2010年3月5日金曜日

581:専門の発展性と持続性?

就職のことを数回前に書いた。事務系の場合は知らないが、技術職の場合は大学か大学院の専攻である程度就職先が限定されてくる。取りあえずどこかに就職することになる。

自分自身は交通に係る土木計画専攻だったが、コンサルへの就職で水分野担当になった。交通計画を捨てたわけではないが、海外コンサルになりたかったので全く違和感はなかったし、計画論的な観点からみれば水の方がずっと面白いと感じ始めた。今でも交通計画は興味ありだ。

会社に入ると、まずは水文、水理の担当から始まり、案件参加に従って、河川及び砂防、水力及び電力、水資源開発及び管理、水供給(村落及び都市)へと専門性はどんどん広がる。

また、企画及び案件形成、計画(M/P及びF/S)、設計及び入札、工事監理、管理などプロジェクトのそれぞれの過程に係ることになる。

年を取るに従って、副団長や団長といった総括的なポジションにつくので、調査団全体の専門もカバーせざるを得ない。ハードからソフトまでものすごく広範である。

そういった過程で過去の専門性を捨てたことは一切ないし、今でも水文や水理も担当できるし、しても全く自尊心を失うことはない。過去、現在、将来が取りあえず何とか繋がっているし、寧ろそれら全体の経験や知見が今の自分を形成している。この間も特殊な水理計算をした。

あまり人のことを批判するのはいけないが、専門性をどんどん変えていく仲間がいる。仲間と言っても同期入社の仲間だ。その一人の最近の専門はPCMである。いつからそうなったかは知らないが、ここ7年ぐらいか。彼の専門もころころ変わった。それぞれの立場で熱っぽく語るので面白かった。

ダムの設計
海外営業事務所での技術営業
港湾の設計・工事監理
コンサル自営業
PCM専門家
PCM・NPO会員と大学院博士課程在籍

華麗なる転身だが、どうも変わるごとに過去を捨てている感じがする。過去が全く関係なかったようなことを語るのだ。ダム開発でアサインされたのに一切作業せず、PCMをしてたと当時の団長からクレームがあったようだ。

僕にはそういう華麗なる転身はできないな。欧州開発銀行のエコノミストになった人もそうだ。過去を捨てている。まあいいんだけどね。それで本人が満足であれば。

しかし、どこか突っ張っているんだね。長い人生でゆっくりと専門性を広げ、且つ掘り下げていくと、過去、現在、将来のアクティビティーが矛盾なく、そんなに突っ張らなくてもいいんだけどね。

自分を正当化するするつもりはないけど、専門の持続性と発展性って重要だと思う。そのたびに年収が上がってくれば幸いである。これが中々難しいのだが。

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