2010年3月13日土曜日

594:コンサルの経験年数と件数

クライアントの案件公示を見ると経験年数が提示されている。最低で8年から最高で28年ぐらいかな。一般的には13年から17年という指定が多いと思う。団長とかだと最高クラスが要求されることになる。団長のレベルが落ちてきたとクライアントから聞いているけど。

では、8年の経験で受注できるかというと、それはかなり難しい。競争の世界だからそれ以上の経験を有する方が受注してしまうケースが多い。

13年から17年のケースでも実質30年の実務経験者が多く応札するので、学卒15年程度では勝ち目はなさそうである。25年以上の経験を有することができれば何とか受注確率が高くなる。だから、45歳ぐらいまではたくさんの案件にどんどん参加して輝かしい業務実績を確保する必要がある。会社の評価とクライアントの評価は全く違うと思わないといけない。

小生の場合だと、88年ぐらいから海外案件に参加し始め、22年後の現在約50件の案件に参加している。水に係る広い領域に跨る。国際機関のお仕事は世銀団長など8件になろうか。その辺の事情は以前書いた。

調査団として参加する場合は個人の評価があまり分からないので、相当年を取るまで自分の実力や経験がクライアントからどれだけ評価されているか分からない。自分自身も03年まで経験がなかった。会社という看板に頼らない場合は落ちるか受かるかはその人だけの力量が分かってしまうので結構大変なのである。落ちたらみっともないし。経験した案件の業務を1件1件きちっとまとめておくのもいい。自分の業務実績のM&Eだ。業務実績の過去、現在、未来を有機的に結び付けておく。過去の経験を捨てるといつまでたっても実績が軽くなってしまう。

もし若いコンサルの方に助言するとすれば、団長経験を経て20年から25年ぐらいの経験を持ったら、早いところ大組織から脱出して「独立的」に活動すべきだと思う(独立ではないので注意)。それまでは修行だから何とか我慢して兎に角経験と知見と社外の人脈を作ることに務める。40代後半から独立的な活動の機会を慎重に検討し、行けると思ったらさっさと組織から脱出することだ。今のコンサル会社で50代を心身ともに充実して乗りきることは至難の業だから。定年したら抜け殻になってしまう。

これが国際開発コンサルの「苦行と成道」だと思う。確信はないが。でも20年以上辛抱するのは結構大変だ。奥さんのサポートと理解があるといいね。勿論、勉強は一生続くし、健康第1である。それとクライアントさんには常に誠実に接すること。虐められてます、だなんて死んでも言ってはいけない。コンサルの甘えである。

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