行き成り、地中海からフィリピンである。明日から久々のフィリピン出張のためフィリピンにおけるIWRMの動向を見てみた。
UNDPは世界で50カ国ほどでIWRM計画の支援をしている。GWPも同様だがUNEPも支援しているとは知らなかった。UNEPはフィリピンのIWRM推進の支援をしているのだ。日本ではあまり知られていない事実である。
まだIWRM計画の枠組み段階である。フィリピンの関係各機関が参加し、UNEPとGWPのフィリピン部局が支援している。06年11月に報告書が出されている。GWPの影響下にもあるということであるが、計画実施にまではまだ相当時間がかかりそうだ。 DENR、NWRB、NEDA、LWUA、NIA、LLDA、FMB、EMB、DILG、MWSS、DOH、DOJ、MGB、BSWM、DPWH-RWS、PAGASA、BFAR、Water Commons Institute、Stream of Knowledge、UP-NIGS、UP-NHRC、NPC、DOE、DOFが参加している。
世銀が今までNWRBやNEDAにIWRM推進を期待したが中々進まなかった。ADBはパンパンガからビコールに対象を変えるようだ。そのパンパンガはJICAさんが引き受けるらしい。国家レベルでは、DENRがIWRMを主導する気配だがどうなるだろうか。RBOも昔はビコール、アグノ川もあったが今はラグーナ湖だけだ。
セブやダバオではLGUが主体の所謂ボトムアップ型のIWRMが進んでいるが資金や能力の制限があり、初期の段階から次の段階に中々進まない。セブはカナダ(PCEEM)やオランダ(REMIND)が市民レベルのIWRM運動に支援したが、JICAさんが開発調査として開始した。
こうしたフィリピンの流域管理、水政策、組織制度などをお勉強したい方は、
winning the water war
という本をご一読を。290ページにも及ぶフィリピンにしては珍しく分厚い。小生が信頼を置いているPIDSの出版物だ。これも意外と知られていない研究組織である。
フィリピンは英語が得意で議論好きな国だからIWRMは持って来いの対象だが、その実施となると政治的に難しい国でもある。
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