2010年3月8日月曜日

590:神の警告?まさかね!


気候変動と渇水・洪水との因果関係は定量的に解明されていないが、将来の気候変動の影響を水文気象に分析し水資源開発管理計画に活かすことは価値があることだし、直近の課題でもある。

さて、上記の写真はナショナルジオグラフィックスからの転用である。

ヴェネズエラで85年に建設された水力用の貯水池の水位が下がり、湖底に水没していた教会の塔が湖面に出てきたようだ。シンボリックな写真なので気を引くが、冷静に渇水現象を検証する必要がある。

貯水池水位の変動については以前キルギスのトクトグル貯水池の水位低下に関して本ブログでも述べた。計画の範囲で水位が最低水位まで低下することは想定内である。10年とか20年に一度最低水位になることを想定していたのに、それ以内で急激に水位低下が起こったのかを降雨などの変動とも関連し分析することが必要になる。

もちろん、利用水量が6%に落ち込むと水力発電的には大変な事態だ。ヴェネズエラは水主火従で水力の割合は7割弱と聞く。異常事態であることには間違いがない。

ただ、こういう写真が気候変動で異常渇水が起こったと一般市民に理解されると詐欺行為に繋がるとちょっと心配してしまう。

湖面ではなくラハールによって土砂に埋まった無残な教会の塔は比国ピナツボで多く見ているが、近くには人間の骨もたくさん埋まっていることに比べればそうシリアスな風景ではない。

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