2011年3月2日水曜日

1125:マスタープランのあるべき姿

3日ぶりの投稿である。

さて、30年で全国を対象とした水資源マスタープランは4件、流域対象では数知れず経験してきた。

それぞれ時代を反映してか、作業の中身には大きな違いがある。

例えば、流域水収支モデルに関しては、

30年前:実施なしで、流域ごとに貯水池容量―使用可能水量関数を決定し開発ポテンシャル地点で推定。そのころ国内では流域開発最適化モデルが実験的に行われていた。

20年前:大流域で、始めて流域全体のモデルを作成。かんがい、給水、などを主な需要として、給水はダム群。ダムの運用を最適化した。フォートランでまだウィンドウ化していない。暫くこのモデルを使い各水資源開発案件で利用。

10年前:10年後の全国対象マスタープランに参加。前述のモデルは利用できなかった。オランダからJVで参加したコンサルがエクセルで作成。陳腐なモデル。時代に逆行した。

現在:流石に56歳。この10年では団長などをしており、水収支モデルには係れない。気がついたら、日本のコンサルはモデル化にかなり遅れていることが発覚。

世界的には多くのモデルがあり、水資源管理上重要なツールとなっている。

さて、これからコンサルはどう水資源管理に対応するのか?汎用性のある世界的モデル群を会得せず、管理業務に係れるのか?

再現性のあるモデル化が水資源開発管理の持続的運用には欠かせないのだ。M/Pの大量の文書を作成し終わりでは、技術協力とは言えないだろう。問題意識すらない。

この10年コンサルは経営悪化と人材不足で研究開発が出来ず、また競争がないため切磋琢磨してクライアントに高い技術を提供することが出来ていない。残念至極である。

小生の出番かなとも思うが、今年57歳。大調査団の団員を全て教育するのは実際疲れるねえ。若手中堅コンサルはもっと頑張ってほしいものだ。

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