのだ。

昔は世銀の調査案件だと、3万5千ドル程度あったはずだ。最近はぐっと下がって2万ドルいけばいい方じゃないだろうか。昨年アジ銀案件の形成をしたが、この時は1万6千ドルで見積もった。

日本の場合は、大体2万5千ドルぐらいはいっている。不足があるのだろうか?あるいはM/Mが少ないとか。そんなこと言っていたら、世銀やアジ銀は日本の2分の1以下のM/Mだ。

TORで示された調査計画を行いその対価として報酬を頂くのがコンサルの基本であるから、クライアントにお願いすることがあれば堂々とクレームすればいいことである。その社長さんがクライアントにクレームした事実はない。寧ろ粗雑会計で2カ月の指名停止をもらったぐらいだ。世銀やアジ銀、あるいは民間案件でたくさん受注したとも聞いていない。設立して14年だが会社規模も大して変わらない。

クライアントにしてもらうことがあれば、提案したり、クレームしたり行動を起こしてほしいものだ。経営的に成り立たないのであれば廃業すべきだ。

何か手づまり感や閉そく感があるのだろうか。社長としての実力の劣化ではないのか。

小生は国際機関の案件をかなりやっているが、TORに準じた仕事をきっちりM/M以内で実行する癖を身に付けた。イギリスやフランスなどのコンサルは意外と経営的に安泰であり、嫌いな仕事は受けない。なぜならそうした無駄な作業を持ちだししてまでしないからである。サービス残業などしても儲からないコンサルはどこかおかしい。それをクライアントの責任に転嫁してはいけない。

と、その社長さんに言えないので、ここで愚痴った。誰も読まないし。

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