2008年12月16日火曜日

31:最適化手法:MILP

久々に線形計画法の最新モデルを見た。

数年前にWEAPがシミュレーターとして全盛で小生もユーザー登録をしている。MIKE11が高水のソフトなら、WEAPは低水の水配分をシミュレートする世界的に有名なモデルだ。

今回はCALSIMIIという加州水資源局とUSBRが共同開発した低水最適水配分モデルである。Mixed Integer LPという。0か1というintegerを使って施設のあるなしを数学的に表現する。非線形な関係は線形化する。動的計画法と比べて、数学的なモデルであるので解はすっきりと求まる(はず)。

CALSIMIIの詳細はまだ見ていないが、適用性の検討をお馴染みの研究者が関わっていた。

コーネル大のラウスとステジンジャー教授
テキサス大のマッキーニー教授

懐かしい名前で、お三人とも有名な水資源システム分析の権威だ。前者のお二人もまだ健在であった。

三人は前述のCALSIMIIの適用性を他のモデルと比較検討し評価している。

MILPも20年近く実務で使っていない。トルコのGAPで水配分と施設の規模最適化検討で、当時ジョンズホプキンス大のコーエン教授のモデルを模してチグリス・ユーフラテス川のダム群と灌漑用水事業との関係を作り上げた。34歳だったから頭脳はまだ少しましだったころだ。 トランク一杯に参考文献を詰め込んでトルコの田舎に持ち込んだ。当時はPCも速度が遅く、ソルバーはLINDOだった。夕方計算を開始し次の日に結果を見た。そんな時代だ。ワープロもワードスター。

今は忙しいので、CALSIMIIの検討は来年にしてみたい。DSSの道具としてまだまだ生きていたのだ。アメリカはまだまだ捨てたものではない。

マッキーニー先生は中央アジア水資源の専門家であり最近も助言を得たし、ラウス教授と共同で先輩が論文を執筆中。コーエン教授と同じJH大卒で工兵隊IWRのユージン技術部長さんは先日お会いしてメールで情報交換している。彼も実はシステム分析屋だ。いつもながら狭い世界の水資源である。

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