以前テレビで最近有名になった女性の経済評論家が言っていた。外資系の会社では会議で発言しないと無能であると。
正論である。しかしこれは外資系だけではない。国際会議などでも一言も発言しなければ意味がない。議事録は後で入手すればいいのだから。
モットーとしてどんな会議、特に国際会議では一言でも機会を与えられれば質問やコメントすることにしている。どんな有名人がいようと権威者の集まりでもだ。
20代、30代でもお勧めしたい。コメントだけでもいい。できればコメントと質問をしたいものだ。どんな国際会議に参加しても発言しないのはお金の無駄使いである。海外まで出掛けて何の意見も言わないのでは意味がない。オリンピックではないのだから参加することに意味はない。
以前、世銀主催の国際会議でテレビ会議のため有名なエジプトの水資源省大臣に質問したが面白かった。別の世銀のアフリカ関連の会議ではアフリカ担当部長の発言に同意した後、レソトの汚職問題は結局どうなりましたかと聞いたところ、担当者はたじろいでいた。しかし、相手はつわもので、その話は個別に新橋の焼き鳥を食べながらしましょうよとうまく逃げた。さすがだ。
単純な話だが、外国人と議論するときは、
1.相手の数倍話すこと。せめて同じほど。ただし間抜けなことは言わないこと。
2.最後には自分の発言で終わること。コロンボ刑事と同じ発想。これが意外と利く。
3.おまけだが、YESは2回以上言ったらいけない。無条件降伏だ。中年以上で直ぐ言ってしまう方が多い。
4.欧米人が異常に好意的なら、自分の肩書を意識してるか、あるいは大きな利を求めている場合だけだ。要注意。コンサルの場合はあまりないことであるが。
5.自分は英語が不得意です、と絶対に言ってはいけない。言わなくても分かるし、最初から負けで馬鹿にされるだけである。
が重要だ。相手が疲れるまで続けられるかが大事である。所謂バトルモードなのだが本当にバトルをしたら負けである。しゃれっ気、遊び、メリハリがあるといい。弱者の弱みに付け込むのはいけないが、強者には、あなたの強みと弱みをちゃんと知っているよとさりげなく伝えることも大切なことである。そういう駆け引きで信頼関係が形成できることが多い。
イランで、ある所長がイラン人にいじめられかなり精神的に参っていたが、イラン人から信頼されることは一度もなかった。イラン人の責任者からそれを聞くのは悲しい現実だ。こういうことはよくあるのだ。団長や所長の不評をカウンターパートから聞く不幸はない。
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