2009年5月23日土曜日

196:Cooking in the danger zone

BBCの面白い番組に首記がある。

先週はカナダのイヌイットで世界で唯一許されているクジラやイルカの狩猟が紹介された。今週はインドである。食文化からその地域の政治経済社会の問題をコックの目線で浮き彫りにするアプローチが気に入っている。

その地域で普通に行われている食材をそのまま食す勇気と覚悟が住民の理解を得てざっくばらんなコメントが得られるとという考え方である。

インド東北部は最貧の地域であり、今でもカースト制の最下層のダリットが多い。彼らの主食はコメ(3期作)だが、インドでどこでも食べられていると思われるカレーの代わりに米のとぎ汁がかけられるだけである。

当然肉はない。そこで昔からrats hunterと呼ばれる猟師が田んぼのあぜ道を掘ってネズミを捉える。味は珍味でチキン並みのおいしさとコメントしていた。インド北東地域はこうした貧困から共産主義が台頭している。

貧困から逃れることは生まれた故郷を捨てることである。インドではモンバイに向かうことになる。そこで成功する人は少ない。多くはさらに都市貧民層となる。600万人ほどいるそうである。

他国でも同じことは言える。トルコの南東アナトリアからは多くの人がイスタンブールに向かう。さらに、ヨーロッパ、カナダ、そしてアメリカ。フィリピンもそうだ。

この番組を見ると我々コンサルタントのアプローチにも大いに参考となる。前回の開発心理学を提唱している日本の研究者を探したが、東洋大学の北脇先生も同じ考えであったのは大きな救いである。

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