2008年12月30日火曜日

50:越境河川の水コンフリクト管理・変革研究の動向

IWRMにおいて越境水資源管理は重要な事項であることは既に述べた。今年最後の50回目ということで、water conflict managementの研究動向について書こうと思う。といっても、ドアを開ける程度だが。

小生の少ない経験で国際河川を対象としたプロジェクトは、

1.ヨルダン川
2.チグリス・ユーフラテス川
3.ナイル川
4.メコン川・紅川
5.シルダリア・アムダリア川

ぐらいだろうか。そのため世界の国際河川の越境水管理の実態とか越境RBOの実情など参考にすべき事例もいろいろ調査したが中々組織的に調査研究している機関は意外と少ない。

さて、94年ごろだったろうか、日本の研究者がアメリカのウォルフ教授と論文を書いていたが、そのウォルフさんがプログラム責任者として実施している「越境水管理に関わるプログラム」がオレゴン州大にある。水資源・流域研究所という。世界の20近くの大学と連携していて確か東大も参加しているはずだ。

国際河川でどのようなコンフリクトが発生し、それをどのように解決したか、或いは解決しようとしているかがケーススタディーされている。お馴染みアフリカのセネガル、解決されないアラル海流域、メコン、などなど。大量の情報があるのが良い。RBOの実態もよくまとめられている。テキサス大のマッキーニー教授も世界の越境河川に詳しいが彼個人の活動であるためオレゴン州大と比べると見劣りするが。

暇な方は覗いて見るといいかも。IWRMの総論でなく、時には各セグメントの課題をじっくり調査研究することも必要だ。

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