2011年3月15日火曜日

1150:Safe in failure

数日ぶりの投稿である。あまりにも悲惨な震災の状況を見続けていると喪失感で気力が落ちてくる。生存するものとしての使命を果たさなければと気力を奮い起こすことが必要だ。

陸前高田に住む親せきの家族の消息は今だ分からない。

さて、電発の危機管理である。原子力は素人であるが、システム全体の危機管理はどうだったのであろうか。

BBCを見ていると専門家が多数でて今回のメルトダウンについて考察を行っているが、日本からの情報が少ないためにやや困惑しているように思える。

我々ダム屋の世界でも、海外ではダムが崩壊した場合のダムブレイク解析が危機管理上の常識になっている。ダムは絶対に壊れないと想定していればダムブレイクの解析は不要である。海外の途上国でも環境影響評価を実施する場合、ダムの崩壊に係る洪水湛水解析を行い、崩壊した場合の住民避難対策を万全にすることが求められている。インドネシアやマレーシアで実施した経験がある。PMFの適用も同じことである。

構造物が絶対に壊れないという立場を取ると、やはり危機管理は不完全になると思う。

安全神話が崩れてしまう。

最悪のシナリオばかり考えることは良くないが、想定外の自然の脅威は過去の大震災などで分かっているはずだ。

人の命は尊いのはもちろんだが、自然の前には絶対に立ち向かえないことを思い知った。

まさか予備のポンプが浸水で故障とは思いもよらなかった。

南部アフリカでこの2年滞在し、停電、断水、通信不通、食料不足、ガソリン不足が日常茶飯事だったが、まさか文明国の日本がそう云う状況になるとは思わなかったが、ある意味、力強く生きていく根源的な能力開発を日本人が認識するいい機会だとポジティブに考えることも大事なのかなとも思う。

気候変動の影響が具体に出てきた時の準備のためにも。

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