中央アジア地域の水資源管理開発にここ3年関わっているが、いよいよGTZの登場である。
93年以来、UNDP、USAID、WB、ADBなどが主導して中央アジア地域の越境水資源管理支援が行なわれてきた。98年にシルダリア合意がなされ越境水資源管理の実践かと思われていたが、各国の自国優先策により頓挫してしまった。そのため上下流のバランスの取れた流域管理はdisintegrateされた。
わが国も川口外相(当時)のご尽力や05年の中央アジア+日本(麻生外相の主導)などがあり水資源分野での技術支援も想定されていた。ここ3年国際機関の支援も低迷していたので日本が主導していくチャンスが大きかった。
そこにドイツ政府の登場である。今年4月1日にベルリンで中央アジア水資源問題への支援が大々的に発表されその動向が気にはなっていた。
昨月の中旬にカザフのアルマータでUN主催の国際会議があり、その中でドイツ政府(GTZが担当)の支援プログラムの詳細が明らかになった。
3つのコンポーネントからなり、
1.水資源管理に関わる地域連携
2.越境河川流域に関わる流域一貫のアプローチの実践
3.水管理改善のための国家パイロット事業
の基で、09年から11年までのプログラムが公開された。以前にも述べたが今年から来年にかけてシルダリア川流域の渇水が懸念され、水資源、エネルギー及び食糧危機が叫ばれている中でのタイミングのいい登場である。
今や水資源問題は多国間に亘る問題でありRETAの実施が必須である。こうした多国間に亘る技術支援の可能性を模索せねばならない時期なのであろう。
これから3年間の成果をフォローし、途中で頓挫しないことを祈るばかりである。
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