2008年12月25日木曜日

41:ミンダナオからオックスフォードへ

ミンダナオのIWRMの実態・進捗を調査するチャンスを得たが、流域の基礎指標にWPIという指標があった。Water Poverty Indexだそうだ。数値は平均60、mediumという評価である。 その川は国レベルの支援対象流域として認識されていないというかわいそうな川である。

あまり見慣れない指標であるため、いつもどおりネットで検索。英国のCEH(Centre for Ecology and Hydrology) Wallingfordの研究チームによって開発されたという。resources, capacity, access, use, environmentの5つの項目に対して統計データから意外と簡単に計算されるとのこと。

研究者の一人にサリバン博士がいるが、彼女はオックスフォード大に移籍し研究を続けている。現在は、WPIの他、CVI (Climate Vulnerability Index)もWPIの延長線で提唱されている。WPIとCVIの利用によって、水利用の優先順位やモニタリングを数値的に評価し、気候変動に対する脆弱性を測る取り組みが進んでいる。まだ詳しいことは精査していないが今後の成果が気になるところである。何しろIWRM研究は言葉が先行し、科学的なアプローチが不足している。

サリバン女史が所属するオックスフォード大・水資源研究センターはEUのAM研究プログラムにも参加し貢献度が高い研究所でもある。

比国辺境地のミンダナオで気づいたWPIがまた新しいIWRMの取り組みを紹介してくれた。サリバン女史はIWRM研究者としては数少ない女性だが、LoGoWaterやNeWaterなど精力的に活動している方だ。

漠然としたIWRM論に少し科学的なアプローチが見えてきたか?いよいよIWRMに名門オックスフォードが参戦か?

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