2008年12月17日水曜日

32:CALSIMIIの適用で有名な学者が登場するわけ?

31回でCALSIMIIをご紹介した。その中で70年代から活躍のラウスとステジンジャーがレビューアーとして登場し、懐かしさを覚えた。

その実情が分かった。CALSIMIIは北カリフォルニアのベイデルタで展開されている開発計画で利用されている。それはは州政府と連邦政府が共同で進める農業と環境改善プログラムである。00年から実施されている。

このプログラムでは主要なものは全国から集められた専門家のレビューが実施され、ワークショップが開かれプログラムの正当性を示す取り組みがある。CALSIMIIも最適水配分ソフトとして適切かどうか専門家の判断に委ねたという背景があった。

日本で言う委員会方式と似ているが、一般にも広く公開され市民参加型であり、9つの小委員会がある。州のBay Delta Authorityが設立されている。アメリカで最も問題のあった地域であったが、少なくとこのプログラムによって物騒な訴訟はなくなった。94年から6年遅れで実施に至っている。

00年から07年までは大規模なプロジェクトは控えられ、水質改善、制度整備などが中心だ。これらの過程を踏まえ、第2段階の開発へと進むというメカニズムが構築されている。

本プログラムに成果があるかどうかはまだ公式には発表されていない。定性的な評価ではアメリカの国民は納得しないのだ。定量的な成果が求められているが未だ未公開である。 事業実施者にとっては警戒感があるとのことである。

この案件がIWRMとどう関連しているかの評価はない。incentive compatibilityの側面からいずれ評価してみよう。フランスの事例はこれまた来年となる。

0 件のコメント: